☆天皇賞・春
【第169回・GⅠ】
京都競馬場・芝3200m(外回りAコース)
4歳以上オープン/定量
◎⑤ブローザホーン
○⑭テーオーロイヤル
▲⑫ドゥレッツァ
△⑩サヴォーナ
△⑦タスティエーラ
△⑨シルヴァーソニック
自信度:B-
予想は馬体重の大幅な増減の有無による影響、パドックでの状態などを十分考慮の上、馬券は自己責任でお買い求めください。

昨日からゴールデンウィークに突入。世間では10連休という人もいるらしく、羨ましい限りである。
筆者は医療関係の仕事なのでカレンダー通りに火水木は休みではないが、それでも3日間行けばまだ4連休が待っていることや、何より2日間握手会に参加すると全身に疲労が半端なく、月曜日がオフなのはとてもありがたい。

競馬においては先週の中休みを挟んで今週からは安田記念までG1連続開催。いよいよ天皇賞・春を迎えるが、困ったことに今年はメンバーのレベルが若干低く、なんとも胡散臭い。B-にしたがCでもいいくらいなのでブリリアントSの記事を上げておいた。今日は香港チャンピオンズデーも行われて日本馬も参戦しており馬券も買えるので、よく吟味して買ってほしい。
日本馬?プログノーシスはチャンスがあるかもしれないが、あとの日本馬は蹴って妙味だろう。

■テーマ

天皇賞・春は、いわば「競輪」である!

■狙い方のポイント

「何を言ってるんだコイツは?」と思われたかもしれないが、天皇賞・春というレースの性質を理解していれば納得できるだろう。

天皇賞・春は3200mという国内最大級の長距離で行われるが、「スタミナレース」ではない。

詳しくは阪神大賞典の記事で説明してあるので見ておくと参考になるだろう。◎テーオーロイヤル、評価を上げろと追記した△ブローザホーンでバッチリ的中している。
国内最大のスピード&パワーを併せ持つ総合力スタミナレースが阪神大賞典であり、スタミナに特化した超持久力レースがステイヤーズSだとして、天皇賞・春は何かというと、レースの半分以上の長い助走を経て行われるスプリンターズSだと思えばいい。

だから「競輪」なのだ。あれは途中までは抜いてはいけないペースメーカーがいて、出身が同じ選手同士でラインという隊列を組んで駆け引きをしながらゆっくりゆっくり走る。ペースが上がってレースが始まるのは半分以上走ってペースメーカーが抜けたあとである。
天皇賞・春も同じ。確かに3200m走ることは走るので短距離馬やマイラーでは厳しいが、レースはペースが上がった後半を速く走りきるスピード能力が絶対的必須になり、毎年活躍するのは中距離馬である。だから毎年、スタミナ自慢の馬が天皇賞・秋でも走れるようなトップレベルのスピードを持つG1馬に一蹴される。
昨年もディープボンドとシルヴァーソニックが天皇賞・秋で最強馬イクイノックスに続いたスピードを持つジャスティンパレスに鼻で笑われて楽勝された。

今年のメンバーが低調で胡散臭いと筆者が述べた理由が分かるだろう。
上位人気を形成しているのは近走全て3000m超えのレースを走ってきた超スタミナ型の馬と、「ウンコ世代」と筆者が呼んでいる過去最弱かもしれない現四歳世代に、天皇賞・春で好走した記憶がない牝馬である。信用できるわけがない。

■予想詳細

本命はブローザホーン!

昨日のユニコーンSを人気で負けたムルソーがそうであったが、「○馬身差の圧勝」というのは相手が激弱だったか、その馬だけが得意としていた(苦手としない)何かしらのファクターがあっただけのこともあるので、安易に信用してはいけない。

ブローザホーンが昨年、不良馬場の烏丸Sを5馬身差でブッちぎった時も道悪巧者なのだろうと判断したもので、その後函館記念でローシャムパークに負けたあと稍重の札幌日経オープンをまたも6馬身付けて大楽勝したことで、筆者の中ではパワー型の道悪巧者というイメージが確立されていた。

そのイメージを見直したのが今年に入って迎えた日経新春杯(1着)と阪神大賞典(3着)である。

日経新春杯では昨年のクラシック戦線を盛り上げた現四歳世代からハーツコンツェルト、サヴォーナ、サトノグランツが出ていたが、1kg余計に背負っていたブローザホーンがもろとも飲み込んで快勝。京都競馬場外回りのG2を快勝できたことはスピード能力があることの証左である。思えばその頃から徐々に今年の四歳世代最弱説が確信に変わっていった。
そして阪神大賞典ではスタミナ型最強馬であるテーオーロイヤルに圧勝されたが、ダイヤモンドS組のスタミナ馬でワンツーが決まったように、完全にスタミナが問われた。むしろそこで負けていることが今回を考える上では好印象とも言える。

今回は日経新春杯で対戦した現四歳世代に菊花賞馬ドゥレッツァと日本ダービー馬タスティエーラが加わり、阪神大賞典で対戦した超スタミナ型の最強馬テーオーロイヤル他とも再戦になるが、現四歳世代で相手になりそうなのはドゥレッツァくらいで、スピード能力が要求されてテーオーロイヤルがパフォーマンスを落とすようならこれも互角以上に戦えるはず。

5番人気だと思われるが、それなら妙味は十分である。

菊花賞馬エピファネイア(今週引退した懐かしのオリビエ・ペリエ騎手の相棒シンボリクリスエスxシーザリオ)に母の父は電撃スプリンターことデュランダルというなんだかものすごい血統。笑
菊花賞馬が活躍してきたレースでスピードが求められるというこのレースにピッタリである。

鞍上は若手のホープ菅原明良騎手。若手の中では坂井瑠星騎手と岩田望来騎手のことばかりクローズアップされるが、一枚抜けきった坂井騎手はともかく、筆者は岩田望来騎手より同期の菅原明良騎手の方がしっかり乗ってくれるイメージである。先にG1を取るのは菅原明良騎手かもしれない。


対抗にテーオーロイヤル。

何故本命にしなかったのかはさんざん書いてきた。
天皇賞・春というレースはその性質上、阪神大賞典やダイヤモンドS、ステイヤーズSを走ってきた馬が出てくるが、こういった3000m超えのレースをずっと使ってきた馬は長い歴史のあるこのレースで全く勝っていないのである。
阪神大賞典の5馬身差圧勝は確かに素晴らしく、ステイヤーの中では最強なのは間違いないのだが、こういう馬がもし史上初めて勝ってしまうと「今年の天皇賞・春はなんだったのか」という話になる。

▲ドゥレッツァ△サヴォーナ△タスティエーラと、面倒くさいのでウンコ世代こと現四歳世代をまとめて並べてしまって、ドゥレッツァ以外は頭はないと思っている。

▲ドゥレッツァは菊花賞馬。今となってはこの世代の最強馬はもしかしたら実はベラジオオペラなのではないかとすら思っているが、菊花賞の圧勝劇は今でも思い出すほど素晴らしかった。
金鯱賞がプログノーシスに惨敗でイメージが悪いが、叩き台仕上げで59kgでもあり、通ったコースも全然違っていたことを考えれば、復権のチャンスはもちろんある。

ただね、、昨日のユニコーンSもそうであったが、戸崎圭太騎手が関西の京都競馬場の天皇賞・春を勝てるイメージはゼロに近い。彼は川田騎手のような判断能力と修正能力が絶望的になく、ソングラインのように「乗っていたら勝てた」という馬でしか勝てない。
実は皐月賞のジャスティンミラノもそうで、あれは戸崎騎手でもしっかり走れるように調整した故・藤岡康太騎手が勝たせたもの。

△サヴォーナは何度かお世話になった馬で、ある程度しっかり走ってはくれるのだが、神戸新聞杯2着、菊花賞5着、日経新春杯2着。どうも勝ち味に遅い。
これでもし天皇賞・春を勝ったら目が点になる。

△タスティエーラはいよいよ危ない。何がって、筆者がさんざんバカにしている「だいたい弱いダービー馬」の仲間入りをしそうなことである。
印を付けたのはタスティエーラにではなく、モレイラ騎手にである。

△シルヴァーソニックは八歳馬だが、元は◎テーオーロイヤルとも互角に戦っていた馬。そもそも昨年の天皇賞・春3着馬であり、球節炎で10ヶ月休んでいた休み明けの前走・阪神大賞典はあくまでも叩き台。一応抑えておきたい。