ああ、今までの細切れ過去映像がずいぶん繋がりました。
コメディ色吹っ飛ぶ。





幼子たちの恐怖と、ヨンジュンの独白に涙が止まりません。
ネタバレOKの方のみ、おすすみください。

【11話(1)】
新製品発表会の会場で、空中ブランコに乗った女性の姿を見て、記憶が甦ったミソが失神。
ミソたち3姉妹のオンマ(母親)が、突然病気に倒れ、早くに亡くなったことは、前回、済扶島でのやり取りのとおり。
これはまだ、その少し前、ミソ5歳のある晩のこと、
この時は、オンマは入院中で、アッパ(父親)は病院に詰めていて、夜も子供たちだけで過ごしていた、という状況です。
夜中に目を覚ましたミソ。
寝ぼけて、家の外に出てきたミソ、通りを歩く女性を、一瞬、オンマだと思ってしまう。
「オンマ・・・」
振り返る女、髪が長くすらっとした色白の美人。
「あ、オンマじゃない・・・」
オンマを探してあげようか、と聞かれ、頷くミソ。
喜んで自らついて行っちゃったのね。
手をつないで歩く2人。
廃墟にミソと一緒に足を踏み入れる誘拐犯の女。
「もし、一晩、ここで寝たら、オンマのところに連れってくれるの、おばちゃん?」
返事をせずに、奥の部屋に進む女。
そこには、手足をそれぞれ結束バンドで括られた男の子(9歳の頃のヨンジュン)が座っている。
ここでは、元の名前のソンヒョンと表記します。
状況がつかめず、黙ったまま、女と、一緒に現れた女の子を見ている。
こういう状況判断が出来る子なのだ。
「おばちゃん、私もあのオッパみたいなブレスレットしたいなぁ」
こともあろうに、縛られている結束バンドを指差すミソ。
********
倒れたミソを見つめながら、昔のことを思い出しているヨンジュン。
目を覚まさないミソ。
********
「僕は、ソンヒョンだ。イ・ソンヒョン」
「ソンヨン?」
「違う、ソ・ン・ヒョ・ン!」
「ソンヨン・・わかった。ソンヨンオッパ」
まだ、ちっちゃくて聞きとれなかったのね。
あまりにも無邪気なミソに、発音を正す気力が失せるソンヒョン。
「ねぇ、ところで、オッパ、“死ぬ”ってどういうこと?」
「?」
「アッパがね、オンマが病気だから、オンマが死んじゃうかもしれないって言ってたの。もし、オンマが死んじゃったら、どうなるの?」
なんと言って説明すればいいのか、悩むヨンジュン。
「僕にもよくわからないよ」
「オッパ、バカなの?」
「なんだと!」
「ピルナムお姉ちゃんが、“死ぬ”っていうことは、もうどんなことをしても、その人に会えないんだって言ったもん。オッパは9歳のくせに、そんなことも知らないなんて。やっぱりバカじゃん」
「誰がバカだよ。人が死んだら二度と会えなくなるのは当たり前だろ!」
「・・・それって、私もオンマに会えなくなっちゃうってこと?」
ミソの目に、じわりと涙が浮かぶ。
「わ、ちょっと待て!そういうことじゃなくて・・・」
堰を切ったように泣き始めるミソの口をふさぐソンヒョン。
びくっと、部屋の入り口をみる。
「静かにしなさい。もうすぐ、アッパが帰ってくるわよ」
すでに、十分すぎるほど恐怖映像。
「ごめんなさい。静かにします」
すぐに、誘拐犯に謝るソンヒョン。
「アッパ?アッパなら、ずっと病院にいるんだよ」
まずい、と目をつぶるソンヒョン。
「アッパは、会社に行ってるのよ!もうすぐ帰ってくるから、オンマと一緒にここで待っていましょうね」
「オンマは病院に・・・」
「黙るんだ、ミソ」
ミソを黙らせようと必死なソンヒョン。
「なんで、さっきから、バカなことばっかり言うの!」
豹変したように、ヒステリックになる女。
「オンマ、ミソはまだ、寝ぼけてるんだ。僕がおとなしくさせるから、心配しないで。おとなしくしてるから」
ソンヒョンを不思議そうに見るミソ。
精神的に不安定な女を落ち着かせるため、子供の振りを続け、話を合わせていたソンヒョン。
ぷいと部屋を出ていく女。
息をつくソンヒョン。
「オッパ、あのおばちゃん、変なこと言うね。おうちに帰りたいよ」
「ミソヤ、泣くのは止めるんだ。泣くのを止めたら、オッパが美味しいものをやるから」
「美味しいモノ?」
「うん」
最後に一つだけ残していたキャラメルを箱から取り出すソンヒョン。泣かない約束をして、モグモグ食べるミソ。
「うまいか?」
この時のソンヒョンの笑顔。
そんな二人の様子をじっと見つめている誘拐犯の視線に気付き、怯えるソンヒョン。
いつの間に眠り込んでしまった二人。
真新しいロープを手に部屋に入ってくる女。
「アジュ・・・オンマ」
シーっと黙るようにソンヒョンに言う女。
「妹が良く寝てるわ。起こさないで」
「はい、オンマ。アッパが帰ってくるまでおとなしくしてるよ」
「いえ、アッパは来ないわ。それはね、私はあなたのオンマじゃないからよ」
口調がガラリと一変する女。
私はね、その男に全てを捧げたのに、その男はそうじゃなかった。その男のためにお腹の子も始末した。あの男は今頃、あんたたちみたいな娘や息子と一緒に眠ってるはずよ。どうして、私だけがこんな風に苦しむの?なぜ?ただその男を好きになっただけなのに!
「もし、私が死んだら、その人も少しは悲しんでくれるかしら」
とにかく、刺激しないように、女の言うことをじっと聞きつづけるソンヒョン。
ああ、本当にこの子に引き込まれる。
「一緒にいきましょう。一人でいくのは嫌よ」
ロープをミソに掛けようとするのを、必死に思い止まらせようとするソンヒョン。
「そんな卑怯で臆病な男の人のことは忘れて、いまからやり直せばいいじゃないですか。どうかこんなことはやめて!僕たちを放して下さい。僕、絶対に警察には言いませんから。ね?」
ミソからロープを離す女。
「もう遅すぎるわ。ずいぶん遠くまで来ちゃったもの。でも、慰めてくれてありがとう、おちびちゃん」
赤いハイヒールを脱ぎ、椅子に昇る女をみて、何をしようとしているのか、気づくソンヒョン。
「だめだよ、おばさん。そんなのだめだ、やめてよ!」
「あなたの優しさにお返しできないまま、こんなに風に行かなきゃならないのね。ごめんね」
泣き叫ぶソンヒョン。
それでも女の決意は鈍らない。
引き換えに、自分の最後を見届けてほしいと、呪い以外の何物でもない言葉を残す女。
ひどすぎる!
「だれか、だれか助けて~」
最後まで諦めず叫び続けるソンヒョン。
椅子が倒れる音。
「アンデ~」
ソンヒョンの泣き叫ぶ声で目を覚ますミソ。
「オッパ、そこでなにしてるの?」
「ミソヤ、そこにいろ!こっちに来るな!」
「あれ、なぁに?・・・おばちゃん?おばちゃんが変なことしてるよ、なんか怖いよ」
ミソのオンマが亡くなったときのためにも、死の概念をこんなふうに植え付けたらだめだ
一体、この子は何者だぁ!
「ミソ、これはおばちゃんじゃない。蜘蛛だ。大きな蜘蛛なんだ」
蜘蛛が怖いと泣き出すミソに、両手足を縛られながらも、なんとかドアを閉めて、視線を遮るソンヒョン。
「大丈夫だよ、ミソ。蜘蛛はここまでは入ってこないから。もう、泣くな」
「でもね、オッパ。足が痛くなっちゃった」
結束バンドが擦れて、赤くなっている。
ハサミは死んだ女のすぐ側に((( ;゚Д゚)))
這いつくばって、少しずつ前進するソンヒョン。あまりにも賢く大人びているので、つい忘れがちですが、まだ、ほんの9歳の少年です。
ミソを助けたい一心で、勇気を振り絞るソンヒョンも、頭上の女を目にしてしまい、内心は恐怖で叫び出す寸前です。
「ミソヤ、そこにいるよな?」
ミソの存在を拠り所にするソンヒョン。
「オッパ、泣いてるの?蜘蛛に噛みつかれてない?」
「オッパは平気だ」
僕といるのはミソだ。あのおばさんじゃない。ミソと一緒なんだ!
ハサミを掴むと部屋に戻り、結束バンドを切り落とす。
「ミソや、よく聞くんだ。アフリカでは、大人くらいの大きさになる蜘蛛がいるんだ。すっごい危険だからもし目があったら、襲ってくるかもしれない」
「本当?」
ミソに目をつぶらせ、しっかり手を繋いで脱出する二人。
ミソの自宅に到着。
「ここがうちだよ」
「本当に近くだったんだな。これからは、もう一人で外にでちゃだめだぞ。わかったか?」
ミソの、王子様みたいなオッパと結婚したい宣言には、実はもう少し具体的なキム家の家長の思惑(笑)があったみたいです。
「ところでオッパ、お金持ち?」
「お金?」
「うん、アッパが結婚するなら、お金持ちとしなさいって言ったの」
「どうかな、アッパは金持ちだけど、だからたぶん、僕もそうだよ」
「どのくらい持ってる?ナナちゃんハウスが買えるくらい?」
「ナナちゃん?たぶん、うちの下請けの会社が作ってたはずだけど」
「下請け?なにそれ?食べ物?」
「ナナちゃん人形を作ってる会社もうちのだってこと。」
「じゃ、わたしと結婚するって約束して」
「だめだよ」
「なんで?」
「結婚は、大きくなって、愛する人とするものなんだ」
「じゃ、大きくなったら、オッパが私を愛してくれればいいじゃない!」
「わかったよ。結婚しよ」
「やくそ~く♪」
「また、会いに来るよ」
*****
病室で、目覚めないミソを見守るヨンジュン。
そんなふうにして、俺たちは無事に戻ることができた。
~回想~
ミソの家を出てから、周囲を彷徨うソンヒョン。
人通りのない空き家の多い地域の不気味さに改めて、不安になり、あの誘拐犯の幻影も見てしまう。
痛い足首をかばいながら、必死で駆け出すソンヒョン。
目の前に、派出所を見つけたとき、とうとう意識を失う。
両親が片時も離れず、寄り添う中、ようやく目覚めたとき、気遣う母親の声よりも、誘拐犯の女の声が鮮明に聞こえてきて、半狂乱になるソンヒョン。
「ソンヒョン、もう大丈夫、大丈夫なのよ」
強く抱きしめるオンマ。
しかし、なにもなかったようには生きることはできなかった。
辛かった時には、君がどうしているだろうかと考えた。
「僕ね、また、あの近くに行ってみたいんだ。ちょっとだけでも見ることができないかな?」
関係ないけど、若い時のオンマは、イ・スギョン!
しかし、どことなく、あの誘拐犯の女性に似せてるんだよね。。いや、あの女性が、会長夫人に寄せたのか。
一応、イ家とは無関係だと信じてるけど。
ユミョンランドの建設予定地として、解体が進んでいるミソの家。
「もうここには何もないって言ったでしょ?」
「また、会いにくるって約束したんだ」
それからというもの、あの誘拐犯に似たような若い女性の顔を見ることさえ、まともにできなくなっていた。
「全部、取り除きました。専務」
ケーブルタイを見ただけで、トラウマに苦しんだが、それはなんとか耐えられた。
だが、時間がたつにつれて、君がどうしているのかが、気になった。
しかし、ある日・・・、君が夢のようにまた、僕の前に現れたんだ。
ああ、動向を追っていたというより、偶然、総務課の飲み会で見かけたってこと?
自分のことを覚えていなかったミソにちょっとショックを受けたヨンジュン。
少し悲しかったが、同じ苦しみの時間を過ごさなくて、幸いだったと考えるようにした。
あの日の負担を背負うのは、永遠に俺だけでいいと思う方が、俺にとっては良かったからだ。
ミソの秘書としての着任初日。
どうしたかったんだろうな?
君を、俺の側においたりして・・・。
誰も出払っているときに、日本語の顧客からの電話を受けるミソ。
相手は英語も通じない様子。
通りかかった先輩に対応してもらうが、専務付きなのに、そんなことで務まるのか、高卒だからか、と嫌味を言われてしまう。
屋上で、姉を相手に、心配かけまいとしながらも、自分だけが至らないようだと、必死に涙をこえらているミソを見かけるヨンジュン。
さぁ、特訓のはじまりです。日本語のテキストを渡され、1日30ページマスターしろ、毎日テストすると言われるミソ。
日本語は難しいのよ!!
すみませんばっかりだな。
『君の人生が、これにかかっている、とにかく暗記しろ!』
付箋の文字にむかつくミソ。
「絶対に日本語をマスターして、この屈辱から脱出してみせるわ!」
「“イ専務”最低」
왕재수・・・とんでもなく「最低な奴」「むかつく奴」
これが、ミソの部屋にあった、書き込みや付箋がいっぱい貼られた思い出のテキストブックです。
負けん気が強く、短期間で日本語をマスターしたミソ。
「プレゼントだ」
素直に喜ぶミソ。
「君は、僕からプレゼントをもらった初めての社員だ、これからも努力を続けてくれ」
「はい!
」


次は、ニ~ハオ、中国語でした(笑)
ある晩のこと、直通フォンで呼んでも、ミソからの返事がない。
ちらっと映った腕時計だと、11時半くらいをさしてるような・・・。
書類を拡げて眠ってしまったミソを見て、クスっと微笑むヨンジュン。
「3日も徹夜してるだろう、疲れてるんだ。いいから、もう終わりなさい」
「いいえ、今日のうちにこのデータを精査して送らないとなりませんから」
「その予定は遅れることになった」
「え?伺っておりませんが」
「たった今、メッセージを受け取った。だから、もう帰れ」
当然、ヨンジュン自ら、ミソのために予定を遅らせたのでした。
「私のスタイルじゃない」
きっぱり。
内心嬉しくてしょうがないくせに(笑)
がっかりするミソ。
「では、お返しください」
「しかし、私は過程を重視する人間だ。君の誠意を喜んで受け止めよう」
ミソがいなくなったあとのこの笑顔!お返しのケーキかな?お誕生日かな?
ユミョングループのパティシエに作らせたが、そんなに高価じゃないって言ってるけど、絶対、スペシャルケーキに決まってるよね(笑)
写真を撮ろうとして、見事に、床にひっくりかえすミソ。
えっと、ミソの完璧な秘書伝説は、9年のうち、何年目からかな(笑)
だから、そんなふうにいつも一緒にいられると思い込んでいたんだ。
ミソに、新しい秘書を探してほしい、自分はやめるつもりだと聞いたあのパーティーでの帰り道。
そのとき、はじめて、決して君を行かせることなどできないと、思い知ったんだ。
君は・・・最初から僕にとって必要な人だったと。
だから、目を覚ましてくれ、キム・ミソ。
病室に姿を見せたソンヨン。
ソンヨンに掴みかかり、激しく詰るヨンジュン。
「ミソに何を言った?!あんなに突然、失神するなんて、一体、何を言ったんだ!また、あの話を蒸し返したのか?いつまで、そうやって周囲の人間を苦しめる気だ?」
「・・・あの時、一緒にいたのは俺じゃなくて、お前だったんだろう?」
「なに?」
「お前、あの日からのこと、全部覚えているんだろう?」
掴みかかった手を離すヨンジュン。
「そんなに困惑するところを見ると、俺が正しいようだな」
何も答えないヨンジュン。
「ずっと変だと思ってた。俺をここまで苦しめているくせに、お前は、まったく罪を感じていないようだった。それは、誘拐されたのが俺じゃなく、お前だったからだ」
ソンヨンの言うとおり、一言も答えられないヨンジュンの今の姿が、雄弁に物語っています。
いつしかソンヨンが去ったあとも、一人で考え込むヨンジュン。
ヨンジュンが病室に戻ったとき、既に目を覚まして、ベッドに座っているミソ。
ただ、黙って、ヨンジュンを見つめるミソに対し、大丈夫か、とか、もっとジアに仕事をふったほうがいい、とか、働きすぎだ、と声をかけ続けるヨンジュン。
ようやく、口を開くミソ。
「副会長様、記憶を失ってなどいなかったんですよね?ただ、そういう振りをずっとされてきただけなんですよね?」
「なんの話か、さっぱり・・・」
「ソンヒョンオッパ、私、全部思い出しました。あの日、なにが起きて、あの女性にも何があったのか・・・。今なら、わかります、なぜ、あれほどまでに、オッパを見つけたかったのか。お礼を言いたかった。オッパだって、あの日、相当辛くて怖かったに違いないのに・・・。だからこそ、恐怖にもかかわらず、私のことを守ってくれたお礼が言いたかったんです。」
視線を落とすヨンジュン。
「あのとき、他にキム・ミソを守ることが出来た人間が他にいたか?イ・ヨンジュンだからこそ、可能だったんだ。最後まで隠しておきたかったが、どうやら、失敗したようだ」
呆れるように、涙をこぼすミソ。
「泣くなよ。まだ、安静にしてなきゃだめだ」
「こんな状態で、どうやって安静に?そんなこと出来る人がいますか?なぜ、こんなに長い間、こんな秘密を守り通してきたんですか?」
決して責めるつもりはないのに、詰問調になってしまうミソ。
「あのことは、一日だって、俺の頭から離れることはなかったんだ。あのとき、なにが起こったのか、俺が見たもの、聞いた言葉でさえ、すぐに蘇ってきた。目を閉じると毎回、まるで昨日のことのように、はっきりと記憶が戻ってくるんだ。」
実際にあの場所にいた自分だからこそ、ヨンジュンの言葉が理解でき、辛さが押し寄せるミソ。
「君が何も覚えていなくて良かったと、安堵したのも理由だ」
「この世では、永遠に秘密にしておくことなんかできないんですよ」
「わかってる。でも出来る限り、遅らせたかった。この苦しみを分け合いたくなかった。ミソが思い出せないなら、そのほうがすっといいと思ってた」
「そんなふうに言わないで。もし、同じ苦しみを感じていたなら、あなたがどんなふうに過ごしてきたのか、同じように経験できていたら、こんなに申し訳なく感じることもなかったんですよ。今、私に、すべて思いやってくれてるつもりでしょうが、副会長様には全く似合ってません。いつもみたいに、自分勝手で、利己的でなきゃ。」
「それって、俺を褒めてるの、それとも批判してるの?どっちなんだ?」
「これからは、なにがあっても私に隠し事はしないと約束してください」
ミソの手を握るヨンジュン。
「約束するよ。今夜はずっとそばにいるよ、あの日のように」
何度も頷くミソ。
さて、目下のところ、このドラマ上、圧倒的に現実を受け入れられない人はこの人でしょう。
夢遊病者のように歩くソンヨンの姿は、さすがに涙を誘います。
街に繰り出した警官や停止線を見て、記憶がよみがえる。
事件後、弟が誘拐された家を見に行ったのね。
「本当に、ソンヒョニはこんなところに監禁されていたのか?」
衝撃を受けるお兄ちゃん。。。
「僕があそこに、あいつを置き去りにしたせいで?僕のせいなのか?」
ここに来て、こんな心の傷を思い出すのは辛すぎる。
「違う、そんなの違う!」
不意打ちのように、ソンヨンに秘密を打ち明けたものの、思案にくれるオンマ。
恐る恐る使用人が呼びに来る。
「奥様、おぼっちゃまのご様子をみてあげたほうが・・・」
「どうかしたの?」
部屋の中がメチャクチャです。
「なんで、真実を僕に話したの?なぜ、こんな何年もたってから、話したりしたんだ?」
立ち上がると、母子の身長差がものすごい!
「たしかに、僕のミスだったかもしれないけど、そのせいだけじゃないだろ?僕の記憶が間違っていると、なぜ、すぐに言わなかった?」
「ごめんなさい、本当にごめんなさい」
「あいつにとって、僕は、まるで話にならない存在だったにちがいないよな。ヨンジュンからしたら、俺は相当哀れな存在だったはずだ。」
「それは違うわ、ソンヨン。あの子は、あの時から記憶を失ったせいで、まだ、何も知らないのよ」
「違う!あいつは忘れてなんかいない!」
「それってどういうこと?」
「あいつは、全部覚えてるんだ」
「え?」
ソンヨンが部屋を出ていくと、ショックで座り込んでしまうオンマ。
なんてこと、っていう表情は、どこかで感じていた違和感の正体に納得したのかも。