国立国際美術館新築移転5周年記念 絵画の庭-ゼロ年代日本の地平から
会場: 国立国際美術館 地下2階、3階展示場
大阪府大阪市北区 中之島4-2-55
期間: 2010年01月16日(土)~2010年04月04日(日)
開館時間:10:00~17:00(入館は16:30まで)
* 但し、金曜日は10:00~19:00(入館は18:30まで)
* 展覧会によって観覧時間を変更する場合があります
休館日:月曜日(月曜日が祝日の場合は翌日が休館)
先日、大阪出張の際に行ってみたので今更ながらの感想を。
奈良美智の作品↓などが結構集まっているらしいので興味があったのだ。
初めてお邪魔した美術館だが、広々しておりとても気持ちの良い空間だ。
1Fのロビーでチケットを求め、エスカレーターで地下へ降りて行く。
地下2Fまでのエスカレーターから右手の空間を見下ろすと ↑ の「The Littele Judge」by 奈良美智 が吹き抜けの壁面を飾っている。かなり巨大だ。
奈良美智の作品が村上隆と並んでNYなどで高値で取引されていると聞いて驚いたのは遥か昔のこと。
わかりやすい、デザイン化されたようなマンガチックな画風がどうも理解できなかったセンスのない私。
でも、今回やっとわかった。
ここまで単純化できているのに、色彩もデザインも人を引きつけるものが確実にそこにはあった。
やはり実物を見ないとわからないこともあるのだと、いまさらながら思ったのだ。
本展覧会では、奈良美智作品は8点だったがそのほとんどが巨大。
そんな中で、無自覚に意識を、感情を揺さぶられた1点があった。
「After the Acid Rain」
上記の絵に似ていて、女の子が水の中に立っているのだが、なぜかその絵の前で女の子を見つめ、見つめられているような錯覚に陥った時に、心臓を鷲掴みされたようになった。
とにかく切なかった。
びっくりした。こういったタイプの絵を見てそんな風に思ったことなど一度もなかったからだ。
ああ、この感じなのか・・・。なんだか勝手に納得した。
どんな絵なのかは、興味のある方はぜひ会場へ。もしくは下記URLのギャラリーのサイトでも見ることができるが、やはりあのオーラは伝わらない。。。
http://www.tomiokoyamagallery.com/artists/nara/#fragment-10
現代アートは、インスタレーションや立体作品のほうが面白いと感じるものが多いのだが、今回のように絵画ばかりというのもなかなか面白かった。
他にも気になった作品は何点かあったが、特に気になったのが「ゴールドベルク」by 花澤武夫。
ゴールドベルクといえば、バッハ⇒グレン・グールドの名演奏と連想するのは多分普通。
グールドのバッハは好き嫌いが分かれるところだが、私は大好き。
解説を見るとやはりそこからインスパイアされているとのこと。名作の再構築らしい。カラバッジオの果物の絵がモチーフとか書いてあったような気がする。
おそらくこの絵かな?似ているからそうだろうと勝手に思う。。。
他にも興味深い作品が多く、思いのほかたっぷり時間をかけてしまったが、いいひと時であった。