会社の財務状況が火の車と判明したので、原因を調べてみると繁忙期時の売上金を父が現金で何年も引き出し、不動産やゴルフ会員権に使い込んでいたことだった。
最たるものは妾とその子にも家と生活費を与えていた。この妾についてだけでもサイドストーリーができる。
バブル崩壊で不動産価値やゴルフ会員権は暴落し、二束三文となった。
そこへ税務調査が入った。父が出金した現金の裏付けとした不動産やゴルフ会員権の大きな買い物、妾への給料支払いは調査官から否認され、直近3年で約1億円の使い込みと認定されて、重加算税を含めて修正申告1億円の追徴課税となった。
一度に納税できる額ではないので、1千万円ずつ毎月先付け小切手で支払うことで税務署に譲歩してもらった。資金繰りはもう限界にきていた。
時を同じくして会長である父は会社を離れたところで個人として不動産取引で損失を出し、約1億円の決済を迫られていて、追い込まれた父は社長である自分を出し抜いて、得意先の預かり金に手を付けた。挙句の果てに父が従業員のことはキチンとするから、息子の自分にも片棒を担ぐよう迫るので、こちらから社長の辞任届を出すと同時に得意先に通報した。通報しようがしまいが会社倒産は決定的だった。
父が裸一貫から25年かけて積み上げた栄光と信用が一気に失墜した瞬間だった。
以降の話は次のブログに譲ることにする。