放送は終了しましたが、ねたばれOKの方のみ、お進みください。お願い

 
(長くなったので、16話は、2分割してます。(1)はこちらからどうぞ注意
 
■ Episode16 想像もできない時間(2)
 
 

~ヨンシル公邸~

ヨンシル公「誰が何をしているだと?」

庭先に、パルリュが土下座している。

「何をしておるのだ。」

「申し訳ありませんでした。」

「お前への任務を失敗したことへのお前の謝罪か?」

「どうか、私をお許しください。どうか。一度だけチャンスをください。お父様」

「お前を次の王にしようと考えていたが、今は心変わりした。私は、自分自身で王にならねば。他人は信じられぬ。」

「それでは、私がお手伝いいたします」

パルリュの前に、しゃがみこむヨンシル公。

「わしが王になるのを助けるというのか?」

「はい。たとえ、この身を削ってでも、お父様をお助けします」

「わしを助けるというのは確かなのじゃな?」

再度、土下座をするパルリュ。

なんで??? 何を考えてるの??? パリュリュリュリュ~。

 

「王だと? 王」

自嘲気味に笑うソヌ。

ソヌが、お店でお酒を飲んでるシーンは初めてかも。

そこへ、フィギョン公がやってきました。

ソヌの前に座り、勝手に、酒を飲み始めました。

アンジ公の時と言い、ウィファ公の時といい、タダ酒のみの天才ね。

「なんだこれは。さめるまえに、酒を飲むべきだな。まだ、酒の楽しみ方を知らないようだ。」

「座っていいとは言ってないが」

はははは、と笑い出すフィギョン公。

「飲み友達よりいいものはないぞ。私も一人だ。だから、お前と飲みたいと思ってな、どうだ?」

ため息をつくソヌ。

「お行きください」

「おまえが、命がけで、百済の太子を打ち負かしたというのは本当か?」

訝しげに、フィギョン公を見るソヌ。

「王が花郎の中にいると耳にして、民は喜んでおる。この世が変わるだろうと言っているようだ。だが、その王が真の王でないと知ったら、どうなる?大いに残念に思うだろうな。」

酒をのむソヌ。

「もし、この世を変えることができるなら、本当の王になってみたくはないか? 俺が王にしてやる。」

このおっさん、何言ってやがる・・・と呆れるソヌ。

 

釣りをしながら考えているウィファ公。

「日の出前は長い時間がかかるものだが、それに似ているようなものだろうか」

 

南扶余の太子とソヌの死闘を思い出しているサムメクチョン。

ソヌ「そんな王は王になるべきではない」

命がけで、太子と戦い、雄たけびをあげた姿。

ソヌ「・・・民は? 民はどうなる?」

解放されないと知り、間違っていると叫んだ姿。

自分が王だと、堂々と名乗り出たソヌの声が 耳から離れないサムメクチョン。

真面目で、清廉な若い青年が、苦しんでます。

 

「こんなところで何をされていますか?」

ウィファ公がやってきました。

「碩鼠でしたか。敵の太子に、自分が王だということができなかった碩鼠」

「そのとおりだ。私に王になる資格はない。誰かが捕まえにくるかもと恐れ、まだ、その時期ではないと隠れている。太子が 誰が王だときいても、名乗りでられなかった。私は卑怯者なだけだ。いつでも隠れて顔を隠す準備ができている、そんな卑怯者。」

「私の言葉が慰めになるかどうかわかりませんが、しなしながら、この世には、卑怯な王は一杯おります。しかしながら、多くの王は、自分が臆病だと自ら認めたりはしません。それは勇気がいることだからです。」

「それでは・・・本当に王になってもよいのだろうか」

「陛下、耐えてください。そこが、高い場所でも低い場所でも、汚くても綺麗でも、危険でも安全でも、それにかかわらず、王としてしなければならない何かがある限り、どうか、全て耐えてください。あえて、こう申し上げます。

一礼して、下がるウィファ公。

ウィファ公がいてくれて、本当によかったね。サムメクチョン。甘い言葉はかけてくれないけれど、この人の目は、信じてくれている人の目です。

かろうじて、本当にかろうじて、前を向いて歩く気になったかな。

 

「もし世界を変える力があり、もしそうすることが正しいとすれば、なぜ、躊躇うことがあるのだ? また、壁を上り越えてきた友達を失うのか?」

フィギョン公の言葉を思い出し、両手で顔を覆ったソヌ。

なぜ、大人たちは、悩み多きこの青年に、こうもいろいろなものを押し付けてくるのでしょう。

 

~ヨンシル公邸~

「アンジ公がなんの御用かな。」

「疫病用の薬の全てを買い占めていると聞きましたので・・・」

「だれが、そのような流言をひろめておるのかのぉ。なぜ、わしがそんなことをするのだ?」

「どうか、山芍薬、八角、朝鮮人参など、分けてください。」

「たとえ、わしが持っていても、ただでくれてやるわけにはいかぬ。」

「わたしは、商売のためにきたわけではありません。 私は、診療費を請求しない医師として、この国の民に貢献する義務を持つ、角干(神国における最上級の役職)の前に座っているのです。 もし、我々が疫病を食い止めることができなければ、王京もまた、無事ではすみません。」

「もう少し待つのだ。(疫病が蔓延し、せっぱつまって)薬を買うために、自分たちの富を放棄することすら恐れなくなるまで。 もっと広まったら、そなたにも薬のうち、いくらかを与えてやろう。」

「今、あなたは、薬の価格が高騰するまで、疫病を蔓延させるつもりだ、と言っているのか?」

「もう数日待つのだ。もし、それで変化がなければ、もう2日ほどだ。そして、それでも十分でなければ、10日ほど待て。 人はそう簡単に死にはしない。」

愕然とするアンジ公。

 

ハンソンのじいちゃんが、ヨンシル公邸を訪れました。

怒りに震えながら、アンジ公が帰っていくのを見ていました。

ソク老人「サンメクチョンが彼(アンジ公)の息子であり、彼を花郎にしたというのですか?」

「人々は、そのように先導されています。もし、我々が動かねば、ついに、真興王が王位につくことになるでしょう」と心配するホ公。

ヨンシル「随分、お悩みをかかえておいでのようだ。あなたの家門は真骨をどのくらい失ったのかな?」

ソク老人「今や、衰退の一途をたどっています。どんな真骨が私たちの家門に嫁ぎたいと考えるでしょう。どうか 約束をお守りください。ことがうまくいけば、ソク家をあなたの家門の一員にしてくださるのですよね。」

ヨンシル「事がうまく運べば、何の問題もありませんよ」

何をたくらんでるの?パルリュだけでなく、ハンソンやタンセも巻き込まれそうです。

 

その頃、剣の稽古をつける ハンソンとタンセ。

「991回だな。もし、あと9回やられたら、1000回だ。」

「こんなの・・・不公平だ。剣のスキルが違うし、僕はこんなこと好きじゃない。」

「お前のいう公平とはなんだ?

俺は1000回と言った。もし、それまでに、お前が1回も打ち返すことができなければ、俺は永遠に、この家を去るだろう。」

「なんで・・・そんなこと言うんだよ?」

「泣き言を言うな。約束しただろ。あとで、不満を言うな。もう一回だ。」

いやいや、剣をひろい、タンセにむかっていくハンソン。

 

真っ暗な中、蝋燭の明かりのみで、太后が玉座に座ってる。

怖いよ~。

何考えてるのか不明。

 

ヨンシル公が、月城に呼ばれたようです。

「なぜ、太后がわしに会いたがるのだろうかのぉ。」

「彼女は、たぶん、ヨンシル公が賄賂を太子に送ったことについて不満を言いたいのでは?」

「賄賂だと?百済の王室と我がパク家は、100年来の友人だぞ。どうやって、友人を買収するんだ。馬鹿げてる。」

「申し訳ありません。」

 

太后との面会です。

「いま、なんと仰いましたかな?」

「譲位すると言ったのだ。」

「なぜ、突然、そのような・・・。」

「そなたは、いつも、わらわに王位を退けと言ってるくせに、嬉しそうではないな。」

(今、彼女が言い出したのはなぜだ)

「そなたも知ってのとおり、真興がチャン太子を打ち負かした。そのような偉業を成し遂げ、戻ってきたのだ。これ以上、(わらわが)この王座にとどまる理由がない。もう終わりだな、角干。私は勝ち、そなたは負けた。幼き王は、彼自身で強くなり、戻ってきたのだ。そなたも見たであろう、違うか?陛下の大胆さを。

王室は、今よりもっと強くなるであろう。そなたにできることは何も残されていない。」

勝ち誇ったようなジソと、悔しさをにじませるヨンシル公。

 

ホ公「もし、今、真興王が王位につけば、我々が計画してきたすべてが水泡に帰してしまいます。」

考え込むヨンシル公。

(ジソが譲位するなどとは、思ってもいなかった)

 

禁衛長が、ジソに真意をたずねます。

「殿下が譲位されるなど、この国は崩壊し、陛下のためにもなりません」

「譲位? 譲位などせぬ。わらわは、ヨンシル公に、ソヌをサンメクチョンだと信じさせたいのだ。そうすれば、二度と、サムメクチョンを狙おうとは思わぬだろう。」

「それでは・・・」

「サムメクチョンは、まだ子供なのだ。どうして、今 彼に王位につかせることができよう。」

「しかし、アンジ公の息子は、同意しますか? どんな男か、殿下もよくご存知のはず。」

「いや、彼は、私がいうことに なんら反抗できぬ。私の手で、彼の人生そのものをおさえておる。」

 

アンジ公に、煎じた薬を飲ませるアロ。

「お父さん、大丈夫?」

「ああ、ちょっと疲れただけだ。」

「ところで、もし薬が調達できない時は、その人たちはどうなるの?」

「なんとしてでも、助けなくては。」

アロの手をとり、やさしく握りしめる。

「無事に戻ってこれて良かったよ。すごく心配した。」

「お父さん、私より、お兄さんが心配なの。私を助けようとして、自分が神国の王だと名乗り出たの。それで、今、人々は、お兄さんのことを真興王だと思ってるの。そのせいで、太后殿下の怒りをかったんじゃないかと思って。休暇なのに、一日中、戻ってこなかったし。すごく心配なの。」

それをきき、考え込むアンジ公。

 

仙門に戻ってきたソヌ。一瞬、迷ったものの、ジドゥイの姿を見て、隣に立つ。

サム「なぜ、お前がここに?」

ソヌ「お前は?」

サム「行くところがなくてな。」

ソヌ「俺もだ。」

2人とも、すこし穏やかに話ができるようになったみたいです。

サム「皆は、お前が王だと言ってるようだが、お前は、まだ、俺だと考えているのか?」

ソヌ「お前、今までの生涯、ずっとこんなふうに生きてきたのか?」

急にそんなことを言いだしたソヌを、不思議に思うサムメクチョン。

ソヌ「王っていうのは、誰かが殺しに来るかもしれないと怯え、彼の周囲の者から傷付けられるのかもと怯え、不安で、満足に眠ることもできない。俺は、そう感じたが。」

もしかして、昨晩、そういう思いで、お酒を飲んだり、一人で一夜を過ごしてたの?

サム「それがすべてじゃない。」

ソヌ「何が違う?」

サム「この世を、より滅茶苦茶にするにはどうすべきか、もしも、できることなら・・」

ソヌ「それを、まさに王自身の手でやるのか?」

サム「王だと扱われたこともない王がそんな風に考えられるわけがない」

ソヌ「その王は・・・民と関わることができるのか?」

サム「民は彼を知らないが、彼は、おそらくその中の一人のように生きている。」

お互いの顔を見合す。

ソヌ「民として生きていた王が、彼の顔を見た誰かを殺すと聞いたが?」

サム「そうだ。そのとおりだろう。あとになって知らされたこともあれば、また、知らされず、実効されたこともあっただろう。ただ、大抵、王のために殺された誰かのことを知らなかった。マヌケで、馬鹿で、彼らを殺すなというには、あまりにも力がなかったから。」

ソヌ「じゃ、そんな王ができることはなんだ?世の中を変えられるか?なぜ、まだ、生きてるんだ。なぜ、まだ、生きてるんだよ。」

興奮して、怒鳴るソヌ。

サム「殺したいか?じゃ、殺せよ。」

 

~医務室~

机にすわり、仕事をしているアロ。

誰かが入ってくる気配がする。てっきりソヌだと思い、つい、笑顔になる。

「会いたかったの? 私はすご~く会いたかった。」

振り返ると、そこに立っていたのは、サムメクチョン。

「申し訳ありません。お兄さんかと思ってしまって。 こちらにはどうしていらしたんですか?」

「おまえに、聞きたいことがあって。もし、俺が お前のことを本当に好きで、田畑を耕したり、子供がもって、普通の民として生きたいと言ったら、俺と一緒に暮らすか?なにもしてやれないし、資産も、お前の好きな銀子も持っていない。いい家にも住めないかもしれない。それでも、神国の王座を・・・お前と引き換えにすると言っておるのだ。

一緒にいってくれないか。いや、行こう。あいつがお前の兄でなくても、お前があいつを好きでも、構わない。それでも、わたしと来るのだ。俺は誰の王でもなく、お前の男として生きていきたい。」

目をそらさず、サムメクチョンを見つめるアロ。

「今、私に言い訳をして 逃げるとおっしゃりたいのですか?

陛下は、王になるべき理由を何度も何度も、あなた自身に問いかけながら生きてこられた。 

王になったとき、何をすべきなのか、王にならなければならない理由をご存知です。

いったん王になったら、王が何をしなければならないか、もわかってらっしゃいます。それが、陛下が、困難にも辛さにも、恐怖にも、打ち勝てた理由です。」

「お前になにがわかる?」

「目を見ればわかります。陛下は、一度も諦めたことはないと・・・」

 

池のほとりに立ち、ずっと考えているソヌ。

 

寝台にいないソヌ。

パルリュが 部屋に抜け出すのに気づくスホとサムメクチョン。

 

~ヨンシル公邸~

就寝前のヨンシル公、おもむろに、腕輪を外しました。

げ、ヨンシル公って、自分で付けてるの?

本気で、王になりたいの? なれると思ってるの?

 

~仙門~

パルリュが、池のほとりにいるスホを確認しました。刺客たちに指示を出してます。

えええええ~~~~そんなのダメだよ。

 

~ヨンシル公邸~

夜中、寝静まったヨンシル公邸に、自ら忍び込むサムメクチョン

腕輪を取り返すためです。

テーブルの上に置いてある腕輪を、懐にしまうサムメクチョン。

 

顔をさらし、剣をヨンシル公につきつける。

「音を立てたら、これがお前の喉を貫通するぞ」

「誰だ?」

「俺か?」

「腕輪の本当の持ち主だ。お前がずっと探し求めていた男、顔のない王。」

「王だと? アンジ公の息子ではないのか?」

「違う。俺だ。俺が、おまえの主君だ。真興だ。」

 

~仙門~

ソヌのもとに、刺客が近づいてくる。

気配を感じ、ふりかえるソヌ。

「もしかして、王を殺しに来たのか?」

「打て!」

そこへ、スホとヨウルが剣をもってかけつけ、タンセが弓で刺客たちを射る。

剣をソヌに渡すヨウル。

スホ「大丈夫か?」

包帯を投げ捨て、刺客たちにむかって、スホが宣言する。

「ここは、神国の花郎の居所、仙門だ。ここがどこかわかって入ってきたんだろうな?」

 

「大変です。風月主! 起きてください。襲撃です。」

 

「必要ない。俺一人で 片を付ける。」

「何言ってんだ。こいうらは、俺たちを襲うためにここに来たんだぞ。」

ヨンシル公が手配した刺客たち、弱いわけがないです。

必死で応戦するソヌ、スホ、ヨウル、タンセ。

しかし、例のめまいを起こしてしまうソヌ。

様子のおかしいソヌに気づいたタンセが、弓矢から、剣に持ちかえ、近づく。

スホ「犬鳥!」

とうとう、倒れてしまうソヌ。

「ソヌを守れ!」

ヨウルに指示するスホ。

倒れる意識の中、スホたちの姿をゆっくりと見ているスホ。

 

★Episode17に続く★

たった一晩であっても、王の背負う重圧と、その想像もできない時間を理解したソヌ。

ただの強気な、単純馬鹿じゃなくて、1を聞いて10を知る、的なところもあるし、おちゃめなところや男の色気まで・・・出来すぎ君でしょ。

マクムンの命を奪ったことに、サムメクチョンが直接かかわっていないと分かっても、それでもまだ、全面的には許せないし、だからといって、サムメクチョンの深い痛みを受け止められないわけでもない。

大人たちは、いろいろ介入してくるし、命はいくつあっても足りないし。

 

唐突なサムメクチョンのプロポーズは、切実感もあまりなく、ピンときませんでした。

気持ちはわかるけどね。

もう、前のように、無条件に、アロに甘えることはできないでしょう。

アロでなくても、目を見りゃ、サムの目に何が映ってるのか、わかるってもんです。

 

あ、源花のこともあった。。

事前収録なんで、すべて、終わってるのはわかっているのですが、

いろいろありすぎて、あと4回で、私自身が収拾できるのか不安です。