フィリップの扱いがあまりにも不憫・・・主人公なのに! 周囲のアクが強すぎるのかな?
ネタバレOKの方のみ、おすすみください。
【Ep.26】
「34歳になったとき、君に何が起きるのか知っておく必要がある」
「ああ、それなんだけど本当になにもないのよ」
ウルスンに話すつもりがないと思ったのか、自分の話から始めるフィリップ。
「俺は、巫女の息子だった。」
クラスのいじめっこたちに、巫女の息子のくせにこんなこともわからないのか、などと、からかわれた少年時代。
ある晩の両親の会話
「あの女性は有能で、アメリカに行きたがっているし、家も建てた。彼女は、ウルチュクを家族として受け入れ、面倒をよく見ると約束してくれた。なぁ、ウルチュクを手放してくれ。俺がちゃんと育てるよ。」
「あなた・・・」
「手放すのも愛情だ。お前だけで育てられるのか?」」
「ええ、ちゃんと育てます。約束します。わたしがちゃんと育ててみせます」
「頼む!バカなことを言うのは止めてくれ。息子が巫女の子供としていじめられてる。いつも殴られたりしているのに、気づいてるだろう。いつまでそんなことを言うつもりだ!どうした?永遠にそう呼ばれさせたいのか?正直、俺もお前のせいで、何もうまくいかない。お前は息子の将来まで台無しにするつもりか?」
怒って出ていく父親。
ごめん。あのアザはアッパが虐待してたんじゃなかったのね。なんか、最初の方で、そういうプロフィールっぽい情報が出てたと思ったんだけど。
いやぁ、虐待するような父親に子供を残していくなんて、変だと思ったのよ。。。
寝た振りをして、全部聞いていたウルチュク。
あとに残され、泣いている母に抱きしめられる。
「泣かないで。オンマ。僕、アメリカには行かないよ。オンマと一緒にいたいんだ。死ぬまでグルーみたいに一緒にいるよ」
更に、強く抱き締めるオンマ。
「でもね、オンマみたいに死んだ人が見えるようになり始めるの?」
急に起き上がるオンマ。
「ウルチュガ」
「みんな、言うんだ。僕も幽霊が見えるだろうって。」
その言葉で、決心したのかな?
高速バスを待つオンマに、最後に会いに連れてこられたウルチュク。首には算数でもらった金メダルがかかっている。
「オンマ、オンマー」
抱きつくウルチュク。
「オンマ、どこ行くの?」
遠くで見ているウルチュクの父親と目が合い、強引にウルチュクを引き離すオンマ。
「ウルチュガ、さぁ、行きなさい。行くのよ、早く」
父親の方へ押し戻す。
「オンマ、行かないで」
「オンマは死んだと思いなさい。さぁ、行くのよ、早く」
心を鬼にして、厳しく接するオンマ。
バスに乗り込み、一切、自分を見ない母親の姿を見ながら、父に連れられて、ターミナルをあとにしたウルチュク。
「オンマが、俺を手放したのが俺のためなのか、オンマ自身の幸せのためなのか、未だにわからない。ただ、最後に冷たくされたのが寂しかったのを覚えている。父親は俺に、オンマは再婚するために俺を手放したと言った。だから俺は24年間、母親が嫌いだった。その憎しみは運命を超えて、俺はどんな嬉しいことも喜べなくなった。オ・ウルスンを嫌いになりたくない。俺に嘘はつかないでくれ」
頷くウルスン。
「嘘はつかないわ」
「だったら話してくれ。何をそんなに恐れている?34歳になったら死ぬってことなのか?」
「こう言われてたの。34歳になるまでは気を付けなさいって。それだけよ」
「本当にそれだけか?」
「うん、火、水、高いところから落ちることに注意しなさいって。あと、なんだったかな?うん、たぶん、それだけだったと思う」
「それ、全部信じるな!うちの母や、お父さんが言ったことでさえ、信じるな!俺たち二人のためにも信じるべきじゃない、俺にとってはそれが大事だ」
笑顔でうなづき、ここまで言われても、すべてを打ち明けないウルスン。
「ところでフィリップさん、8年前のカリーナレジデンスでの火事の時の記憶ってどれくらいあるの?どうやって逃げ出したの?」
「実は、それを思い出すのは大変なんだ。あの部屋に入るないなや、そのあと目覚めるまで記憶がないんだ。ユナが俺を助けたと言われた」
「ああ、ユナさんが・・・」
そうだったのか、と頷くウルスン。
「一体、俺以外に今まで何人くらい、助けて来たんだ?」
「私?ああ、そうね、いっぱいかなぁ。バスに閉じ込められてる人を助けたこともあった。変な奴らに殴られてる人を助けたり、たくさんよ。カリーナレジデンスでもそうだった。そこでも、誰かを助け出したの。」
そこまで言って、あのとき、レジデンスの廊下で意識のない誰かを抱き起こしたことを、ふと思い出すウルスン。
「!」
目の前には、微笑むフィリップ。
内心では動揺しまくるウルスン。
庭のリンゴの木の幹がポロリと剥がれ落ちる。
家の門の外では、ラヨンが佇んでいる。
入ろうとするラヨンを、オンマのピンクの霊気が阻止する。
~ウニョンの部屋~
ウニョンのデスク回りを調べるソンジュンと、ウルスン。
パソコンも調べているウルスン。
「どこにも14話の台本なんて見つけられないわ」
「確かに・・・。どういうことだろう?僕にはあるって言ったのに」
入力している時のウニョンの様子がおかしかったことを思い出すウルスン。
「ここ数日、本当におかしかった」
「とにかく、帰りましょう」
「いえ、ソンジュンは先に帰って。わたしは、もし、ウニョンが帰ってきたとき、きれいな方が気分いいと思うから、掃除してから戻るわ」
「なら、僕も手伝いますよ」
全く、フィリップといい、ソンジュンといい、さら~っと、なんでもできる系の男子よね。
掃除機をかけるウルスン。
ああ、本棚を整理してるギグァンだけ、ずっと撮っててくれないかな(笑)
この上下ブラックな、無駄のない感じ・・・。
「ん!」
「どうかしました?」
掃除機が吸い込みそうになった紙を拾い上げるウルスン。
「これ、14話の原稿みたいじゃない?やっぱり、ウニョン、書いてたんだわ」
「どれ、見せてみて」
目を通し、顔色を変えるウルスン。
あの日、あんたが死ねばよかったのよ
8年前 カリーナレジデンス
火事の中、一旦、避難したにも関わらず、ウニョンにパソコンを預けて、中に戻ったウルスンが一人の男性を支えながら、建物から出てくる。
ウニョンが駆け寄るのと同時に、陰で様子を見ていたユナが飛び出してくる。
「オッパ!」
地面に寝かされたのはフィリップ。
また、建物へとんぼ返りするウルスン。
「ちょっと、どこ行くのよ!」
「まだ、オンマが中にいるの」
「危険よ、ウルスナ」
火が相当回った建物を見上げるウニョン。
《まだ、PDに会ったことないの?》
《うん、いつもメールかでんわなの》
ノートパソコンを握りしめるウニョン。
避難路の防火ドアはすでに、取っ手が持てないほど熱くなっている。
ウニョンに電話を掛けるウルスン。
「ウニョガ、私よ。近くに消防士さん、いる?聞こえてる?ウニョガ?今、5階にいるんだけど、非常扉が開かないのよ。オンマが中にいるのに、入れないの。5階に消防士さんをよこして!」
逼迫したウルスンの声を聞きながら、そっと、携帯を下ろすウニョン。
「ウニョガ?ウニョガ?!」
混乱のなか、救急車に搬送されるフィリップ。
消防関係者に話しかけられるウニョン。
「避難された方たちを確認してます、まだ、残ってる方はいらっしゃいますか?」
「いえ、5階には誰もいません。私が最後でした」
(ただ、そこで死んで。お願い!もし、あなたが死ねば、あなたが死んでくれさえすれば)
そんなウニョンの様子をじーっと見据えるユナ。
ただ、そこで死んで。お願い!もし、あなたが死ねば、あなたが死んでくれさえすれば
目を通し、その場に座り込んでしまうウルスン。
「ヌナ?」
《1週間差し上げます。試しにやってみるか、うまく終わらせるか、どちらか決めてください。あなた次第ね》
拉致されたウニョンが戻ってきた打ち合わせで、『幽霊の愛』を終わらせるよう、言い放った時、ウニョンを駐車場まで追ってきたウルスン。
「なぜ、こんなことをするの?あんたなら、いくらでも他の話が書けるでしょう」
「あんたが成功するのを見たくないだけよ!」
「な、何? いったいどうしちゃったのよ。ずっと、かっこよかったじゃない!仕事への情熱も献身も、他の人なんかよりも。どうして、ここまでするのよ!」
「あんたがここまでさせたのよ!あんたが、私に書けなくさせたの」
《あの日、あんたが死ねばよかったのよ》
《ただ、そこで死んで。お願い!もし、あなたが死ねば、あなたが死んでくれさえすれば》
ウニョンの真意を悟り、とうとう、舗道でも座り込み、泣き出すウルスン。
駆け寄るソンジュン。
「ヌナ、どうしたの?」
「ソンジュガ、ソンジュガ・・・」
「大丈夫だよ」
「オンマが、オンマが、ウニョンのせいで死んだの。でも、彼女は、私のせいでそんなことをしたって言うのよ」
「しっかりして!ヌナのせいじゃない。キ作家のせいだ」
「あの人にどんな顔して会える?どうすればいいの?」
~フィリップの自宅~
刑事が訪ねてきて、思いっきり不思議そう。
「一体、何があったんですか?オ作家と家を入れ換えるなんて」
「ああ、行ったり来たりしてますよ」
なんか、イ刑事の前で、恋人の振りをしてから、随分経ったような(笑)
「キ・ウニョンさんは、まだ、目覚めないんですか?」
「ええ、まだです」
「ユ・フィリップさんも、彼女が自殺を図ろうとしたとお考えですか?」
「まぁ、強い人間ほど、簡単に落ちてしまう傾向はあるでしょうね」
「まぁ、そういうこともありますよね」
いかにも、ウニョンはそうじゃないと言いたげなイ刑事。
「ところで、キム・ヨンマンさんは、どちらですか?」
「ヨンマンに何か?ちょっと用事を頼んだんですが」
「あの日、キ作家のオフィステルに行かれたようなので、お話を伺いたかったんです」
「ヨンマンがそこに行ってたんですか?」
「ええ、イ・ソンジュンPDと彼が、キ・ウニョンさんの第一発見者です」
(なぜ、ヨンマンがキ作家のところに行ったんだ?)
ヨンマンに電話を掛けるフィリップ。
繋がらない電話。
「電源を切って、どこへ行ってるんだ?」
~ウルスンの家~
ショックを受けたウルスンを寝かしつけたソンジュン。
フィリップが電話をしながら、やってくる。
「どうして、みんながみんな、電話に出ないんだよ・・、オ作家と言い、ヨンマンと言い・・・」
ウルスンの汗をぬぐっているソンジュン。
寝室に入り、眠っているウルスンを見て、顔色を変えるフィリップ。
「オ作家、一体どうしたんだ?」
ソンジュンが立ち上がる。
「なにがあった?」
「ようやく落ち着いたところです。出ましょう」
リビングにやってくる二人。
「話してくれ。何があった?」
「彼女に直接聞いてください」
「彼女は俺に話さないから、イPDに聞いてるんだ。頼む、教えてくれ」
少し考えるソンジュン。
「イPD・・・」
「僕が幽霊を初めて見たのは・・・6歳の時でした。その時は、誰も僕の言うことを信じてくれなかった、両親ですら・・。たった一人を除いて。オ作家様だけが僕を信じ、僕の手を握ってくれたんです。それで、僕もオ作家にとってそういう人になりたかった。でも、彼女が望んだ人は僕ではなく・・・、ユ・フィリップさんだった。彼女をしっかり捕まえ、そして彼女を信じてください。」
そ、そんじゅん・・・・
「オ作家は、また、変な音楽が聞こえ始めたのか?」
躊躇いつつ、頷くソンジュン。
「それでも、ちゃんと彼女を信じてください。もし、あなたがそうしないのなら、僕がまた、介入します。」
それだけ言うと、去っていくソンジュン。
ああ、ソンジュン、ソンジュン・・・。
うなされているウルスン。
(火事の時の続き)
着ていた洋服で、熱くなった取っ手を掴み、なんとか、5階のフロアーに入ろうとしたウルスン。
ラヨンを助けようと奮闘しているウルチュクオンマの姿が一瞬見えたあと、バックドラフトで吹き飛ばされ、気を失うウルスン。
飛び起きるウルスン。荒い呼吸を整える。
リビングにきてみると、キッチンに立っているフィリップ。
「まだ、いてくれたの」
「病気の人間をほっておけるか?」
「もう、よくなったよ。どうして、こっちをみてくれないの?なんだか怒ってるみたい。顔を見せてよ」
「怒らないように、必死で努力中だ!でも、怒ってる」
「ユ・フィリップさん・・・」
ようやく、ウルスンのほうを向くフィリップ。
「“今度はなにがあったんだ?”、“彼女は何を俺に隠してる?”、“彼女なりの理由があるにちがいない”、俺は君をわかってるから、理解してる、それでもまだ、怒ってるんだ。また、なにかあったんだな?俺には理解できない何かか?」
微笑むしかないウルスン。
「そうか・・・顔に書いてあるぞ」
「フィリップさん・・・」
「まず、食べよう」
フィリップの怒りも十分、理解できるウルスン。
フィリップがおかゆをよそってる、まさにその時、ウルスンの耳にあの歌が聞こえてくる。
そして、車の事故らしき映像と、倒れている人、そして、ウルチュクオンマが自分の見た未来を語っている場面。
《夜だと思います。日が沈んだとき、あなたのもとに、暗い肌をした人がやってくるでしょう。》
「ああ・・・」
様子のおかしなウルスンに気づくフィリップ。
「どうした?」
「なんでもない・・・なんでもないの。なんでもない」
「なにがなんでもないだ。また、なにか聞こえたんだろう?だから、そんなに苦しそうなんだろ?だめだ、聞くな!頼むよ、何も聞かないでくれ」
ウルスンを抱きしめ、耳を塞ごうとするフィリップ。
「ダメ! ダメなの、聞かなきゃ!」
抵抗するウルスン。
「オンマが何かを言いたがってるの!」
「俺がとめてやる。俺がとめてやるから!だからお願いだ、聞かないでくれ!なにかを考えたり、見たりしようとするな!お願いだ!やめてくれよ、オンマ。頼むから、もう、やめてくれ、オンマ。」
もがくウルスンを抱きしめ続けるフィリップ。
******
夜、一人で、ウルマンドゥにやってくるフィリップ。
「オンマ、ごめん。俺はこれ以上、そのままにしておけない。」
翌日、心ここにあらずと言ったふうに、パソコンにむかっているウルスン。
電話が鳴る。
相手はスミン。
「ああ、スミン・・」
「オンニ、オンニ、オンニ、一体どうしたの?オンニの古い家、取り壊すの?」
「なに言ってるの?」
「今、解体業者がここに来てるよ。この人たち、建物全体を取り壊すって言ってるよ」
「え? 誰が?」
「他に誰が? 建物の所有者よ」
「所有者?」
「完全に取り壊してくれ! 一つ残らずだ」
業者に指示するフィリップ。
*****
8年前
ラヨンの寂しいお葬式。
座り込んで泣いているひとりの男性。
「ヌナ~~~」
泣きじゃくるヨンマン。
!!!!!!
全然、似てない姉弟だということは置いといて・・・。
真相が、一枚一枚、ヴェールを脱いでいきます。
ソンジュンが、ソンジュンが・・・。
ソンジュンにしてみれば、ウルスンをあんな状態にしておくフィリップをふがいなく感じるだろうし、なぜ、俺じゃないんだっていう思いもあるだろうし、好きな人の想いを尊重して、きっぱり諦めたいけど、24年の月日はそんなに軽いものじゃないし。
そして、ここに来て、ウルスンは弱い姿をフィリップじゃなく、ソンジュンに見せてくるし・・・。
断ち切れないじゃん!・・・と、暗に、ソンジュンが女々しい訳じゃないと言ってみる(苦笑)