ネタバレOKの方のみ、おすすみください。お願い

 

■  切ないロマンス(じれったいロマンス) エピソード7:ビジネスとはそういうものだ

 

~本部長室~

朝食を持ってきたユミ。

 

もう下がっていい、と言われても、そのまま立っているユミ。

「どうした?」

「食べてください。一人で食べるのは好きじゃないって言ったから。本部長が食べている間、一緒にいます」

「これは、君への貸しの10食の一つとしてカウントするのか?」

「あ、それはいいですね」

「だめだ」

「じゃ、食事1回の半分っていうのはどう?」

「コール」

2人、横並びに座り、ジヌクだけが食事をするというシュールな構図に(笑)。

「すごく食べづらいんだけど、君も一緒に食べないか」

「作りながら食べちゃったんです」

 

「もう、やめてもいいんだ」

「え?もう一度おっしゃってください」

「食事作りを止めてもいいって言ったんだ。」

 

前回はここまで。

 

「俺と一緒に食べるのは、さすがに難しいだろう。君に俺の食事を準備させることもできない。」

「それって本心ですか?」

「今夜のために、君の予定をあけてくれ。ディナーを予約をしてある。」

「なんだか、順番が混乱してるみたい。予約をする前に、今夜、私の予定が空いているか。確認するべきでは?」

「ああ・・」

「今夜​​は無理です。先約があります。」

「それは重要なのか?」

「飼ってる犬がいつも家にいるので、イライラしてるんです。散歩に連れ出さないと」

「君は、ずいぶん犬が大好きなようだな。」

「本部長も猫を飼ってるから、理解していただけますよね」

「俺は、本当に飼ってるわけじゃないんだ。許可なしに住み着いただけだ」

「とにかく、今夜は無理です。それから、次回は、事前に、私もあなたと一緒に計画をしたいんですけど・・・。私にも予定がありますから」

「わかった。そうしよう。」

 

チャ会長(ジヌクの父)に電話するチュ・ヘリ。

「お父様。ジヌクオッパのインタビューでは、御父様のおかげで成功を収めました。どうもありがとうございました。」

「私に感謝する必要はないよ。こんなことでよければ、いつでもサポートするから言いなさい。ああ、ジヌクが頑固で困らせたかい?」

「いいえ、全然。彼には特に言ってなかったのに、撮影スタッフによくしてくださいました。さらにハードワークなスタッフに感謝し、スタッフ全員のためのランチも用意しました。」

「本当かね?あいつもついに大人になったようだな。ちなみに、放映はいつだね?」

今日だと答えるヘリ。

そろそろ待望の孫が抱けそうだと上機嫌な会長。

 

「予約をキャンセルしろ」

「その予約を取るの、すごく大変だったんですよ。言いましたよね?予約する前に、彼女の予定を先に聞いたほうがいいと。デートの基本的なマナーです」

チャン秘書に1票(笑)

「これはデートじゃない!誰がデートだって言った?これは仕事だ!ビジネスだ!俺は債権者で彼女は債務者だ。わけのわからんことを言うな!」

「わかりました。ビジネスですね」

ジヌクとチャン秘書の会話を聞いてしまうユミ。

「・・・ビジネス?」

 

会長室に呼ばれたジヌク。

「ヘリから電話があった。今日、放送だそうだな」

「興味ありませんよ」

「先送りせず、デートしろ。彼女を待たせ続けるなんて、マナーに反するぞ」

「愛していない誰かと結婚するほうが、もっとマナーに反します」

「お前がそんなロマンチストだったとはな。 俺に逆らうな」

「お父さんも、人生の中のある時点ではロマンチストでした。」

「何だと?」

「愛しあってるカップルでも別れます。どうして愛してもいない女性と一緒に暮らすことができますか?間違ってますか?」

「わしのためにやってるわけじゃない。おまえのためだ」

「もし、本当に私のためだというのなら、ほっといてください。お願いです。失礼します」

 

<これは仕事だ!ビジネスだ!俺は債権者で彼女は債務者だ。>

ジヌクの言い方が、ちょっとショックだったユミ。

 [一日三食]

ジヌクにメールを打とうとしたとき、帰り支度を終えたジェニが入ってくる。

「ねえ!まだ帰らないの?誰か待ってるの?」

「いいえ、まだ注文するのがいくつか残ってるの。お先にどうぞ」

「なんか臭うわね。」

「なにもないってば」

必死に否定するユミが、おかしくてしょうがないジェニ。

「じゃ、お先!また明日ね。」

ユミと携帯を指差し、帰っていく。

 

<一緒に食事しましょう。一階で待っています>

ユミからのメールを確認するジヌク。

「ええい・・わかってたよ・・・まったく」

ジャケットをひっつかむと、慌てて部屋を出るジヌク。

 

辺りを見回しながら、さっと車に乗り込むユミ。

「なぜ、君は乗り込む前に、ミーアキャットのように周りを見たんだ?」

「私は、誰にも私たちのこと、見られたくないんです」

「俺はまた、君の犬が歩いてたのかと思ったよ。なぜ、突然の心がわりした?」

「借金を早く返済したほうがいいと思って」

債務者なんて言われちゃね・・・。

傷ついたんだよね

「私の関心が膨らむ前にそれを返済することを決めました。私の子犬もわかってくれると思うんです。」

ジヌクのなかでは、カアジ(子犬)=ヒョンテ疑惑なので、超複雑(笑)

「何かあったのか?」

「いいえ。でも、どこに行くの?」

「もう店の予約をキャンセルしたから、そこには行けないからな。自分の家へ行くよ」

「ああ・・・えっ?本部長の家?」

 

すぐ到着。

「何してる?なんで降りないんだ?」

「それは、その・・・夜に男性の家に入るのは、いいこととは思えなくて・・・。やっぱり、近所のスープレストランに行きませんか?」

「なぜ、君の顔はそんなに赤いんだ?」

「ええっ?」

「へんなこと考えるな。中に入るぞ。腹が減った」

 

草むらで何か気配を感じ、ジヌクにしがみつくユミ。

「きゃ」

「どうした?」

「あそこ・・・」

「ああ、彼女は今、子育て中だから、過敏なんだよ。かまわないでいこう。だけど、いつになったら、俺の腕を手放すつもりだ?」

ぱっと離すユミ。

 

「座ってて。君は、今日、俺のゲストとしてここにいるんだから、そういう風にもてなすよ」

「ところで・・・なぜ、ソファの上に毛布があるの?」

「ああそれ?俺は、夜、寝るのに苦労している」

「不眠症に苦しんでるの?いつから?」

「よく分からない。いつ始まったのか・・覚えてないな」

 

「本部長、本当に包丁さばきが上手です。なぜ、言ってくれなかったの?」

「聞かれなかったから」

「この家に来た、た~くさんの女性のために調理してきたんでしょうね」

「俺がこの家に女性を入れたのははじめてだ」

「ええ、ええ、そうでしょうね。」

「君はずっと前からネガティブなところがあるが、今のは嫉妬か?」

「・・・誰が嫉妬ですか?勝手に決め付けないで。私は、本部長みたいなタイプの人、すきじゃありません」

「俺の料理を味わったら、君の気持ちは変わるはずだよ。」

先日は、コショウすら見当たらなかったのにね。

 

ただ座っていられず、結局、ちょこまかと、カトラリーを並べたりしてしまうユミ。

「なにもしてないとぎこちない感じ。これは職業病です。」

根負けしたジヌク、

「じゃ、冷蔵庫からブロッコリーを出して」

「はい。」

手渡すユミ。

「ほかには? 何か必要とするもの、あります?」

「あああ」

仕方ないなと言った感じで、指で掬ったソースを味見させるジヌク。

ためらいなく、自分の指を舐めるユミに、一瞬たじろぐジヌク。

もちろん、ユミだって一瞬ひるんだ表情をみせたんだけどね。

「うん、おいしい。」

「おいしい?」

「ええ」

 

「さて、料理の準備ができたよ。灯りを消して?」

「どうして?」

「食べるときは、柔らかな照明のほうが好みだ」

「そうなんですね」

ジヌクが一歩一歩自分に近づいてくるようで、じりじりと下がった先に、ダイニングの電灯のスイッチが。

いちいちやることが憎いわ。

 

「ちょっと、このお皿持っててくれないか?」

「はい。」

「手をだして。 こっちが俺ので、こっちがイ・ユミさんの。何があっても落とすなよ。この皿、結構、高価だから・・・」

「あ、もちろん。ちゃんと持ってます・・・」

言い終わらないうちに、ジヌクから軽くKISS。

「で、これは前菜だ。」

両手がふさがったまま、じっとジヌクを見つめるユミ。そんなユミを見つめなおすジヌク。

もう一度kissするジヌク。

ちゃんとお皿を支えるところがいいわ。

「何してるの?座って。」

無駄に、かっこいいことしちゃったあとの気まずさに襲われるふたりがツボ。

 

「これ、味見してみて・・」

あ~んと、ユミが口にする直前、ピンポ~~ン

 

モニターに映る会長のアップ!

「なんで、父さんがここに?」

「本部長の御父様って言ったら・・・チャ会長?」

 

とつぜん、予告なしに現れた父に明らかに狼狽するジヌク。

とりあえユミは2階に避難。

間一髪、ユミのバッグを隠すも、テーブルの上には2人前のディナー

「誰かを来るのか?」

「いいえ、これは私が通常食べる方法です。」

全然、誤魔化せないジヌク。

仕方なく、父親と食べる羽目に・・。

 

2階のクローゼットで、またもや宝石箱を見つけるユミ。

今日こそは・・・宝石箱のフタをあけてみるユミ。

中身は、ユミの想像をはるかに超え・・・。

 

2階からの突然の物音に、会長の疑念は深まるばかり。

結局、食事を中断し、2階に上がっていく。

「あれは何だ?」

ナイス、カムチュニ!(笑)

「野良猫ですよ。おい、家の中に入っちゃだめだって言っただろ」

クローゼットの扉の中に隠れてたユミ。

「こいつめ。女の子を隠してると思ったんだが・・・・」

セーフ!

逆に、ユミの行方が気になるジヌク。

 

アボンニミの御帰りです。

「おい、ヘリに電話して、私が番組を見て楽しんだと伝えなさい」

「はい。はい。はい。」

「彼女は、すでに孝行妻のように、お前を支援しているんだぞ。私は、気に入ってる」

「ええ、さぁ、どうぞ。お気をつけて」

さっさと帰したいジヌク、いつになく愛想良く見送ります。

 

クローゼットの扉を開けると、ユミがバランスを崩しながら出てきました。

抱きとめるジヌク。

毎度毎度のしゃっくりです。

きょうは、もう家に帰ると告げ、ギクシャクと降りていくユミ。

「まったく、あのしゃっくり、どうするつもりだ?」

苦笑するジヌク。

 

バスで帰るユミ。

「ああ、10年寿命が縮んだわよ」

~回想~

3年前のあの翌朝、

「タクシー!」

急いで飛び乗った車内で、パッドを置いてきたことに気付いたユミ。

 

「どこに置いたっけ?」

家に戻って、あのときの片割れを探すユミ。

「何してるの?へそくりでも隠してたの?」

爪のお手入れ中のオンマ。

「ううん、何でもない。」

「来週、ドングの誕生日だから、時間あけておいてよね。私たち3人だけでも、簡単なパーティーをしたいから。ね、ドング?ろうそくをふ~~って吹き消す?」

「うん、ふ~~する!」

可愛い!

 

「あ、あった・・。なぜ、このことを忘れてたのかな?」

「そのパッドで何をしているの?パーティーにでも行くの?」

「パーティーになんか行かないわよ。」

 

~会社のロビー~

「今週水曜日に、バイヤーとのミーティングを予約しました。」

「リゾート側にも確認したか? 」

「もちろん。」

「どんなミスを許されない。彼は非常にうるさいことで有名だからな」

「本部長と同じくらいうるさいってことですね」

ジヌクの秘書として、人知れず苦労してきたことを訴えるチャン秘書。

「なんだか、侮辱されてるように聞こえるが」

「言ってるだけですよ」

 

~会長室~

どうしても、昨晩のジヌクの様子が気になるアボニム。

秘書を呼び、ジヌクの女性関係を調べるように命じます。

 

歌を歌いながら、カートを押してきたユミがジヌクにつかまりました。

「音痴だな」

「わ、びっくりした!」

「昨晩、君が帰ろうとしたときも、今朝も、あまりにも急いでいるようだった。何か見てはならないものを見たかのように、なぜ、君は俺を避ける?」

宝石箱の中身を見てしまったユミ。

「ついてきて。一緒にきてほしいところがある」

「何です、ちょっと待って?」

 

~ヒョンテの店~

「もぉ、なぜ、こんなみすぼらしい周辺にあるの?彼が本やアルコールを販売してるって聞いたから、書店やバーを期待してたのに・・・。しかし、これは何?」.

ヒョンテの名誉のためにも言いたい。

そりゃ、流行のブックカフェっていうインテリアじゃないかもしれないけど、べつに変なお店じゃないよ。

店の中に入ってきたヒョンテをみて、あの朝のバイクの青年だと気付いたチュ・ヘリ。

「ああ、あなたは、ここに交換しにきましたか?」

 

~新商品の展示ルーム~

「あの、ここはどこ?」

「君はちゃんと見たことないだろう?」

「ええ?何のことですか?」

「俺は、君が個人的にこれを見たほうが、話がはやいだろうと思って連れてきた。俺がこの会社に入って手がけた最初の作品だ。」

 

「“男性用の下着を差別化させるには?” 会社は懐疑的だったよ。しかし今や、これらは私達の会社の主力商品だ。我々としても海外展開を推進している。」

「うわー、すごいですね。でも、本部長はなぜ、それを私に話すんですか?」

「君の助けが必要だ。」

「ええ?」

「私の助け?」

「外国のバイヤーと、この水曜日に会うことになっている。海外ブランドを拡大する機会が、この会議にかかってるんだ。我々は準備に、相当費やしている。そして、この出張中に、君に彼の個人的な栄養士になってほしいんだ。」

「私に?」

「今回は、俺のために食事を準備するのではなく、バイヤーのために準備するんだ」

 

なんとかヒョンテと直接話をすることに成功したチュ・ヘリ。

「チャン作家さん。突然、お邪魔して申し訳ありませんでした。とても日焼けしてらっしゃるんですね。ああ、私が言いたいのは、あなたがとても若くてハンサムなので、作家だとは思わなかったんです」

「誰が、作家がみんな、年寄りで醜いと、あなたに言ったんですか?」

「あの・・私が言いたかったのはそういうことではなくて・・・とにかく、あなたが、私たちの番組に出演したら、あらゆる面で利益をもたらすはずです。若くてハンサムな作家が運営する書店として、このお店を紹介したら、より多くのお客様を得るでしょう」

 

「そんなことは、別に望んでないです。」

「えっ?」

「もう私には、彼ら自身で探して来てくれる、熱心な顧客が十分います。もし、もっと多くの群衆のようなお客さんに来てもらっても、私は自由な時間を持つことができなくなります」

「そうですか。あの・・・でしたら、お店やあなたの個人的な生活を除外して、あなたの作家としての仕事だけに焦点を当てます」

「それだと、面白くないのでは?」

「あのー、私たちの番組は、非常に高品質です。私たちの番組にでたくても、そう簡単ではありません。あなたは私たちの最後のゲストが誰を知っていますか?彼はDaebokグループの相続人、チャ・ジヌク本部長でした。少しは興味が出てきたのでは?」

 

ジヌクのリクエストを考えているユミ。

~回想~

<彼は糖尿病を持っているので、彼自身、食事には特別な注意を払っている。>

<彼は非常に長い間、韓国にはいなかったから、韓国料理が好きでない可能性がある。>

<彼の個人的な栄養士が、専用の食事を用意したら、彼は私たちの努力に感謝するだろう>

<それが、商談に役に立つかもしれないと思っているんだ。>

「どうして私が、こんな重要な役割を担うんですか?」

「君がしなければならないことは、俺のために全力を尽くすことだ」

「これは、ビジネスとして考えればいいんですよね?ちょうど私たちが一緒に食事をするときのような、ビジネスです。」

「なにか聞いたのか?俺が・・・」

「それなら、私の返済に、このカウントも入れてください。これで、残りの3回の食事をカバーしてください」

「それはだめだ。」

「何故ですか?私は、彼らの食事の世話をするために出張に行くんですよね。それに、30万ウォンの価値はありませんか?」

「条件が違うだろ。仕事と、君の個人的な生活を区切るべきだ。君が言ったことだろ?それに、君は三度の食事だと言ったが、残りはあと4回だ」

「なぜ?」

「俺たちは、昨夜夕食を食べられなかった。だから、カウントされない」

「空腹時にクローゼットの中に隠れ、苦しんだのに、カウントされないんですか?」

「俺たちにはできることは何もない。ビジネスとはそういうものだ」

 

「話にならないわ・・・」

 

「オンマ、どこ行くの?ドング連れて・・」

オンマが、キッズカフェに連れて行こうとドングを抱えて出てきたところに、出くわしたユミ。

ヒョンテの店の駐車場で、チュ・ヘリを見かけるユミとオンマ。

「あれ・・・彼女、チュ・ヘリじゃない?ねえ!私のこと分からない?」

「オンマ、やめてよ。」

ヘリも気付きました。

「こんにちは。」

「どうやって私の家を見つけたの?」

「ここに住んでいらっしゃるの?」

逆に驚くヘリ。

「なぜ、ここに来たのよ?」

背後から現れて、ヘリに携帯をわたすヒョンテ。

「これ・・・」

 

~ジヌクの移動中~

「追加の部屋を予約しろ。」

「他に、誰かが来られるんですか?」

「イ・ユミさんが同行することになった」

「なぜ、彼女が来るんですか?」

「あのうるさいバイヤーたちの世話をする人間が必要だ。」

「必要ありませんよ。リゾートにも、栄養士の資格を持ったシェフがいます・・・って非常に必要ですね。我々は、栄養士なしで、ビジネス出張に行くことができません。すぐに予約します!」

「この前にも言ったが、これは単なるビジネスだ」

「ビジネス・・・」

当日は、チャン秘書とは別々に行くことを宣言するジヌク。ユミと一緒に行くのがバレバレ。

 

そこへチュ・ヘリから電話が・・・。

「オッパは、あの栄養士が、別の男と暮らしてるって知ってるの」

「ああ、知っている。」

「ああって・・」

「なぜ、俺に電話した?」

「そうじゃなくて・・あの女、子供もいる・・」

「俺は別の電話を待ってる。切るぞ」

「なんなの? あの子は、絶対、あのおばさんの子供じゃないわ。一体、どういうこと?」

 

夜、一緒に公園でトレーニングしているユミとヒョンテ。

「なぜ、チュ・ヘリがお店に来たの?」

「ああ、彼女の番組に俺を出演させたいらしいんだ」

「ああ、ウリ本部長が出演した番組?」

「ウリ本部長?」

ユミの言い方が気になったヒョンテ。

「それで、あなたはそれに出るって決めたの?」

「なぜ?出演してほしい?」

「だっていいことでしょ?彼らは、成功した人々たちだけにオファーするって聞いたわよ。ヒョンテが、もっと忙しくて、有名になっちゃったら、たぶん寂しくなるわよね。あんたを一目見ようと、韓国各地から、店に並ぶことになるんでしょうね」

「そんなことになったら、どうする?」

「何?」

「他の女の子が俺に会いに押し寄せたら、お前に時間が割けなくなるだろ」

「素敵な女の子がいたら、デートすればいいじゃん。なぜ聞くの?」

バランスを崩したユミを抱きとめるヒョンテ。

「おっと!ねえ!」

視線をはずさないヒョンテ。

「なぜ、そんなに私を見るの?ねえ、そんなに見ないでよ。」

更に、ユミを抱きしめるヒョンテ。

「突然どうしたの?」

「どうだ?何か感じるか?」

「そうねぇ・・筋肉が小さくなったかな」

「本当に?」

離れる二人。

「ねえ、だいぶ遅くなったね。帰ろう。明日は、出張だから準備しなきゃ」

「出張?栄養士が、なんで出張に行くんだよ」

「いろいろあるのよ」

なんで、この女、全然なんともないんだよ・・・的に立ち尽くすヒョンテ。

自分はこんなにドキドキしてるのに・・・。

 

さすが、女優復帰を狙ってるオンマ、ストレッチ中です。

「あなた、まだそれを捨ててないの?」

ユミの黒いスーツを見て、すぐに反応。

「ちょっと貸しなさいよ。外の回収ボックスに入れてくるから」

「なぜ?まだ着れるのに」

「そういう問題じゃないのよ。デザイナーブランドの服を着ろとは言わないけど、もうちょっといい印象を与える服装をしなさいよ」

「自分のことは自分でするわよ」

「ええ、そうね。それを持ってくの、忘れちゃだめよ」

「 "それ"って?」

「パッド!前にあげたでしょ。20年間、大事にしてきたのをあげたんだから。ちゃんと使いなさいよ」

「なんで、私が出張にパッドをもってくのよ」

 

ジヌクも出張の準備中。

ユミが隠れていたクローゼットの中に、例の宝石箱を発見。

なにか思案しているジヌク。

 

翌朝、ユミを迎えに来たジヌク。

黒いパンツスーツで現れたユミ。

<彼女は全然変わってない。>

<彼女は3年前と同じだ>

「君の服・・・.君が全然変わってなくてなによりだ。さぁ、乗って」

「はい。」

 

「チャン秘書はどちらに?」

「彼には、一人で現地に行くように指示した」

「それで、我々は正確に、どこに行くんですか?まだ聞いてないんですけど」

「着いたらわかるよ」

 

「ああ・・ここだったのね」

棒読み(笑)

3年前の因縁のホテル、テボクリゾートです。

「君に言わなかったのは、ここだからだ」

「申し訳ありません。私はこの場所に、ちょっと悪い思い出があるんです」

逃げ出そうとするユミの手をしっかりと掴むジヌク。

「さぁ、いくぞ」

「ホントに。ここはだめですってば」

「行こう!」

「なんで、よりによってここなのよ!」

 

「みなさん。こちらは私の秘書、ミスターチャンです。」

「はじめまして。」

「そして、イ・ユミです。彼女は、あなたの食事の世話をすることになります」

「こんにちは。」

「うわー、私だけのための専属栄養士?」

「ええ」

「お会いできてとてもうれしいです。すべてがうまく行くことを願っています。」

「さあ、行きましょう。」

 

スーパーで、メモを片手に食材の買い物をするユミ。

 

「この会社には投資する価値があります。契約書を書き始めましょう。」

「いいですね。」

契約自体は、ユミの食事を取る前に決まってたってことでいいのよね。

 

「こちらは、蓮の葉で包んで蒸したお米です。強力な抗酸化剤である成分が含まれていて、老化防止に効果的です」

ユミの説明を訳すジヌク。

「うむ。おいしいです。」

 

部屋に戻ってきたところに、チャイムが・・・。

3年前の出来事が頭をよぎる。

「まさか・・・」

ドアを開けてみると、そこにはリボンのかかった箱が置かれていて。

ドレスと白い靴・・そしてメッセージカードが入っている。

<これを来て降りてきてくれ。心で君と選んだんだから。>

鏡にあててみるユミ。

胸元を見ながら、

「大丈夫かな?」と不安そう。

 

レストランで、ユミの来るのを待ちわびるジヌク。

ゆっくりゆっくり近づいてくるユミ。

ドレスアップしたユミに気付き、固まるジヌク。(笑)

いい感じで見詰め合うふたり。

すこし照れくさそうに立つユミ、給仕中のボーイさんとぶつかり、ワインを浴びてしまう。

バランスを崩して、後ろにひっくり返りそうになるところを支えるジヌク。

「この女、かたときも目がはなせないな」

 

[Epilogue7-1:こんな前菜、食べたことある?]

「食事のときは、ソフトな照明がすきなんだ」

ろうそくを食卓に置くジヌク。

「ちょっと、このお皿持っててくれないか?」

「はい。」

「手をだして。 こっちが俺ので、こっちがイ・ユミさんの。何があっても落とすなよ。この皿、結構、高価だから・・・」

「あ、もちろん。ちゃんと持ってます・・・」

言い終わらないうちに、ジヌクから軽くKISS。

「で、これは前菜だ。」

私は、当然、そんな前菜食べたことも食べさせてもらったこともないです。(笑)

 

[Epilogue7-2:チャ本部長の秘密!これって本当?]

[ブラジャーのパッド?!なぜ、これがここにあるの?宝石じゃないのに]

[宝石箱は、ドサッと大きな音を立てて落ち、彼女の心も落下しました]

[どうしよう?今のところ隠れなきゃ。私の心はボロボロだわ]

[隠れなきゃ。そう誰にも見つからないように。かくれんぼよ。]

 

 [猫に感謝。カムチュニ。ホッ。]

 [捕まるにちがいないと思ったが。大きな猫はどこに隠れたんだ?]

クローゼットの中で息を殺すユミ。

 [どうしたらいいの?なぜ、まだこれを持ってるの?]

 

[Epilogue7-3:契約を確保するためのチャ本部長の隠されたカード]

「おお、おいしいです。それで、ええと・・・これは何ですか?」

[これは何と聞かれてるのよね?ああ、彼は混乱している。それに、韓国語で何て言うか、度忘れしてるのね]

「レンコンです」

助け舟を出すユミ。

[イ・ユミの料理は、外国人の心を盗みます。]

 

 

★  切ないロマンス エピソード8につづく★ 

 

2人が少しずつ進展してるんでなによりですが、さすがに、まどろっこしい感は否めません。

向こう側が透けて見えるほど薄い生ハムとか、ふぐ刺しとか、ちょっとずつちょっとずつ味わうほうが美味しい食べ方っていうのもありますが、このドラマもそうなのかな?(笑)

 

「どうだ?何か感じるか?」

ヒョンテの抱きしめ方が、身近に見えて、逆にドキドキしました。

あれで、動揺しないって・・・ちょっと無理を感じたのは私だけ?