2080年、仕事が一部を除き無くなった。

職業をロボットに任せ人類は衰退して行った。

そんな中、日本政府はあるプロジェクトを
計画していた。
「人類衰退防止プロジェクト」

2080年の考え方、生き方を忘れさせ、
40年前に戻すという政策だ。

それには大きなデメリットも存在する。

人の脳に大きな損傷ができる可能性がある
という事だ。

それがどんなに危険か確かめるため政府は
膨大な治験費を積み、5人の治験者を集めた。

それが後にゴールドエイジと呼ばれることに
なるなんて知る由もないだろう。

2080年4月12日


「50万貰える治験、今日だった行かなきゃ!」
そう言って俺は家のドアを開け空中に
止まっているライドフライヤー
に乗り、研究所に向かった。
ライドフライヤーとは
空中に浮かぶバイクの様なものだ。


「それにしても事前の報告なしでの治験なんて
法律上いいのかな?」
俺はそれを不思議に想いながら研究所に到着
した。

「 皆さん本日はレクス国立研究所に
お越しいただきありがとうございます。
私はレクス国立研究所の尾崎と申します。
まず最初に皆さんは現在のロボットにまみれたこの世界をどう思っていますか?」


「俺は学校で習った様な40年前の世界なんて
不便だし、汚いし、嫌だな」

「そうだね。40年前は今の社会にはない人間性もあるけど不便な事もあるよね。
それを改善するために僕らはこの研究所で研究を続けていた」
尾崎さんが言った。
「その成果を皆さんにお見せしましょう」
尾崎さんの隣に控えていた助手らしき人が
言った。

「ここで皆さんに行ってもらうのは2080年の人間性、当たり前のことを全て40年前に
変換させることで人類の衰退を止めることが
出来るのではと考え、その変換を行うマシンを身につけ、実際に40年前の状態にして見るという実験だ。」
なんてことを…俺は心の中で呟いた。

「俺は帰る、その実験のせいでで妹や家族を
忘れたくない!」

「まぁまぁ人間性、当たり前、ルールを
少し変えるだけですから家族までは忘れないと
思いますよ。保証はしないですけどね?
それに忘れたら今のその記憶だって忘れる訳
ですからどーでもいいことでしょう。」

「クソ野郎…」

「それに君たちに拒否権はないんですよ
君たちが1番愛してる家族を連れてきましたよ
君たちが拒否したら、こいつらは死にますよ」

「どこまでも底辺だなお前ら…」

「さぁ実験を始めましょう」

不意に浮遊感に襲われ、床に頭を打ったのか、意識がブラックアウトした。


「大丈夫、大丈夫、大丈夫?」
女の子の声?だんだん声が大きくなって。
「ううぅここは…小屋?」
「あ〜よかった目覚めた、頭打ったみたいで
ずっと失神してたんだよ」
さっきの女の子かな?
「えーと名前は?」
「私?私はカナ。君は?」
「俺はエイジ。よろしく」
「よろしくね。立てる?」
「あぁ立てる」
「なんか大変な事に巻き込まれちゃったね」
「そうだな、他に人は?」
「えーとさっきまでリクトって言う男の人が
いたよ。16歳くらいかな?私達と同じぐらいの
水を探してくるって言って出てったよ」
「そうなんだ。元からここに2人とも?」

「そうだよ変な科学者が実験始めるって
言った時どっかに転送された感じしなかった?」
「あん時の浮遊感、転送か。それで俺だけ転送先が地面よりちょっと離れてたから
頭打ったのか。」
「そうかもね」

それにしても彼女可愛いな。
こんなこと言葉にして言ったら大変だ。

「今私の事可愛いと思ったでしょ?」
「え、なんでそれを、言葉にしてないのに」
「私この空間に入ってから心の声を聴けるよう
になったんだ。 リクトは頭ん中に地図を
立体的に見た感じのがあって自分の居場所や
他人の居場所も分かるらしいよ。
エイジはそうゆうのないの?」
「さっきから浮いちゃう感覚があって、
それがなんか関わってるかも。」
「浮いてる感覚ってもしかして
飛べるんじゃないの?試してみたら??」
「うん」
俺は小屋のドアを開け助走を付けながら
ジャンプしてみた。すると…
「うあぁぁぁぁぁぁぁっ」
飛べた。
「おぉ凄い飛べてる〜これがエイジの能力ね?」

「でも何でこんな能力が?」
「そうね。なんでこんなもの、
そもそもここどこなのかしらね?」
「あ、そう言えば尾崎って人が過去に変えるって言ってたよね。てことはここは過去かな?」

「えーとそんな〜」

「いますぐそいつから離れろ!!」

「え、どうしたの?リクト。」
「そいつは敵かもしれない。」
「え、ちょ誤解だよ。君がリクトか。」
「そうだよ。エイジは何でもないわリクト。」
「さっきは普通に寝てたからよかった
ものの… お前の能力は飛行だろ。 僕の能力に勝てるかな?」
「リクト誤解だよ。しかも今争ってる
場合じゃないだろ?」
「それも一理あるな。分かった今日の所は
よそう、だがカナに手を出したら許さんぞ。」
「ありがとうリクト 俺エイジよろしく。」
「あぁよろしく」

その後俺らは小屋の中で現在自分が知ってる事を話し合った。

翌朝

「うぁー良く寝た リクトは?」
「頭の中にある地図を広げるとか言って
出掛けたよ」とカナ。