うつわになるまでの作品づくりの中でも、しょっぱなの作業が「木取り」です。
実際には材料の仕入れがその前にあるのですが、「自分で何がしかの作業をする」ことをが「作る」ことであるとすれば、「木取り」こそが最初の作業でかつ、作品の雰囲気を左右する非常に重要な仕事と言っていいと思います。
特に栃の木は、杢のあるものもあればないものもありますし、杢のある木でもその現れ方は本当に様々。
その材料から、出来上がりの雰囲気を想像しつつ、「〇」を「エイッ」と書きます。
この木の場合は、幅(上下方向)はもう少し大きいものが取れそうですが、
そうすると中半端に余ってしまうので、
結局直径3.8寸の丸を書いて丁度でした。
小鉢程度の大きさですね。
写真上に何種類かの〇があるように、これが結構迷うのです。
出来るだけ杢のはっきりした部分を使いたいけれど、それだと歩留まりが悪かったり・・・
でも、ここでいい加減に決めてしまうと、仕上がった時の後悔の大きさは計り知れないものになります。
なので、この「木取り」という地味な作業を、しっかり時間をかけて納得いくまでやるのです。
仕上がりのイメージを膨らませつつ、ちょっぴりわくわくしながら。
この木も半乾きの状態なので、今年の秋の展示会頃からお目見えする予定で~す。