よくわかる!相続税

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スッキリする相続税のあれこれ

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Q,私は兄弟で会社を経営しており、その株式を兄弟で半分ずつ所有しています。この度合、兄が会社の経営から退くことになったので、兄から株式を買い取ることになりました。買取金額は兄と長年経営してきたことや、兄弟であるということから配当還元価額でよいと兄から提案があったので解答還元価額による買取りを予定しています。

<失敗のポイント>
 兄と弟といった同族関係にある間での売買価額は税務上、原則的評価方式により計算した金額が基準となります。

<正しい対応>
 株式の評価方法は、どうぞ区間の相続や贈与に適用される評価方法と少数株主に適用される評価方法とで異なります。それぞれの評価方法を理解することが大切です。

<税法等の解説>
(1) 同族間の相続や贈与に適用される評価方法
 会社を支配している同族株主が、相続や贈与により取得する株式については、原則的評価方式が適用されます。この場合、「純資産価額方式」、「類似業種比準価額方式」または2つの折衷方式により評価します。

(2) 少数株主に適用される評価方法
 少数株主や同族でない株主は、支配権を講師することがその保有目的ではなく、配当の受取りを目的とすることから、例外的評価方式である「配当還元方式」により、その株価を評価します。

(3) 具体例
 このケースの株価は次のようになっています。

<原則的評価方式>
純資産価額・・・・・・・・・1株10000円
類似業種比準価額・・・・・・1株3000円

<例外的評価方式>
配当還元価額・・・・・・・・1株500円

 以下の(一)~(三)の場合に、贈与、売買の際の株価は、どのようになるのでしょうか。

(一) 社長から後継者である長男へ贈与する場合。
 社長が後継者である長男へ、自社株を贈与する場合の株価は、同族間の贈与であることから、原則的評価方式、すなわち「純資産価額方式」1株10000円、「類似業種比準価額方式」1株3000円または2つの方式の折衷方式により評価します。

(二) 会長である兄の株を社長である弟が買い取る場合。
 会長である兄の株を社長である弟が買い取る場合の株価も、同族間の取引であることから(一)の場合と同様に原則的評価方式により、評価します。

(三) 社長の株式を従業員持株会へ売却する場合。
 社長の株式を従業員や従業員持株会へ売却する場合の株価は、少数株主や同族でない株主との取引になることから、例外的評価方式である「配当還元方式」1株500円により評価します。
 他方、従業員の株を社長が買い取る場合には、原則的評価方式により評価した金額で行うことになります。
 医院の収入については健康診断や診断書作成、予防接種などのように消費税がかかるものと、社会保険医療や公費負担医療、労災、自賠責のように消費税がかからないものがあり、かかるものについては患者様から消費税をお預かりすることとなっています。また、学校医等の報酬は給与所得となり消費税がかからないものとなる一方、自動販売機や物品の売上、駐車場を課して得る収入などは消費税がかかります。
 患者様からお預かりした消費税は納めるかどうかの判定期間が2年前の年になるため、原則的に開業後2年間は消費税を納める必要はありません。3年目以降は基準期間である2年前の年の収入のうちで消費税のかかる収入が年1000万円を超過する年は、翌年3月31日までに申告して納税する必要があります。つまり、平成24年の消費税のかかる収入が1000万円を超過したときには、平成26年は消費税を申告するということです。また、前々年の消費税がかかる収入が5000万円以下の年には簡易課税という簡便的な方法もあり、この際には一定の期日までに届出しなければならないので税理士等にご相談しましょう。なお、平成16年度から消費税込みの金額を表示することになったので、消費税がかかる収入である自由診療や物品販売等について金額を患者様にお伝えするときには、消費税を含めた金額を表示するように気を付けましょう。
自社株式に係る相続税の納税猶予は、被相続人が経営していた事業を相続によって引き続き経営することを前提とした制度といえます。
それゆえ、会社経営の存続が危うくなる行為を行った場合には、納税猶予が取り消されてしまい、納税が猶予されていた相続税を負担しなければなりません。さらに、猶予された期間に対応する利子税も負担する必要がありますので、この制度の適用を受けるに当たっては、注意が必要となります。

納税猶予を続けるための主な要件を満たせなくなった場合には、納税猶予額の全額又は一部を納付しなければならなくなります。
1.納税猶予の適用を受けた相続税の申告期限後5年間については、主に次のような場合に納税猶予額の全額を納付する必要が生じます。
・納税猶予制度の適用を受けた自社株式についてその一部を譲渡した場合。
・後継者が会社の代表者でなくなった場合。
・一定の基準日において雇用の8割を維持できなくなった場合。
・会社が資産管理会社に該当した場合。
2. 納税猶予の適用を受けた相続税の申告期限後5年経過後については、主に次のような場合に納税猶予額の全額又は一部を納付する必要が生じます。
・納税猶予制度の適用を受けた自社株式についてその一部を譲渡した場合。(一部納付)
・会社が資産管理会社に該当した場合。(全額納付)
上記譲渡には、贈与した場合その他一定の場合が含まれます。そして、上記資産管理会社とは、有価証券・自ら使用していない不動産・現金・預金等の特定の資産の保有割合が帳簿価額の総額の70%以上である会社やこれらの特定の資産からの運用収入が総収入金額の75%以上である会社等、一定の会社のことです。
後継者が対象となる株式のみを相続したものとして、相続税の納税猶予額を計算します。なお、自社株式に係る相続税の納税猶予制度により、適用を受ける後継者については相続税負担が軽減されますが、後継者以外の相続人の納税額には影響がありません。

相続税の納税猶予額は、次のようにして計算されます。
1.遺産総額(後継者と後継者以外の相続人が取得した財産の合計)に基づいて、後継者の相続税を算出します。
    ↓
2.後継者の取得した財産が特例適用の非上場株式のみであると仮定し、後継者の相続税を算出します。
    ↓
3.後継者の取得した財産が特例適用の非上場株式の20%のみであると仮定し、後継者の相続税を算出します。
    ↓
4.上記2で算出した額と上記3で算出した額の差額が、後継者の相続税の納税猶予額となります。
 なお、上記1で算出した後継者の相続税額から、上記4で算出した納税猶予額を控除した額が、後継者の納付税額となります。この納付税額を相続税の申告期限までに納める必要があります。
相続税の納税資金対策や財産評価引き下げ対策を、早い時期から取るべきでしょう。

平成19年に制度が改正され、出資持分のある医療法人については、その形態が当分の間、維持されるものの、同年4月1日以降は設立することができなくなりました。解散時の残余財産は、国等へ帰属することとされました。
ある医療法人の事業承継について、お話しします。その医療法人の理事であり、医師でもあった妻は3年前に亡くなりました。現在は、夫である理事長が先頭に立って病院経営を行っていて、後継者である息子もその病院の医師です。立派な息子ですが、理事長には頼りなく思えたでしょう。理事長は常々、「息子には今の病院を継がせるだけの能力がない」と言っていました。
あるとき、「うちの病院を出資持分のある医療法人から、持分のない医療法人に移行する」と理事長がいい出しました。持分のない医療法人へ移行するということは、出資に対する財産権がなくなってその分の純資産が国等へ帰属する、つまり、それまで蓄積した病院の財産を放棄するということです。病院の純資産の約150億円を放棄するわけですし、息子がとても優秀で、理事長として病院を経営するようになれば、それなりの人物になると感じられることから、なおさら驚きました。
しかしながら、持分のない医療法人に移行するのも仕方がない大きな問題が一つありました。「相続税」の問題です。
妻が亡くなった場合の相続税や将来理事長が亡くなった場合の相続税を考慮すれば、以後支払うべき数十億円という税金を納められるか否かは予測不可能といわざるを得ませんでした。理事長は、相続税についても熟慮したのだと思われます。苦渋の決断を行った理事長には頭が下がりますが、相続税の負担がもし大きくなければ、移行するという決断をしなくてもよかったのではないでしょうか?
この例により、相続税の納税資金対策や財産評価引き下げ対策を早い時期から取ることがとても大切であると強く感じさせられました。