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アイループ パソコン修理日記

大阪市阿倍野区のパソコンショップ「アイループ」における修理記録をつづります。

前回の日記で、子どもに関する情報教育の話題を書きました。ついでですが、約1年ほど前に某SNSで書いた日記の中で、私の児童教育に関する考え方を述べた日記がありましたので、ここで公開してみたいと思います。


◆◆◆◆◆◆◆◆2009年09月22日◆◆◆◆◆◆◆◆


とある小学生男子からこんな質問をされました。



なぁあんちゃん…万引きってしたことある?

…「なんで?」と聞き返してしまうところだったんですが、すかさず「あぁ、あるよ。」と答えました。

どうやら思いもよらない返事だったらしく、5秒くらいぽかーん…としている男子。

「あんちゃんでも万引きしたことあるんや…なにとったん?」

「小学校の頃やなぁ。10円ガム。」

「それ以外には無いん?」

「無い。一度やってからアホらしくなった。」

「そうなんや…。オレ、このまえスーパーでジュース万引きしてん。全然気付かれへんかったよ。」

「そか。…そんでさ、お前、万引きしたあと、何か考えたことあるか?」

「え…えと・・・。」

「オレはキレイゴトばっかり言う大人とはちゃう。悪い事をするなとは言わん。オレはウソついたこともあるし、友達を殴ったこともあるし、ドロボーしたこともある。良い事も悪い事もたくさん経験して、広い視野で世の中を見れるようになりなさい。



とまぁ…こんな感じの教育方針なので(笑)。なにかとディープな相談を受けたりします。親にも先生にも友達にも相談できないような悩みとか。

最初に「なんで?」って返してたら、「いや…別に…。」となって、話が終わってたと思う。

最初に「万引きなんてしたことない!」と返してたら、彼はスーパーで万引きしたことを誰にもしゃべれないままだったと思う。

要するに彼は、誰にもしゃべれない悩み(万引きしたこと)を誰かに打ち明けたかったんです。それでオレに話を振ってきたんです。だから、彼が話しやすいように、まずはオレから万引きしたことあると打ち明けました。

もちろん、万引きを肯定する気はさらさら無いです。万引きが悪いことだなんて、小学生でも絶対にわかってることだから、それを今さら口うるさく教える必要はない。心の奥でモヤモヤしてる気持ちは、人に話せばちょっとはラクになるし、ちゃんとその事実と向き合って冷静に考えられるようになります。



「じゃあ、あんちゃんはサイフ拾ったらどうする?」

「さぁね?、警察に届けるかもしれないし、そのままパクるかもしれないな。」

「じゃあ…サイフに100万円とか入ってたら?」

「それは警察に届ける。」

「じゃあ…10円しか入ってなかったら?」

「お金の他にも、サイフにはクレジットカードとかたくさん入っとるやんか。だからやっぱり警察に届けるわ。」

「じゃあ…カードとかも何も入って無かったらどうするん?」

「うわー残念っ!と思って、サイフは元の位置に戻す(笑)。」

「あんちゃん結局パクらんやん(笑)。」

「カラッポのサイフ拾っても嬉しくないしw…いや、道の端に100円玉が落ちてて、周りに誰もいなかったら確実にパクる!」

「そうなんや(笑)。」



まぁ、まだ彼は小学生です。親や社会に迷惑を掛け過ぎない程度に悪さしながら、ちょっとずつ大人になっていけばいいと思う。仕事しながらいつも思うけど、教育ってものすごく難しい。

画面上にエッチな画像が出てくるんです!消しても消しても、しばらくするとまた出てくるんです(>_<;)!!」

あー、またアレだね。…この仕事をしていると1ヶ月に3件くらい、この手の相談があります。「すぐに直しますので持ってきてください」→この作業には慣れっこです。


ちなみに、最も多い案件はmshta.exe
に関連したものです。例えば下のような画像が5分間隔ぐらいで表示され、非常にウザいです。 (サイバー技師の成れの果て
様のページにあったものをお借りしてきました)


アイループ パソコン修理日記-ワンクリ詐欺

いつぞやのお客様で、とあるお母様。この症状は、例えばアダルトサイトなんかで[18歳以上]なんかのボタンを押したあとに表示されたりします。会費の支払いを催促する画面が出て、「支払期限まで残り2日22時間54分12.33秒(←猛烈にカウントダウン)」。みなさん青ざめた表情で来店されます。中には実際に弁護士に相談した方までいらっしゃいました。



これまで何度も出張サポートさせていただいているので、家族構成や子どもさんの性格なども把握しており、原因は子どもさん(小学生)がアダルトサイトを見たからだと想定して作業開始。その広告がインストールされた日時を特定し、そこに行き着くまでの道程(検索キーワード、ページ遷移経路など)を調べたところ、やはり子どもさんが原因だと断定しました。修理完了後にお母様をお呼びし、アダルト広告が出なくなった(修理した)ことと、子どもさんがアダルトサイトを見ていることをお伝えしました。

お母様にこの事を伝えるかどうかは修理屋の裁量にり判断が分かれるところですが、小学校高学年の男の子となれば異性に対する強い興味があって当然の年頃、このまま何の対策も講じずに「はい直りました~」と引き渡せば、またすぐに同じ症状が出ることは間違いありません。多少かんしゃくのあるお母様なので、既に子どもさんを怒鳴りつけて叩いたらしいのですが(^o^;)、まじめな態度で怒らずに子どもさんと対話していただき、今回の件を「良い薬」としてもらえるようにアドバイスしました。



それにしても最近の子ども達の状況は…世の中に性情報が溢れてて、特にインターネット上のアダルト情報はヒドイですね。小学校高学年にもなればネットを活用して友達とやり取りしている子もいますし、当然アダルト情報が検索で出てくることも理解しています。インターネットを使わせてもらえる家庭の児童は、男女問わずアダルト情報をほぼ確実に見ています。「うちの子がそんなものを見ているはずがない」とおっしゃる親御さんがたくさんいるのですが、ウソだと思う方はインターネットの閲覧履歴でも分析してみるといいでしょう。

むしろ親の世代がアダルト情報を事前に先回りして確認し、そのリスクを(時には痛い目を見て)あらかじめ理解しておくべきです。そうでないと、「情報分野における正しい教育」は絶対にできません。少なくともパソコン分野については、「子どもより親のほうが知識が高い」ことは必須条件だと認識してください。「くさいものにはフタをする」という言葉がありますが、将来パソコンを避けて通れない世代だからこそ、アダルトサイトも避けて通ることはできないのです。くさいものにフタをした結果さらにくさくなって、やがて社会人として船出する頃にはお先真っ暗です。



P.S.
その後このお母様は息子さんと話をし、アダルトサイトを見たことを認めさせることに成功したそうです(^_^;)。認める・認めないに関わらず、アダルトサイトを見ると困ったことが起こる、ということが、息子さんにとってキツイお灸となったと思います。