■なりたい自分を夢ではなく現実に変える方法

心理学では自分が思ったり願ったりしたとおりの良い結果を出すことを「自己成就予言」といいます。しかし「願えば思いは叶う」が実際に成功した人はどれくらいいるのでしょう? 心理学者の内藤誼人(ないとうよしひと)先生は、願いが叶わない原因を「自分の願い(予言)を自分自身で否定して、台無しにしているからだ」と指摘します。
イメトレ不足が自分の夢を打ち砕いていた?

「なりたい自分へのイメージトレーニングをしても、多くの人は潜在意識で『やっぱりムリだよな』と考えてしまいます。すると予言の効果は全部吹き飛びます。『モテ男になる』と予言しても、実際はモテないのだから、その場面をイメージできないんです。例えばお店で腰掛ける自分に多くの女性が声を掛けてくれるシーン、声を掛けてくれた女性の顔までイメージできるかというと、皆できません。それではイメージの効果を上げられません」(内藤先生)

「願えば思いは叶う」は一筋縄ではいかないようです。予言を実現させるためには、イメージの鮮明さ、イメージの量によって変わってくると内藤先生は言います。

「モテる友人をずっと観察すると、モテイメージが沸いてきます。今度はそのイメージを友人から自分に置き換え、自分がちやほやされているところをイメージします。こうしたイメージの明確化、トレーニングが重要。まずは目を閉じて、好きな女性の声、表情を鮮明に思い浮かべるトレーニング。次に相手から声を掛けてくるところを、声の質感、トーンまで含めてイメージしてください。ここまでしてようやく予言の効果を上げられます」(内藤先生)

ポジティブ予言とマイナス予言も効果は同じ

 これほどに有効なイメトレだが、一歩間違えると、反対作用にも大きく働きかけてしまいます。それは将来に対してネガティブな期待をしてしまう「自己破壊予言」というもの。

「例えば合コンに出かけても『ほかの3人がちやほやされて、自分は一人でお酒を飲んで帰って来るんだ』と鮮明にイメージしてしまうと、実際そのとおりになってしまいます。このように自己破壊予言が強くなると、失敗する場面がやたら具体的に頭に思い浮かべるようになってしまいます」(内藤先生)

 イメトレはあくまでポジティブなもの限定に。例えば恋愛上手な人は、この店ではこんな話をしよう、こんな冗談を言って笑わそうと考える空想好きな人が多いと内藤先生はいいます。「なりたい自分」はどんな自分でしょうか? 声もスタイルもファッションも、そして恋人も鮮明にイメージして、ぜひ予言を現実のものに変えてみませんか。
文●筧みゆき
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