放送は終了しましたが、ねたばれOKの方のみ、お進みください。
■ Episode17(1) そなたが始めたこと
(前回のおさらい)
刺客に襲われたソヌ。
「手出しは必要ない。こいつらの狙いは俺だ」
「何言ってんだ。ここに入ってきて、俺たちを襲ってるじゃないか!」
いつものめまいが起こり、意識が遠のくソヌ。
~ヨンシル公邸~
ヨンシル公から、腕輪をとりかえし、懐にしまうサムメクチョン。寝ているヨンシル公に、剣を突き付ける。
王がソヌではなく、自分であることを告げるサムメクチョン。
「次は、本当に、命はないぞ」
剣を首の横すれすれに突き刺し、出ていく。← ちょっとだけ傷付けたみたいです。お年寄りは傷の治りが遅いから大変です
玉座の間にやってくるジソ。
「ならぬ~」
玉座が崩れ落ちる
「ならぬ~」絶叫が響き渡る。
とびおきるジソ。夢だった様子。
そこに、また、あの呼び出しの花が・・・。
玉座に座っているサムメクチョン。対峙する母と息子。
「私はもう逃げません。」
「それはどういう意味だ。」
「もう、神国の本物の王にならなければなりません。」
「お前が、王がなんであるかをわかっているとでも? わらわが、神国を守ってきた。王室の権威を保ってきたのだ。王室の聖骨を絶やさぬように、無慈悲な状況のときもやり抜いたからだ。そなたは、まだ、一度たりとも血を流したことはない。王位を守るということがどういうことなのか、わかっておらぬ。それで、本当の王だと?」
しかし、どれほど苦心して守ってきたとしても、ジソが歴史に名を残すことはない。
「なぜなら、この国の王は、この真興です。」
真興のために生きてきた、真興を殺そうとする者を殺してきたからこそ、命があると主張するが、逆に ジソの欲をみたすために、利用してきただけだ、と反駁する。
「私の神国です。私が統治すべき国、私の神国だ。」
部屋で愕然としているジソ。
サムメクチョンに首を絞められて、飛び起きる。
これも夢。
息を切らすジソが、宮女を呼ぶ。
モヨガ~ 彼女の名前は モヨンだったのね。
まだ、アンジ公に頼りたいジソだが、アンジ公は、賤民村の患者を治療するために王京にはいない。
お茶をすすめるモヨンの硬い表情が、気になります。
広間でひとり考えているサムメクチョン。
「お前がずっと探し続きてきた男、顔のない王だ。俺がお前の主君、真興だ」
昨晩、言われたことを思い返しているヨンシル公の首には包帯がまかれている。
~医務室~
目を覚まさないソヌ。スホとヨウルが見守っている。
スホ「なんで、たいした怪我もしてないのに、起きないんだ?」
ヨウルも、ソヌが時々、卒倒することを変に思っているようです。
スホ「卒倒だって?」
ヨウル「ソヌ郎が突然、眩暈をおこして倒れることがあるってこと、知らなかった?」
初耳みたいな顔をしているスホ。
~マンマン村~
「助けてください」
賤民村の人々に、疫病が蔓延しています。手の施しようがない人たちばかり。
アンジ公「月城からなにか知らせは?」
ウルク「無駄ですよ」
そこへ、子供をだきかかえた女性が駆け込んでくる。彼女自身も具合が悪そう。
「お医者様、子供を、子供を助けてください。」
「待ちなさい。まず、あなたが横になって」
「私は大丈夫です。この子を助けて・・・」
奥から、なにか薬を取り出し、母親に飲ませようとするアンジ公。
それをみて、「それは、毒草じゃないですか。だめですよ」と驚愕するウルク。
「選択の余地はない」
有毒ではあっても、ウィルスを殺す効果にかけるしかない。患者の抵抗力次第だが、それでも、血を吐いて、亡くなってしまうお母さん。
自分の無力さに、泣きわめくアンジ公。
アロ「もしかして、朝鮮ニンジンか森林芍薬ありませんか?」
薬商「そういった薬は、最近みかけないね。 おれのところには全然ないよ。」
ため息をつくアロ。少しでも、アンジ公に協力し、マンマン村を救おうと、アロも薬を探し回っていますが、手に入りません。
「あれ? あれはなに?」
前をいく荷車から、こぼれている 八角を見るアロ。
ヨンシル公の倉庫に運び込まれる薬袋。
「なぜ、 こんなに 時間がかかるのだ?」
薬の量を確認しているヨンシル公。
ホ公「マンマン村で、アンジ公が薬を待っているのでは?」
わずらわしいことを言ってくるアンジ公にうんざりしているヨンシル公。
ホ公「いますぐ、市場に放出したほうがいいのでは?」
ホ公も、疫病の蔓延に関しては、どちらかというと、対処を早めたほうがいいと、心配しています。
ヨンシル「この薬が この“金”に変わるのを、知らないのか?」
ここにあるすべてのものは、これにかわるのだ、と金塊を見せるヨンシル公。
「この庫房(倉庫)においてこれらの薬をため込んでおくだけで、それはこれになる。薬がなくなる恐怖におびえ、必死に調達しようとすれば、それらが金にかわる。アンジ公のような人間が、わしの金を生み出すのだ。」
ジソのもとにやってくるフィギョン公。かなり立腹している様子。
フィギョン「なぜ、 お前は、また、源花を始めようとしているのだ?ナンモやチョンジュンはどうなった?」
太后「チョンジュンは、ナンモの嫉妬により、殺された。それにより、ナンモの弟子がチョンジュンを殺した。」
フィギョン「思い違いをしているようだな。」
太后「何を言っているのか・・・」
フィギョン「ここまでになさいませ。すぐにやめるのです。」
太后「やめろだと?」
フィギョン「王位を譲位し、花郎から手をきってください。そうすれば、何も起こりません。」
太后「なぜ、お兄様が謀反人のようなことをおっしゃるのですか? 畏れ多くも、譲位について、口出しするとは・・・。私の花郎です。」
幽霊のように実態がないフィギョン公の介入に声を荒げるジソ。
フィギョン「もし、そなたが、彼に王位を残していたならば、私は何も望まなかっただろう。彼が誕生しなかったことにして、生かすために彼を去らせたのだ。」
太后「一体、誰のことをおっしゃっている・・・」
フィギョン「全ては、殿下がはじめられたことです。ジソ、お前が、始めたことなんだぞ。」
フィギョン公の勢いに圧倒されるジソ。
八角を拾い、急ぎ、仙門に戻ってきたアロ。
お腹をこわしているウィファ公、そろそろ~っと歩いているところに、人の命にかかわる重要な話があると訴えるアロ。
「すまぬが、あとにしてくれ。」
また、間に合わなかったみたいです。
~風月主の執務室~
「さて、話したいこととはなんだ?人の命に関わることとは?」
薬の話をうったえるアロ。
今、マンマン村では、疫病をおさえる薬が底をついています。毎日、多くの人たちが亡くなっているのに、でも薬がなくて、治療できないんです。
ピジュキも一緒になってきいていますが、マンマン村ときいて、しぶい顔。
「ああ、」
ウィファ公「どんな疫病でも、まず はじめに賤民が死んでいくんだ。それで・・・」
拾った八角をみせる。
ピジュキ「これは・・・伝染病や風邪にきくという八角ですね。最近は見かけることもないっていうのに、どこで見つけたんですか?」
ヨンシル公の庫房(倉庫)だと、打ち明けるアロ。
アロ「助けてください。風月主。彼らを救わなければなりません。どうか。」
ウィファ「いや、私にそんな力はないぞ。家どころか、土地も、銀子もないのに。」
アロ「それじゃ・・・このまま、ただ黙って見てろっていうんですか?」
激怒するアロ。
アロ「一度だけ・・ね、お願いします。なにかいい方法を探してください。」
ウィファ「なんで、私にどうしろっていうんだよ。。」
アロ「風月主、お願い。」
泣き落としにかかるアロ。
ピジュキは、話題を変えようとしたのか、かえって墓穴をほります。
「なぁ、ところで、お兄さんは大丈夫なのか? もう回復したのか?」
「オラボニがどうしたの?」
アロは、昨晩のことをまだ知らないのね。
ウィファが・・余計なことを言いやがって・・・と渋い顔をしています。
「いや、昨日の夜、仙門に刺客の襲撃があってさ、彼が・・・そのちょっと」
「刺客って?」
「ああ、あいつには、一日たりとも、安息の日がないな」
「刺客ですって? 怪我してないといいけど」
急ぎ、医務室に向かうアロ。
意識を戻し始めたソヌは、女性の気配に、アロのことがよぎり、頬にふれる手を無意識につかんでしまうが・・それは、ソヌのことを聞き、心配になって様子を見に来た公主の手だった。
引き寄せられるまま、ソヌに口づけるスクミョン。
二人の様子を、目撃してしまうアロ。
目をあけて、アロではないことに気づき、
「誰だ・・・」
起き上るソヌ。
「私を誰だと思ったのだ?」
「そんなことは大したことじゃないだろ」
「わらわには婚約者がいる。おまえのような半血に嫁ぐわけにはいかない。しかしながら、私は知らなければならない、何故、そなたに会うたび、こうして混乱させられるのか。これは・・・この感情がなんなのか。」
「俺のせいで混乱しているようだが、そんな必要ない。もう あんたがしたことは忘れたから。」
「お前がどう考えようと、どうでもよい。私の感情について、知りたいのだ。」
立ち上がり、ソヌに近づくスクミョン。
「これは、神国の公主からの命令だ。私の好奇心が満足するまで、逃げてはならぬ。私の興味が続く限り、このまま、わらわの傍にいるのだ。」
答えずに出ていくソヌ。
二人のキスを目撃してしまい、うろうろと歩き回りながら、外にいるアロ。
そこへ、医務室を出たソヌが降りてくる。
意を決して話しかけようと、ソヌの前に立つアロ。
無言でアロを見つめるソヌは、太后の言葉を思い出している。
「お前を最大限使うために妹を利用するつもりだ。あの子に、お前を動かす力があることはわかっておる。もし、そなたが王を語るのであれば、続けるがいい。妹を失いたくなければ・・・」
「仙門に刺客が来たって聞いたわ。怪我はしてないのね」
「大丈夫だ」
「見せて・・・」
「たいしたことない」
スクミョンとソヌのキスがよぎるアロ。それぞれ動揺するアロとソヌ。
「話がそれだけなら、もう行くよ」
「待って・・・今日はすごくいい天気ね」
「そうだな。」
立ち去るソヌの後ろ姿を見ながら、泣くのを我慢する。
「いつもそう。なんで、気のないそぶりができないの? 私はとっくに乗り越えようとしてるのに、でも、まだ、痛くて仕方がないけど」
アロが戻っても、まだ、医務室にいた公主。
「ここで何をなさっているのですか?」
「そなたに話があって、待っていた。わらわの兄が、この仙門にいたのだ。ジドゥイ郎。」
「それをどうして・・・・」
「言ったであろう。そなたが知っていて、わらわが知らないのは、間違っていると。」
「他の人にもわかってしまったのですか?」
憎々しげに、アロを見上げるスクミョン。
「欲が深いようだな。」
「欲ですって・・・」
「そなたの兄が王と間違えられて、刺客に襲われた。それでも、なお、私の兄上の心配か?」
「それは・・・。」
「ソヌ郎は、そなたの兄に間違いないのか? そなたが、兄だと思っていないことはわかる。お前の目は、兄を見る目ではない・・。」
「それは、お聞きになりたいのですか」
「私の兄と、ソヌ郎の両方をもてあそぶのか、聞いているのだ」
「欲がふかいのは、公主様です。無理に欲しがることを 欲というのです。私は違います。公主様とは違います。」
「太后殿下がお前を選んだ。お前は、本当にやっかいな存在だ」
「私を選んだとは、どういう意味ですか? 何のことを仰っているんですか?」
部屋を出ていくスクミョン。
~昼食時~
パルリュが離れて食事をしている。
ヨウル「パルリュがあっちに座ってるわ」
スホ「昔に戻ったみたいだっていう比喩か?」
ハンソン「比喩? ヨウルは、本当のことを言っただけだよ」
スホが、パルリュの前に立つ。
スホ「おまえ、昨日の夜、どこにいた?」
パル「俺がどこにいようと、おまえのしったことか。」
スホ「刺客がきたんだぞ。ソヌ郎が死ぬところだったんだ。それに、俺たちは 一晩中、お前を見ていない。 これは偶然の一致か?」
パル「お前の想像力については、気にしない。だから あっちに行けよ。 太后の犬がいると食欲が失せるんだ」
周辺の花郎(反太后派の息子たち)がくすくすと 笑っている。
スホ「また、脱走するのか? 悪い奴だな」
パル「警告しておくぞ。友達のふりなんかするなよ。」
スホ「事件に関係していないといいがな。もし、お前が少しでも関わっていたら、完全に大馬鹿だ。もしそうなら、お前を殺すからな。」
二人の会話に、食堂にいた者全員、耳をダンボにしていたことでしょう。 シーンとなっているその時、そこへ現れたソヌ。当然、様子がおかしいことに気づきます。もちろん、相変わらず、注目のまと。
「これ・・・食べるか」
食事セットを渡す同期。
「お、おお、ありがとう」
いたたまれない雰囲気のなか、ハンソンの隣に座るソヌ。にこにこしているハンソン。
「なんだ?」
「昨日、刺客に襲われたことで、みんな、ソヌ郎が、やっぱり、本当に王だっていう雰囲気なんだよ」
「お前、だまってろ!」
あわてて、ハンソンをだまらせるヨウル。
敬語にしていいのか、悪いのか・・・もう、それだけで意識しちゃって混乱するスホ。
スホ「大丈夫・・・で・・なのか?」
ソヌ「また気持ち悪いぞ。」
スホ「そうだな」
ソヌのお茶碗に、おかずをのせるハンソン。
ハンソン「これ食べて。おいしいよ」
結局、ヨウルも好奇心には勝てず。
ヨウル「聞きたいことがあるんだけどさ、本当に王なのか。俺たちに話したくても話せないのか」
突然、たちあがるソヌ。
スホ「どうした?」
ソヌ「食欲がない」
ソヌが立ち去ってから、ヨウルの足をけっとばすスホ。
~風月主の執務室~
ウィファ公の執務室にやってくるサムメクチョン。
「こんなところにどうして?」
誰もいないのを確認してから、立ち上がり、一礼するウィファ公。
「どうなされたのですか?」
「すわってください。 ここでは、甥なら立っているのが当然だ。それに、あなたは私の師匠だ。」
「命令とあらば、気楽にしましょう。」
「ああ、王命だ」
「それでは・・・」
「本当の王になるには、耐えろと言ったな」
「そのとおりでございます。」
「もし、耐えたら、何をすべきだ?」
「民を味方につけるべきでしょう。もし、私が顔のない王なら、強い民を味方につけます」
「力のある民とは・・パク・ヨンシルのような?」
「そうです。もし、彼を手中におさめることが出来るのなら、そうすべきでしょう。そうすれば、彼の持つ力の全ては、陛下のものです。」
「あやつを手に入れることができなければ? できなければ、俺が 彼を殺すべきか? そなたが、俺についているのはなぜだ?」
「陛下には、名分があります」
「名分・・・。もし、名分がなければ、他の人を選んだのか」
「時に、陛下は、よいことばかりではなく、悪いことを選ばなければならないときもあります」
考えながら歩いてきたところに、ソヌが立ちはだかっている。
無言で、行きすぎようとして、止められる。
ソヌ「いつまで、隠れているつもりだ。俺に言うことはないのか?」
サム「王を騙る気分がどうだ?」
それを聞き、サムメクチョンを殴りつけるソヌ。
ソヌ「おまえこそ、どんな気分だ。」
サムメクチョンも殴りかえす。
サム「俺は、決して 王を騙ったりしない。」
ソヌ「本当の王になる気もないくせに。」
サム「お前が知っていることが全てだと思うな。俺だって、もがいてる。俺も、たたかってるんだ。」
鼻で笑すソヌ。
ソヌ「戦う? この程度のことでか? 逃げて、隠れて、避けることが? それが戦いか?」
サム「この神国が変われると期待している民、その民のための戦う。国の規則によって、誰も死ぬことのない、それを望む民のために戦う。決して、再び 彼らを盗賊にさせないよう、彼らを守るために戦っているのだ」
サムメクチョンの本気を見極めようとしているかのようなソヌ。
~太后と高官たち~
かなり、具合の悪そうな太后。
重鎮たちの会議でも 伝染病のことが話題に上るようになってきたようです。薬を調達すべきと主張する太后派にたいし、もっと多くの話し合うべきことがあると別の議題を持ち出す反太后派がぶつかりあう。
百済と高句麗は、ますます力をつけてきているのです。このまま、放置しておいてもいいのか?王京の外の疫病になど、構ってはおられぬ。
怖くないのですか?税が入ってこなくなるのですぞ。
我々が 補うために寄付をしなければならなくなります。
王宮の倉庫を開ければいい。
もしあなたが資産を公表するなら、あなたは、賤民たちを救うことができるであろう。
もし伝染病が首都を襲ったら?最後は、宮殿を守らねばなりません。
私達はどのように医学なしで流行の準備をすることができるか?
みな同じ条件でしょう。
もしあなたが賤民をそれほど気にかけるのなら、あなたの資産を公表なさればよい。
なんですと?
たとえその賤民村が完全に消えても、それは私達になんら影響しない。どうせ、彼らは王京には一歩たりとも入ってこられないのだから。
相変わらず、喧々諤々。
彼らの話を聞いているジソの耳には、いつしか、妄言しか聞こえてこなくなる。
「あなたはいつ王位から降りるのです?」
「花郎に サムメクチョンがいると言わないのです?」
「譲位しなさい。」「降りなさい」「譲位を・・・」
「殿下、大丈夫ですか?」
彼らの声が、遠くに聞こえ、意識が遠のく太后。
「特使を高句麗に送るかについて お尋ねしたのですが・・・」
ようやく、意識を取り戻したジソ。
「前にも言った通り、彼らがそれらの誤ちをみとめ、謝罪し、再びそれをしないと誓わない限り、どの交換も可能ではない。」
長くなったので、分割しま~す。