2023/24年D1プレイオフ準決勝埼玉ワイルドナイツvs横浜キャノンイーグルスの試合を秩父宮ラグビー場で観戦。20-17での埼玉ワイルドナイツの勝利。以下、レポートいたします。(長文で失礼します)


【戦術】
〈埼玉ワイルドナイツ〉
・攻撃
ポッドでのFWフォーメーション 1331→1322など可変。
左右に展開して相手ディフェンスラインを横に広げたうえ、(相手ディフェンスの飛び出しによりギャップを含めて)ラック周辺スペースでの突破を図り、またパントや50/22等のキックを織り交ぜてスペースを使っていく。また、ディフェンスからの素早い攻撃を展開。
・守備
ディフェンスシステム
ラッシュアップディフェンス主体で、
エッジのディフェンスでスライドディフェンスを併用。
相手キック時の対応 2人

〈横浜キャノンイーグルス〉
・攻撃
ポッドでのFWフォーメーション  

4ポッドを基点として3ポッドにも可変。
No.8マフィなど突破役としてポッドで基点を作ったうえ、ダミーやループなどフロントドアを使って、相手ディフェンスを内によせながら、外のスペースでの数的優位を狙う。
・守備
ディフェンスシステム
ラッシュアップディフェンス主体で、時折CTB梶村やクリエルなど外から前に出るディフェンスも使用。
相手キック時の対応 2人

【得点】
埼玉ワイルドナイツ    20(前半13、後半7)
横浜キャノンイーグルス 17(前半3、後半14)

(ワイルドナイツ) (イーグルス)
T G PG DG T G PG DG
2 0 1 0 (前半 )0 0 1  0
1 1 0 0(後半 )2 2 0 0

【退場】
なし

【シンビン】
58分 岡部(横浜キャノンイーグルス)


【試合の流れ】
(前半)
まず、試合の流れを掴んだのはワイルドナイツで、4分に、中央エリアでのラック形成から、SO松田がラック周辺のスペースを突破して、そのままランして右に並走していたCTBデアレンデにパスし、デアレンデがゴール前まで持ち込んだ後、ラック形成からの右順目展開にて、最後はWTB竹山がゴール右隅にトライして、ワイルドナイツが5-0と先制する。
イーグルスもその直後の5分に、敵陣22m中央にて、ノットノールアウェイの反則によりペナルティを得て、SO田村がPGを決めて、3点を返す。

しかし、ワイルドナイツがボールポゼッションからの左右への展開によりチャンスを作り、9分には、中央エリアでのラック形成からの左展開にて、WTBコロインベテが左サイドの突破に成功し、最後はコロインベテからパスを受けたLOコーネルセンがゴール左隅にトライして、ワイルドナイツが10ー3とする。

ワイルドナイツは、順目展開からのラック周辺を狙い、ブレイクダウンで有利に立つ。

ワイルドナイツは、27分に、敵陣22m内左にて、イーグルスボールのスクラムにてコラプシングの反則を誘ってペナルティを得て、松田がPGを決めて、ワイルドナイツが13-3と突き放す。

これに対して、イーグルスは、田村がラック形成からのフロントドアによるループやダミーを使ったプレーによりワイルドナイツのディフェンス網を突破しようとするも、ワイルドナイツの固いディフェンスにより、ノックオンやノットリリースザボールの反則を取られてしまい、チャンスを作れず、前半はワイルドナイツが13ー3とリードして終了。

(後半)
前半にリードを許したイーグルスは、後半早々から、No.8マフィを突破役として、ラック形成からの打開を図り、また田村を中心として、CTB梶村やクリエルらを使ってフロントドアのダミーを使ってラック周辺にて相手ディフェンスを引き寄せたうえ、外での数的優位を作ろうとし、チャンスをモノにする。

イーグルスは、44分に、敵陣奥での左ラインアウトからのモールにより、最後は、FLハラシリがゴール左にトライし、田村のゴールも決まり、イーグルスが7点を返す。

イーグルスは、更に、53分にも、敵陣10mでのラック形成での左展開から、田村の10シェイプからのフロントドアのダミーを使った攻撃により、ワインドナイツのノミネートを混乱させたうえ、パスを受けたFLブラウンからWTB竹澤にパスが渡り、竹澤がそのままゴール左隅にトライし、田村のゴールも決まり、イーグルスが17-13と逆転に成功する。

これに対して、ディフェンスでのノミネートにて混乱が生じていたワイルドナイツは、すぐさま反撃に出る。

ワイルドナイツは、59分に、中央エリアでのラック形成から、松田が相手ディフェンスが外から飛び出したギャップを突いてラック周辺から抜け出して、そのままゴール前まで進出して、イーグルスのタックルを受けたものの、フォローに入っていたデアレンデがラックから持ち出して、ゴール中央にトライし、松田のゴールも決まり、20-17と再逆転に成功する。なお、そのラック形成の際に、イーグルスPR岡部がラックに正当に入らなかったうえ、ラックにて手を使った悪質な反則によりイエローカードの処分を受ける。
その後は、両チームとも、攻守とも激しい展開となる中、イーグルスの攻撃をワイルドナイツの固いディフェンスが凌いで、ワイルドナイツが20-17と勝利してプレイオフ決勝進出。

【ラインナップ】
(埼玉ワイルドナイツ)
第一列(123)ペレズ(46分 ミラー)、坂手(46分 堀江)、藤井(46分 アサエリ愛)
第ニ列(45)コーネルセン、デアハー(71分 ハアンガナ)
第三列(687)ガンター、大西(31分 福井)、ボーシェー
SH(9) 小山(80分 内田)
SO(10)松田
CTB (12、13)デアレンデ(80分 山沢京)、ライリー
WTB (11、14)コロインベテ、竹山(61分 長田)
FB(15)山沢拓

(横浜キャノンイーグルス)
第一列(123)岡部(71分 安)、庭井(36分 中村)、杉本(40分 祝原)
第ニ列(45) モリ、フィリップ
第三列(687)ブラウン、マフィ(63分 安)、ハラシリ(51分 ヴァカラヒ)
SH(9) 荒井(60分 天野)
SO(10)田村
CTB (12、13)梶村(67分 ヤンセファンレンズバーク)、クリエル
WTB (11、14)竹澤、タカヤワ(60分 松井)
FB(15)小倉

※一時退場は含まず。

【勝負の分かれ目】
ワイルドナイツが相手ディフェンスを読んだの密集サイドを突いて逆転に成功したことと、接点を含むタイトなディフェンスとゲームコントロールで、イーグルスの攻撃を防いだこと。

【まとめ】
ワイルドナイツは、イーグルスのデザインされた攻撃で、ノミネートが混乱する場面があったものの、要所要所でのブレイクダウンやディフェンス対応により、イーグルスに再逆転を許さなかった。勝負どころでのツボを心得た試合運びで、ワイルドナイツの底力が十分に発揮された。


イーグルスは、戦術分析によりブレイクダウンやディフェンスシステムでワイルドナイツに対抗し、またデザインされた攻撃オプションも十分に発揮して、イーグルスらしさが存分に出ていたが、あと一歩及ばなかった。

リードした場面もあり、悔しい敗戦。