外債という名のアヘン(13)

 ロダンソンは、次のように結論する。

  「エジプトの実験は、英仏間の四半世紀にわたる敵対関係によってのみ、発展するこ

とができた。ヨーロッパの協調が一八四〇年、やむを得ずに回復すると、実験は阻止さ

れてしまった。ヨーロッパの覇権が西洋資本の進出を強制し、イスラムの東洋を工業化

したのも西洋資本だった。土着の資本主義はヨーロッパのモデルに従って、それを模倣

することによって、だがおおむねヨーロッパ資本主義の支配の下に発展するようになっ

た。ヨーロッパの優位性はこのような発展を非常に困難なものとした。とりわけ、欧州

諸国が占有していた技術の先進性、産業保護政策の欠如、強制された自由貿易、独立を

保ちながらも経済的、軍事的脆弱性に起因する不利な公的資金調達手段などのために発

展の過程は困難を極めた。このようなヨーロッパの覇権が存在しなかったら、土着の産

業資本主義が、日本で発達したと同じように発展しなかった理由はどこにもない」(10)

 (10) Islam and Capitalism, p. 131


アラジン3世のバイトルヒクマ(知恵の館)-英軍砲撃