個人的に、8話 かなり好きです。
ネタバレOKの方のみ、おすすみください。
『まず熱く掃除せよ』Ep.08前半
(前回のおさらい)
クンクン「あなたですよ、キル・オソルさん。私が守りたい人は・・・」」
皆を固まらせるに十分なほどのパワーはあった告白爆弾。
口々に、ダニエル博士がかっこよかった、隣にいる女性は誰? イケメンよね、何者なの?と言いながら、出てくる聴講生たち。
(あの人物が、ダニエルなのか?)
立ち尽くすソンギョル。
第8話: 好きなものと好きなもの
連れだってキャンパス内を歩くジュヨン、オソル、クンクン。
わざとらしく、オソルをクンクンに向けて、突き飛ばすジヨン(笑)
咄嗟に抱き止めるクン、これまた結構、ガッツリめな感じでホールド♪
「うわ、ああ、すみません」と、ひとり狼狽えるオソル。
シメシメなジュヨン。
オソルの動揺が、おかしくて、仕方がないクンクン。
クン「本当にまっすぐ家に帰るの?」
オソル「ええ」
ジュヨン「当然、違いますよ。オソルは家になんか帰りません。ご飯食べたり、お茶したり、今日は楽しむ時間ありますから。一晩中でもOKかも」
オソル「なに、バカなことを・・・違います、違いますから」
ジュヨン「じゃ、お二人が特別な日を過ごせるように私はこの辺で消えますね」
背後に忍び寄る黒い車は、ソンギョルの車です。↑
手を振るジュヨン。
オソル「ちょっと、あんた、どこにも行く予定なんかなかったでしょ」
ファイテイン!ポーズのジュヨン。
オソル「こら、そのポーズは何よ?ねえ!まったく、どうしちゃったの?あはは、彼女、ちょっと・・・」
誤魔化そうとするオソル。
クンクン「申し訳ないけど、今夜、一晩中っていうのは無理かな。残念だけど、どうしよう?」
オソル「え? ああ、呆れた!ちょっと、私が外泊するの、見たことあるの?笑わせないでよ、マジで!」
クンクン「ようやく、俺の知ってる君になった」
オソル「え?」
クンクン「さぁ、飯食いにいこう!今日は、なにか美味しいもの、奢るよ」
オソル「あ、いいえ。空腹ではないので大丈夫です。」
クンクン「ああ、今日はすごい緊張して、腹へった~」
構わず、進むクンクン。
オソル「ちょっと、私はお腹すいてないって言ったのに」
クンクン「早く行くよ!」
笑顔で振り返るクンクン。
完全にペース持ってかれたオソル。
オソル「でも、ちょっと待って、ホントにお腹すいてないって」と言いながら、トボトボついていくオソルを、車内から見ているソンギョル。
せっかく出そうとした勇気が、みるみるうちに萎んじゃった。
ソンギョルの目の前には、[精神科医チョダニエル: 特別講義]と書かれたペナント。
~漢江沿いの階段~
お湯をいれたカップラーメンを運んできたクンクン。
オソル「ねぇ、素敵なところに行くって言ってませんでした?」
クンクン「いい場所じゃん?この夜景!うちから見る景色とは違うと思わない?やっぱり、完璧な夜景を完成させるには川が必要なんだ。」
クンクンを見つめるオソル。
「どうした?俺の顔になにかついてる?」
「こうしてみると、屋上さんに間違いないのになぁって」
「誰が俺じゃないって?」
「本当にどうしちゃったの? ダニエルとかいう名前は何? 精神科医ってなんのこと?」
「俺が医者だって知ったら、違って見える?」
「からかってたんでしょ? いや、からかったんじゃなくて、真実を伝える方法を予習していたんでしょ? 今日、私がどれだけ驚いたかわかる?どうやって、そこまで上手に隠してたの?」
「そんなに驚いた?でも、騙してたわけじゃない。君が勝手に誤解したんだ」
「そうね。でも、そうだとしても、怒る代わりに、私に、片思いの告白するなんて、どういうこと? その人にも私にも、無礼だってわからない?」
「そうじゃないんだってば」
「そうじゃないなら、私のこと、よく知りもしないのに、どうして、私のことを守りたいのよ? やっぱり、騙してるじゃない」
ラーメンを食べ始めるオソル。
「本心だよ。前に言ったように、俺が好きな人は、ご近所さんで、1階に住んでる君だ。いや、キルオソルさんのことなんだ」
オソル停止。
クンクン「もう一回言おうか?俺が守りたい、陽気で純粋な女の子は、私の目の前にいる人、キル・オソルさんです。」
息をすることすら忘れたオソル、急にむせ始める。
クンクン「大丈夫か? ゆっくり食べないからだよ。はい、水」
手で止めるオソル。
オソル「あ~、麺が・・・鼻の中に入っちゃった、ああ、痛い」
クンクン「可愛いよ、俺の目には、ラーメンの麺が鼻の中に入っていようと、本当に可愛く見えるんだよ」
信じられない思いで、クンを見つめるオソル。
~ソンギョル自宅~
冷蔵庫から水を取り出すソンギョル。
溜息しか、でない・・・。
《もしかして、その人のことが好きなんですか? チョン・ソンギョル氏が守りたいと思うほど・・・》
《あなたですよ、キル・オソルさん。私が守りたい人は・・・》
あの距離でも聞こえたんだね。
~帰りのバス~
さすがに、一晩中のデートなんてことはなく(笑)、ちゃんと、バスで帰るオソルとクンクン。
あんな熱烈な告白をされたあとで、とても、冷静ではいられないオソル。
チラチラっと隣のクンを盗み見る。
前の席があくと、
「お座りに・・・」
「いえ、君が座って」
「ああ、じゃぁ・・・」
ぎこちないオソル。座るなり、大きなため息。
意識しまくり。
いつしか、隣通しに座り、眠気が我慢できなくなったオソル。
ガラス窓にもたれて、眠ろうとする様子に、ゆっくりと、自分の肩にもたれかけさせると、子供みたいなオソルの寝顔を見つめるクン。。。
ここも、絶対、名シーンだよね。
家の近くの交差路まで登ってきたふたり。
「あの・・・」「あの・・・」
お見合いの人同士みたいだわ(笑)
「どうぞ、お先に。」
「今日の告白が、君に負担をかけちゃったのかな?」
「いえ・・そんなことはないですけど、でも、ただ・・・ええ、ちょっと、そうだったかも」
「ごめん。ただ、君が言ったみたいに、押したり引いたり、駆け引きをするのが嫌で、気持ちを伝えたかったんだ。君に負担をかけたかったんじゃない」
「言いたいことはわかります。。。でも、まだ、あなたの いえ、先生様がお医者様だったってこと信じるのさえ、苦労してるっていうか・・・」
それを聞いて、道に落ちている小石を拾うクン。
「これ、なにかわかる?」
「小石じゃないの?」
「そう、小石だ。」
「なんで、突然、そんなこと聞くの?」
今度は、その小石をオソルの手のひらに乗せる。
「それじゃ・・・これは何かわかる?」
「これも・・・小石じゃないの?」
「正解。学校で習っただろ?たとえ、何かの状態が変わっても、その本質は同じものだ。君は、君の家の屋上に住んでいた失業者だった俺が、精神科医ダニエル博士でもあると気づいた。でも、何も変わらない。俺の告白も同じようなものだ。つまり、長い間そこにあった小石のようなものだと思うことはできないかな?俺の告白のせいで、君が負担に感じさせたくないんだ。だから、君は、何も心配する必要はないんだよ」
クンの思いやりが理解できたオソル。
「それに、これから、君にはもっと、親しく話そうと思うんだ。キル・オソル!」
「え?」
オソルの額をチョンと小突くクン。その顔には、笑みが浮かんでいて・・・。
「え? ちょっと待って。ちょっと待って。なんで、突然、呼び捨て?ちょっと・・・」
~カフェ~
さて、こっちの困ったちゃん(ソンギョル)は・・・。
こんな顔してます。
クォン秘書「どうして、こんな時間に会いに来られたんですか?代表様」
プライベート感のあるクォン秘書もレアです(笑)
ソンギョル「ああ・・・。えっと、フォア博士の弟子っていう人についてなんですが、彼は何者なんですか?」
「誰のこと・・・? ダニエル先生のことですか?」
「ええ、彼は医者で間違いないんですか? 偽の医者とかいうことは? そんなことはありえませんよね?」
「突然、なんのお話でしょう? どうしたんですか? 電話カウンセリング中に何かあったんですか?」
「いいえ、そうではないんです。クォン秘書は、彼の連絡先はどうやって取得したんですか?」
「なぜ、突然、そんなことを聞かれるんですか?奥様が、以前、フォア博士について話をされたことがあったんです。その先生が治療をしていたとき、代表様の強迫神経症が少し改善したと伺いまし。博士は亡くなったそうですけど、彼のもとで勉強をしたという医者が韓国にいると知って、私自身で調べたんです」
「それだけですか?」
「どういう意味ですか?」
深くため息をつくソンギョル。
「なんでもありません。すみませんでした。こんな時間に呼び出してしまって・・・」
これは、なにかあったな、と確信したクォン秘書。
~オソルの自宅~
小石をクルクルと指で転がしながら、放心状態のオソル。
「つまり、あの屋上部屋の失業者が、確かに精神科の先生様で・・・先生様の好きな女性が私だっていうの? でも、なんで? いつから? 話にならないわ。どうかしてるわ」
着信があったことに気づくオソル。
「あ、代表様からだ・・・って何よ。そういえば、そこにいろって言われたんだった。ああ、もういいや。 寝なきゃ。ああ、もう知らない。寝よ、寝よ」
そうは言っても、なかなか寝付けないオソル。
~翌朝~
「食べろ・・」
目の下、隈がくっきりのオソルをみて、心配するアッパ。
「最近、疲れてるようだな。」
「ううん、どうしてそんなことを言うの? 大丈夫よ」
「会社での事務仕事は非常にストレスが多いと聞くぞ。お前の肌を見ろ。まるで、屋外で働く人みたいじゃないか。乾燥して、ガサガサだぞ」
アッパ鋭い!
オドル「(小声で)なにが、事務仕事だよ」
オドルの脚を蹴とばすオソル。
「いってきます。」
「学校が終わったら、まっすぐ家に戻ってこいよ。ネットカフェなんかに行くなよ」
オドルと入れ替わりに、クンクンが朝ごはんにやってきました。
「ああ、卵焼き、うまそうだ。いただきます。グッドモーニング、オソル、よく眠れたか?」
昨日の宣言どおり、名前呼びです。
それだけで、むせるオソル。
アッパも、すぐ反応します。
アッパ「いつのまに、二人、そんなに親しくなったんだ?」
オソル「いえ!」
クン「そうですよ、親しそうに見えませんか?」
アッパ「ああ、ふたりとも、とっくに友達になってるはずだ。オソル、彼を屋上って呼ぶのは止めなさい。これからは、オッパと呼べばいい」
オッパ(゚д゚)ですと!
盛大にむせ返るオソル。
アッパ「おい、ちゃんと食え! 汚いな。誰もそんな食べ方する奴、いないだろう。まったく」
言ってる側から、アッパも口からボロボロ。。。
慌てて、仕事の準備があるからと食卓を逃げ出すオソルに、小さく手を振るクンクン。
この可愛すぎる仕草、これも捨てがたし! ← そもそも捨てる必要なしだけども。
部屋に逃げ帰るオソル。
もう、オソルが可愛くて仕方がないって感じのクンクン、オットカジ。
~社長室~
電話をかけているソンギョル。
ソンギョル「これから、お会いできますか?いくつかうかがいたいことがあります」
ダニエル「突然、どうしたんですか?なぜ、今、聞かないのですか?」
ソンギョル「いえ、個人的にお会いしたいんです。お忙しいようでしたら、こちらから出向きます。おそらく、あなたの住まいは知っていると思いますから。」
ダニエル「いいえ、それは、お互いにとって不愉快なことでしょう。別の場所で会いましょう」
******
出勤してきたオソル。
会社の玄関ホールで、ソンギョルと鉢合わせ。
「おはようございます。代表様。そういえば、昨日の話したいことってなんだったんですか?」
「ああ、特に重要なことではなかったので、心配しなくてもいいです」
「もし、重要でないのなら、勤務時間外に電話をしないでいただけませんか?」
「わ・か・り・ま・し・た」
ぷいと先に立ち去るソンギョル。
大人げない(笑)
オソル「なんなの、あれ?」
~休憩室~
はい、ドンヒョンのコーヒーを入れてる姿をキャプチャーしたかったって、バレバレです。
相変わらず、くだらない話で盛り上がるジェミンとヨンシクの仲良しコンビが、見切れてますが、他意はありません(笑)
着替えてきたオソルに、声をかけるドンヒョン。
ドンヒョン「コーヒー飲むか?」 ← 言われたい、言われたい、言われたい!
オソル「はい」
「昨日、代表様に会えたか?」
「代表様に会ったかって?」
「お前に会いにいくのかと思ったんだが。昨日、仕事が終わったあとにお前を探しにきたんだよ。だから、お前の居場所を教えたんだ」
「私がどこにいるか、話したんですか?・・・待って、代表様が私に動かないように言ったときって・・・」
~カフェ~
ナムジャ直接対決のお時間です。
ソンギョル「以前にお会いしていましたね、ダニエル博士。」
ダニエル「そのようですね、チョン・ソンギョル氏」
ソンギョル「うわ、うちの従業員の家の屋上部屋に住んでいる変態が、私の主治医だったとは。なんと言えばいいのか・・・。」
ダニエル「我々は互いにすれ違っただけなのに、あなたは私を覚えていた。どのようにして、若くして成功したのか、わかる気がします。」
ソンギョル「それで、あなたは誰なんですか?」
ダニエル「私は誰か・・・ですか?」
ソンギョル「何の目的があって、私に近づいてきたんですか」
ダニエル「私があなたに近づいた? 理解できませんね。私に連絡をとり、助けを求めてきたのは、あなたのほうだったかと。違いますか?」
ご指摘のとーり。
かなり旗色が悪いソンギョル。
ダニエル「私のほうこそ、あなたがどうやって、私の電話番号を入手されたのか、不思議に思っています。どうやって、手に入れたんですか?かなり、大変だったはずですが・・・」
ソンギョル「それは・・・その・・・」
追い詰められるソンギョル(笑)
ダニエル「まず、質問させて下さい。私は、この前にも、あなたに訊ねましたが、答えてくれませんでしたね。あなたはキル・オソルさんが好きなんですか? 彼女を守りたいほどに? あなたは、それについて考えてきましたか?」
ソンギョル「なぜ私はその質問に答えなければならないのですか? 私には、それが私の治療に必要とは思えないんです」
ダニエル「当然、あなたが答えたくない場合には、答えなくてもかまいません。前にも言いましたが、私はあなたに、この質問を、男として訊ねています。」
ソンギョル「待ってください。 あなたは、今、 "男として"と言われた。まるで、キル・オソルさんのことが好きだと言っているように、聞こえますが・・」
ダニエル「ええ、実は、あなたのおっしゃるとおりです。彼女のことが好きなので、あなたに聞きたいのです。事実、彼女は、あなたにとって、非常に“特別な人”であるようだ」
「“特別な人”? ええ、そうです。彼女は、私が触れることができるたった一人の人です。しかし、それは、必ずしも私が彼女を好きだということではありません。私が、いかに、だらしない人間が嫌いなのか、ご存知ですよね。それに、私が彼女を守るとは? これは、スーパーヒーロー映画かなにかですか? 幼稚すぎませんか?」
クンクン「本当に、そう思われますか? それなら安心ですね。あなたの、はっきりしない感情がオソルを傷つけるのではないかと心配だったんです」
ソンギョル「“オソル”? 二人はそんなに親しいんですか? 呼び捨てにするほど?」
クンクン「親しくみえませんか?」
ソンギョル、もう、大混乱。
ソンギョル「いいです、続けてください」
クンクン「いえ、あなたの気持ちがわかったので、もはや心配していません。」
珍しく、持参してるポットで飲むソンギョル。
~ソンギョルの車内~
会社の駐車場に戻ってきたものの、降りられずに、考え事の真っ最中。
《それなら安心ですね。あなたの、はっきりしない感情がオソルを傷つけるのではないかと心配だったんです》
もう、初戦は、なにもかも、負けた気がするぅ~~(苦笑)
ソンギョル「おかしくなりそうだ」
そこへ、荷物をもって降りてきたオソル。
「代表様、ここに車を置いていったの?」
なんとなく、気になって、運転席を覗き込むと・・・お互い、びっくりする。
慌てて、ウィンドウを下げるソンギョル。
「何してるんですか?」
「中にいらっしゃるとは思わなかったんです。すみませんでした」
そのまま、頭を下げて、通り過ぎようとするオソル。
「キル・オソルさん!」
結局、車から降りるソンギョル。
「なぜ、私の車を見たりなんかしたんですか?」
「それは・・つまり・・・あ、あの、代表様、昨日、私に会いにミョンウォン大学に来られたんですか?」
「な、何を言ってるんだ? なぜ、私がそんなところに?あははは」
「ドンヒョンオッパが、私がそこにいるって、代表様に伝えたって・・・。それに、そこを動くなって言われましたし・・・。」
「あはは、私がどれほど忙しい人間なのか、知らないんですか? そんなところには行きませんでしたよ。おかしくなったんですか? 私にはやるべきことがたくさんあるんだ。キル・オソルさんとは違って、ウロウロしている暇なんかないんです」
「いえ、別に、代表様がいらっしゃっていなかったら、いいんです。お仕事を切り上げる必要などありません。それに、私だって、別にウロウロなんかしてません。私の何を知ってるって言うんですか?」
この顔、アチャ~~~って声が聞こえてきそうです。
一礼して、去ろうとするオソル。
「待って!」
「今度はなんですか?」
「いや、だから、その・・・ユニフォームだ。この染みをみてみろ。服の上に何かをこぼしたんだろう。君がそのような姿で、クライアントの前に現れたら、彼らは私たちをどうやって信頼し、働いてほしいと思うんだ?」
「でも・・今日はトレーニングしかないので・・・。」
「心構えは、常に同じでなければならない。トレーニングの前に必ず着替えてくること!今すぐだ!」
結局、余計な小言を言ったのみ・・・という体たらく。
俺は一体なにをしてるんだ。バカか・・。
「一体、なんなの? なんで、ほっといてくれないのよ」
更衣室にやってきたオソル。
ロッカーを確認すると、替えのユニフォームを家に置いてきてしまったことを思い出す。
「どうしよう・・・」
ジュヨン(お見合いデート中)やオドル(テコンドー練習中)に、届けてくれるように電話するものの、もちろん、断られる。
「ああ、このまんまの恰好で現れたら、絶対、また、大騒ぎするわよね。どうしよう・・・」
最後の頼みの綱は・・・・
≪屋上部屋≫
「いやいやいや、これはだめでしょう。絶対。ないわ。そんなこと、頼めない。」
~オソルの部屋~
ベッドの下を覗き込むクンクン。
「今、探してるよ・・・紙袋?ああ、あった」
結局、クンクンに頼んだのね。
部屋に飾られた写真などを見て、微笑むクンクン。
ソンギョルがこれを知ったら(笑)(笑)(笑)
敵を、オソルの部屋に、堂々と送り込むことになったじゃん。
~社長室~
考え込んでいるソンギョル。
「社長、トレーニング講義のお時間です。」
「ああ、もうそんな時間ですか・・・」
立ち上がるソンギョル。
「昨日の、ダニエル博士の件、お伺いしてもよろしいですか? もし、代表様が望まれるのであれば、すぐにでも、彼と会えるようにスケジュール調整いたしましょうか?」
「もう大丈夫です。すでに、彼に会いましたから」
「彼に会ったんですか? どうやって?」
「ああ、まぁ・・・。とにかく、今後は、彼の治療を受けません。そのつもりでいてください。」
「なにがあったんですか? 彼は、この分野では、最も才能のあるお医者様なんですよ」
「いらいらさせられるんですよ」
「え?」
「とても傲慢だし、とにかく、神経にさわるんです。完全な変態だ。」
本当に、嫌そうに言い捨てて、一足先に出ていくソンギョル。
ふと、ソンギョルの机の上に置いてあったメモを手にとるクォン秘書。
ダニエル
キル・オソル
彼女を保護するのに十分なのか?
キル・オソル、謝罪、誤解、彼女を守る
ユニフォームの到着を待っているオソル。
オソル「なんで来ないの?」
イライラしながら、キョロキョロ。
赤いジャージで登場(笑)
オソル「ああ、持ってきてくれたんですか?」
「はい、これ」
「すみません。他に誰にも頼めなくて・・・忙しいのに」
「平気だよ。全然、忙しくないから、必要なときには、いつでも頼んでくれていいよ」
「本当に? じゃ、もう行かなきゃ。ありがとう」
「ファイティン、オソル!がんばれ、あとで、家でな~~」
致し方なく、手を振るオソル。
そして、
振り向きざま、ど~ん!
ソンギョルの分厚い胸板にぶつかったオソル。
「あ、すみません。ちょっと、気づきませんでした。」
表通りを見て、睨んでいるソンギョルに気づいたオソルが慌てて、フォローする。
「あの、これはですね、時間がなかったので、ユニフォームを持ってきてくれるように頼んだんです。彼は、うちの上に住んでる賃借人でして・・・」
「ずいぶん、賃借人と親しいようですね。こんなところまで、君の洋服を持ってくるなんて・・・」
「いいえ、そうじゃありません。」
「羨ましいですね、キル・オソルさん。あなたを大切に“守って”くれる賃借人がいて・・・」
「え?」
きょとんとするオソル。
もう、かなり、いろいろ気づいてるクォン秘書。
そして、単なる、嫉妬の鬼。↓
オソル「賃借人が何を守るですって?」
【掃除の妖精 月間トレーニングセッション】
スタッフに講義するソンギョル。
ソンギョル「重度の汚染や油汚れは、脂肪酸でできている。このような場合、中和し、ベーキングソーダなどのアルカリ性物質で拭き取るか、またはレモンや酢などの酸性物質で消すべきである。」
《ずいぶん、賃借人と親しいようですね。こんなところまで、君の洋服を持ってくるなんて・・・》
《いいえ、そうじゃありません。》
《羨ましいですね、キル・オソルさん。あなたを大切に“守って”くれる賃借人がいて・・・》
さきほどの会話を思い出して、落ち込むオソル。
(なぜ、私をそんなに悩ませるの?)
オソルの感覚では、自分がフラレたって認識に近いからね。
講義中、居眠りしているヨンシク。
「チョン・ヨンシク!」
「はい、代表様」
「水の汚れを洗う効果的な方法は何ですか?」
重曹だと、小声で教える隣のジェミン。
「重曹です。重曹が最も効果的な方法だと思います。」
「ファン・ジェミン!」
「はい、代表様」
「なぜ塩は、カーペットのほこりのダニを取り除くために使用されるんですか?」
「塩は通常湿気を吸収し、ダニは主に水分で構成されているためです。」
朝飯前だと、自慢げなジェミン。
「キル・オソルさん」
「はい?」
「枕に見られる16種類の病原体のうち、肺に致死的なダメージを与えるアスペルギルス症の原因となるカビについて説明してください。」
「アスペル・・何ですか?」
「オリエンテーション時に配られた細菌についての資料を読んだことはありませんか?」
「はい、読みました」
「では、説明できるでしょう。主にハトが原因となるクリプトコックス症については? 知らないのですか? ヒストプラスマ症はどうですか? 芽球菌症? コクシジウムマイコシス? カンジダ症は? あなたはこれらを知らないのですか?」
「いえ・・・」
「君は、クリプトコックス症について、この訓練セッションをもう一度やり直すべきだ。来週同じ時間、同じ場所で、最初から!・・・以上だ」
ああああああ!
******
~食堂~
「こっちです」
仕事終わりに、クンを呼び出したオソル。
「こんな時間にどうした?」
「午後、助けてくれたでしょ。これ、持ってきてくれて本当にありがとう。」
「ん? 持ち帰ってきたんだ?」
「ええ、洗う必要があるので・・」
「でも、秘密にして、いつまで、あそこで働くつもりなの?」
「え?」
「こんな面倒ごとがあっても、あそこで働き続ける必要があるの?」
「今のところ仕事を続けなければならないし、辞める理由もないし。」
「そうだろうと思った。 特別な理由はないんだね。」
「ちょっとうかがってもいいですか?」
「うん」
「前に、長い間好きな人がいるって言ってたでしょ」
「ああ」
「でも、その人って、私のことなんですよね?つまり、あなたはちょっと前に屋上の家に入ったばかりで、それで・・・」
「引っ越す前から、君が好きだった。君はそれを覚えていないかもしれないけど」
「引っ越す前から? いつから? どうやって私を知ってたの? 以前に会ったことがありした?」
「うん。随分、前にね。君はまず、僕に、こんにちはって、挨拶したんだ」
「私が? あ、まぁ、私はかなり社交的な人だから・・・でも、いつのことですか?」
「君は、随分たくさん、質問があるみたいだ」
「まぁ、そういうわけでもないですけど・・・でも、私たちの道がどうやって交差したのか、知っておいたほうがいいでしょう。」
「もし、あまりにもすぐに、見つけようとすると、傷つくかもしれない。僕は、どこにも行かないから、徐々に時間をかけていこう。いいよね?」
「ああ、ステップバイステップ・・・でも、それなら、あなたは、私のためにうちに引っ越してきたの? そんなことないですよね? 単なる偶然ですよね?」
「好きなひとに近づきたいと思うのは自然のことじゃない?」
固まる・・・・オソル。
「ご馳走様・・・。すごく甘いね、これ」
空回りするソンギョルの、しかめっ面が、随所に入り込む分、クンクンが、スマートに見えちゃいます。
ソンギョルの気持ちが読めない時と、クンクンの行動が読めない時と、それぞれに対するオソルのヤキモキ度の違いも面白く見ています。
クンクンが、二言目には発する「彼女を守る」というキーワード、これを最優先にあげる意味、こだわる意味について、ずっと気になっているのですが、やはり、AGグループの件なんだろうなぁ。
心配だなぁ