お菓子作りは子どもの頃から大好きだった。お菓子の本も100冊以上持っていたし、職人になりたいと思っていた時期もある。
けれど、いろんな理由で遠ざかること15年くらい。娘の食物アレルギーが治り、子どもたちも少しだけ手が離れて、最近時々お菓子を作っている。
とはいえ、かつてのようにキッチリ分量を測って、甘ーく美しーく作るわけではない。
砂糖はレシピの半分以下に減らしちゃうし、小麦粉の代わりに米粉、牛乳の代わりに豆乳を使うことの方が多いから、仕上がりは昔作っていたのとはかなり違う。
でも、子どもと自分が安心して美味しく食べれれば十分、そんな感じのお菓子作り。
けれど。それでも。
卵と米粉と砂糖と牛乳を火にかければ、段々ととろみがついていく。鍋の縁や底からゴムベラでそのとろみを繰り返し剥がしては混ぜる。
徐々に固さが増してとろっともたっとして、カスタードクリームに変身していくあの短いけれど静かにワクワクする時間。
それはほんとに、加熱という化学反応の面白さであるし、ほんのちょっとの匙加減や火加減、タイミングで、仕上がりが全然変わってくるのは魔法のようだ。
そして、今日はこうしてみようかな、これをいれてみようかな、というちょっとした冒険的な発想やセンス、モノの状態を瞬間的に見極める判断力やそれを実行に移す手際、身体力。
お菓子作りは、身体と頭を使った総合的なアートなんだ!!
この小宇宙を自分一人が作り上げるという壮大なクリエイティビティの興奮!!
しかも食べたい味が自分で作り出せる全能感!!
た、たぎるっ!!←なにがw
なんにしろ、毎週作るのが当たり前だった日々には忘れていた感動。
きっと、子どもの私はこの面白さに夢中になったんだったなぁと、思い出し、言語化して腑に落とせるようになった喜びをじわじわと感じている。
それは、成長するにつれて鈍磨させてしまっていた感覚の細胞が、最近また開いている気がする、生命の喜びの声でもあるのかもしれない。
この手の感動をとりあえず手近にいる夫に伝えているんだけど、いつも反応が薄くて物足りないのでここに書く。
そうか、彼は私に書かせるために薄い反応なのか!←たぶん違うw