君と行った場所も、その景色も、香りも・・・君の服装も、笑顔も、声も、漂う香りも、全て覚えているのに・・・君の手の感触だけは思い出せない。そりゃそうか。握れなかったんだもんな。


「あっ」

ぼくの声が漏れた

それは溜息に変わった

君は・・・

行ってしまった

ぼくは

自分の手を見つめ

涙を流した

掌を 握りこぶしにしてみた

ギュッと力強く握った

きっと

君と手を繋いだとしても

同じ

ギュッ

という

擬音なんだろうね

でも

同じ擬音なのに

どうして

この音は虚しく響くのだろう




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