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やむを得ない事とは言え、古き良きものが無くなり残念
3年ぐらい前にも記事にした地元の老舗旅館。今年こそは泊まりに行こう、
とネットで公式ページのリンクをクリックしたらなんと、”Not Found”。.公式ページ無くなってました。
由緒ある宿なのに、ついに営業が終わってしまったか?と思って検索してみると、
電話番号が載っており、繋がる模様。早速予約出来るのか電話してみました。
女将さんと思しき方が出られてお話しを聞くと、「現在改装中で、9月頃まで工事のため
予約はそれからになります」との事。
「地元に住んでいて、小津監督が定宿にされていたとのことで、ずっと行けなくて・・・」
などとお話していたら、改装にまつわる色々なことをお話して下さいました。
改装といっても殆ど取り壊しで、なんとか小津さんが定宿としていた部屋などは残し、
あとは宅地として分譲になってしまったとのことです。
・相続税
・コロナ
・地震対策
これらで維持が出来なくなり、最低限だけ残して売却されてしまったんだそうです。
この旅館だけではなく、地元で大きなお屋敷がマンションや分譲地に代わって行くところを
ここのところとても多く目にしているので、そんな地元話にもなって女将さんとは長話になってしまいました。
しかしな~、もっと早く泊まりに行けば良かった。
3年前のブログに掲載した旅館の入口の写真
今日見たらこんなになってました。
暖簾が掛かった趣の有る玄関があった建物が取り壊され、宅地が造成されて住宅建築中。
これでは旅館の看板が有っても何だか侘しさばかりが増してしまいます。
脇を上がっていくと、区画整理された分譲地。正面の建物は何とか残った旅館の建物です。
職人さんが屋根に上って作業されているところが入口になる模様。
木立の中のちょっとした石畳の階段を上っていく趣のある入り口だったのに。。。
これが小津監督が定宿として使われていた時のお部屋じゃないでしょうか。
そもそも、以前はこの周り全てがこの宿の敷地だったので、外からこの建物は見えなかったんですけどね。
最新の上空からの写真が載るGoogle Earthとちょっと古い写真が載る地図アプリのこの旅館の場所を見てみました。
改装前。建物が庭をぐるりと囲んでいて、住宅街にありつつも隔絶された環境になっています。
(小津監督が泊まられていた頃は、周りの住宅なんてほどんどなかったのかも知れませんが)
Google Earthの最近の写真と思われるもの。右半分(東側)は完全に宅地に生まれ変わってます。
左半面も今日の感じだと北半分は宅地になってる感じでしたね(上の写真を見ても分かりますが)
小津監督が「東京物語」で描いたのは、戦後の高度成長期に家族が「核家族化」していく様子でしたが、
この変わりようを知ったらどんな映画を作られたでしょうか。
いや、びっくりたまげて、映画にする気も起きなかったかも知れませんし、
そもそも外から見られたのでは集中も出来ないでしょう。
女将さんのお話から苦渋の決断だった様子がひしひしと伝わって来ましたが、本当に残念。
でも、お話聞いて必ず泊まりに行こうと思いました。
そんな中、今朝のニュースでは「道後温泉」の本館は、100年に1度の大修理が終わり、
本日から営業との報道がありました。
昨晩から泊まりで並んでた方もいらっしゃるとか。
地元の旅館は市の重要文化財でしたが、道後温泉本館は国の重要文化財ですしね。
ちょっと羨ましく感じたのでした。