ATU-100, ATU-150の改良のアイデア
安価なキットで、発売からすでに数年たっていますので、広く使われているATU-100ですが、キットのままでも無線機のそばで使用するには、あまり不便を感じることはありません。最近。HAM World 2026年1月号にJP3DOI正木潤一OMが紹介された、ハードケースに収めて、屋外型のATUとして使うアイデアの掲載1がありました。私は、この記事をもとにして、移動運用を想定した改良をしたので紹介します。
記事では同様のケースにアイコムのATU AH-705の内部基板を乗せ換えてタフネスを向上するというものでした。私は、このAH-705を分解して使うのではなく、中華ですが安価に販売されていたATU-100 7x7ケース付きを組み立ていたものを使用して使うことにしました。何もないところから始めるのであればケース付きでないキット(基盤と部品のみ、ケースがない分、格段に安い)を購入して組み立て、caseとして、工具用気密ケースを用いるとよいと考えました。オリジナルのケースに耐水性はなく、基板とぎちぎちに設計されたケースなので、追加回路を入れるのは不可能に近いものです。
ATU-100 Kitの組み立てについては以前のブログを参照にしてください。
https://ameblo.jp/iau9229/entry-12900072975.html
改造した部分は、
1. 防水ケースTRUSCO TAK13RE-S3を使って屋外設営用ATUとして工作しました。
2. チューニングのたびにATU設置場所まで行ってリセットボタンを押すのを、シャックからできるように、リセットボタンをバイアスT回路2セットで使えるように工夫しました。
3. 5.6mの中華製ホイップアンテナをエレメントに使うためにM10の長ナットを使ってターミナルを作りました。
4. EFHWアンテナ等、バランからの接続もできるようにM-Jコネクタと、グランドを接続するためのM4ターミナルも設けて各種の移動運用に使えるようにした。
5. 風のないところではあまり大げさにしなくても5.6mのホップが立つように、アルミアングルを使って簡易の足を設けまし。
6. ケース外からも様子が見られるように表示LCDをケースの蓋の内側に取り付けました。ただ使ってみると、アンテナそばにこのATUを置くとこの表示を見ることはほとんどなく、遠くからの視認性もあまりよくなくあまり良いアイデアではなかったので、赤色LEDで電源が入ったかどうかの確認できるくらいで十分ではないかと思っています。
組み込みが済んだATUの内部を示します。
Ham World 1月号の記事に従ってトラスコ中山で販売しているプロテクターツールケースの中からTAK-13RE-Sを選択し、アマゾンを経由して購入しました。
購入後しばらく机の上において、使い方を含めて構想を練ってみた。
目標として、記事と同様なアンテナエレメントの手持ちはなく、手持ちに、中華製の5.6m伸縮式アンテナでAliExpressから購入したものがあったので、これを使用することにしました。そのためにケースに接続用のM10長ナットを固定して使うことにしました。アンテナの根元がM10の雄ねじでできているのでこれで固定できます。
また、グランドラジアルを取るための端子もケースの外にアルミのL型レールを1cm程度切ったものを固定して、取り出しておきます。この端子には手元にあった67cm程度の伸縮アンテナをカウンターポイズとして使えるかもしれないと思い固定しており、使用時はすべて伸ばして地面に平行に伸ばして使うようにしています。
ケースを立てたときに垂直になるように。もともとのケースの底に近い側面に10mm高さのゴム足を2つ付けました。立てると少しかしいでいたのでゴム足の下に2mm圧のアルミ平レールも切れはしを挟んで垂直を調整して、ホイップアンテナはほぼ垂直に立つようになりました。
購入したケースは次に示したカタログのうちのTAK13RE-Sです。
また、RESETボタンを遠隔で動作させるためにバイアスT回路というものをAliExpressで見つけ、2個購入しました。
金額は為替レートによって毎日変化するので要注意です。似たものはいろいろありましたが250kHzから100MHzで使えるものを選択しました。使用周波数範囲がそれぞれ異なるので注意が必要です。
バイアスT回路は以前からよく知られた回路らしく、私は専門家ではないので近所のOMさんに教えてもらいました。その後Webで検索して概要を理解した次第です。回路は高周波に直流電流を重畳させて、同軸回路で高周波と一緒に直流電流を流し、反対側で、直流と高周波を分離して直流電流を取り出す回路です。したがって、バイアスT回路は入力側と出力側にそれぞれ必要です。
購入したバイアスT回路はこれです。2個購入して使用しています。
バイアスT回路と手持ちの直流リレー(G5V-2 12V)1個を使用してサンハヤトの紙フェノール製ユニバーサル基板に配線しました。このリレーは小型で駆動回路の極性がないので使いやすいリレーです。
参考までに回路図を挙げておきます。
回路図の左側はコントローラーです。トランシーバーの出力を「from Radio」につなぎ、バイアスTの「RF+DC」を同軸ケーブルにつなぎ、アンテナチュナーのケースに接続します。
回路図の右側はチュナーボックス内に入れる回路です。この部分はサンハヤトのユニバーサル基板で組み込みました。
コントローラーはこんな感じでできました。ボタンの横のLEDは、リセットボタンを押したときに点灯するようにしました。
内部には、購入したバイアスT回路があり、両面テープで張り付けています。スイッチは、押した間だけ接続ができる、モメンタリー型の押し釦スイッチを使用します。
ケース内に配置したバイアスT回路と、G5V-2 12Vリレーです。簡単な回路をユニバーサル基板上に作成しました。
バイアスTのDC端子からはユニバーサル基板のはんだ面へリードを通し、リレーへとつないでいます。リレーのCOMとNO端子から線を出し、リセットボタンの回路に並列に接続しており、ケース外に設けたスイッチとどちらがONになってもATUのリセット端子はグランドに落ちるように確認します。
蓋を加工してリセットボタンのスイッチと表示LCDを取り付けました。LCDを取り付けたのは天地良いアイデ波ではありませんでした。
内部の様子も示しておきます。
ボックス内部のアンテナ側です。
アンテナ取り付け側の様子。
底面の様子
実績は、2026年1月に行った石垣島でホテルの5階から運用しました。
12mLのEFHWワイヤーを1:64のバランにつなぎ、ホテルの許可を取ったうえでこのATUごと窓の外に出し、エレメントの先端を通路のフェンスに斜めに固定して運用しました。
無線機はIC-705,MAX 10Wでした。運用したバンドは7、18、21MHzのバンドです。
1月12,13日の二日間の島内観光の合間での運用でしたが交信した記録を集計しましたが9エリアを除きすべてのエリアとの交信ができました。
|
Area |
1 |
2 |
3 |
4 |
5 |
6 |
7 |
8 |
9 |
0 |
DX |
Total |
|
QSO |
5 |
9 |
3 |
7 |
1 |
7 |
1 |
2 |
0 |
2 |
7 |
44 |
さすがに10WではSSBでの交信はできませんでしたがFT8でなら、十分に交信できることがわかりました。
ATU-150も安く出ていたので購入しました。サイズがATU-100と比べ少し大きかったので、TAK-8BKというケースにうまく入れることができました。
これには、ホイップアンテナ取り付けの部分は作りませんでしたが、これらのケースは、防水性が高い割には手ごろな金額でおすすめです。
参参考資料
1. IC-705用のアンテナチュナーをもっと使いやすく改造、JP3DOI 正樹潤一、p27~32 Ham World 1月号2026
2. ATU-100 KITの制作ブログ: https://ameblo.jp/iau9229/entry-12900072975.html
3. TRUSCOカタログ:https://trusco.meclib.jp/library/books/orangebook2026_5/book/#target/page_no=142
以上
2026 July 01
追伸:昨日我が家の愛犬が15歳で亡くなりました。彼女は東北震災で被災し、栃木県に保護されていた母親から5月末に生まれ、我が家に引き取られていました。今日火葬に行きます。












