始めに述べておく、吾輩は童貞である。
19歳、彼女という存在も知覚した事なくこの世に生を宿してから我が人生を歩んできた。
大学ではサークル室を横目にコーンマヨパンを啄む始末である。
余談はここまでにして早速本題に移ろう。

我オナる、故に我に性欲あり。

ルネ・デカルトがそう示した通り、人には性欲なるものが存在する。いくら容姿が優れていて、経済的に裕福であろうともそれには逆らえないのである。
デジタル機器に映し出される美貌、その奥にも必ず性なる欲求が存在する。テレビジョンで目にする女優、俳優、歌手も例外ではないのである。度々、不倫などでスクープされる芸能人はそれに翻弄される良い例である。
そのような上流階級にも存在する「性欲」は勿論我々一般市民にも存在する。朕もその内の一人である。性行為のパートナーが存在しない、通称「ソロプレイヤー」たちは人数不足の為「ロールプレイ」を行うことが出来ない。
そこで彼らは性の欲求を自慰行為という形で解消するのである。熱狂のパリオリンピック、パラリンピックの裏では至る所で男子シングルスが行われていた。
朕もその出場者であり日の丸を背負って戦い抜いていたのだ。

いつもの如く纏ってる防具を外しスティックを操作しようとした矢先、それは起きた。
スティックに凹凸がある事に気付いたのだ。
当初はゴミが纏わり付いているのかと感じたのだが、おかしいことにソレは取れようとしない。
その時、脳内の片隅に存在する微かな記憶、そして纏わり付いている物体の形状 
それらを照らし合わせるとある一つの考えが脳裏に浮かんだ。

「あ、これフォアダイスだわ。」

知らない汝らの為に説明しておくと男性の生殖器の6割以上には「フォアダイス」なるものが存在すると言われている。簡単に説明すると脂肪が浮かんできたニキビのようなものであるが、ニキビとは違って小型で数が多く、また自然治癒しないのである。実際に調べてみると分かるのだが、かなりグロテスクなので閲覧は注意が必要である。

この小さなブツブツが🍄の傘の部分に綺麗に一列に並んでいる。まるで開店前にラーメン二郎に並ぶ熱烈なジロリアンのようである。
ここで注意すべきは尖圭コンジローマなる性病と似ている点である。本当は病院に行って性病かどうかの検査が必要であるが、冒頭でも述べた通り朕は童貞であるのでその必要は無い。

性病ではないので治療する必要はないのだが見た目を気にする人は5分ほどの施術を受け取ってしまうらしい。その施術はそこそこ料金が高めらしいのでしない人が殆どだとか。現在はシングルスの選手なので気にする必要がないのだが、将来ダブルスになった場合パートナーから引かれるという恐れがある為朕は非常に悩んでいる。
価格が高額かつ施術の不安もあり思い切って受ける事ができない。

エースの死から目覚めたルフィが発した

「俺は弱い!!!!」

にも同意することが出来る。
朕の意思は弱いのである。

自分のスティックを撮影しながら症状を眺めているとますます気分が悪くなってくる。この症状は治らないので治療しないのであれば、一生付き合っていかないのといけない。そのプレッシャーに押しつぶされそうなのである。

カートに聞かれる。
「Hello, hello, hello, how low?」
朕は答える事ができない。
地の底までに落ちた心は表象できないほどになった。

フォアダイスを見る度に
「Hurry doctor!!」
と叫びそうになるこの心情を汝らは感じたことがあるか?押し潰されそうな賢者の心情を汲み取る事が君達に可能だろうか?

底知らぬ不安と格闘するこの気持ちを今回書き出してみた。汝らも今一度自分のスティックを見直し、存在の有無を確認して欲しい。

ああ、夢ならばどれほど良かっただろうか。

また次回会おう。