こころ~時代の移り変わり
こんにちは!イアムです! さて、書評の最初は夏目漱石のこころを紹介させていただきました。なぜ、いま漱石なの?と思われる方もいるかもしれませんが、理由がございます。結論から先に言わせていただきますと、今まさに平成が終わり令和が始まろうとしているからです。これだけではよくわからないと思いますので、私がこころを最初に入れようと考えたきっかけをお話ししようともいます。 大学時代の文学部の友人から、漱石のこころはおもしろいから読んでみろと薦められて、読んだことがあります。しかし自分で読んだ感想はよくわからないが正直なところでした。その後歴史学を先行していた友人にこのことを話すと、実は漱石の小説はその時代背景がわかっていないと本当の意味で理解できないものなんだと教えられ、明治~大正になにがあったのかを調べたうえで改めて読み直しました。すると、明治~大正はその前後で思想が劇的に変わった時代であることがわかりました。武士道をはじめとした封建主義的な価値観から西欧の自由主義的な価値観へとかわっていく真っ盛りだったのです。 その中で乃木希典の殉死が世間に衝撃を与えました。いままでの封建的な価値観であれば、主君に殉じたあっぱれな人だとほめたたえているところです。事実、森鴎外をはじめとしたこの時代の高齢者は彼をたたえています。一方で自由主義的な価値観が若者の間で浸透し始めた時期でもあります。なのでたとえば芥川龍之介や志賀直哉といった若い作家達は、むしろ無駄死にしてなにになるんだと感じていたらしく、その後の小説で、彼の殉死を揶揄うような小説を書いたりしています。 夏目漱石は後者の立場でこころを書いています。先生は他人と己に対してひどい不信があり、長い間罪悪感にさいなまれ続けていました。その時に、本文でも乃木希典の殉死のニュースがでてきます。彼はその殉死を自分と同じだと重ねてしまっために、私に手紙を出した後に自殺をしてしますのです。つまりこの小説は封建主義と自由主義の移り変わりを先生と私にあてはめ対比しながら、書かれている小説なのです。だから今現在を生きる私たちであの時代のことを理解できる人はほとんどいません。それがこころの批評が割れる理由にもなります。時代の移り変わり このテーマを出したいと考えたとき、ぜひ出したいと考えた本が夏目漱石の本でした。明人上皇から徳仁天皇へ禅譲が終われば、そこから平成が終わり令和の時代がやってきます。今は時代の移り変わる真っ只中を我々は目撃しているのです。いずれ我々の時代の考え方がわからない世代が出てくるでしょう。だから今、明治から大正になにがあったか、これからの自分たちは何を考えどう生きるかを考えて欲しかったのです。 この1冊の小説、1本の書評があなたの幸せの人助けになることを願い締めさせていただきます。 こころ (新潮文庫) 399円 Amazon こころ改版 (新潮文庫) [ 夏目漱石 ] 407円 楽天