少し前のことだけど。
自分の”ほんとうのところ”とは
離れた言葉たちがするすると出てきて
ちょっと違うのに、
上滑りしたまま、
人に向けてしまうことが続いた。
とくに初対面や付き合いの浅い人と話したり、
小手先で創作をしてしまうことが重なって、
それはぱっと見、とてもウケはいいのだけど、
わかる人には上っ面な言葉だと見破られてしまう。
それは自分でもわかっていることだから、
とても恥ずかしくて、
少し落ち込んでいた。
いまこの瞬間の自分の”ほんとう”と
つねに一緒にいたい。
表層の思いや説明や、
誰がしても同じような
使い回された言葉じゃなくて、
しっかりと自分の深いところまで潜って
自分のその一瞬の”ほんとう”の、
形のない思いや感情に
形を与えたい。
口の勢いがよくて、
書くことも手先で出来てしまう
自分だからこそ、
こうして書くときのように、
静かに、
自分に潜って、
しっかりとつかみに行ってから
表すようにしていたい。
そういう言葉だけを
訥々とでもいいから
紡いでいきたい。
いつでも。