トルコのくびき(5)

 トルコの要人中ただ一人の硬骨漢アリ・パシャが七一年九月に世を去ると、イスマイルはトルコ買収工作を再開した。二年半、百万㍀強をかけた工作の結果、スルタンは副王の実質的な独立を認める勅許状を七三年六月、公布した

▽副王の長子が相続できない場合、副王の最年長の弟が相続すること。

副王は未成年者の相続に備えて、摂政会議を任命できること。

▽装甲艦の建造に勅許状を必要とする唯一の例外を除き、エジプト軍の規模に制限を設

けないこと。

▽内政の完全な自治。

▽トルコの権益に反しない限りにおいて、通商と産業を振興し、外国人とエジプト政府・

人民の関係を規定する目的のために、関税、通商、外国人との関係や内政に関するあらゆる条約を列強との間で更新、締結できること。

 トルコの承認を得ることなく、エジプト政府の名において、必要ならばいつでも、投資や財政の管理の目的で外国債券を発行できること。


アラジン3世のバイトルヒクマ(知恵の館)-スエズ運河2