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(前回のおさらい)
立ち上がったヒョクが、ユラの手を取ろうとしたその時、「陛下・・・」と声をかけるチョチーム長。
「何事だ?」
「お客様がおいでになりました」
そこに現れたのは、時の人 オ・ソニ。。。
笑顔になる太后。
「まぁ、これは驚きました。よくいらしてくださったわ、オ・ソニさん」
前回とは別人のように、ソニを迎え入れる太后。
なぜ、ソニがここに来たのか、訳がわからないヒョク。
太皇太后の前に、ソニを誘導する太后。
「さ、ご挨拶なさい。こちらが、梨花宮の太皇太后様でいらっしゃいますよ」
「太皇太后様、はじめまして。オ・ソニです」
「ええっと、この女性は・・・」
戸惑うおばば様。
「このお嬢さんが、陛下がいつもデートされてるオ・ソニさんですのよ」
にっこり笑う太后。
目を見張るヒョク。
一斉に、フラッシュがたかれ、集められた記者たちがどよめく。
「陛下が危険な目にあわれた時、彼女が陛下の命を救ったことで、親しくなったようです」
「では、陛下と共に池に飛び込んだ若い女性というのは、このお嬢さんのことですか?まぁ、なんという巡りあわせか。ずっと感謝していたのですよ。もっと早く会いたかった。。」
素直に、喜ぶおばば様。
記者:オ・ソニさん、今、太后様がおっしゃったことは事実ですか? いつ、そのようなご関係に発展されたんでしょうか?
記者2:彼女が、このようなイベントに招待されたところを拝見しますと、これは彼女が皇室に受け入れられた皇后の候補者であることを意味しているのでしょうか?
カメラのフラッシュを浴びるソニ。
「あの~、今日は、お祝いのパフォーマンスのために、来たんです」
なぜか、キンキラキンのジャケットを羽織り、髪に赤い花を飾ったキャバレーの営業みたいな姿になったソニ。
「太皇太后様、世界平和大賞、ご受章、おめでとうございます!」
みんな呆然。。。
さすがのソジン皇女も「いままで、こんな低俗なショーは見たことない!」と叫びだす始末。
チェチーム長にやめさせるように合図する太后。
その時、リズムにのって、即席ステージに向かい、一緒に踊りだす太皇太后!
おばば様、やる~~~(笑)
記者たち、一斉に写真を撮り始める。
皇女の娘の王女も一緒に、楽しそうに踊り出す。
どうするおつもりですか、この状況・・・と、ヒョクと太后の視線が絡み、結局、手拍子するしかない策略家たち(笑)。
母親の威嚇を受けて、嫌々、手拍子に参加するソジン皇女も含めて、これって、かなり、ブラックユーモアが効いていて、それを楽しむドラマだったんだ。。。と確信しました!
ちなみに、この曲です。
ご注意💛ずっと、頭の中で、アモーレパーリー♪が止まらなくなります。(笑)
~アッパのチキン店~
ヘロ「オ・ソニはどこ行ったの? 今朝、オシャレしてたけど」
アッパ「さぁな。知らないよ」
素知らぬふりをするアッパ。
~回想~
実は、先だって、チェチーム長に会っていたアッパ。
「太后様の指示でこちらに伺いました。これは太后様からの慰労金です。どうか、お受け取りください。」
「慰労金?・・・なぜ、こんなに大金を?」
「それは・・・お父様おひとりで、あのような偉大なお嬢様を育てられた褒賞だとお考え下さい。それで、実はお父様に折り入って、お願いしたいことがあるんです。」
「どういったことでしょうか?」
「数日後に、皇宮で行われる祝賀パーティーに、オ・ソニさんをご招待するつもりなのです。」
ヘロ「アッパ、何、考え込んでるの?まさか、また、なにか問題を起こしたの?」
アッパ「俺が・・・俺が何を起こしたっていうんだ?」
ヘロ「お願いだから、おとなしくしててよね、わかった?もし、今度、問題を起こしたら、私は、アメリカにでもどこにでも行くからね。」
「脅かすなよ。この世に、俺みたいな父親はいないんだぞ」
ヘロが出ていくと、「ソニや、一度でいいから、大博打に買ってくれ」と祈るアッパ。
サインするソニ。
「すぐに有名になります。誰にでもサインしたりしません。あなたは唯一の例外です、おばあちゃん・・あ、唯一の例外でございます、太皇太后様」
「いいのだ、ありがとう。さぁ、これを。今日の歌のお礼だ」
「いけません。。。今日のショーのために、お金は受け取れません。数日前、陛下にご馳走していただいたんです。でも、せっかくのご厚意を無下にしては失礼ですよね、ありがとうございます」
ちゃっかり受け取るソニ。
「陛下、今日の祝歌は際立っていた。二人は交際していると太后が言っていたが、是非とも、詳しく聞きたいものだ。」
「以前から、オ・ソニさんの個人的なファンだったのです」
「ええ・・」
にこにこと答えるソニ。
外に出て、太后とチェチーム長の会話を聞いてしまうヒョク。
「十分な肉や果物を届けるように。そして、これも渡すのだ」
白い封筒をチェチーム長に渡す太后。
「これは・・・少し多すぎるのではないでしょうか?媽媽。先日も、3000万ウォンを与えられたではありませんか?彼らがこういうことに慣れてしまうのでは、と心配です。」
「別にたいしたことではない。彼らにとって、金は、何よりも重要だ。そういう人間をコントロールするのは簡単なことなのだ。あの娘も慰労金を受け取るために、宮殿にも来たくらいだ。数千ウォンでもプライドを売る、と確信している。卑しい人間とはそういうものなのだ。私の指示どおりになさい」
「わかりました、媽媽」
ソニを伴って、外に出てきたヒョク。
計画をぶち壊しにされ、怒りを沈めるしかない。
「今日のようなショーはお好きですか?陛下。準備しようと思ったのですが、直前にリクエストされて時間がなかったものですから」
振り返る前に、なんとか笑顔を作るヒョク。
「おばあ様は喜んでいらした。それだけで十分です」
「あ、衣装までお送りくださって、ありがとうございました。でも、どうやって、私のサイズをご存じだったんですか?まるで、自分のものみたいに完全にピッタリでした」
「似合ってました。ところで、オ・ソニさん」
「はい」
「実は、今日、あなたを宮殿に呼んだのは、私ではなく・・・」
そこへ、話を遮るように、ミン・ユラが現れる。
「ソニさん、まぁ、こんなところにいらしたのね。お探ししていたのですよ。宮殿の警護人がお宅までお送りいたします」
「そんな・・・必要ありません」
「お疲れになったでしょう。どうぞ、ご利用ください。今日、来ていただいたことに関する陛下のお気持ちです」
頷くヒョク。
「お気をつけて。では」
「陛下。失礼します」
帰っていくソニの後ろ姿をみているヒョクとユラ。
「陛下が、お気持ちを押さえられたのは、とても良いことでした。彼女にはまだ、利用価値があります」
「俺は、まったく、彼女が好きじゃないんだ。彼女は、恥ずかしげもなく、こんなところまで来た。母上がこれ以上、動くまえに、さっさと彼女を排除しなければ・・・」
「太后様がこのように、先に動かれるとは思っておりませんでした。それでも、こちらにも分があると確信しています」
「そうだな」
~ソニの自宅~
「うちのソニの入宮を祝って、乾杯!乾杯!」
「アッパ、やめてよ。ただ、歌を歌ってきただけよ。それだけ。5万ウォンくれたわ。私たちの間には何もないの!」
「気づいてないのか? お前、“ウリ”って言ったんだぞ。な、ヘロ、お前も聞いただろ?」
「また、そんな想像でものを言って!(オンニは)何もないって、言ってるじゃない」
「もし、そうなら、どうして、皇族の家族の集まりに招待されるんだよ?これは、全て、縁の始まりってもんだ」
「アッパ、もうやめて。馬鹿げたこと言いすぎよ。本当にオーバーなんだから!」
超現実主義のヘロが、やめさせる。
「なんで、陛下はオンニを連れていったの?彼は皇帝なのよ。生まれから、なにから、私たちとは違う世界の人なのよ」
「夢くらい見たっていいだろう?」
「うるさい! オンニ、しっかりしてよ。お願いだから、ちゃんと自分を見て。わが家を見て。ああ、まったく・・」
不機嫌に立つと部屋に入ってしまうヘロ。
「おい」
「わかってるから、もうやめてよ。私だって、自分のことくらい、よくわかってる!まったく、彼女は夢をぶち壊す天才ね。」
「ソニや、お前はいいとして、もし、確かじゃなければ、陛下に直接聞いてみたらどうだ?陛下の気持ちを・・・」
「陛下の気持ち?」
「ミンチーム長、陛下にお花をあげたいのだが、私の温室に来てくれないか?」
太后に呼び出されたユラ。
つかつかと近づいてくる女官たち。
「なにをするのです?放して、放しなさい!」
「静かにするのだ」
温室の奥の部屋に閉じ込められるユラ。
******
海岸線を犬と散歩する男性。
急に、走り出すシェパード。
あとを追うと、打ち上げられた人間の・・・遺体?
っていうか、視聴者的には、どうみても、ワンシクにしか見えないけど。
黒装束の男たちを見て、吠えたてるシェパード。
「すみません。この辺りで、この人間に似た人を見かけませんでしたか?」
黒服の男に、写真を見せられる男性。
「この近くのビチ島に住んでいるんだが、もし、彼が生きていたら、彼に会う必要があるんですよ。もし、死んでいたら、死体は、ここに流れ着くべきだし・・・」
「向こうのほうも探すんだ」
部下に指示するマ・ピルジュ。
盛んに、吠えたてるシェパード。
「ボクシラ、ボクシラ。。子供を産んだばかりでね、気がたっているんだ。噛みつかれる前に、向こうに行ったほうがいいぞ」
「生きているにせよ、死んでいるにせよ、我々は見つけるまで、探しつづける。もう一度、病院を調べるんだ」
男たちが行ってしまうのを確かめてから、ワンシクに近づく男性。
「あんな物騒な奴らに追われるなんて、一体、どんな悪いことをやったんだ?」
知り合いの病院に運び込む男性。
「助かるのか?」
「出血が止まるとは思えんな。なにしろ、低体温を起こしている。まず、大きな病院に連れて行かないと。」
「鎮痛剤をくれ」
「このままだと、確実に死ぬぞ。」
「死を恐れるのであれば、どっちにしろ、俺にできることは何もない。こいつの寿命もそこまでだ」
ワンシクを背負って帰る男性。
それだけでも、ただもんじゃないね、この人!
ピョン先生(キム・ミョンス)です。。。
人里離れた民家に住む男性。
医者がくれた鎮痛剤を細かくすりつぶし、ワンシクに飲ませる男性。
低体温は脱したみたい。
海から引き揚げたときは、真っ青で、生きてるとは思えなかったもの。
「俺は、なんで、こんなバカなことをしてるんだ?」
ズボンのポケットから覗いていた財布を取り出す。
中に、オンマやドンシクと一緒に写した写真が入っている。
******
縛られているユラ。
「ここから、出しなさい!早く」
なんだろう、このスペース?
太后がチェチーム長と一緒に入ってくる。
「太后様。このようなことをなさって、陛下が太后様の元に戻られるとお思いですか?」
「いつまで、その口を動かしていられるかな。」
「陛下が私を愛してくださってから、私には怖いものなどございません」
「チェチーム長、どうも私の慈悲に値するものではないようだ」
「かしこまりました。太后様」
セメントが流し込まれる。
「どんな気分だ?少しは、お前の心臓も壊れて、目が覚めたか?お前を誰にも知られず、埋めることもできるのだぞ。皇帝から離れるのだ。陛下から離れると約束するまでは、お前をこの部屋から出すことはない」
「なぜ、私をそこまで憎まれるのですか?私がなにか悪いことをしましたでしょうか?」
「お前が卑しく、欲深いからだ。この皇室を崩壊させようとしているくせに、なぜ、そのようなことを訊ねるのだ?今日、ネズミが下水道で死ぬだろう」
たまっていくセメントに、ユラの頭を抑えつける太后。
「今すぐ、やめるのだ」
おお、おばば様が現れた。。。
セメントが流し込まれている箱の中に、ユラがいるのに気づいたおばば様。
「何をしている、彼女をすぐに病院に運べ! なんとしても、彼女を救うのだ」
護衛たちが、箱の中に入っていく。
「太皇太后様、なぜ、こちらに・・・」
救出されるユラが確かに、自分の方を勝ち誇ったように見ているのに気づいた太后。
~回想~
「どうか、私をお助けください、太皇太后様。5年間、陛下の個人秘書としてお仕えしてまいりました。陛下は私を好んでくださり、とても良くしてくださってます。そのために、太后様は私を憎み、命まで脅かすのです」
「なんだと?」
「太后様は、陛下の活動だけではなく、寝室でさえも監視されています。もし、太皇太后様がお調べになれば、それが事実であるとお分かりになるはずです」
事前に、太皇太后に直談判し、手をうっていたユラ。
「なんと恐ろしい女だ。今すぐ、私と来なさい」
おお、むち打ちだ。。。
「すべては私の責任でございます。太后様は何も悪いことはされておりません。どうか、代わりに私を罰してください。私を殺してください、太皇太后様」
泣きながら、訴えるチェチーム長。
「お前は、命令に従っただけだ。指示した人間が罰せられるべきだ。100回の鞭打ちを終わらせる。出ていくのだ」
「マーマー」
「出て行きなさい、チェチーム長」
退席するチェチーム長。
「99・・・100」
歯を食いしばり、耐える太后。
これ、芝居じゃなく。本当にやってたら、ムチをしならせるおばば様も大変なのよ!
「私は、このことを誰かが気がつくかもしれないと恐れている。どのようにして、この宮殿で働くものを、あのように扱うことが出来るのだ」
「ミン・ユラ、あの魔女は、皇室を嘲笑したのです。私が彼女に警告を与えた理由です」
「いくらなんでも、これは、皇室の持つ力を乱用し、超えていると言わざるをえない。これは人権の侵害だ! ホンチーム長、彼女をここへ」
「はい、媽媽」
入ってくるユラ。太后にだけわかるように、嗤ってみせる。
さっと、血に染まり、皮膚の裂けたふくらはぎを隠す太后。
「近くにきなさい。具合はどうだ?」
「大丈夫です。太皇太后様」
「この哀れな子がどれだけ長い間、苦しんできたかと思うと、胸が苦しい。とにかく、太后は彼女に個人的に謝罪せよ、太后」
「それはどういう意味でしょうか、謝罪とは? この平民に屈するようにおっしゃるのですか?お断りいたします。私にはできません」
「彼女は、単なる市民ではない。皇室のために働いた人間だぞ」
「それでもできません。嫌です。そんなことをするくらいなら、1000回のむち打ちのほうがましです。」
「お前に選択の余地などない。お前の犯罪を、皇宮警察だけでなく、全国民に明らかにするまでだ。どうした? 私を疑っておるか? 皇室が存在しなくなることさえ、気にしないのであれば、太后の望むようにすればよい」
おばば様の本気度が伝わったね。
「やりすぎたようだ。謝罪する」
「謝罪していただけると思っておりませんでした。太后様がもう、私のことを憎んでいらっしゃらないことに感謝いしたます。」
涙ながらに頭を臥せるユラ。
さすが、そつなく振る舞うねぇ。
「この子のことは、今後、私が面倒をみよう。更に、太后は今後一切、皇室の婚姻を取り巻く問題に関与してはならぬ。」
「私は、陛下の母親です。そのようなことはできません。」
「陛下は一度、苦しんだではないか。だから、今度こそ、太后の気に入る者ではなく、陛下の好きな相手と結婚させるつもりだ。陛下の結婚には、私が全責任を負う。しっかり心に留めよ」
内心、ガッツポーズのユラ。
女官たちに支えながら、おばば様の居室から出てきた太后が、ユラを呼び止める。
「盗みだけかと思ったが、それ以上に多くを狙う魔女だったのだな」
「ですから、もう、私に手出しをするのはおやめください。傷つかれますよ、太后様」
「この魔女め、誰に向かって・・・」
チェチーム長の腕を掴むユラ。
「口を慎んでください、チェチーム長。太皇太后様が私の面倒を見るとおっしゃったのをお聞きになっていないのですか?」
「もし、お前が、あそこに太皇太后様を連れてきたのなら、私がお前にしようとしていたことを先に知っていたということだな?」
「まさか。なぜですか?代わりに、陛下をおよびすべきでしたか?」
「なに?」
「陛下ご自身のために、秘密は守りますので、ご心配なさらずに。ああ、太后様が私ごときに謝罪されたということも秘密にいたしますね」
「そなたを過小評価していたようだ。いいだろう。陛下の威厳を保ちつつ、今後も、陛下を守るがよい。失う痛みを知るためにも、一度、手にするのもいいだろう」
「誰が失う者になるのか、誰にもわかりません」
一礼して立ち去るユラ。
「ミン・ユラに関するすべての弱点を探してくるのだ。ビチ島の事件ももう一度、調べなおすのだ。必ずや、何か見つけてくると確信している。」
*******
「陛下、お客様がお見えです」
ヒョクの居室に通されるソニ。
「なぜ、こちらに?」
「驚かせてしまいましたか?突然来てしまって、申し訳ありません。陛下の直接の連絡先がわからなかったので・・・」
「なぜ、こちらに来られたのでしょうか・・」
「ああ、陛下にお弁当を作ってきたんです。お口に合うといいのですが」
「私は、どんな食べ物も一切、食べないのです」
「ええ、もちろん、宮殿で美味しいものを食べていらっしゃると思いますが、私が自分で作ったので・・・。」
ヒョクの視線を感じたソニ。
「あ・・・、あの、来るべきではなかったのでしょうか?」
苦笑するヒョク。
「・・・ええ」
「それなら、なぜ、私によくしてくださったのでしょうか。陛下は私を混乱させました。」
「明確にしておいたほうがいいようですね。あなたに対する私の気持ちは、単なる一ファンとしてのものです。もし、誤解させてしまったのなら、謝ります。私は、もうソニさんをファンとしても見ることができなくなるようです。どうぞ、お引き取りください」
「わかりました、そうですね」
涙ぐむソニ。
「感謝の気持ちをこめて、お料理を作ったんです。どうか、ご理解ください。お邪魔して申し訳ありませんでした」
退出するソニ、途中でユラとすれ違う。
クスっと笑うユラ。
「捨ててくれ」
「オ・ソニさんが持ってきたのですか?お料理のようですけど、どうして召し上がらないのですか?」
「俺は彼女を遠ざけたんだ。もう二度と彼女には会わないからな。側にいてほしい女は君だけだ」
「お気持ちを変えてはだめですよ」
ユラを抱きしめるヒョク。
「皇帝を信じないのか?マ・ピルジュがビチ島の件を片づけた。もう何も心配することなどない。死んだ女性の息子も、ちゃんと始末した。」
ヒョクの体を離すユラ。
「ナ・ワンシクとかいう目撃者のことですか?」
「そうだ。もうこの件について、話すのはやめよう」
「わかりました」
この二人のイチャイチャはすぐにカットで(笑)
******
目が覚めたワンシク。
よくぞ、あの状況で生きてたね。
頭の傷の激痛に、思わず声をあげる。
マ・ピルジュが、先生の家まで押し掛けてきた。
シェパードのボクシルが吠えたてる。
「こんな人里離れたところに住んでる人間のことなんて、知りませんよ」
案内人かな?
「何か用かね」
「いい家だ。隠れるには完璧だ。家中、探せ」
「何をする気だ?」
引きっぱなしの布団と薬の容器を見るピルジュ。
「それは私の血圧の薬だ。置いてもらおうか」
「横のドアを開けろ」
納屋に通り抜けられるようになっている。
藁のなかに身を隠したワンシク。
スコップで突き刺していくピルジュ。
「止めるんだ。そこのは、みんな牛の糞だ。先日、2頭の牛を売ったから、空っぽだ。」
ひっきりなしに吠えたてる。
藁に、ワンシクの血を見つけた先生。
咄嗟にボクシルをけしかけ、噛まれる男。
「このバカ犬!」
農具で刺そうとするピルジュ。
「止めろ!よしてくれ。この犬は、唯一の家族だ。ダメだ、止めるんだ!ボクシル。止めろと言ったぞ。よし、いい子だ。」
「気を付けろ」
ピルジュたちが立ち去ると、すぐに肥料箱から出てきたワンシク。
農具を突きつけながら、
「あんた、誰だ? なぜ、俺はここにいる?あんたとあいつらの関係を言え!」と訊ねる。
ああ、脳も壊れてないみたい!
ピルジュの前では、一切素振りを見せなかったのに、一瞬で、農具もろともワンシクを押さえ込む先生。
「お前を助けた人間だ。なぜ、そのように無礼を働く?下に降りて、あいつらに捕まるか?」
ピルジュに傷つけられたところを麻酔無しで縫う先生。
木片を咥えて、必死に耐えるワンシク。
「成りは牛のようにでかいくせに、まるで赤ん坊だな。終わったぞ。頭はどうだ?頭の中に銃弾があるそうだな」
え?あの弾、残ったまんまなの?文字通り、爆弾抱えてるってこと? ミサ(『ごめんね、愛してる』)のムヒョクみたいに取り出せないとか、無しでお願い!
「これは鎮痛剤だ、飲むか飲まないか、好きにしろ。」
言ってるそばから、噛み砕くワンシク。
「とにかく、このままと言うわけにはいかんだろう。手術が必要だ。そうしないと、お前は死ぬぞ。出来るだけ早く病院に行け。お前のためにやってやれるのはここまでだ」
立ち上がる先生の足にすがるワンシク。
「助けてください、オルシン。俺が追われているのを見たはずです。」
※オルシン・・・老人の敬称
「だから、出ていけと言ってるんだ。面倒ごとに巻き込まれるつもりはない。お前を助けるのにかかった費用は求めん。とにかく、うちから出ていってくれ」
「私の母は・・・私の母がひどい死に方をしたんです。あいつらに復讐するまでは、何も出来ません」
「みんな、それぞれ事情はあるものだ。いいから、出ていってくれ。今すぐだ」
「オルシン! オルシン・・・」
叩き出されて、困り果てたワンシク。こともあろうに、藁に火を着けました!
「おい、なにしてる、こいつ!」
「あいつらに殺されるくらいなら、いっそ、ここで死んでやる!」
「なぜ、恩を仇で返す? いいから、火を消せ。家をまるごと燃やすつもりか?」
「だから、頼んでるんだ!助けてください、オルシン。どうか助けてください!」
この人は信頼できる!っていう本能ね。
******
失意のまま、帰ってきたソニ。
部屋に飾ったヒョクの写真やグッズを片付け始めてます。
「いくら幻想を抱いても、身の程を知らなきゃね。今までありがとうございました、陛下。幸せでした」
取り外した写真を眺めるソニ。
「おい、ソニや、なんで取り外したんだ?」
「あー、取り外したらスッキリしたわ。アッパ、こんなの捨てちゃいましょう!」
「どうした? 陛下はお前を好きなんだろう?好きだと言わなかったのか?」
「まさか、そんなことあるわけないでしょ。私だって関心ないもの。」
「完全に終わりか? 本当に終わったのか?ああ、なんてことだ!これで、人生をやり直せる、と思ったのに。」
ガックリと座り込むアッパ。
「アッパって人は全く! 私を誰だと? 私よ、オ・ソニよ。これからは、歌に集中するわ。私が言ったことを覚えておいて。絶対、成功してみせるからね。必ずね・・・」
*****
宮殿内
太后に呼ばれてきた警護チーム長。
「私の人生をかけて、陛下をお守りするつもりでおります。これをしなければならないのかどうか、判断いたしかねます」
「私があなたをこの宮殿の警護員の長にしたことを忘れたのですか?さぁ、見せなさい。」
「これを、陛下の車の中で見つけました」
封筒に入ったユラの手紙と、ボイスレコーダーを差し出すチーム長。
最後まで、一緒に居られなくて、申し訳ございません。
決定的な証拠である、この車を処分いたします
何かを思いついた太后。