ネタバレOKの方のみ、おすすみください。
青春越壁 청춘월담 英題:Our Blooming Youth
(tvN 20230206-0411 全20話)
【Episode 19-3】
~テガンの養父母の家~
ファンに、私邸で待機していろ、と命じられたテガン。
門の前で、ふと、背後に気配を感じ、振り返ると、そこには、編み笠を深く被ったテサンが立っている。
テサン「ついてまいれ」
あの日、書庫で「すぐに呼び戻す」と言った時のファンの言葉を思い出すテガン。
ファン「テガン、そなたの双子が、そなたのふりをして宮殿内を頻繁に訪れていたとしたら、そなたの家もまた、知っているに違いない。もし、そなたの双子がおまえを訪問し、彼からなにかを聞いたら、その言葉を私に伝えられるか?」
双子の兄を裏切れるか、と聞いています。
テガン「ええ、チョハ。そのようにいたします」
意を決し、兄のサンについていくテガン。
テガン「生きていてよかった、とだけ言えればよかったのに。本当なのか? 本当に、ヒョンニムが世子を弓で撃ち、開城の府伊一家を殺し、王家を呪う赤い紙片をばらまいたのか? 俺のふりをして宮殿内を歩き回ったり・・・本当にヒョンニムが・・それら全部をやったというのは、本当なのか?」
訊ねるだけでも、胸が張り裂けそうです。
テサン「私はただ、故郷に帰るために、命令に従ったまでだ」
テガン「ヒョンニムが殺した人たちは、みんな無実だった!」
テサン「10年前死んだ碧川の民たちもまた、無実だった! お前には想像もできまい。あの日、碧川の民がどんな風にして死んでいったのかを・・・」
それを言われても、はい、そうですか、と、肯定するわけにはいかないのです。
それに、兄弟の情としても、自分の兄にこれ以上、悪事を働かせたくはない、というのが、テガン
の本音でしょう。
テガン「チョハに話してみよう。もし、ヒョンニムが、あの日碧川でなにがあったのか、世子に話せば、きっと・・・」
テサン「私は、官服を着ている者たちを絶対に信じることなどできない。私といっしょに開城に来い。我々の故郷の住民の残りが暮らしている場所があるんだ。」
近くを人が通りかかると、編み笠を深く下ろすテサン。
日陰の暮らしが身に付いているようで、辛いよね。
テサン「ネワン村というところだ。谷が深く、そう簡単には見つけられない場所にある。満月が昇るとき、松嶽山の中腹にあるケヤキの木の下にこい。お前のことを待っている・・・」
テガン「ヒョンニム・・・」
テサン「すぐに来るんだぞ。俺がそこでお前を待っていることを覚えておけ」
それだけ言うと、去っていくテサン。
~王の部屋~
王様のもとには、ファンを退位させろ、の陳情書の巻紙が、山のように積まれてます。
あ、また、次の分が運びこまれてきたよ。
とにかく、ありとあらゆる役所やらなにやらが連名で、陳情書を受け入れなかったら、宮殿の前で、上訴するもやむなし・・と脅してきました。
それに、学士と、成均館の学生の分も加わりました。
あの、ハンサム君、出てきてくれないのかな。
中を開いても、きれいな字で、みんな同じことを書いてあるよ。
一日中、目を通しても、まだ、終わらない。。。
乱暴に放り投げては、うんざりする王様。
その中に、メモ書きが仕込まれた巻紙を見つける王。
拾い上げ、顔色を変える王。
きゃ~、なにが書いてあったんだろう?
っていうか、律儀に一個ずつ、開いてたことがよかったのか、悪かったのか?
~書庫~
テサンと会ったことを報告にきたテガン。
ファン「ネワン村とな・・・? 予想していたとおり、開城に住んでいたのだな。そなたは、この件を私に話しに来た時、双子のことは心配しなかったのか?」
テガン「チョハより与えられた命令です。その命令に従うまでです」
ファン「そなたの双子が犯した犯罪は、かなり重罪だ。無実の人たちを殺めたのだ。無実の人を、殺人者として偽装し、名誉を傷つけた。王家を呪い、反乱を企て、反逆罪まで犯したのだ。すべての罪を償うに値する。」
これは、控えめに言ってますが、例えファンであっても、救うことはできないかもしれないと、暗に匂わせています。
テガン「ヒョンニムがいかなる罰を受けようとも、それは公平というものでしょう。チョハが、公平に裁いてくださることは疑いようもありません」
ファン「であれば、お前は私を信じ、私の言ったとおりにするのだな?」
テガン「もちろんです、チョハ」
ファン「翊衛司の中で、お前が信頼できるものは何名いる?」
よし、今後にむけて、動いたぞ!!
~書庫の外階段~
階段をおりてきた二人の元に、
ソンオンが近づいてきました。
うわ~~、ここで、ソンオンがね、ファンに対して、一礼しないの!!
そんなの、西から太陽が昇るくらい、ありえないことなのよ!!(びび、大興奮!)
ソンオン「そうやって、ジェイ嬢を見捨てるのですか? 彼女が無実だとご存じのはずではありませんか! 本当に、ただ、じっと見ているだけですか?」
一応、敬語で話してますが、私の耳には、全然、そうは聞こえません。
てめぇ、ふざけんな、この野郎! 何黙ってみてやがんだ!彼女が無実だって知ってんだろう? 自分可愛さで、黙って何もしない気かよ!!
テガン:チョハ~~、ソンオンお兄ちゃんが、見たこともないくらい、すんごく怒ってますけど、ど~します?
ファン「すでに、私の廃位を望む上申がたくさん来ているのだ。自分の居場所など確保すらできぬ。私になんの力があるのだ?」
こらこら、友達には、本音で話さないと嫌われるよ🤭
親友の目をみて、嘘をつくほどは、欺こうとは思ってなさそうです(笑)
ソンオン「チョハは・・・ジェイ嬢を愛していないのですか? あの人もまた、チョハを愛していることすら、わかっていないのですか?」
二人のために、心を整理しようとしてくれて、ありがとう。
ファン「・・・・・・」
隣で、あの小さかった弟が、なにか言いたそうにしています。
~王の部屋~
右相が王の前で、正座して、ダメだししに来たのね。
右相「チョナ、国の長としては言うに及ばず、父としての、失望がいかばかりか、理解しております。私とて、世子を廃位するよう、王様に申し上げる痛みを感じなかったと思われますか?」
王「・・・・・」
右相「しかしながら、これは、個人的な感情の問題ではございません。上申書は、殺到し続けることでしょう」
王「・・・・・」
右相「臣 右議政チョ・ウォンボ、強い忠誠心と、この国の未来を強くしたいという願いから、規律に則り、世子に対する完璧な方を選択することを、王様にお願い申し上げます。
チョナ、世子を廃位してください。世子を廃位し、どうか、新しい世子をお選びいただき、この国と宮廷を強くしてくださいませ」
ホント、この人の強い口調には、恫喝味しかない。
ひたすら、無言な王。
その時、外から、大声で、「父上」って声が聞こえてきて、中断。
ファン「どうか、私を廃位してください!」
さすがの右相もびっくりして、振り返ったよ(笑)
~康寧殿 正面~
王が右相らと共に、外に出てみると、罪人が着るような、白い服に着替え、筵の上で、土下座しているファン。
ファン「父上、私を廃位してくださいませ、私は、内官のコ・スンドルが女人だということを知っておりました。我が師の娘が、無実を証明してほしい、と私に頼んできたのです。それゆえ、傍におくことにいたしました。しかしながら、それが倫理と慣習を破る犯罪であると、どうして気づくことができなかったのでしょうか。やはり、私は、既に、世子として失格でございます。父上、どうぞ、私をお許しにならず、廃位してくださいませ!」
これ、王様、ある程度、この茶番劇(失礼!)について、進言されてるんじゃないの?
いつもの王様だったら、キーキー大騒ぎしそうだもん。
王「・・・・・・・」
右相が、ファンが自ら願い出たことを快く思ってない感じ。
王様が部屋に入っても、外で、ファンが「廃位してくださ~い。私は罪びとで~す」を繰り返しているので、王様、病気になりそうです。(苦笑)
なんとか心を静めてます。
ファンが、「廃位してください」と繰り返す姿を後ろから見ているソンオンと左相父子。
やっぱり、必要な茶番劇なんだね。
~牢~
そんなことになってるとは知らないジェイ。
虚ろな状態です。
~右議政邸 ウォンボの部屋~
考えてます。
ウォンボ「(世子は、あんな卑しい女のために、王世子の座を諦めようとしているのか?)」
なにかおかしい・・・と、危険信号が点ってますね。
そうでなくっちゃ!!
~中殿の部屋~
中殿「(世子は、本当に、あの小娘を恋慕しているというのか?)」
ジェイをケジベ(계집애)呼ばわりするのは、
お前(ジェイ)が、家族と一緒に毒を飲まず、生き残ったから、こんな風に計画が狂っちゃったんじゃないの!
っていう、個人的な恨みの裏返しでしょうか。
そう言って、ちらりと、水鉢の中を泳ぐモヤンヘモちゃんに視線を向けました。
~康寧殿 正面~
もちろん、飲まず食わずで、ずっと、「父上、私を廃位してください」と言い続けているファン。
ジェイが拷問を受けるくらいなら、これくらい・・・と思ってるかどうかは別として、テガンに翊衛司の人数を聞いてたってことは、裏では、救出作戦を進めているんだよね?ね?
結局・・・
勅命を下す王様。
王「天の意志と同じくらい重要な、民の声を聞くことにより、決心した。世子イ・ファンを廃位する」
宣言を聞きつけた、ハヨン公主とミョンガン皇子が東宮殿に駆け付けると、王宮の護衛武官たちに止められてしまう。
ハヨン「なにゆえ、そなたたちが、私たちを止めようとするのだ? そこをどけ、兄上にお目にかかる」
ミョンガン「ヒョンニム!! ヒョンニム!! どうか、王宮から出ていかないでください!! だめです、ヒョンニム!! ヒョンニム!!」
ただただ、純粋に、兄を慕うミョンガン。
号泣するミョンガンを支えるハヨン。
強気な公主でも、どうすることもできず・・・。
この二人についてる尚宮たちも、それぞれ、いい人たちだよね(笑)
~ファンの部屋~
ソ内官「世子チョハ~~~!」
一同「世子チョハ~~~!」
ソ内官「世子チョハ~~~!」
一同「世子チョハ~~~!」
みんな部屋の前で、土下座しながら、泣いてます。
王「世子は、殺人犯のミン・ジェイと共謀し、内官に変装させることにより、東宮殿に引き入れる罪を犯した。これらの罪は、道義的原則を混乱させ、天と国は、これを許すことができない。廃位された世子は、直ちに宮殿を出て、江華(カンファ)島への流刑を命ず。」
しばし、空席になる王世子の座。
王「左議政 ハン・ジュンオンは、ハン・ソウンの母親の死の事実を伏せ、カンテクに応募したことは、大変な重罪である。一族を廃門する罰を犯したが、国と王朝への忠義心ゆえにしたことであり、また罪を認めているという事実を踏まえ、その地位をはく奪し、家から出ることを許さず、蟄居を命ずるとともに、謹慎状態を維持するため、武官による監視をつけるものとする」
ハン家の私邸前には、数名の武官たちにより、ものものしく封鎖され、その様子を遠くから伺うソンオン。
王「ミン・ジェイは、両親、実兄、世子嬪の殺害を自供した。証拠は明白であることから、斬首とする」
~市場 通りの掲示板~
・・・という内容が、お触れとして、掲示されました。
大家さん「ということは、息子の正郎はどうなるんですか?」
両班「ここに、このように書いてある。家族は関与していないようだ」
大家「関与? ですから、私が聞いているのは、それってどういう意味なんですか?」
両班「左相の息子の正郎は御咎めなしで、父親だけが、自分の罰を受けるということだ」
開城から戻ってきたミョンジンとガラムが、人だかりをみて、様子を窺っている。
ファンが言っていたとおり、戻ってみれば、宮殿の中と外で、カオスになってましたね。
(ジェイの極刑を知っても)ガラムが取り乱していないところを見ると、ファンは、この二人を開城に送り出すまえに、ある程度の計画を話していたってことだよね。
大家さん「ああ、米と汁は別々だってことですか?(周囲の人に)米と汁は分けられるってことみたいだな。つまり、それぞれの罪はそれぞれで償うってことのようだ」
大家さんの冗談に、笑いを見せるのは、所詮、興味本位の庶民だからなのかもしれません。
その嘲笑をガラムと共に耐えながら、石板を包んだ風呂敷包みを握りしめるミョンジン。
~中殿の部屋~
机の上のボトルを見る限り、既に、毒卵は抽出済みらしいです。
中殿「世子・・今、世間が皆、そなたに背を向け、ひとりきりになりました。まもなく、気が触れたように、たった一人で、八州をさまよい歩くことになるでしょう。この混沌とした世界を一人でさまよい、消えていくのです。これを修正するものなどありはしません。なにもしようとしないことです。世子の運命は、死をもってのみ、終わらねばならないのです」
恨むにしても、バランスがおかしくないですか?
この人たちの犯罪は、仇を取りたいんじゃなく、最終目標(故郷に戻る)のために、邪魔になるかどうか、がポイントみたいですね。
~右議政 ウォンボの部屋~
いつものメンバー大集合。
ウォノ「ほとんど終わったようなものだが、なぜ、兵曹正郎は取り残されのか、なぜ、それがこんなにも気分がモヤモヤするんだろうか。」
ふふふ、それが、痛い目にあってきた経験値というものですよ。(笑)
「(それ自体は)我々にとって、それほど悪いこととはいえないでしょう」
「そのとおりです。正郎は、ミン・ジェイの婚約者です。しかも、彼の家は、世子のせいで破滅させられたも同然だ。どうして、世子に対して、好感を抱くことができますか?」
それを聞き、それもそうか、と思っちゃうウォノ。← 単純でよかった。。
ウォンボ「それは、たいした問題ではない」
ようやく口を開いたウォンボ。
ウォンボ「世子が江華島に到着する前に、殺すことになっておるからな」
え・・・と、顔が蒼ざめる三人。
もういい加減、決着をつけたいウォンボ。
~中殿の部屋~
訪れてきたのか、呼ばれてきたのか、とにかく、中殿の前に座っているソンオンをどことなく、警戒しながら、お茶を出すクォン尚宮。
中殿「そなたが、江華島まで、世子を連れていくと聞きました。」
そういうと、モヤンヘモちゃんの毒卵が入った小瓶を、ソンオンの前に置く中殿。
中殿「江華島へ向かう時、これを世子に渡してください」
ソンオン「これはなんでしょうか?」
中殿「道中、喉が渇くこともあるかと思い、薬膳茶を準備しました。世子がここを去る際に、痛みを全て忘れ、平穏を見つけてくれることを願っています。私の気持ちを映したお茶です。」
ソンオン「・・・・・・」
よく言うよ・・・ ← と、ソンオンの無表情が、雄弁に語ってるように、私には聞こえる(笑)
ふと、水鉢の中で泳ぐ魚に目を止めるソンオン。
~左議政邸前~
当然、本日も、護衛の武官たちによって、正面の門は封鎖されてます。
しばらくそれを見ていたソンオンが立ち去ろうとした時、ガプス(ウォンボの私設護衛)が目の前に現れました・
ガプス「右相大監が、正郎ナウリにお目にかかりたいそうです」
~右議政邸 ウォンボの部屋~
今度は、こっちのワルに呼ばれました。
ソンオン、大人気です。
こんなにいい人なのに、「ここまで、世子にコケにされて、味方のままでいるはずがない」という発想でしか、見てもらえないのは、気の毒ですわ~!ぷんぷん😠
・・と言っても、最初の最初は、何考えてるか、私もわからなくて、やむを得ず、裏切るほうに回るのかと思ってみてた時期もありました。
ウォンボ「そなたの家族に起きたことについては、申し訳なく思っている、だが、この国のために働く臣として、そなたの父上以上に優れている人がいないことを私は知っておる。それゆえ、左議政の復職についても考えておるのだ。そなたも、正郎にとどまるつもりではあるまい?」
ソンオン「私に、なにか望むことがおありなのですか?」
単刀直入にいきます。
ウォンボ「そなた・・退位した世子を護衛することになっているな。世子が江華島に到着する前に、命を終わらせてもらいたいのだ。」
ソンオン「・・・・・・」
ちらっと、立ったまま、後ろに控えているガプスを気にするソンオン。
ソンオン「私の父のことであれば、すでに、もう、王より罰を受けております。この私が、いかにすれば、それを好転させられるというのですか?」
ウォンボ「世子の座は、空席のままだ。そこには、誰が座ることになるだろうか? 私の孫、大君のミョンガンだ。そなたが私の命に従う限り、必ずや、約束は守り続けよう」
しばらく考えていたソンオン。
ソンオン「その命令・・従いましょう」
満足げに微笑み、うなずいてみせるウォンボ。
今まであれだけ、人の気持ちを操ることに長けていたのに、あ~あ、これが、絵にかいたような慢心という奴だよね。
ソンオン「ですが、これほど重要なことを、口頭で約束すると言うのは、いかがなものでしょうか? 我々が共にいる、という声明をお書きいただき、署名してください。」
それを聞き、含み笑いをしてみせるウォンボ。
普通は、ここで、自分が見誤ったと気づきそうなものだけどねぇ。
父親より、融通が利きそうだ、利用しがいがある、とでも思ったのだとしたら、ここが、彼の限界値というか、悪ののびしろゼロってことですね。
★『青春越壁』19-3 雑感★
この復讐劇の変わっているところは、本来、目の前にいる実害をもたらした復讐相手(チョ・ウォンボ一派)よりも先に、その構図を作り出した「体制」(王家)をターゲットにしてるんだけど、その外堀を埋める過程で、邪魔になるとなれば、排除の手段を選ばないところが、それ、ちょっとどうなの?と、思わせるところかな。
テガン「ヒョンニムが殺した人たちは、みんな無実だった!」
テサン「10年前死んだ碧川の民たちもまた、無実だった! お前には想像もできまい。あの日、碧川の民がどんな風にして死んでいったのかを・・・」
自分たちだってやられたんだから、やり返してもいい。
実行犯は当然亡き者にする。
でも、諸悪の根源は、実行犯を送り込んできた現王の体制だ。
自分たちの土地を取り返し、今までのように搾取されないためには、権力を得るしかない!
こうして、動機を想像してみると、非常に短絡的で、なかなか、信念ある主張としては、厳しいものがある気がします。