今日は気になっている本を紹介します。
「UTOPIA 最後の世界大戦」
足塚 不二雄(藤子 不二雄)
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20XX年、第三次世界大戦は終わりに近づき、A国軍はS連邦の首都マスクワへ総攻撃に移る。追い詰められたS連邦は最終兵器「氷素(ひょうそ)爆弾」をA国に投下する計画を立てた。氷爆の発明者は兵器としての使用を頑なに拒むが、軍部は強行する。一方A国は実験台として戦争反対罪の死刑囚の男を氷爆のシェルターに閉じ込めようとする。このシェルターの中に放射線を当てれば、氷爆の脅威から逃れられるというものである。だが、そこへ見せしめに連れて来られた死刑囚の息子である少年も、シェルターに飛び込んでしまう。A国軍部は敵襲を甘く見ており、この実験をあてにはしていなかったが、ついに氷爆は投下され、街も人々も一瞬で凍り付いた。皮肉にもシェルターの実験は成功し、中で生き残った少年の父は人間の愚かさをあざ笑った。
やがて少年が目覚めると、父は動かなくなっていた。そして少年は大きなロボットに救出された。しかし、地上では100年もの歳月が流れていた。少年が見た100年後の世界は、地球の半分が氷爆の影響のために凍り付いてしまったものの、奇跡的にも復興を遂げていた。だが少年は父の事を思い出し、泣き出してしまう。救出に当たった人々の計らいで、ロボットから頭を殴られた少年は、そのショックで父の記憶を失う。その後この少年は、地救国首都「ユートピア」を目の当たりにする。科学が著しく進歩した「ユートピア」では、人間は200歳まで生きられる様になり、人口は470億人にも増えていた。
ただしこの「ユートピア」では科学至上主義が蔓延していた。大統領の独裁政治により、人間は文化や思想を管理、あるいは抹殺され、ロボットよりも能力の劣った人間や反逆者は「零(ゼロ)の空間」へと送られ、存在そのものを消されてしまうのであった。そしてロボットが人間と置き換わる。そんな中、その体制に不服な人々は、「人間らしい人間の世の中を作る」ため生活を取り戻すため首領の元「人類連盟」を水面下で結成し、体制への反逆を密かに計画していた。そんな中、科学省はロボット警官を作り出すことを決定、人類連盟はその阻止に動くが、結果、それに参加したほとんどの人々が捕らえられてしまう。そして彼等の5日後の零の空間行きが決定する。一方、逃げ延びた首領と少年は研究所へと向かい、首領はロボット大統領を開発する。そして、すんでのところで首領は大統領とロボット大統領の入れ替えに成功。人類連盟の人々はロボット大統領によって解放されたのだった。
しかし、氷爆の影響で自分の考えを持てる様になっていたロボット大統領は、その後ロボットと人間の置き換えを加速させる。工場の工員、学校の教員、議員、研究所、裁判所……。そしてロボット大統領は地球上をロボットで埋め尽くす考えを発表。残された人々は、ロボットの勢力に立ち向かうが、圧倒的な科学力と際限なく作られるロボットの数には到底敵うはずもなく、次々と敗れて行く。そんな中、人類連盟の首領とかつての大統領はロボットの考える力を奪うため、ユートピアに潜入、脳波源を破壊する。しかしそれでも残るすべてのロボットを繰り出され、追い詰められた人類は氷爆により氷漬けにされた都に最後の砦を構える。
最後の時が迫る中、ふとしたことで父親を思い出した少年は戦火をかいくぐり、父親が居るあのシェルターへと向かう。一方で戦火に残された人々のうちの一人が、自分たちが作った機械達に支配されたこの戦争を最後の戦争だと言い、そして自分達は何一つ進歩していない、と語り出す。そんな時、氷爆で凍っていたオルゴールが解け出し、音楽を奏で出した。オルゴールは街中に響き渡り、戦う人々の耳に留まった。戦いはその夜のうちに終わった。なんとロボット達は放射能の副作用で狂い出し、互いに争い合い全滅していたのだ。翌朝ロボット大統領は、フラフラと歩き笑いながらあの少年のいるシェルターへ近づき、少年と彼の父親を狙撃しようとする。しかし、何者かがすかさず反撃した。それは死んでいたと思われていた少年の父親だった。生き残った人類は真の復興への一歩を、真の理想郷―ユートピア―を作ることを誓い合うのだった。
この本は、ドラえもんなどで知られる藤子不二雄が描いた漫画で、現在の部数は確認されているだけで
4部しか現存しません。なので初版は数百万円の値段がついています。2010年に「開運!なんでも鑑定団」
では、鶴書房版が300万円の鑑定額となりました。しかし、2010年8月29日に3990円(税込)で「完全復刻」
されました。