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■ 第13話(1) それでも

 

ミニョクの家に駆け込み、助けを求めるボンスン。

「私を助けてください。 ギョンシムが拉致されたの。 ギョンシムを見つけてください。社長様なら、誰でも探し出せるんでしょ?」

「ギョンシムが拉致された?」

「警察に知らせたら、ギョンシムを殺すって。何も言うなって。」

「もし、俺たちが彼女を探すとしたら、何をすべきだ?」

「犯人の名前はキムチャンヒョン。廃車工場にいるの。いま、そこに行ってきたけど、そいつもいなかったし、ギョンシムもいなかった」

「俺が探してやる。だけど、おまえは俺と一緒に行くんだ。一人で行くのはだめだ」

ミニョクが落ちつかせようとしても、一向に泣き止まないボンスン。

「ギョンシムになにかあったら…」

「「大丈夫だから、ボンスン、ボンスン。俺を見ろ。ボンスン!」

「ギョンシム…」

「ギョンシムはきっと大丈夫だ。あいつは女性達を収集しているだけだ。殺したりはしない。泣くな」

ミニョクの胸に顔ををうずめて泣きじゃくるボンスン。

 

~強力3課~

班長と話をするグクトゥ。

「まず、彼はスリムな女性達を狙っていたのに、それが変わったんです。俺たちを盗聴していて、警察の保護対象がスリムな女性達だと知り、戦法を変えて、いろんなタイプを拉致し始めた。それがギョンシムです」

「そのとおりだ」

「ただ、ボンスン…」

「え?」

「いえ、とにかく、彼は待ち伏せしたとき、失敗した」

「待ち伏せ?」

「あいつには犯罪の傾向があります。それ以降、あいつは復讐に切り替えた。すごい強迫観念です。俺が失敗しました。あいつが次に何をするか、わかりません」

 

~ミニョクの秘密基地~

「チョ・ヒジを利用して罠をしかけてきた。警察の目をひきつけて、実際はギョンシムを…」

「ギョンシム…」

「問題は…あいつが、ギョンシムとお前が友達だと知ってることだ。あいつは彼女だけを連れていくはずがない。俺が心配なのはそこだ。」

ボンスンの前に、腰を下ろし、目線を合わせるミニョク。

「ボンスン…、何であれ、一人でなにかをしようとするな。ん?」

ポケットからネックレスを取り出す。

<これがお前を守ってくれるといいが。俺がどれほど心配してるかもわかってくれるといいな。>

「これがおまえを守るだろう。」

ボンスンにネックレスをつけるミニョク。

「だから、外すなよ。頼むから」

指で、ネックレスの感触を確かめるボンスン。

よかった。ヘッドが全然違ってた(笑)これは、タイアップじゃないのね。鍵の形には意味があるのかな?

 

「送っていくよ。帰ってゆっくり眠るんだ。あした、会社で会おう。俺がなんとかするから」

ようやく、泣きやみ、うなづくボンスン。

 

家に戻ってきたボンスン。

戻る車中で、キムチャンヒョン、廃車工場とつぶやくミニョク。

 

アジトで泣き続けているギョンシム。

 

~強力3課~

朝一で打ち合わせるグクトゥたち。

「廃車工場の従業員、彼の名前はチャン・ガンソクです。彼は1976年に生まれ。彼は年寄りの母親と一緒に住んでいます。彼はどんな犯罪歴を持っていません。それから、あのろくでなし、キム・チャンヒョン。彼は精神的な障害のために兵役を免除されました。彼は15歳のとき、放火で、人を殺してます。」

「彼は青年拘置所に入っていたのか。まだ、あいつが、なにかを隠しているような気がしてならないな」

「キム・チャンヒョンの渡航記録を確認しました。従業員の男は、あいつがアフリカのスーダンに言ってるといいました。国を出たことはありません」

「どういうことだ?従業員の男にも、うそをついて、国内にいたっていうのか。それとも、グルなのか」

「全部知ってますよ」

「なぜわかる?」

「俺のカンです。」

ちょっと、言いにくそうなグクトゥ。

「は、とうとうついにおまえもか(笑) さぁ、どっちにしろ、俺たちは、検索や押収令状を持っていません。あいつの家に奇襲をかけるぞ」

「はい。」

「まず、俺が廃車工場に行きます」

係長「おい、あそこには何もなかっただろう」

「でも、まだ、何かあるような気がするんです。見えてるもの以上のものが、絶対にあります」

「よし、お前は先に行って、お前の勘に従え」

なんとなく、班長が嬉しそうです。

「それから、ヒグマと拡大鏡は、あいつの家を捜索してみろ。で、お前は彼の精神科医のところにいって、彼の健康記録を確認してこい」

「はい。」

「Clumsypants、お前は何をすべきだ?」

「所長の足止め?」

「天才! グクトゥは、廃車工場に向かえ…って、あいつどこにいったんだ?もう行ったのか?早いな。アジア最速の刑事か」

 

それぞれアラームで起きるミニョクとボンスン。

気力を振りしぼって、支度をするボンスン。

ミニョクもPCの前でうたた寝程度。

<ボンスナ、私は大丈夫よ><来ちゃだめよ><来ちゃだめ!>

おそるおそる 昨晩の動画を何度か聞くうちに、後ろで、聞こえる犬の泣き声。

廃車工場でも聞こえていた。

やはり、監禁場所はあそこで間違いないと気づくボンスン。

 

すでに出社し、キム・チャンヒョンの廃車工場周辺の情報を収集しているミニョク。

ゴン秘書が入ってくる。

「会議の準備ができました。あれ、ボンスンさん、まだ来てないんですね。朝、企画・開発チームにくるようにいっておいたんですが」

「彼女は、“ボンスニ”のプレゼンの準備で徹夜になった、プレゼンは次回だ」

「まさか、彼女が徹夜したからって、プレゼンを延期するつもりじゃありませんよね?」

ゴン秘書には目も向けずに、PCで作業を続けるミニョク。

「すこし待ってろ」

「電話してみますね」

といいながらも、ミニョクの様子も変だと気づく。

 

~クァンボクたちの病室~

アガリが着替えている。

「どちらにいかれるんですか」

「退院するんです」

「え?まだ、だめですよ」

「ここは監獄なのか?帰りたいときに帰ってもいいだろう」

「ですが…あの、本当に、アガリさんというお名前なんですか?」

「俺の家族は、もともと羅州出身で、「美しい梅の木」を意味する名前、アガリだ。」

「え、兄貴、本名だったんですか?」

「だから、そういってるだろうが。誰が(病院で)通り名をつかうんだ。」

「アガリさん、もし、本当に家に帰るのであれば、退院手続きをしてください。処方箋をだしますから。」

「はい。」

 

クァンボクが四肢をつるされたまま、ベッドであばれています。

「おい、どうした?」

「×※△×…(お尻が痒い)」

「お尻が痒いんじゃないですかね」といって、包帯をめくろうとしてます。

「ああ、まだ取ったらだめですよ」

「×※△×…(お尻になんかいる)」

「兄貴。もっとゆっくり言って下さいよ」

「×※△×…(だからお尻になんかいる)」

「シアジュンス?シアジュンスなら、軍隊にいるぞ」

首を振るクァンボク。

「新世界?シンセギョン?」

伝わらずに、イライラするクァンボク。

「お尻がどうとか言ってます」

「×※△×…(そのとおり。お尻になんかいる)」

ボンギにたずねるアガリ。

「まさか、こいつ、何言ってるか、わかります?」

 

「ところで、おまえはなにをぶつぶつ言ってるんだよ、さっきから。本当に詩なのか」

「兄貴に読んであげようと思って。すこしでも、なぐさめになればと」

「この状態のどこがなぐさめだ。」

首コルセットの男から、アガリが、その詩集を取りあげました。

 

~『三聖閣』~

寺で書き物をしているペク・タク。

病院で話題になった詩集を書いたのは。ペク・タク?

「わたしは 詩を書いてました、3年ほど前から。読み人知らずな詩を読みはじめ、詩集も5冊目になりました。」

 

ナマステ

ナマステ

 

「我々の人生はどこから始まり、どこに向かうのか。私は外の世界とすべての絆を切ることを考えています。そして、私の人生の残りのための禁欲主義の修行にあてようと思います。どう思われますか?」

なぜか、おもいっきり世俗的な自称インド僧Nijamuttin。

 「私は今、食料を求め、外出しなければなりません。あなたの車のキーを必要としています。」

「ここには、私の車を持ってきてません。あなたは何を購入する必要がありますか?」

「あなたは私のカレーのすべてを食べました。そして、あなたは脂肪を得ました。髪ゴムを必要とします。今は髪をまとめるのに箸を使ってます。シャンプーとトリートメントも必要です。」

「それくらいのものであればコンビニエンスストアで買うことができると思います。」

「そこのアルバイト店員と口論になりました。内緒ですよ、身分証を出せといわれたが、わたしは持っていません」

「ああ」

 

ナマステ

ナマステ

 

なにかおかしいと感じるペク・タク。

 

廃車工場にむかうボンスン。

<今日午前10時企画開発チーム。時間通りに来てください>

ゴン秘書からのメッセージを無視する。

「電話に出ません」

疲れているミニョク。

「すまないが、プレゼンは延期させてほしい」

集まったメンバーに、それだけ告げると、ミーティングルームを出る。

 

廃車工場に入ってくるボンスン。

従業員チャン・ガンソクに話しかける。

「キム・チャンヒョンはどこ?」

「友達を探しにきたのか?ここにはいませんよ」

「だから、どこにいったのよ」

「知らないよ。あんたの友達と一緒にいるんだろ?」

「おじさん、キム・チャンヒョンはどこにいるのよ」

「なんで、俺に聞くんだよ。知らないよ」

うろうろと見回すボンスン。

犬の鳴き声がずっと響いている。

「ギョンシム、ギョンシム」

泣きながら、探し続けるボンスン。

ボンスンが置いてある車を、片っ端から、素手や蹴りで動かしていくのをみて驚く男。

その様子をcctvのモニターを見ていたキム・チャンヒョン。

思わず、立ち上がる。

「なんだ、あれ」

 

アジトで眠らされていたギョンシム。

 

気になっていたコンテナに近づくボンスン。

 

~社長室~

ミニョクが、探査システムを完成させる。

「よし、できた」

ボンスンに連絡を入れても応答なし。

位置を確かめると、廃車工場!

あれだけ行ったにもかかわらず、勝手に出かけたボンスンに対し、おもわず携帯を机に叩きつける。

 

真っ暗なコンテナの奥に進むボンスン。

地下の階段につながっている

一足早く降りてきていたキム・チャンヒョン。

ギョンシムをなぐりつけ、気絶させる。

 

「ギョンシマ~」

携帯の明かりを頼りに進んでいくボンスン。

女性たちのすすり泣きが聞こえる。

「誰かいますか?」

 

ギョンシムを担いで、逃げ出すキム・チャンヒョン。

 

監禁されている女性達を見つけるボンスン。

「ここにいます。助けて下さい」

「すぐ助けますからね、危ないから下がっててください」

鋼鉄製の檻を外すボンスン。

「一緒に出ましょうね」

もう一人の檻も壊すボンスン。

 

外に出てきた犯人キム・チャンヒョン。

一旦、ギョンシムをおろすと、共犯の男に

「いいから早く、全部爆破しろ」と電話で命ずる。

「くそ、お前の友達も今日殺してやる。彼女が死ぬときはお前も死ぬときだ」

 

「大丈夫ですか。目を開けて。」

3人目も救出。

なんとか歩ける女性。

「みんなでここを出ましょう。ちょっとここにいてくださいね」

ギョンシムを探し回るボンスン。

「その人なら、先にあの男が連れて行ったみたい」

「え?」

動揺するボンスン。

 

ガソリンを撒き、火をつける男。

瞬く間に広がり、ボンスンたちがいる地下も爆音と爆風が。

悲鳴を上げる女性たち。

彼女たちをかばうように、覆いかぶさるボンスン。

 

廃車工場に向かっていたグクトゥ。

手前で、黒煙が上がるのに気づく。

「なんだ、あれ」

急行するグクトゥ。

 

なんとか地上まで出てくるボンスンたち。

「気をつけて」

「私につかまって」

「あなたたちはもう大丈夫。気をつけて」

「そこにいてくださいね」

 女性たちの安全を確保したのち、男に詰め寄るボンスン。

「おじさん、チャンヒョンはどこなの?お願いだから教えてよ。私の友達だけいないの。お願い。」

「俺は、なにもしらねぇ」

逃げ出そうとするところを、間一髪、グクトゥが間に合い、逮捕される男。

「あなたは黙秘する権利があります。あなたの発言は、法廷であなたに対して証拠として使用されます。あなたは弁護士に権利を持っています。これでおまえも終わりだ」

 

ギョンシムを探して、見回すボンスンを見るグクトゥ。

大勢の警官や救急隊でごったかえすなか、ひとり、フードを深くかぶり、廃車工場をあとにするボンスン。

 

ミニョクも、車で駆けつけてきました。

一人出てきたボンスンに気づくと、急ブレーキ。

このとき、車の中から、ボンスンを見据えたときのミニョクの表情が、今回の最お気に入り。

 

怒りを抑えて、助手席のドアを開けました。

黙って車に乗り込むボンスン。

 

海辺まで走ってきちゃったのかしら。

ようやく、車を降りて話をする2人。

 

「俺が手伝ってやるから、一緒にやろうって言っただろう」

「…ごめんなさい」

なんとか冷静さを保とうと、静かにかたりかけます。

「彼女たちは、助け出せたのか?」

無言のボンスン。

「ギョンシムは?」

今度は、首を振るボンスン。

後ろを向き、ため息をつくミニョク。

溢れ出る涙をこらえようと必死なボンスンに、それ以上何もいえないミニョク。

 

女性たちが監禁されていた地下室の現場検証がはじまってます。

「ここはなんだ?」

「よくも、こんなところを…」

「急いで写真を撮ってください」

のこのこ現れた特別捜査チームに嫌味をいい、自分たちの事件だと主張する班長。

「班長、こっちにきてください」

グクトゥの様子が殺気立ってます。

「こっちです」

「なにか見つけたのか?」

例のcctvの監視ルームです。

「うわお」

「なんだ、ここは」

「奴は、完璧なサイコだ」

ターゲットとして、ボンスンの写真も貼ってあるのに気づき、壁を叩くグクトゥ。

 

~事件の報道~

「最新ニュースをお知らせします。トボン洞事件において誘拐された3人の被害者は、すべて救出されました。警察は彼女たちを、廃車工場地下室で発見。犯罪現場にいたチャン某が共犯だと思われます。警察は彼を逮捕し、彼は調査中です。真犯人キム・チャンヒョンは、廃車工場のオーナーで、まだ彼はどこにも発見されていません。警察は彼の行方を追いかけています。警察は、彼らがまだ被害者を救出する方法については何も、発表しておりません。近隣の住民によると、犠牲者を救助する前に、火災や爆発があったとのことです。すべての被害者は病院に運ばれたあと、治療を受けています。病院職員によると、被害者は、深刻なショックを受けており、彼らはまた、精神医学の助けを得ることになると述べました。病院のスタッフは、被害者が回復にむけて最善をつくしています」

 

アジュンマ三人組、携帯でみるニュースに釘付けです。

記者たちに取り囲まれる班長たち。

「被害者にインタビューすることはできません。お引取りを。申し訳ありません」

 

街の大型ビジョンにも映し出されるニュースに、多くの市民が足を止めている。

 

病院で診察を受ける被害者に事情聴取に来た班長たち。

「起き上がらなくて結構です。そのままで。あんな大変な場所で、よくがんばりましたね」

「ええ」

「お疲れで混乱されてるのは、わかっているのですが、爆発のさなか、どうやってそこから抜け出せたんですか」

まだショックを受けていて詳細な話が聞けそうもない。

 

部屋で一人、ギョンシムの割れた鏡を見つめているボンスン。

 

ソファに横になりながら、眠ろうとしても眠れないミニョク。

イライラをサンドバッグにぶつけてます。

 

<トボン洞連続誘拐犯人は彼の廃車工場に秘密の地下室を作りました。そこに犠牲者を拉致監禁するという前例のない罪を犯しました。「青髭と7人の花嫁」劇の大ファンである彼は、この劇を模倣したと見られ、動機の解明を急ぐとともに、犯人キム・チャンヒョンを実行犯として全国に指名手配されました。>

 

ニュースを食い入るように見ている、ただならぬミニョクの気配に、声がかけられず、心配そうに退室するゴン秘書。

ニュースを消したあとも、深く考え込むミニョク。

 

同じくオンマも、ギョンシムのことをを気にしています。

監禁されてるなんて夢にも思ってないよね。

「ねぇ、ソウルにいないギョンシムにも教えてあげなさいよ。犯人がどこにいるのか、誰も知らないんだから。彼女も、注意したほうがいいわ」

話を聞かずに飛び出していくボンスン。

 

~会社1階のカフェ~

カフェで、犯人から送られてきた動画をグクトゥに見せるボンスン。

衝撃を受けるグクトゥ。

「おれに言うべきだった。どうして、自分だけで行こうとした?」

「キム・チャンヒョン、このままにしておけない」

「なぜ、おまえがこのままにしておけないんだ。もう奴は指名手配されてる」

「私は自分自身でこれをしなければならないの」

「俺がつかまえる。それまで待ってろ」

「あいつが私に、この動画を送ってきたの。彼のねらいは私よ」

「だからこそ、お前がやったらだめなんだ」

「だめよ。警察を巻き込んだら、ギョンシムが危険になるわ」

「警察は、もうこの事件に取り組んでる。」

「みんなに知られてしまうわ。 グクトゥ、お願いよ」

「ボンスナ…」

「あいつが私に、ギョンシムを殺すって言ったわ。警察に言ったら殺すって言ったのよ」

涙ぐむボンスン。

ため息をつくグクトゥ。

 

そこへミニョクが降りてきました。

グクトゥと話すボンスンを発見。

 

グクトゥが立ち上がり、涙ぐんでるボンスンにペーパーを渡す。

目をそらすミニョク。

 

「警察は、非公開で捜査するよ」

「ありがとう。それから、私があの彼女たちをどうやって助けたのか、秘密にして」

「わかった。心配するな。行こう」

 

二人の前に立つミニョク。

自分から席を外すグクトゥ。

「俺、行くよ。じゃあな」

 

★第13話(2)に続く★