ねたばれOKの方のみ、お進みください。お願い

 

■ Episode19 絶対、正しい道だから

 

サムメクチョンが、王の装束を来て、重鎮の前に 姿を見せる。

「あれは、誰ですかな?」

怪訝そうな和白たち。

振り向きざま「私が、神国の王、真興だ」と宣言する。

かなり戸惑いながらも、真興に対し、一礼をする重鎮たち。

 

~南毛公主の祭殿~

ようやく、会えたソヌとアロ。

禁衛長をはじめ、4-5人が 弓を構えている。ソヌをねらった矢を、アロが受けて倒れる。

「アロ、目を開けろ。」

引き続き、ソヌをねらって、矢が放たれる。

そこに、パオさん登場。

真興の指示で、助けにきたようです。慌てて、アロを抱き上げ、走るソヌ。

※ここから、サムメクチョン改め 真興(じぬん)にします。。。

 

禁衛長と兵士を迎え撃つパオさん。

太后と真興王、どっちの「王命」が正しいかで揉める二人。

ソヌたちを追いかけようとする禁衛長。立ちはだかるパオさん。

剣を交える二人。パオさん、強いです。

シャキ~ンの効果音がすごすぎです。

「それからお前! わしに同等の口をきいているが、10年以上、お前より長く務めてる先輩だぞ。」

王京に戻ってきてから、ずっと言いたかったんだろうと思うと、笑えましたゲラゲラ。パオさん大好き。

 

禁衛長がパオさんに剣を向けると、矢で足を射抜かれる。

禁衛長を弓でねらうスクミョン。 

「禁衛長、王命に従うのだ」

「公主様・・。」

 

~アンジ公邸~

~回想~

<お前の娘は、源花になった>

<源花ですと?>

<そなたの息子、いや、私の息子を王にしなければならない>

<あの子は、チュンジョンとフィギョン公との息子だ。この国の聖骨だ>

 

考え事をしているアンジ公のところに、アロが運ばれてくる。

南毛公主の聖堂がどのくらい離れたところにあるのかわかりませんが、とにかく、その距離をずっと抱えて走ってきたのかな?

「どうしたんだ」

「助けてください。」

必死なソヌ。

「早く、中へ」

様子を見るアンジ公。

「出ていろ。早く。」

「いやだ・・・」

「この子の父親として、医員として言ってるんだ。お前にできることはない。出ていきなさい。」

動揺するソヌ。外に出て、アロが自分をかばって矢を受けたときを思い出す。

 

アロの胸から、矢を引き抜くアンジ公。血があふれ出す。必死に治療するアンジ公。

 

外の縁台で待つソヌ。

~回想~

ここにきたとき、食事と菊の花の薬を差し入れた姿。落馬して足にけがを負い、背負ったときの影絵。手の怪我を手当てするアロ。 涙の告白とはじめての口づけ。

 

治療をおえて出てきたアンジ公。呆然としていたソヌは、たらいを放り投げた音で気づく。

「かろうじて、致命傷を受けてはいなかった。」

命をとりとめたと知って、ほっとするソヌ。

ソヌに詰め寄るアンジ公。

「なにがあった」

「太后が俺をねらって、兵士をよこした。アロが、おれをかばって、矢を受けた。」

また、太后の仕業か・・と、目をとじるアンジ公。

「俺の傍にいると、アロは危険な目に遭い続ける。アロが、俺を動かすと知られているから。」

「これから、どうするつもりだ」

 

~眠っているアロ~

「こんなの似合わないぞ。だから、はやく目を覚ませよ。俺、生まれてこないほうがよかったって、ずっと思ってたけど、やめたんだ。お前に会って、俺は、生まれたことをはじめて感謝した。今、俺が生きている理由・・・それがお前だ。本当によかった。すまない。それから・・・本当に愛してる」

アロに口づけて、その枕元に、お守りの酒令具を置く。

 

王座に座るサムメクチョンに話をする太后。

この期におよんでも、まだ、和白たちの魔の手から、息子を守ろうと、これ以上何もするなと指示を出すジソ。

「失策ではありません。」

「これが失策でなければ、そなたは、準備なしに、王位に上がろうとした馬鹿者か?力もない王の末路を知っているか? 存在していないも同然だぞ。和白たちは、存在しないような王を認めず、お前を顛覆させ、すべてを奪うのだ。王位も、命も、なにもかもだ。 お前のあさはかな考えで、聖骨の伝統も失うのか?」

感情的に、叫ぶジソ。

「私はすでに王です。今日、それが明らかにされました。」

「いや、そなたは王ではない。そなたは、私の傘のもとにいるしかないのだ。」

「はい。私はいつも母上の傘の下に隠れていました。それを感謝してきました。その傘の下にいれば快適でさえあり、幸運だと、そう思ったときもありました。しかし、今は、私がそれを管理すべきなのです。そうして生きていくのです。私の存在を、誰の前でも隠さず、私自身の手で、私が夢見た未来の神国を作るために。私自身の全てをかけます。」

自分の決意を語る真興。

「そなたは、それを明らかに後悔するだろう、必ずや。」

「その後悔ですら、私のものです。私が扱うために、ここに存在するということなのです。」

 

フィギョン公に会いにきたソヌ。

「もし、あんたが俺の親父なら・・・、母親もまた、いたんだよな。母親は、どんな人だった?」

「チュンジョン、神国の源花だった。美しい人だった。彼女は、兵士や民からの信頼の厚い、素晴らしく有徳な人であった。源花は、弱くなった王室にとって脅威の存在であった。

さらに、彼女が、聖骨の子供を身ごもった源花となった時には、彼女は脅威のいっそう多くであった。(源花がお互い嫉妬で殺し合ったとされた)事件が起きたとき、彼女から生まれた子供がお前だ。」

 

「俺は同じ人間なのに。最初は賤民で、半血になって、いまや、聖骨か。今頃になって?親父がいたって?」

「いままで、生きてくるのは辛かっただろう。だが、わしは謝らぬぞ。王子になどならなくとも、名前などなくとも、自由に生きていてほしかった。それが、お前を守る最善だと考えたからだ。長い間、お前を見守ってきた。いま、ようやく その時がきた。

お前を王にする準備が整った。お前ほど神国を強くすると思われている人間はいない。お前ほど、人々から理解されている人間もいない。現在の無秩序な神国とその未来を変えることができる新しい王。それが、お前だ。」

 

~スプ公と太后~

スプ公「それで、 禁衛長はいずれに?」

イライラしている太后。

太后「モヨン、茶をもってまいれ。」

茶を飲干すジソに、緊張した視線をおくるモヨン。

 

「伊飡(イチャン=スプ公の肩書)・・・。」

「はい 殿下。」

「そなたに、準備してほしいものがある。」

 

~ヨンシル公邸~

重鎮たちを前に、笑い出すヨンシル公。

「入れ。」

モヨンが入ってきた。

「太后付の女官ではありませんか?」

「ジソはどんな具合だ。」

「太后殿下は、10年の間、わずかな毒を混ぜたお茶を飲み続けたため、最近になって、徴候が出始めました。彼女の手は震えて、卒倒を起こしたり、幻覚を見始めているようです。」

ヨンシル公の長年に渡る怖ろしい悪巧みに、ちょっと、いや かなり引いてる和白たち。

 

~キム・スプ公~

ため息をつくスプ公。父のスプ公に呼ばれたスホ。

「お呼びですか? なにがありましたか」

「真興王が戻られた。お前には、やらなければならないことがある。」

 

~仙門~

聞いたか? 王があらわれた。 ジドゥイ郎が王だった。

俺の情報源によると、すでに、月城に入って、「俺が真興だ」と名乗ったらしい。

あの色白男が王だって? 犬鳥郎はどうなった?

仙門でも、蜂の巣をつついたような大騒ぎ。

 

「つまり、ソヌ郎じゃなくて、ジドゥイ郎が本当の王だったってことか?これは、最後まで人を観察する必要があるっていう理由だな。だけど、思い出せないな。」

「何が?」

「ジドゥイ郎によくしてたかな。残念だよ、もっとよくしておけばよかった。これが、俺が悩みなく、快適に生きられる方法だ。」

そんな会話をしているヨウルとパルリュが、一人、太后の団扇をもって 座っているスホに気づく。

「ソヌ郎が王じゃなかったって聞いたか?」

ヨウルの問いに答えず、そのまま行きすぎるスホ。

「あいつ、どうしたんだ? 仙門の行く末は、すでに壊れてるな」

そんな、ソヌが気になるパルリュ。

 

身支度をしているウィファ公。

「風月主、風月主!!」

副弟が、真興王がジドゥイ郎だったことを聞きつけ、飛び込んできました。

「もしかして、ご存知だったんですか? 私には、教えるべきだったでしょうに。 ところで、なんで、そんな格好を?」

「くびになったんですよ、風月主を。お達者で。」

大笑いして、執務室を出ていくウィファ公。

 

~広間の講義室~

落ち着かない仙門。

真興は王さまになったし、ソヌは忙しいし、スホは太后の護衛になったし、地獄部屋の5人で出席しているのは、ヨウルとパルリュのみになってしまいました。

テテもいないけど。。。(涙)

「何事だ? 風月主の講義なのに、副弟が来たぞ」

副弟が 事態を説明する

「今日で、風月主が仙門を去られた。そこで、午後の詩経の講義は休講とする。しばらく休暇となるので、仙門を離れてもよいぞ」

戸惑う花郎たち。

 

~太后の部屋~

公主が 太后を訊ねる。

「そなたも わらわの考えに逆らうのか? 花郎が、どれほど危険で、トラブルの源になるか、わからぬのか?」

「しかしながら、これは王命です。」

「王命? 王命だと? この神国では、わらわの命令が王命だ。わらわが、サムメクチョンの上にいるのだ。すべてを作ってきたのだ。このわらわが。」

スクミョンを怒鳴りつける太后殿下・・・倒れる太后

「お母様、お母様、だれか、だれかおらぬか?」

 

外の往来で、子供たちが 歌をうたっている。

♪花郎の中の花郎は、ジドゥイ郎だよ♪

♪王の中の王は、ソヌ郎だよ♪

その歌をきく 編笠姿のソヌ。

 

ダイソーをみてまわるヨウル。

「これ、ハンソンが気に入ってた日食グラスだ。。。」

♪花郎の中の花郎は、ジドゥイ郎だよ

♪王の中の王は、ソヌ郎だよ。

ヨウルの耳にも、表の 歌声が聞こえてくる。

「これって、まさか・・・。」

 

王の装束に着替える真興。

パオさんが その姿を感慨無量にみつめています。笑い泣き

「どうなった?彼は無事だったか?」

ソヌたちの安否を気にする真興に対し、言いよどむパオさん。

官女たちを下がらせる真興。

「何があった? 何があったか聞いている。」

「はじめて、和白たちとの会議ではありませんか、あとで・・。」

「言え、今すぐだ。」

「実は、アロ医員が・・・」

アロの名前が出ただけで、身構えるサムメクチョン。

「禁衛長の矢を受けました。命に別状はありません。」

ほっと息をつき、目を閉じる。

「申しわけありません。 陛下。」

 

~ピジュキの店~

「はいどう、はいどう」

酒をのみながら、木馬にのって、はしゃぐウィファ公。

あまりの壊れっぷりに、ピジュキが心配する。

「外で、今、なにが起こってるか、知らないくせに」

「どうした? 顔がない王が現れたのか?」

「そうじゃありませんよ。王が交替させられるかもって話ですよ。」

「ほう、どんな意味だ?」

「まったく、今まさに、そういう歌が、あっという間に広まってますよ」

♪花郎の中の花郎は、ジドゥイ郎だよ

♪王の中の王は、ソヌ郎だよ。

この歌が、町の至る所で 評判になってる歌ですよ。

興奮して、鼻をほじったせいで、鼻血をだしたウィファ公。

「おお!」

そこに、突然、現れた編笠姿のソヌ。

「ああ、噂をすれば。あ、編笠・・・犬鳥郎」

じろりと、ウィファ公を睨むソヌ。

 

朝廷の会議に出向いた真興

そこにいたのは、ヨンシル公ただ一人。

他の和白たちには、出席しないように指示を出したヨンシル公。

「はい。先に少し、陛下とご相談しなければなりませんのでな。」

「相談?」

「少し、足を痛めている老人でしてな、座ってもよろしいかな。」

あろうことか、中央の階段をのぼり、玉座に座るヨンシル公。

「なにをしておるか!!」

怒る真興。

「これは快適だな。そうと知っていたら、もっと前に座るべきでしたな。」

首の傷をおさえるヨンシル公。

「現実の世界を見てはいかがかな? 陛下は、あなたの民から、公正、忠誠、および同情を受けることができましたか? 決断力のないことに慣れている王、そう、陛下のような王が・・・。」

王座に ひっくりかえるヨンシル公。

「私は、王を誰かに変更しようとしております。」

屈辱に震える真興。

 

~ウィファ公と話をするソヌ~

ウィファ公「お前が、今、何と言った?」

ソヌ「俺は、俺のような男が王になったら、今よりはすこしはましな神国になるか、聞いたんだ。 俺に、王になる資質があるように思うか?」

「世界には、壁など必要ないと言ったな。お前は、本当に、そういう世の中をつくるつもりか?」

「今まさに、その質問に答えてくれ。民のための道を作るために、彼らの前を歩く王。そんな王に俺はなれるか?」

考え込むウィファ公。

 

ホ公「真興王をどのように倒されるおつもりですか?」

ヨンシル公「以夷制夷・・・敵を使って敵をつかまえればよかろう。」

「それには、誰をお使いになるつもりで?」

「名分がなければ、我々が、名分を作ればよいのだ」

 

ヨンシル公が去った広間で、座り込む真興。現実をつきつけられ、ショックを受けている。

「俺がいくら 王のようにふるまっても、まだ、俺は弱く、何もできない。なんの選択肢すらないのだ。」 

え? いまさら気づかれたんですか(毒) これくらいは想定内じゃ・・・(自粛)

扉があく気配がする。

「誰だ。誰も入らないように命じたはずだ」

「私です。スクミョンです」

公主が入ってきました。

「お兄様は、自らの力で王になられた。」

「お前の目には、王に見えるか?」

「いえ」

「そのとおりだ。そなたは正しい。俺は、まだ、何者でもない。それを知らないのは俺だけだったようだ」

「神国全部の民が知ってます。」

さすが、キッツイおなごです。

「もちろん、母上もご存じです。母上は、婚姻を急がせようとしています。」

「婚姻? 俺とお前のか?」

「この婚姻は、お兄様にとっても、私にとっても、とても恐ろしいものです。」

「聖骨を繋げ、王室を守るためだけの 嫌悪すべき婚姻だ。」

「それに、私はソヌ郎と一緒になりたいと思っています。ですから、お兄様、お母様を説得してください。既に、王になられたのなら、何かをせねばならぬのではありませんか?」

 

~ウィファ公とソヌ~

「お前は、今、私に、お前がよい王になれるかどうかを尋ねているか? まぁ、なってもいいだろうな。通りを歩いてる3人のうちの1人のためくらいなら、お前がは現在の王よりましかもしれない。

ただ、名分なしで、王になることは謀反だぞ。お前は、それがどんなことか、よく知ってるはずだ。結局、民のためにならない戦いは、貧困を生む。お前が、望んでいる王はどんな王だ」

 

「いや、俺が望んでいる王とは、保護が必要な民を守るための意志を持ち、民を助ける王。民は、弱く、親切で、傷つきやすく、見捨てられた民を守る王、それが 王のなかの王だ。だから、言ってくれ。もし、俺に名分もしくは、俺の名前でなら、王になれるというのなら、それに従い、俺がそういう民を守ることができるのなら、俺は試してみたい、王となってやる」 

 

~フィギョン公と ヨンシル公~

「どうされたのですか。ヨンシル公。」

「たとえ私がここに来ても、あなたは驚きさえしないのだな」

「どうぞ、あなたに挨拶するために、(私が)立ち上がることができないことと理解してください。お座りください。」

待ち構えていたように、話を始めるフィギョン公。

「どうぞ、お話ください。あなたは、私の息子を王をしたくて、ここにいらっしゃったのですかな?」

 

アロの手当てを続けるアンジ公。

~回想~

フィギョン公とアンジ公

<その子は、本当に聖骨なのですか?>

<あなたは、あなたの息子と私の息子が一緒に成長したことが偶然の一致であると思うか?>

<ちょうどあなたが、私の息子を救ってくれたのと同じことを、私も、あなたの子供を救うためにしたのだ>

<ジソからも、この世間からも、あの子を隠そうと思った>

 

アンジ公の自宅

チュンジョンが、傷ついた身体で、アンジ公を訪ねてくる。

<どうされました?>

<私は、もう・・・死にます。この子を・・・どうか助けてください>

<チュンジョン・・・>

意識のないチュンジョンのお腹にむかって、消毒したメスを・・。

ソヌのお母さんは、噂とは違って、亡くなられていたんですね(涙)

 

運命?

私は、もう二度と お前を誰にも傷付けさせない。

私は、そんな二度と あの女が、お前を傷付けないようにさせる。約束する。

 

~太后の部屋~

太后を待つスホ。

「そなたは必要ない。」

ふらつくジソ。支えるスホ。

「さがりなさい。」

「殿下がお一人でお行きになれることは存じております。しかしながら、今、私は花郎ではなく、陛下の護衛としてここにおります。私が 従うことをお許しください。」

「そなたのような子供が わらわの護衛とな。」

「私は、まだ若輩ですが、子供ではありません。殿下を見るたびに、心臓の鼓動を激しくするに十分なほどです。禁衛長が回復するまで、私が護衛を致します。」

うわ~、さらっと、告白してるよ。。。やるなぁ、スホ。

 

ソヌの言葉を考えているウィファ公。

~回想~

<いや、俺が望んでいる王とは、保護が必要な民を守るための意志を持ち、民を助ける王。弱く、親切で、傷つきやすく、見捨てられた民を守る王、それが 王のなかの王だ。>

「王がいるのに、王になりたいとな。」

 

目をさましたアロ。自分のことよりも、ソヌの様子を一番に気にするアロ。

アンジ公が脈を診る。

「どこですか ? お兄さんはどこ?」

 

~フィギョン公をたずねるソヌ~

気持ちは固まったか? どうも、まだのようだな。これは、お前の選択ではない。お前を通した、神国の選択なのだ。

お前がマクムンと一緒に暮らしていた賤民村について考えてみろ。お前がしようとしている選択は、最も重要で、有意義なものである。

お前に、会いたがっている人がいる。

 

~仙門の風月主の執務室~

「風月主を首になったと聞いたが、なんで、あんたがこんなところに呼び出すんだ?」

振り返った人はヨンシル公。

「驚いたかな? わしを嫌っていることはよく知っておる。」

「いや、あなたは知らないはずだ。あなたが考えている以上に嫌がってることを。」

笑い出すヨンシル公。

「これが、お前を王だと混同した理由だな」

 

「なぜ、ここに? なぜ、俺に会いたかったんだ?」

「王をつくろうと思ってな。おお、フィギョン公から、わしについて何も聞いておらんのか?」

本当にヨンシル公の助けを受け入れると思うか、と、逆にヨンシル公に聞くソヌ。

肯定するヨンシル公。

 

「権力があるというのはそういうことだ。お前がそれを振るわない限り、お前はそれに負ける。いままで、お前はいつもその犠牲者ではなかったか? それが、お前が王になりたい理由だろう? 従って、お前は、お前が決定をするべきであると思わないか? 権力を振るうか、またはそれに負けるか。」

 

「いや、選択が、俺がする。あんたが俺に会いに来たところを見ると、あんたは俺が必要だから必死なようだ。これも ある種の力であるにちがいない。もし私がそれを振るわないならば それに負ける 。」

顔色が変わるヨンシル公。

ああ、久しぶりに見た ソヌの交渉術。古だぬき相手に一歩も引かない。ここが、真興と違うところなのよ~~って、ついつい、比較してしまう。

 

~アンジ公自宅の庭の縁台~

起き上れるようになったアロ。外に出て、ソヌを待ちわびている。

背後から、スクミョン公主が現れる。

「まだ、生きていたのか?」

相変わらずの嫌味っぷりです。

はぁ、ため息をつく。

「連れ戻しにいらっしゃったのですか?」

「わたしが怖いか」

「私の状況を考慮してもらえませんか。(命を狙われるのは)これがはじめてではないのです。」

「私は そなたの兄を救った。そなたは、そなたの兄を危険にさらすだけだ。私は、彼を救うことができる。」

「公主様は、私が死ぬのを望んでいらっしゃるようですね。」

「ああ、そうだ。そなたが考えている以上に、そなたの兄はとても貴重な人であり、私は、もしそなたがいなければ、彼を保護できるであろう!」

それを聞き、なんとしてでも、ソヌが望むとおり、自分は生き残ってみせる。たとえ、公主から揺さぶられようとも、自分が兄を守る、自分の男を守ると宣言するアロ。

それに対し、自分なら、どんな時も、どんな状況でも、誰からでも、ソヌを守ることができる、と感情的になるスクミョン。

 

~ヨンシル公邸~

「私達は王を変更する必要がある。」

顔を見合わせる重鎮たち。

「それは、王位から真興王を引きずりおろし、違う王と違う王と取り替えると言っているのですか?」

 

~太后の自室~

落ち着かず、部屋をウロウロし、手が震えているジソを、そばに控えているスホが気にしている。

やってくる真興に一礼するスホ。何度か、頷いて見せ、サムメクチョンを安心させようとする。

 

「母上、顔色が悪いです。」

「そなたは、角干流のやり方によって、王位にすわっただけか?そなたが彼らに弁解を与えたのだ。王室のための神国の聖骨システムを軽視してもよいということだ。そなたのせいだ。全部、そなたのせいだ。」

 

「私は勝ちます。」

「勝つ? どうやって勝てるというのだ。」

スクミョンとの婚礼を命じるジソに対し、そんなことはしないと告げるサムメクチョン。

 

そなたが、他の者とは違うことを示さねばならない。それを証明する唯一の方法は、別の聖骨と結婚するしかないのだ。

 

私は 花郎を通して私の力を育てます。私の花郎を通して、私は、彼ら重鎮を支配します。

花郎?

花郎がそなたのものだというかすかな糸口さえ、そなたは持っておらぬ。

ソヌ郎。ソヌ郎は、フィギョン公の息子だ。あの子もまた、聖骨の血を持っている。

驚きを隠せない真興と スホ。

 

彼は、王位を奪い合う戦争を起こす別の聖骨なのだ!お前を追い落とすライバルなのだ!

 

ピジュキに叱られるソヌ(笑)

「まだ、知らなかったんですか?(アロお嬢様は)とっくに、目がさめてますよ。」

走って戻ってくるソヌ。

 

「彼女にもっと言ってやればよかった。私は本当に、重荷なの?いいえ、そんなことないわ! 彼女はいつも私の邪魔をするのよ。お兄さんはなんで来ないの?もう起きてるのに。」

酒令具を見ながら、呟く。

「もし、だれかがあなたを攻撃したら、あなた自身でやり返せ?」

そこに、入ってくるソヌ。

 

ようやく会えたソヌとアロ。抱きしめるソヌ。微笑むアロ。

「お前、大丈夫か? よかった。 本当によかった。どこか痛いところないか? 」

「痛いわ。。。」

驚いて離すソヌ。

「だって、矢を受けたところを押すんだもの。」

見つめあうふたり。

 

アロの手を取るソヌ。

「俺、話があるんだ。俺が何者で、なぜ、名前がなかったのか、どこから来たのか、そして、どこに行かなければならないのかが、わかったんだ。でも、それはお前にとっては いいことじゃないかもしれない。」

「私は、お兄さんを信じてる。だから、自分を信じて。お兄さんが、世界中の誰よりも信頼できる人だって、知ってる。他の誰よりもすばらしい道を見つけられるから。だから、どんな選択をしようと、なにも言わなくてもいい。最後まで、ずっと傍にいる。だから選んだ道をすすんで。絶対、正しい道だから。」

 

パオさんが報告しています。

「最近は、首都で歌われている歌があります。」

♪花郎の中の花郎は、ジドゥイ郎だよ

♪王の中の王は、ソヌ郎だよ。

言え。

それは、ソヌ郎が王の中の王であると伝えている歌です。

~回想~

<俺が 神国の王である!>

<その子供は聖骨の血も持っている。彼は、王位を奪い合う戦争を起こす別の聖骨なのだ!お前を追い落とすライバルなのだ!>

 

ソヌ郎を呼んでまいれ。

 

眠っているアロを見つめているソヌ。

「お前は、お前自身より、俺を信じると言ってくれたんだよな?」

 

真興に呼ばれ、パオさんと共に、月城にやってくるソヌ。

影のように、姿がはっきりしない玉座。

<今や、準備はされた。お前を王にするために。>

<誰も そなたほど強い神国にできる者はいない>

<誰も そなたほど多くの民の心を理解できるものはいない>

 

首元に、真興の剣が・・・。

剣と剣を かまえる真興とソヌ。

 

「お前は、そこに座りたいか?」

 

「お前は、自身をその王位の本当の主人だと言えるのか?」

 

 

★最終回 第20話に続く ★

サムメクチョン派の私としては、ここのところの彼の自信なさげな表情が不満です(笑)

 

ソヌが王になるならないを、1話まるまる使いましたね・・・。

今となれば、度胸も実力も頭の良さも人柄も、備わっているうえに、更に、血筋もとくれば、鬼に金棒。

 

えっと、かなり予告映像がサービスし過ぎなので、心穏やかに最終回を迎えられそうな予感です。

アロも絶対大丈夫だろうと思ってたら、大丈夫でしたし(笑)

どんでん返しを期待するようなドラマではないので、このまま、20話にすすみます。