観戦日記「祭りと崩壊」
監督です。
numberのスポーツライターから観戦日記の原稿が届きましたので紹介します。
9月号の巻頭カラーで特集されます。
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超攻撃型オーダーで臨んだイブヒンの戦い。
いきなりその効果があらわれた。
一回表、1番に大抜擢されたヨトーが右中間を破るツーベース!
セカンドベース上でコブシを天に突き上げるヨトー。
沸き立つイブヒンベンチ。浮足立つ相手ベンチ。色めき立つ消防士。
「兄貴が打ったけん、おいどんも打つバイ!」
ゴリも内野安打で続く。
「あいつら・・・いつの間にかたくましくなりやがって・・・なんだよこの感じ・・・心が熱いぜ・・・」
オヤマ兄弟の奮闘に、シャチョー、ハブが連続タイムリーで応える。
イブヒン、いきなり2点先制!
逆転されて迎えた三回表、ゴリ、シャチョー、フォマールが塁を埋めて打席に向かう7番イケジ。
「イブヒンの1番はワイやで!ヨトーなんかに負けてられまへんがな!ハチキタは神戸ちゃいまんがな!」
痛烈な打球が外野を襲う。イケジ、意地の逆転2点タイムリー!!
またまた逆転され2点ビハインドで迎えた4回表。
1死からヒットでヤシーが出塁。しかし調子に乗る悪いクセが出て牽制であえなくアボーン。
2死ランナーなし。しかし今日のイブヒンはこれまでと違う。
シバタ、シャチョー、ハブの3連打で満塁とすると、打席にはフォマール。
白のワイシャツにスカイブルーのネクタイ。細身のワンタックスラックスにリーガルの革靴。
アンパイヤとの名刺交換を終えると、黒のステッキをバットに持ち替えゆっくりと打席に入る。
まるで相手投手との商談を楽しむかのように、一度、二度、ファールを重ねる。
そして迎えた5球目。いつもと寸分違わぬフォームで弾き出された打球は、あっという間にレフトを超える。
一人、二人とホームに帰る。同点・・・いや、もう一人駆けてくる男がいる。誰だ、誰だあいつは。
・・・ハブだ。あれはハブに違いない。ついにやつが動いた。
セカンドベースを蹴り、そしてサードベースも蹴る。
「ワッショイ、ワッショイ」
もう彼に迷いはない。ホームベースしか見えない。やはり彼には祭りが良く似合う。
「ワッショイ、ワッショイ」
中継からバックホーム。
真珠湾で海兵隊を追い詰めた竹やりのごとく、ハブの背中をボールが追う。
駆けるハブ。迫るボール。滑るハブ。構えるキャッチャー。
「ドカン!」すさまじい轟音を残して、場が静まり返る。皆が一斉にアンパイヤを見る。
「セーフ!!」
フォマール走者一掃逆転3点タイムリー!!
またまたまた逆転され迎えた5回裏。イブヒンの守備。ビハインドはわずか1点。
ここを乗り切れば、次でかならず逆転できる。全員がそう確信していた。
立ち上がる監督。レフトを見る。うなずくレフト。
「ピッチャークローン」
どよめく場内。ビハインドの場面で抑えの切り札が今季初登板。
監督には狙いがあった。夏場で連投が続くエースシャチョーの温存。そして勝利への強い意思表示。
淡々と投球練習を続けるクローン。
顔には微かな笑みが。さすがベテラン、頼りになる。野手陣の空気がピンと張りつめる。
「プレイ」
独特のフォームから繰り出させるストレート。
・・・なにかおかしい。ブルペンでの勢いがない。腕が縮こまって子猫のようだ。
「ボール」
「OK、OK、いいボール!」
「ボール、ボール、ボール」
「ドンマイ、ドンマイ、打たしてこ!」
「ボール、ボール、ボール、ボール・・・」
「・・・どんまーい・・・」
「ボール、ボール・・・だからボールだってば!」
切れるアンパイヤ。テンパるクローン。目がうつろだ。今の彼には誰の声も届かない。
外野で虫を捕る子供たち。それを眺める野手陣。イブヒン、ここにきて崩壊。
一人、二人・・・六人目を歩かせたところで、監督がタオルを投げ入れる。うなだれるクローン。
後を引き継いだホーショーがピーゴロ→ホームアウト作戦連発で見事な火消し。
最初からホーショーにしとけば・・・、いやいやもう後の祭り。この回5失点。
もはやこれまで。完全に意気消沈したイブヒンに、ひっくり返す力は残っていなかった。
9-13
打線の組み替えによって猛打爆発するも、イブヒン、悔しさが残る敗戦。
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監督の談話
「クローンの乱調が誤算?だからどうした?起用したオレの責任だ。選手は悪くない。使えるヤツは飯が食える。使えないヤツは消えていく。そういう世界だ。それだけだ。勝負は秋だ。慌てなさんな。」
8/28超攻撃的オーダー
ポイント
・オヤマ三羽烏を積極起用
・抑えクローン初登板
・9番オレ
1中ヨトー→ハヤシ
2左ヤシー→投
3右ゴリ →シバタ
4投シャチ→左
5補ハブ
6一ふぉま
7三イケジ
8遊ほしょ
9ニ監督→イマヒ
継投
シャチ→クローン
応援歌
123番がデドボォル♪
456番がヒットエンドラン♪
789番がタイムリィ♪
抑えクローンが綱渡りィ♪
いいぞ頑張れイブヒンズゥ♪
燃えよイブヒンズゥ
メイクイブヒン!!
監督です。
ドラマチックな幕切れで、
ついに今シーズン初勝利!!
お待ちかねの成績もうぷします。
各自、ランキング一位を目指して、また次戦も頑張りましょう!!
~以下、現場の新外国人スコアラーより~
■戦況
序盤はファーストのエラーが目立ち、相手に得点を許してきた。
9-1で迎えた最終回裏の異部品会にドラマが始まった。
ヨトウの韓国式デッドボールを皮切りに打者一巡の猛攻。
社長のホームランも飛び出し、最後やイケシマさんの犠打により
ヨトウがホームインして一挙9得点してさよなら勝ち。
■所見
エザキ持参の塩飴を支給したところ、
序盤は口の中の水分を吸い取られ苦戦。
しかしこの暑さの中、最終回に脅威の逆転劇を起こせたのは、
最後まで熱中症を抑止しメンバーの気力を維持させた
塩飴のおかげであると信じている。
ミステリー
監督です。
野球人たるもの、文芸をおろそかにしてはいけません。
最近話題の道尾秀介という作家を知っていますか。
以前、↓をなんとなく買ってみました。
読んだ後に、ここまで強烈な後味が残ったことは、記憶にありません。
とてつもなくおもしろかった、でも家族には薦めたくない、そんな物語でした。
連休も残り2日。勇気のある方は、ぜひお試しください。
監督レビュー ★★★★★
http://www.shinchosha.co.jp/book/135551/
↓こちらは今読み終わりました。↑よりはマイルド。
監督レビュー ★★★★☆
http://www.kobunsha.com/shelf/book/isbn/9784334748074








