■ Episode12 あいつが王だ
「(花中在王)花郎の中に王がいる」
ウィファ公が 垂れ幕を破り捨てたものの、大騒ぎとなる。
さ、戻るのだ。早く。
急に降り出した雨の中、誰もいなくなかった広場で、呆然と立ち尽くす3人。
一体 誰がこんなことを・・・
サムメクチョンが王だと知っているアロ。
自分が王であることまで知った上での警告なのか、訝しい想いのサムメクチョン。
地面に落ちた垂れ幕の「在王」の部分を手に取るソヌ。
~回想~
「おれ、王の顔を見たんだ。」
マンムンの言葉を思い出す。あの腕輪と同じ文様が描かれた警告の垂れ幕。
復讐すべき相手が ここにいるということを知るソヌ。
「探し回りましたよ」
秘密の倉庫に、サムメクチョンをたずねてくるアロ。
「見つかったか。誰も探せぬところへ逃げようと思ったのに。」
「ただの壁書きです。信じる者はいないでしょう。」
「この瞬間を何度も想像していたのに、思ったよりたいしたことないのだな。そなたがいるからか。」
「何があっても、陛下のことは話しません。故に ご安心ください」
「(そういわれると)かなり 安らぐな」
「誰も思わないでしょう。ここに 陛下が・・・」
「平気だ。王だとわかれば、2つに1つだ。刺客に殺されるか、王になるか」
いたたまれないアロ。
「死ぬか、王になるか。どちらも毎日考えてきたことだが、この状況になってみれば、死への不安よりも、あしたから王だと言われるほうが困惑する。馬鹿げているだろう?王が王になることを怖がるなど・・・」
誰が王なのかをめぐり、仙門内は、寄るとさわると 壁書(垂れ幕の)話題でもちきり。
ハンソン「ジディ郎とか、ソヌ郎とかじゃないかな?」
テテ、やっぱり、あなたの言葉は爆弾ですね。
スホ「なぁ、ハンソン、お前ここで飯を食わずに、自分の場所に戻れよ」
スホの言葉を聞かず、持論を展開するハンソン。
ハン「僕たちは、みんな王京育ちだろ。一緒に育ってきたし、お互いが成長するのも見てきた。だけど、あの2人は違う。」
パル「ばかげたことを・・」
ス「ジドゥイは、風月主の甥で、ソヌはアンジ公の息子だ。」
ハ「確かに・・・」 単純に頷くハンソン。
いや、ハンソンの言うことも一理ある、とヨウルが参戦。
「私たちがあの二人について、よく知らないことは事実だし、二人のどちらかが王だとしても。でも、私は誰だかわかるような気がする」
考え込む一同。
ウィファ公は、いままでの経緯や態度から、ジドゥイが王だと気づく。
ソヌ「花郎の中に王がいる。そいつが、マクムンを殺した。王、誰なんだ、お前は。」
「どうやら、王が誰だかわかったらしいぞ」
噂は千里を駆け巡り、花郎の同期たちが広めていく。
「だれだって?」
「嘘だろ?」
なんと、ソヌが王ってことになってるみたいです。
「犬鳥郎が 王だなんて そんなわけあるか。」
「王の印に気づいていたのは、私だけではなかったようね」
ヨウルは、ソヌが身に着けていた腕輪と、その意味するところに気づいていたようです。さすが、中道派のトップ坊ちゃん!
スホ「犬鳥公の腕輪と、壁書の模様が同じだった?」
パル「事実か?」
ヨ「犬鳥公が王なら、パルリュには好都合だよね」
パ「どういうことだ」
ヨ「先日のあれ、 半分 賤民ではなく、王に殴られたってことだし、少しはましじゃない」
パ「殴られる前に、黙れよ。ヨウル」
ヨ「はいはい」
サムメクチョン以外、ソヌに対して、よそよそしくなり、雰囲気が一変。
「なんだ、今まで 王のことなんか、見向きもしなかったくせに、お前、突然、関心の的だな。そう思うのは、俺だけか?」
皆に聞こえるように、わざと ソヌに尋ねるサムメクチョン。
「俺もそいつに関心持ったよ。そいつが誰なのか、探し出したいんでな。」
保健室に入り浸る中学生か?!なノリのハンソン。
「たしかに、アロ医員も分からないよね?お兄ちゃんって言っても、一緒に育ってきたわけじゃないし。ある日突然現れたお兄ちゃんが、どうして本物のお兄ちゃんだってわかるの?」
ため息をつくアロ。
「あのね、誤解よ。うちの兄が王なわけないでしょ?」
「だから、どうして確信できるの?」
「それは・・・」
「ほら、説明できないじゃん」
「とにかく、絶対に、王じゃないのよ!」
念を入れるアロ。
本当に違うのに、どうしたらいいのよ~~と途方にくれるアロ。
「絶対、違うからね!」
ソヌを探すアロ。後ろ姿を見つけた途端、公主がソヌの前に現れる。
少し、離れたところから、二人の会話をきくアロ。
「あなたが私の兄だそうね。王の印は・・・反対の腕かしら?」
腕飾りを確認しようとするスンミョン。
「そなたが真興だと? 嘘はやめて!」
突然、スクミョンの手首をつかみ、引き寄せるソヌ。
「狩場で、アロに矢を放ったのは、お前だろ?」
「私は、鹿をねらっただけだ。」
去ろうとするスクミョンの手首をさらに、掴み、
「お前が誰であろうと、俺は関心ない。俺のことを誰だと関心を持つのは構わないが、あの娘を傷つけたら、俺が何者か分かるだろう。」と言いたいことだけをいって、自ら立ち去る。
ソヌの本気の警告に、その場に立ちすくむスクミョン。立ち聞きしているアロに、気づく。
壁書の報告を受けたジソ太后、激怒。
「どういうことだ。誰の仕業じゃ。なぜ、王のことが知れたのだ?」
「壁書に、王の印があったところからすると、そのことを知っている者かと」
「王室の数名と、国境を守る将だけが知るだけなのに」
禁衛長も、思慮をめぐらします。
「陛下にとっては、良いことかもしれません。」
「どういうことじゃ。」
和白のメンバーが徴集される。
「だから申し上げたではありませんか。我々がおとなしくしているところへ、南扶余のやつらが挑発をしてきたのです。先日に比べ、被害は2倍以上です。」
牛や馬の被害も100頭を超える。それもこれも・・・と、重鎮たちの文句は続く。
「我々を甘く見ているのだな。摂政を続ける太后に、顔の見えない王、責任を転じたいだけであろう。」
太后が、そんな彼らを牽制する。
「おやめなさい。太后殿下は今、それどころではないのだ。お察ししましょう。」
「なんのことですか。」
「花郎の中に王がいるというのは、事実ですか?」
ヨンシル公の問いかけに、ざわつく一同。
「違うのであれば、お話しください。」
固唾をのんで 太后の言葉を待つ。
「再度、言うが、今、陛下は、神国にはおられない。そのような戯言で秩序を乱す者は、ただではおかぬ!」
~ヨンシル公邸~
「間違いなく、ソヌ郎がサムメクチョンでしょう。」
「それはどうであろうな・・・」
「それはどういう意味で? 太后の表情をご覧になったはず。たいした女ですな。自ら、花郎にさせるとは、予想だにしませんでした。何をお考えですか?」
「辻褄が合いすぎるのじゃ。」
「最初から、計画されていたことなのでは?」
「ジソが強行した誕生行列をとめたのは、アンジ公の息子。その後、アンジ公と息子を牢に閉じ込めた・・・」
「ですから、怖ろしい女なのです。ここまで計算していたんですよ」
「しばらく様子をみよう。そのうち、分かるであろう」
~地獄部屋~
ヨウル「なんだ、この雰囲気、同室に王がいるのは、良いことじゃないのか?」
スホ「おい」
ヨウル「ごめん・・・」
パルリュ「本当にお前が王なのか?」
ヨウル「露骨な聞き方ね」
無視するソヌ。
パル「違うなら違うって、ちゃんと否定すればいいだろ。王だと言っても、俺は信じないがな」
ソヌ「じゃ、ばかげたことは聞くなよ。」
パル「自分の口で、証明してみろよ」
やめろ、と 静かにスホが止めました。
ヨウル「そうよ、もうすぐ休日なのに。これで不合格になって、外に出るのは、馬鹿らしいわ」
結構、この話題は、花郎たち坊ちゃんには切実な問題なので、尾を引いてます。
サムメクチョンとソヌが歩いていると、道まで、あけてもらえるようになってきました。
ふふふ、このツーショット ずっと見てられますわ。
「あいつら、誰を見てるんだ?」 ← え?今頃? と思いましたが、冗談のようです。
「俺には、お前をみているように見えるが?」
「俺って、そんなにイケメンか? 男も惚れるほどか?」
「お前が、冗談を言うなんて、らしくないな。射られた傷は大丈夫か?」
ああ、と頷くソヌ。
「それはよかった。」
「ずっと 噂されてるだろ。花郎の中に、王がいるとしたら、お前は誰だと思う?あいつらの中から、言ってみろよ。・・・やめておこう。」
「なぜ、王を探している? 王を見つけたら、どうするつもりだ?」
「殺すのさ。殺すんだよ。」
平然と立ち去るソヌをみつめるサムメクチョン。
ソヌの弓の傷を治療中のアロ。
「俺が王っていう噂のこと・・・なんでもないからな」
「わかってる。絶対違うって、全部わかってるもん。」
「なんだよ? 俺は、王に見えないか?」
「そうじゃなくて・・・」
「冗談だよ。笑わせたくて・・・だけど、笑わないな」
事実を知ってるけど、たとえ、ソヌにも言ってはいけない秘密を抱えているアロ。
「ちょっとだけ、ちょっとだけ、こうさせてくれ。」
アロの腰に抱きつき、目を閉じるソヌ。
その髪を優しく髪をなでるアロ。
休暇で自宅に戻る花郎たち。
パルリュは、ヨンシル公に呼ばれる。話題は当然、壁書の話。
「父上の仕業ではないのですか?」
「(お前の目からみて)ソヌは、王に見えるか? 奴が、王であるか、ないか、答えをもってこい」
「私がなぜ、そのようなことをしなければなりませんか?」
「私は、お前を王にするつもりだ。王が不在なら、お前が王になれるということだ」
悩み多きパルリュ。
スヨンが、ヨンシル邸の中を覗いている。
門から出てきたところで、ようやく会えた、と喜び、パルリュに話しかけようとするスヨンを無視するパルリュ。
っていうか、それどころじゃないのよね。
すがろうとするスヨンをさけて、一礼して、行ってしまう。
呆然としているスヨンを見かけたスホ。
「おい、なにしてる?」
泣きだすスヨン。
兄 着火!
「どうした?あいつに、またなんかされたのか?」
兄を必死でとめながら、「違うってば・・・」と言いながらも、自分にすがりつきながら、声をあげて泣くスヨン。妹のそんな様子を始めて見て、戸惑う兄スホ。
「痛い、痛いよ。」
仮病を駆使しながら、本日も、医務室というか、アロのもとに入り浸ってるハンソン。
「変ね。(痛いはずないんだけど。)あ、わかった。これは、針治療しなきゃ。いま、準備するから、待っててね。」
長い鍼を見せながら、
「どう?これ? すごく効くわよ。痛みなんて、すぐどっかにいっちゃうわよ」
仮病だってことは お見通しです。
「どうして、なんで、急に足が痛いなんて?」
「兄さんに会いたくない。 訓練中に、比べられるのが嫌なんだ。俺が兄で、兄上が私として生まれれば良かったのに」
そこへ、タンセ登場。
「さぁ、来い。剣の稽古、手伝ってやるから、急げ。」
嫌だといいつつ、アロからも後押しされて、タンセと共に、医務室を出るハンソン。
「アロ医員、バイバイ」
武術系は苦手だけど、落第するわけにはいかない。
本気になったハンソン。でも、兄ちゃんはもっとうまい。
「この程度の実力じゃ、なにもできないぞ。もう一回だ。」
「そうだよ、俺には実力なんかない。入れ替わったほうがいいんだ。すべてにおいて兄さんに劣ってる。そうしたら、兄さんが家門を再興したはず。僕は、空の星を見るのが好きで日食をおいかけるのが楽しくて、剣術も弓馬もへたくそだ。だけど、どうすりゃいいんだよ。 仕方ないだろ。これが僕なんだから!」
優秀なタンセを前に、コンプレックスを感じているハンソン。
どちらも傷ついてます。
アンジ公の本格的な治療を受けるソヌ。
「傷が浅くて何よりだった。」
治療の状態をみて、「傷も癒えているし、アロもなかなか医員としてやっているな。」と確認するアンジ公。
「あの日、仙門で、なぜ、アロを守れなんて、わざわざ言いに来られたんですか。アロが危険だって、どうやって知ったんですか?」
「今は、アロを守れとしか言えない」
アロを守った結果が、この弓矢の傷なんですが・・・。
「これを見てください。」
ちぎられた垂れ幕を持ち帰ったソヌ。
「マクムンが言ったんだ。王を見た、と。俺たちを斬りつけた奴は、この印を持ってた。ここに書かれた文様が王の印なら、マクムンを殺したのは、この腕輪をしていた“顔の見えない王”だ。」
「それで、どうするつもりだ」
「殺さねば!」
禁衛長の考えとしては、アンジ公の息子が偽の王となれば、しばらくの間、真興王は安全ではというものでした。
「真の王を守る偽の王」
ああ、これが、このドラマの裏テーマなのでしょうか。
「ですが、アンジ公は黙っていないでしょう。」
「ならば、黙らせれば良い」
このひとは、いつもこのパターンです。
アンジ公のもとに、突然、隠密にやってくる太后。
「なぜ、こちらにお越しになったのです?」
「医者が忙しければ、患者のほうから出向くしかあるまい。せっかく来たのに脈も診てくれぬのか」
脈をみるアンジ公。
「覚えているか。ともに走り回ったあの森の中。あの草のかおり。そして風。そなたが傍にいれば、私に怖いものなどなかったのに。」
「鍼を打ちましょう。」
それを引き止めるジソ
「わらわを悪く言ってもよい。恨んでもよい。そなたの娘が大罪を犯したが、命は助けてやる。代わりに、そなたの息子に頼みたいことがあるのじゃ。願いを聞き入れてくれぬのであれば、そなたの娘を殺すしかない。」
その話を隠れて聞いているフィギョン公。
ジソが帰ったあと、怒りにふるえるアンジ公。
「ジソが、今晩、来ると言ったであろう。」
「私はどうすべきですか」
「どうしたいのだ」
「あの女が 私の妻と息子を殺し、娘さえも殺そうとする。あの女とその息子を殺さねばなりません。」
~ウィファ公と ピジョキ~
「なんで、休日に呼び出すんですか? 心配じゃないんですか? 仙門に王がいるとなれば、ここだって無事じゃないんですよ。」
「居場所をうつすか? 刺客が押し入ってきたら危ないな」
「まったくこの人は・・。風月主の言葉とは思えませんね。生きるときも死ぬ時も共にせねば、」
「なんで、お前が興奮するんだ?」
夜更けに、ひとり悩むサムメクチョン。
そこへ、ウィファがやってくる。
「休日なのに、外出もせず、なぜ、一人でここに?」
「めんどくさいからな。外に出たところで、良いこともないし。」
「前から気になっていたが、なぜ、お前の名前は、ジドゥイなのだ。」
「たいした理由はない。」
「それらしく説明してみよ。」
「酷い不意打ち・・・故に ジドゥイです」
「王京に知り合いも家族も親戚もなく、名は偽りで、家は滅茶苦茶。太后へひどい不意打ちをする。言ってみれば、家族が全くいないわけではない。仙門の中には妹がいて、月城には、母親がいる。」
はっとして、ウィファ公にむきなおるサムメクチョン。
「違いますかな? 陛下」
床に額をつけて、最敬礼のお辞儀をするウィファ公。
否定できないサムメクチョン。
最初から、この人を騙し通せるわけないですけどね。
「そなたの息子は、優秀だそうだな。特別に頼みたいことがあるのだが。」
スホの父に声をかける太后。
「太后殿下が、お前をよんでらっしゃる。お会いするときには、顔も上げず、近づきすぎてもだめだ。何を仰ろうとも、了承するのだぞ」
「はい」
「お前を一人で行かせるなど、不安でたまらん」← この親心、わかるわ~。
太后のもとに向かうスホ。庭を歩く太后が目に入る。
「お待ちください。そのまま、棘のある毒の植物がおちております。裸足でお歩きになるのは、やめたほうがよろしいです」
「必要ない。わらわの好きにする」
案の定、棘を踏みつけてしまう。
足の裏を怪我した太后を 軽々とお姫様抱っこするスホ。
ちょっと、いや、かなり意識してるアラフォー。
そのうしろで、オタオタしながら、付いてくる女官がツボ。
スホはそのあと、太后のお部屋で、足の裏の棘を抜き、治療までしちゃいます。
「よく狩りの際に見つける毒のある棘のある花です。あちらでのお散歩はおやめになってください」
パパの言いつけ、ひとっつも、守ってへんやん。(笑)
「申し訳ございません。お身体に手を触れてしまいました。罰をお与えください。甘んじて、お受けいたします。」
そなたが、キム・スプ公の息子か。
はい、スホと申します。
ソヌ郎を知っておるか?
突然、ソヌの話題になり、驚くスホ。
誰が王なのか。あの中に王がいるんだ。
じっと、目をこらすソヌ。ふと、サンメクチョンに目をとめる。
外から戻ってきたところで、医務室にいたスンミョンの姿をみて、お辞儀するアロ。
「足を挫いたようだ。」
「では、こちらに・・・。」
「いや、部屋に来てくれ。頼んだぞ。」
本当に、欲深い人ね。人に矢を放っておいて、足を挫いたですって? へし折って・・・(自粛)
スンミョンの部屋に出向くアロ。裸足になって、準備万端。
「温めてくれたら、良くなりそうだ」
(なによ? 足を拭けってこと?)
顔に出てた正直者のアロ。
「そのとおりだ。」
「それならば、宮女をお呼びになればよろしいのでは。」
本気で、むかつくアロ。
「そなたは、私の主治医なのでは?」
「その主治医に矢を放ちましたよね。そして、兄が怪我をしたんです。」
「(そもそも)太后殿下に大罪を犯したとか。ならば、あのまま、矢で死ぬべきだった。」
「いま、なんと仰ったんですか?」
「死ななかったのなら、次の日も同じ。自分の任務を果たすだけ。私の足を拭き、温めて治すことこそ、お前のような“半血”がすべきことだ。」
ため息をつくアロ。
「なにをしておる。」
口調がガラッと変わるアロ。
「あなたのお兄さんに免じて、我慢したいけど無理ね。人には、それぞれ境遇があって、たとえ、身分が高くても、人を殺すのは間違っているわ。公主なんでしょ。民の信頼を得るどころか、矢を向けるなんておかしいです。私がいくら、医者でも、あなたみたいな人は治療できません。」
「つまり、私の兄を知っていると? “間違ってる”か。 お前は私の兄を知っていて、私は自分の兄を知らぬ。これは、間違いではないのか? 言いなさい。私の兄が誰なのかを。」
「存じません。たとえ、知っていても話しません。」
馬小屋で、お馬のお世話をしているタンセのところに、カンソンが嫌味を言いに来ました。
タンセでなくても、うんざりです。
カンソン「また、会ったな。今度は、郎徒としてか。だからって、同等だと思ってないよな? 何も持たぬ家の“半血野郎”が。」
パオをみかけ、呼び戻すタンセ。
タンセ「や、パオ、どこいくんだ。馬の世話しろよ」
パオ「ちょっと用事があって・・・」 ← なんで 逃げようとしてんの?
タ「こいつは、パルリュ郎付のカンソンだ。同じ郎徒だが、俺たちより2歳下だ。だが、よくふっかけてくる」
カ「なんだ、お前。使い古したタワシみたいな顔だな」
小競り合い。
パ「これからは、兄貴と呼べ。」
カ「おまえ、真骨じゃないだろ。」
パ「取るに足りない奴だ」
ふふふ、パオは、何と言っても、王の護衛よ。そこらの兵士と格が違います。カンソンなんて、目じゃありません。実力に差がありすぎ(笑)
パ「じゃあな、友よ」
タンセに挨拶して立ち去るパオさん。ああ、この二人の雰囲気もすごくいいです。
カ「あいつ、なんだよ。」
タ「俺は見たぞ。あの日、お前が楽器を壊すのを。お前がここで、誰かのために、なにをしようと関係ない。それぞれに生き残ればいい。俺の望みはただ一つだ。俺にかまうな。」
剣の手合せにしては、本気すぎるソヌに、たじろぐサムメクチョン。
木工所でやりあった時のことの相手を思い出すソヌ。
あのとき、サムメクチョンは顔は隠していたけれど、剣筋っていうのは、隠しようがないですしね。
「剣はいつ習った?それとも、これも やってみただけか?」
立ち止まるソヌ。
河原での会話。自分の立場をほのめかすような発言をしたサムメクチョンの言葉を思い出す。こうやって、どんどん、自分のなかの確証を高めていくソヌ。
「なんだよ。話があるのか? ク○したい子犬みたいだな。」
「なに?」
「ク○したい子犬って言ったんだよ。」
あまりにくだらなくて、鼻で笑ってしまうソヌ。
「なんだよ。無言でかっこつけてたわりには、クソに反応したのか?」
「犬鳥は、ク○が好き~」
結局、ふざけあう二人。
なんで、このままじゃだめなのかな・・・
いつのまにやら、10日後の 対錬の日がやってきたみたいです。
会場に向かう、スホ、パルリュ、ヨウル & タンセ。
「ハンソンは?」
「あいつは 同室じゃないだろ。」
「これからは、同室になるのよ。あっちの部屋から追い出されたって。」
「嫌な予感がするな。」
その話を聞いていたタンセが、一人、戻っていく。
誰もいない“地獄部屋”に入ってくるタンセ。
弟を探しにきたのね。体育座りで、隠れているハンソン。
「お前、対決するのが怖くて隠れてるのか?」
「こんなの対錬じゃない。こんな危険な対錬がどこにあるんだよ。」
「言い訳はやめて出てこい。ソク・ヒョンジェの孫が、太后や皆の見ている前で、逃げ出したと聞くのは嫌だからな。」
「言うことをきけばそれでいいの?俺は戦うのが嫌なんだよ。それに、なんで、危ないのに、」
「じいさんを失望させるのか? お前はお前ひとりじゃない。ソク家唯一の直系なんだぞ。」
「直系、直系って、もうやめてくれよ。僕が望んでこんな風に生まれたかったと思ってる?
なんで、俺に全部背負わそうとするんだよ。」
「なら、お前が半血で生まれてくればよかったのか?俺が 半血なのは変えられない。なんで、お前が全部持ってるんだよ。俺じゃなくて・・・。全部持っているのなら、持ってる者らしく生きてみろ。真骨だと証明して見せろ。来いよ。」
「王がみつかったら どうするつもりだ。」「殺すよ、殺してやるよ。」
ソヌの言葉を考えているサムメクチョン。
同じ頃、じっと、今までのジドゥイの発言を思い出しているソヌ。
「いままで、友など一人もいなかった。だが、今は、お前が唯一の友のようだ。」
「どうかな。誰かに借りを作った記憶はないが」
「すごい告白と知れば、あとで驚くぞ」
「お前ごときが開けてはならぬ扉。その扉の前にいるようだが?」
「じゃ、俺にくれよ。こういう物、集めるのが趣味でな。売れよ、いくらでも払う」
あいつだ。あいつが王なんだ。
全てがつながったソヌ。
でも、実際 マンムンを斬ったのは、禁衛長(ジソの護衛ね)で、命令を下したのは、太后なんだけどね。
全員整列。
あれ、ソヌが髪を結ってないわ。鉢巻もしてないし。 ← 忘れただけみたい。
ウィファ公の譲歩は、いつまで続くのか。
「公主様は、血を見るのをお望みですか?」
「勇猛な将軍は、血を恐れてはなりません。」
「では・・・」
と言いかけたところに、副弟が知らせにきました。
「太后殿下以下、重鎮たちがこちらにお見えになりました」
お歴々が居並んでます。
「太后殿下、血を見てまでも、花郎を引っ掻き回されるのですか」
ウィファ公は、こんなやり方は反対なのです。
慇懃無礼に、公主に挨拶をするヨンシル公。
「花郎の行事に、我々のような老いぼれまで、お呼びいただき、感謝いたします。このたびの対錬は、公主様が主導されるとか、期待しておりますぞ。」
「角干の期待を裏切らないといいのですが」
医務室で、あぶらを売ってるピジュキ。
「今日は、生死が入り混じる対錬の決戦、数多くの死傷者が出るやもしれん。お嬢さん、大変ですね。」
「うるさいわよ。」 怪我人が出ることを念頭に、支度に余念のないアロ。
「心配だわ、なんで、わざわざ、こんな危ないこと、やらせるのよ。信じられない奴・・・じゃなくて、アマ?」
サムメクチョンを見下ろす太后。
(お前が、こんな目に遭うとは。助けてくれと叫んでみよ。母にすがり、泣いてみよ。さすれば、この私がそこから助けてやる)
(私を狙う剣があるなら、逃げはしません。 対峙し、戦い、勝利をおさめ、堂々と王座に就きます)
「対錬をはじめよ。」
パルリュとスホ。腕は互角だが、パルリュが脇腹に怪我をする。カンソンが馬鹿にしたように、失笑する。
「ヨンシル公の失望は大きいだろうな。」
血のついた剣に動揺するスホ。 誰がみても、パルリュの怪我に配慮しているのがわかる。
いらつく公主が、隣のウィファ公に、声を荒げる。
「これは 実戦を想定した対錬だぞ。こんなバカけた戦争があるとでも?」
「無意味な殺生より、大事なものを知っている者ですから。」
副弟に指示し、対錬をやめさせる公主。
それを見ていたヨンシル公が、口をはさむ。
「公主様、花郎同士の対錬は、面白くありませんな。少しご提案があるのですが、よろしいですかな。」
「どうぞ」
「武芸に秀でた私の護衛と、仙門を代表する花郎の対錬をさせるのはいかがでしょうか?」
「よいでしょう」
即答するスクミョン。
「さすがですな。公主様の度胸は。将軍にも劣りませんな。せっかくですから、対錬する花郎を選んでも良いですか?」
「いかようにも。」
「ソヌ郎が 武芸に秀でていると聞いておるが・・・」
一同が ソヌのほうを見る。
「ソヌ郎、前へ」
前に出ようとするソヌを、スホがとめる。
「俺が行く。おまえ、まだ、怪我が治ってないだろ?お前では無理だ」
「平気だ」
いくら、スホでも、この公式な訓練の中、重鎮の直々の指名とあっては、どうにもならない。
だめよ、まだ、無理よ。傷だって癒えてないのに。アロも心配する。
「身分にかかわらず、どちらかが命を落としても、その責は問わぬと、公主様に確約をいただきたいですな」
「認めます」
「ヨンシル公の名誉にかけ、死力を尽くします。」
「花郎徒の名誉にかけ、死力を尽くします。」
ウィファ公の手前、表だってスクミョンをコントロールできない太后。
すっかりヨンシル公のペースに嵌っている状況を、不機嫌そうに見ているジソに声をかけるヨンシル公。
「太后殿下 私がはからずも、真興陛下に不忠を働いたとお思いですか?」
「不忠であろう。陛下の花郎をこのように傷つけるなど、不忠にほかならぬ。」
「何度も 叩き熱してこそ、強靭な鉄となるのです。不忠ではなく、焼き入れだとお考えください。どちらにせよ、陛下の花郎に変わりはないのですから。」
古だぬきVs 女狐 のテレパシー合戦です。
(いくら仕掛けようと、真興はここにいない。)
(それはどうでしょうな)
「なによりですな。巷のうわさどおり、ソヌ郎が 陛下ならと案じましたが、」
「死ぬまでだ。終わらせてはならぬぞ!」
胸の傷をかばいながらのソヌは劣勢。止めをさされそうになるところを
「止めよ。」
たまりかねた太后が止める。
しかし、ソヌはやめず 護衛武士の前に出る。
「続けよ」
ヨンシル公が命令する。
一瞬のすきをつき、護衛武士の髪結部分を切り落とす。
「「「やったぞ!」」」
ソヌの勝利に、大興奮の花郎たち。
泣きそうなアロ。
これで答えがわかったな。ヨンシル公がほくそ笑む。
対錬が終わり、ひとりでいたソヌのところに、やってくるサムメクチョン。
「大丈夫か。」
「ああ、心配したか?」
「ああ」
穏やかだったソヌの表情が、硬く変わりました。
「お前がなぜ?」
「ん?それは当然・・・。」
サムメクチョンの首元に、剣を向けるソヌ。
「なんのつもりだ?」
「おまえだな。お前が王なんだろ?」
とうとう、復讐の相手(と思い込んでいる)に、行きついたソヌ。
知らないでいてほしかったな。
この先、確信、確証へと進んでいくんでしょうけれど、サムメクチョンとソヌは、お互い、大事な存在のはずなのよ。
・・・と、勝手に邪推していますが。
今回は、本当にソヌが王なのか・・・を巡って、揺れる花郎たちにまつわる群像が、いろいろ動き始めてました。脇キャラが、全体的に馴染みはじめ、蜘蛛の巣状に、派生してますね。
やっと、最新回に、追いつきつつあります。
さっきまで、うぉ、うぉ、言いながら、16話見てました(笑)
私は、韓国語もできないし、まだ、全部 わかってないんで、英訳探して、内容補てんします。
来週で終わりじゃなくて、さ来週でした。(今、気づいた)