放送は終了しましたが、ねたばれOKの方のみ、お進みください。お願い

 

■ Episode 8 届けたい心

 

(前回のおさらい)

「オラボニ(お兄さん)・・・お母さんは、子守唄を歌うことはできなかったわ。だって、口がきけなかったじゃない?」

 

固まるムミョン。マクムンからは、お母さんが口をきけなかったことは、一切聞いてなかったのね。

ムミョン「あ・・・」

子供のときの記憶など、忘れてしまうこともある、と無理やりフォローするアロ。

 

アロ「そろそろ、ソヌ郎としては、仙門に戻らないといけないんじゃない?もう、不合格1個ついちゃったでしょ。」

その場に立ち尽くすしかない・・・ムミョン。

アロも、これで、ムミョンが本当の兄でない、と 嫌でも認めざるをえません。

 

約束の時刻(寅の刻)になっても戻ってこない、同室の花郎たちにムカついてるパオさんと、律儀に待っているサムメクチョンです。

「私は、陛下が、他の者と同等の扱いを受けているのが我慢なりません。あんな奴らと一緒かと思うと、私は眠れません。」

まだ、何者でもない自分なのだから、と、往なすサムメクチョンに対して、パオさん反撃!

「何をおっしゃるんですか? 陛下は、神国の王なのです。私も、天も、そして、なにより、陛下がご存知ではありませんか?」

どうも最近の目の具合が・・・と目頭を押さえるパオさん。

「たしかに、考えてみれば、あいつらの無礼は一度や二度じゃない。後々、車裂刑(八つ裂き)に・・・いや、窯に入れる奴がいいか?」

「烹刑ですな、」

「おお、それだ、厳罰に処してやる!」

「軍官パオ、陛下のご命令に従います。」

ふふふ、冗談言い合える二人が大好き花火

 

「しっ、戻ってきたみたいだ。」

パオさんが先に 塀の中に消える姿が・・・ちょっと、いやかなりカッコ悪い(笑)

 

やってきたのは、ムミョンでした。

「遅かったな。いつまで待たせる気だ?俺は、こんなふうに人を待つような人間じゃないんだが・・・おい、どうした?母上の忌日は無事済んだんだろ?なんで、そんな風に、うつろな顔してるんだよ。

~回想~

「お母さんは、口がきけなかったじゃない・・・」

 

呆然としたまま、サムメクチョンに尋ねるムミョン。

ムミョン「なぁ、小さい頃の母親の記憶・・・完全に忘れるなんてこと、あるか? たとえば、母親が口がきけなかったとか、そういうことを

一瞬、え?という表情になるサムメクチョン。

サム「羨ましいことだな。俺は、いくら忘れたくても忘れられないのが母親の記憶だ。で・・・、

そんな大事なことを忘れてしまった馬鹿は誰だ?

ムミョン「オレ・・・

サム「・・・・・」

 

その時、ヨウルのあとから、スホをおんぶしたパルリュが登場。

ヨウル「あ、もう帰ってたんだ。珍しい光景だと思うけど、いろいろあったのよ。話はあとよ。さ、先行きましょう。」

パルリュ「なんで、俺がこのまま、おんぶしなきゃならないんだよ。」

とにかく、意識のないスホをみんなで担ぎ、なんとか塀を乗り越えさせる。

結局、見回りの先生に、見つかる5人。

そりゃそうでしょ。(笑)

 

翌朝

ウィファ公の輿を担いで、山道を登る「地獄部屋」の5人組。一緒に部屋を抜け出すとは、ずいぶん、仲がよくなったようだと、またもや連帯責任。

スホだけは、昨晩の記憶が途中からないと訴えている。

昨晩の酒が残っているウィファ公は、(絶対わざと)乗り物酔いをおこし、大被害。

<汚物ネタ自粛します。>

 

××のせいで、みんなでシャワーを浴びることに。

スホが「昨日の夜に、俺に起きた出来事を知ってる人?」とたずねるも、みな、口が重く、結局、知らないふり(笑)。

 

シャワーから上がり、ムミョンが落とした腕輪を拾うサムメクチョン。

って、本来、サムメクチョンのもの(王の印)ですけど。

サム「落としたぞ。特殊な文様だが、なにか意味でもあるのか?」

ム「知る必要ない。俺のじゃないから」

サム「じゃ、俺にくれよ。こういうものを集めるのが趣味なんだ。売ってくれないか?高く買ってやるからさ。」

ム「売りもんじゃない、返すもんだ」

サム「惜しいな。俺の好みに合ってるのにな。」

取り戻し作戦失敗ビックリマーク

ムミョンがキツく腕輪をとめるのを見ているしかないサムメクチョン。

 

ム「お前が俺の妹を好きだっていうのは、本気か?本気なんだろ?」

サム「だったら、どうする?」

挑戦的なサムメクチョン。

対するムミョンは、無言を貫く。

 

翌日、街を歩くスヨン。みんなから噂されているのに気づき、恥ずかしくてたまらない。

 

知らぬは、スホばかり。シャワー後のパルリュが、スホに手拭いを渡す。

ス「な、なんの真似だよ。」

パ「いらないならいいよ。」

ス「いや、もらうよ。」

二人が一緒にいるのをみて、動揺する他の花郎たち。

ス「なんだよ、あいつら。 俺たち見て、不安そうな顔してなかったか?」

パ「さぁ、俺にはわからん。ただ、いいか、これだけは覚えておけ。すべては・・・なにがあっても、誤解だ。

先に、釘をさしたパルリュですが、ばれるのは、時間の問題でしょう。

ス「なんなんだよ。」

 

スヨン「ねぇ、ちょっと・・・ちょっと」

仙門の門の外から、ピジュキを呼び止めるスヨン。

驚くピジュキ。

ピジュキ「なにしてるんですか?こんなところまで来たりして。昨日のことで、大騒ぎになってるのに、もっとおおごとにしたいんですか?」

スヨン「お願い! これをパルリュ郎に渡して。」

手紙を託すスヨン。それを、慌てて、懐にしまうピジュキ。

ピジュキ「・・・で、本当に触られたんですか?」

興味津々・・・スヨンの胸に視線が向く。

スヨン「違うわよ。これには、人命にかかわる事情があるんだから。ね、必ず渡してよ。」

 

首の後ろに(覚えのない)痛みがあって、頭痛もおさまらないスホ(笑)

断片的に、スヨンの姿が思い浮かぶ。

スヨンが、顔がおぼろげな誰かをビンタしている光景が見える。

スホ「あいつ、誰だ?」

 

パルリュ「これを俺に?」

ピジュキ「ええ、頼まれたんです。」

 

スヨン『私の兄スホは、華やかな評判とは逆で、実際は、無知で後先のことをわきまえない無鉄砲で、力だけ強い奴なんです。なので、手紙で兄を説得する自信がありません。だからどうか、生き延びてください。兄の仙門の外出日に、ちゃんと私から説明します。悪いのは、パルリュ様ではなく、私です、と必ず話します。

という、スヨンからの詫び状でした。

天を仰ぐパルリュ。

 

川で 洗濯中のアロ。じっと考えています。

その横に座り、アロの代わって、洗い始めるムミョン。

小さな頃の記憶がなく、いろんなことを忘れてしまっていても、自分は理解する、と話すアロ。

無理やり言い聞かせるように、自分を安心させるアロのことを思うと、ぎごちなく複雑になるムミョン。

「気を付けて帰れよ。人通りのある大きい道を行くんだぞ。」

 かろうじて、兄らしい言葉をかけるのが、精一杯。


ムミョンには、そういったものの、やはり考え込むアロ。

このままでは・・・すまないでしょうねぇ。

 

スヨンが人目をさけて、アロを待っている。

「なによ、突然」

「ねぇ、どうしよう。うちのお兄ちゃんが、パルリュ郎にひどいことしたりしてないよね。」

「う~ん、いまのところはまだね。

「ああ、よかった。」

スヨンを酒に誘うアロ。かれこれ12年くらい親友のふたり。

乾杯!

アロ「わたしね、お兄さんが好き。」

スヨン「私もあんたのお兄さん好きよ。羨ましいわよ。(私みたいに)うちのお兄さんにしょっちゅう首絞められてたら、そんなこと考えもしないはずだもん。」

涙ぐんでいるアロをみて、驚くスヨン。

スヨン「な、なによ、どうしたのよ。」

アロ「お兄さんが本当のお兄さんだったらいいのに。でも・・・そうじゃなかったらいいのに。」

これ、名言よね、

スヨン「ちょっと、なに言ってんの?」

 

また、めまいを起こし、アンジ公を呼ぶように命じるジソ。

禁衛長「いますぐ、月城にお越しください。」

アンジ公「「もうすぐ、患者がくることになっている。すぐにはいけない」

禁衛長「お願いに参ったわけではありません。今すぐ、お支度を。」

 

太后の脈をみるアンジ公。

今や、月城内の軍官も貴族たちもおさえているというヨンシル公の言葉を思い返している。すでに、時期王の人選も含め、ジソの暗殺も考えている彼は、自分のことも懐柔するつもりらしい。

 

太后の様子を観察する。

この前とは違う。だんだん悪化している・・・なにかの中毒か。

「もしや、胸に痛みを感じたりしませんか?」

「ときおりな。このような日々では、それも仕方がないことかもしれぬ。そなたの妻子を追いやり、そなたの人生を不幸にした罰として死病にかかったか、だが、息子を見つけることができたではないか。」

「そのような症状が出たら、心身をおやすめください。」

病気のことしか、口にしないアンジ公。

 

「本当に、何も問題はないのか?」

「私の診立てを信じられませんか。では、私を呼ばず、王宮の医師にみてもらってください。」

「王宮の人間で信じられるものなどいない。そなたを除いて。

あのときを思い出す。われらが婚姻すると信じて疑いもしなかったあの時、子供のように遊びまわった野原や青く透き通った空、わらわたった一人が映っていたそなたの瞳。

そなたはまだ、わらわがそんなに憎いか?まだ、そなたを望めば、わらわのもとに戻ってきてくれるか?」

 

宮女長が入れているお茶に気を留めるアンジ公。

「これが、殿下が飲んでいるお茶か?」

「そのとおりですが、なにか?」

匂いを嗅ぎ、一口、含む。

「お茶になにか問題でも?」

「いや、なにも問題はなさそうだ」

 

スタバを訪れたヨンシル公と、ホ公。

「王京内で、一番、有能な商人だそうだな。なぜ、仙門に出入りしているのだ?」

ヨンシル公にたずねられ、しどろもどろなピジュキ。

「それはでございますね。投資でございます。私どものような商売人は一寸先が闇でございますので、未来の和白たちと親しくなる機会はそうそうありませんので、いろいろと・・・。」

「アンジ公の息子、ソヌ郎について詳しく、ヨンシル公にお話ししろ。」

「いえ、それはいったい・・・」

「言われたとおりにすればいいのだ」

「わしが、花郎に興味があるのだ」

「ああ、でも 犬鳥郎は恐れ知らずで、澱みなく、聡明であるような、ないような、とにかく王京で苦労なく育った公子たちとは全然違います。」

「犬鳥郎?」

「ああ、犬とか鳥みたいなやつでして・・・。賤民村でそう呼ばれてたらしいですよ。よくは知りませんが、とにかく珍しいといいますか、まともな奴じゃありません。」

「他の人間と間違えているんじゃなかろうな」

 

アロを待ち伏せしているサムメクチョン。

その手に、金の鍼セットを渡す。

サム「これ、拾った。使えよ。おまえにやる」

アロ「治療用の鍼じゃない? これ どうしたのよ」

サム「どうしたかって? 考えてみろよ。」

行ってしまうサムメクチョン。

アロ「どうしたっていうのかしら?タダで鍼を打てってこと?オモっ、金鍼! すっごい!」

アロちゃん それってわざとですか?(笑)

 

アロのことをピジュキが待ち構えていました。

「もう 一体どこに行ってたんですか?」

「え? 別にいいでしょ」

「あ~、まったく・・・」

じれったそうに、アロの手を引き、医務室に向かうピジュキ。

医務室が、可愛らしく飾り立てられている。

ピジュキ「すごい高級品じゃないですか?これなんて、百済の器じゃないですか?うわ~、これは西域のお茶セットですよ。感触が違うなぁ。」

アロ「いったい、何が起こったの?」

ピジュキ「よくわかりませんが、お嬢さんを釣ろうとする餌・・・のようなもんじゃないですか?」

アロ「こんなふうに、医務室を飾り立てても無駄じゃない。 使いにくいわ!」

ピジュキ「そんな 思いやりのないこと言わないほうがいいですよ。 けっこうお金かかってますよ。」

アロ「いくらかかったかなんて知らないわよ。 こんなことに使うなんて、もったいない。」

ピジュキ「銀貨どころじゃ足りないですよ。」

アロ「なんですって? こんなことに使わずに、そのお金、くれればいいじゃないの。どこの馬鹿者よ!」

アロの怒号が響き渡ってます(笑)

 

サムメクチョン「おい、なんか、全然、喜んでないぞ ガーン

医務室の外で、様子を聞いていたサムメクチョンとパオさん。

アロの権幕のすごさに、「やらかした感」が漂ってます。パオさんのアイデアみたいですね。

パオ「さぁ、変ですね。大抵の女人が喜ぶ“特別仕立て”なんですがね。あの娘のセンスがおかしいんじゃ?」

サム「おい。なんてことを。お前に頼んだのが間違いだった・・・」

 

そんなサムメクチョンとパオの背後に・・・アロが立っている。

アロ「ちょっと・・・それって私のこと? 聞きたいことがあるんだけど」

逃げ出すパオさん(笑)

アロ「いったい、なんであんな余計なことをしたの?」

サム「無用なことだとは思ったが、金が余っていたのでな。」

カッチ~ンときたアロ。

アロ「どういうつもりかしらないけど、そんなにお金が余ってるなら、善いことに使えばいいでしょ。王京には飢えた子どもや困ってる病人がいっぱいいるのよ。いったい、なに考えてるの?」

サム「わからないか? お前の力になりたかったからだ。」

アロ「なぜ?」

サム「役に立たなくても、美しくて良いものをお前にあげたかったから。俺には、その力があるから」

アロ「だから、なぜ?」

サム「お前のことが好きだからだ。これだけ言ってもわからないなんて、頭が悪いんだな。とにかく使え。それか捨てろ。」

一人残されたアロ。

アロ「変わり者だとは聞いてたけど・・・」

サムメクチョンの背中にむかって、

アロ「ねぇ、あんたのお母さんは、このこと知ってるの?」と大声で叫ぶ。

立ち止まるが、首をひねりながら立ち去るサムメクチョン。

 

剣の授業。

次々に、丸坊主の先生にやられる花郎たち。

「あれ、人間かよ」

センセイの剣を10回持ちこたえたらOK。

それまでは、スホが剣の第一人者だったが、先生にはかなわず。

そこに、サムメクチョンが立ち上がる。

スホでだめだったのに、という馬鹿にした空気が流れる中、

センセイの表情が変わるほどの、相当の腕を見せるサムメクチョン。

「すっげぇ」

そんなサムメクチョンの様子を凝視するムミョン。ムミョンには、サムメクチョンの動きがスローモーションで見えてるのね。

二人で一騎打ち。互角な二人。

 

高官たちが居並ぶ中、ウィファ公が 花郎に対する主張を曲げない。

「この神国には、王が沢山いるようですな。多くの領地や私兵をかかえ、一体誰が王なのか見分けがつかない。そんな和白はひとつやふたつではありません。」

完全に、ヨンシル公へのあてつけですね。

「なんとも薄情なことではありませんか。不足する王室財政を補うどころか、邪魔立てをするとは。」

「そなたごときの官職で、何の資格があって、そのようなことを申し立てるのじゃ。」

「しばし、未来の和白たちを育成する風月主の資格を持っておりますからな。」

「王室の重要な行事を論じる場だ、ささっと出ていかれよ。」

「まさに、そのために参ったのです。」

「風流楽」と書かれた巻紙を披露する。

秋夕の祝宴の際、花郎たちの公演を披露しようかと考えております、と宣言する。

 

和白に、爆弾を投下したウィファ公。

「一日も早く、神国の民に、神国のための花郎、真興王のための花郎であることを知らしめたいのではありませんか。すべての民たちが神国王室に注目する秋夕の祝宴ほど、良い機会がどこにありますか?」

 

ヨンシル公とホ公。

「風月主の狙いはなんであろうな?」

「下心がおわかりになりませんか?民たちの前で、花郎を披露し、花郎がジソのものであると見せつけるつもりなのです。」

「阻止すればいいだけのことであろう。」

「なにか 妙案がございますか?」

「まずは、話してみよう。馬を準備しろ。」

 

仙門にやってきたヨンシル公。

「大変申しわけありません。風月主は、月城に出かけられております。」

今日は、居留守じゃありません。

「わしは、花郎たちの様子を見に来たのであって、風月主に会いに来たわけではないメラメラ

ずんずん仙門の中に入っていくヨンシル公。

「お待ちください。角干・・」

※ ヨンシル公の肩書です。

 

「注目しなさい。こちらは、角干のヨンシル公だ」

「なんで、ヨンシル公がきたのかな? パルリュに用事があったのかな」

珍しい来訪者に、ざわつく花郎たち。

「いや、そんなに大げさなことではないのだ。少し花郎と話がしてみたくてな」

渋々、副弟がパルリュを呼ぶと、「いや、ソヌとかいう者と話してみたい」

その場にいた全員に、衝撃が走る。

「太后の花郎に、ヨンシル公が会いに来たってわけか」

 

講義室から出て、ホ公につめよるパルリュ。

「ヨンシル公が あいつに会いに出向いた理由はなんですか」

「心配するな。すべては、お前のためになることなのだ」

「私のためとは・・・どういうことですか」

 

廊下で立ち話中のヨンシル公と、ムミョン。

「会ってみたかったぞ。 随分、頑丈そうに成長したのぉ」

「私には、会う理由などありません」

「そうだな。小さな頃に会ったことは会ったが、こうして会ってみると、何から聞いていいものか、わからなくなる。」

「では、思いついたら、またおいでください」

「友達が死んだそうだな。禁軍の手で。殺されるほどのこととは、どんなことをしでかしたんだろうな」

顔色がかわるムミョン。

「あんた、なにものだ?」

「王の顔を見たのか?」

「王の顔? それがなんだっていうんだ・・。王の顔・・・」

マクムンが 王の顔を見た、と話していたことを思い出したムミョン。

「思い当たる様子だな。どうやら、わしとそなたは、同じことを考えているようだ。もう一言、教えてやろう。わしは、太后とは反対側に立つ人間だ。お前の親父も 太后には不満をかかえている。 王の顔が分かれば、その借りを少し、返済できるのだがな。」

「何かの間違いだ。俺は何も知らない。これ以上なければ、これで失礼します。」

「犬鳥・・・」

呼び止めるヨンシル公をあとを残し、離れるムミョン。ムミョンの態度を図りかねているヨンシル公。

 

外にでて考えているムミョン。

「マクムン、お前は、王の顔を見たから、死ななければならなかったのか?本当にそんな理由なのか?その王ってやつ、絶対許せねぇ。いつか王に会うことがあれば、必ず仇をとってやる。」

かなり気になったと見えて、サムメクチョンが現れました。

「思ったよりすごいやつなんだな。お前。 角干(ヨンシル公)に仙門まで来させるなんてな。何を言われた?」

だまって、その場を離れるムミョン。

「なんで、無視するんだよ。俺は、こんな扱いを受けるような人間じゃないんだぞ。ええぃ、あいつも窯茹だ!」

 

翌朝

早朝から、太鼓の音が鳴り響く。

「なんだよ、寝てられない」

「この音は、まさか・・・」

ムミョンだけは何かに気づく。

「どうした?」

「俺の、よく知ってる太鼓の音だ」

 

講義室で、太鼓を叩きまくってるウルク先生。

あああ、やっぱり。(笑)

 

「楽」という字が、掲げられている。

花郎たちを前に、おもむろに、ウィファ公が説明を始める。

「もうすぐ、王京では、中秋の大宴会が催される。太后殿下から、百姓たちまで、たくさんの人たちが集まる前で、お前たちは “群舞”を披露するのだ。」

「太后殿下のまえで、演奏をするということですか?」

「太后殿下の前で愛嬌をふりまけと言っているのではない。この国の民たちが歓喜して、楽しめる踊りと音楽を披露する、これが 第二の課題だ。音楽を楽しむ。さて、その指導をしてくださるのは、ウルク先生だ。」

目を伏せるムミョン。

「音楽にかけては、神国で右にでるものはいない。直接、この方の音に触れられることを光栄に思いなさい。」

ヨウル「まさか、伽耶の楽師ウルクか?」

スホ「そんなに有名人なのか」

ハンソン「僕も聞いたことあるよ。ウルクってひと、本当に有名なんだよ。扱えない楽器はないんだって。」

ヨウルにまけず、情報通(笑)

 

廊下で、久しぶりに話をするムミョンとウルク。

「おっさん、なんで来たんだよ。」

「おっさんじゃなくて、先生と呼べ。」

「よく城門を越えられたな。信じられないよ。その年で。」

「どうしてだ? 城門を乗り越える必要などないぞ? 俺は、賤民じゃないからな。」

「何言ってるんだよ。ずっと賤民村で暮らしてたくせに。」

「それは事情があったからだ。もうその必要がなくなったから、そうは生きんよ。」

ムミョンを見守る任務だったことは秘密です。

「風月主とは知り合いだったのか?」

「そうだな。風流好きな者同士は、なぜか気が合うんだ。とにかく、おまえはおまえで うまくやれ。俺の不通(不合格)第一号にならないようにな。」

 

自然にリズムに乗れる者、そうでない者、いろいろいる。

拍こそ、音楽の基礎。それを無視したものは、ただの雑音じゃ。

太鼓だけではなく、いろいろな楽器を演奏してみせるウルク。

拍は 自由な旋律を疲れさせず、引っ張っていく力でもある。

花郎たちにも、いろいろな楽器や、メソッドをやらせてみるウルク先生。

 

医務室で、アロとおしゃべり中のウィファ公。

「やはり、二日酔いには、われらの一騎当千(アロのことです)が作ってくれた葛根汁が一番だな。」

「で、あの人はどこに転がってた馬の骨、いえ、犬の骨なんですか?」

「こら!」

「すみません。。どこからいらっしゃったんですか?音楽がちょっと変なんですけど?」

「一騎当千は、当然知っておると思っておったがの。」

「どうして、私が知ってるんですか?」

「命知らずな兄貴を育ててくれた方なのに、それを知らんとは」

「あの方が、お兄さんを育ててくださった方なんですね」

「おお」

 

5人組+ハンソンの6人で、メインの“剣の群舞”をやることになったみたいです。

前列 左から、ジドゥイ(サム)、スホ、ハンソン

後列 パルリュ、ヨウル、ソヌ(ムミョン)

後列の3人が、音楽的センスがなく、なにかと問題のようです。

本当は、それなりに上手ですけどね。

前列には、ZE:A、シャイニー、バンタン(防弾少年団)のバリバリアイドルを配置。

 

和白のじいさん連中は、またしても、喧々諤々。

自分たちの息子が、庶民や農民を前に、踊りを披露するなど、こんな屈辱はない。

太后の慰み者を民に見せようとしている、など、反太后派たちは、言いたい放題。

「太后殿下にも、少し 焦りがあるようですな。王の権威を立てたくて、急いでおるんでしょうな。」

嫌味を言うヨンシル公のほうをチラと見る太后派のスプ公(スホやスヨンの父)。

 

河原で洗濯中のパオさんの後ろで、ダンスの練習をするサムメクチョン。

王ともあろう方が、こんな辱めを受けるとは・・・と嘆きまくるパオさん。

「誰が 辱められてるなんて言ってるんだよ。おれは、ダンスがうまくて、ハンサムだろ。歴史に残る王になるぞ。」

お前は女性のタイプじゃないとか言われて、すねっちゃったパオさん。

相変わらず、仲良しです。

サム「(踊り)ああ、もう、忘れちゃったじゃないか!」

 

一方、練習しているムミョンのへっぴり腰ぶりに、ダメだしするアロ。

アロ「それじゃ、木の枝みたいよ!二番目の課題も不合格なら・・・お兄さん、本当に追い出されるかもしれないわよ。」

ムミョン「大丈夫だよ」

アロ「なにが大丈夫よ。一人でやるから、よけいひどいことになってるし」

ムミョン「絶対合格してみせるから、大丈夫だ」

あれだけの「体も固いけど、リズム感が全然ないんじゃないの?」

手本を見せるアロ自体も、木の枝のように固い(笑)

ムミョン「誰が誰に、木の枝なんて言えるんだよ、それで」

アロ「なにいってるのよ、私はこんなに柔らかいじゃないの、ほら、こうやって」

アロのかちんこちんな踊りを見て、おもわず笑ってしまうムミョン。

ちなみに、今はコ・アラは女優さんですが、もともとはSM(エンターテイメント)のオーディション合格者だったので、そこそこ踊れます。

アロ「よかった、お兄さんが笑ってくれて・・・」

二人の間に、依然横たわる「真の兄」問題。

ピジュキの言葉や、いままでのムミョンの言動を思い返すアロ。

 

楽器部門の花郎たちも、夜を徹して、練習中。

音がうるさくて、眠れない「地獄部屋」の5人。

スホ「パルリュ、お前、結構 口でいうわりに、がんばってるらしいな」

パル「頑張るって誰がだ。普通にやってるだけだ」

スホ「普通にやっても、ソヌよりはましだよな」

ムミョン「こいつ・・・」

冗談を言い合える、そんな雰囲気が出来上がってきました。

そこへ、ハンソンが枕をかかえてやってきました。

「うるさくて、眠れないよ。僕も群舞のメンバーだから、今日からここで寝るよ」

そう宣言して、ヨウルのベッドにもぐりこむ。

ヨウル「あら、私でいいの?」

無言で逃げ出し、下のムミョンのベッドに。

ムミョン「呆れた奴だな。死にたいのかよ。あっちいけよ」

 

剣の練習中。

スホが、にやりと「おまえら? 」「やるか?」

「1,2,3」

群舞の練習に切り替えた6人の様子を、上から、見ているウィファ公とピジュキ。

「あれがまさに、流行の“刀群舞”ですね」

日常生活も、みんな どこかリズムを刻み、ダンス一色。ああ、青春。

 

ピジュキが、パルリュが一人になるところを待ち構えてました

お手紙ですよビックリマーク

「ひとつは、恋文ラブレターのようで、 もう一つは、父親からの温かい書状ってところですかね」

 

スヨン『今回の王京秋夕の祝宴で、公演をされると聞きました。その日、私の兄に明白に事実を伝えます。また、パルリュ様にも直接お会いして、謝罪したいと思ってます。その時までどうか、馬鹿な私の兄から、命を無事に保たれますよう、お祈りしています。

追伸 それから王京では、すでに パルリュ様が踊られるという噂でもちきりです。素敵な踊りをみせてくださいね。期待しています。 スヨン』

笑みを隠せないパルリュ。

あわてて、もう一通を開く。みるみるうちに、険しくあおざめるパルリュの顔。

 

ヨンシル公「期待が大きければ大きいほど、失望も大きくなるものだ。そうしてやればよい。できるだけ、派手に、壊れるさまをみせつけてやればいいのだ。」

ホ公「それを誰にやらせるおつもりで?」

ヨンシル「父親の頼みを断る息子がいるのか?」

ひとり、河原で、手紙を破り捨てるパルリュ。

 

廊下で庭を見つめていたウルク先生。すこしお疲れ気味です。

「もしかして・・・ウルク先生でいらっしゃいますか」

話かけるアロ。

「どうして、ここは、女子禁制のはずだが・・・」

たいそう驚いたのか、胸を押さえてちょっと苦しそうなウルク。

「あの、私は、アロと申します。アンジ公の娘です。」

「そうか、マクムンの妹さんなんだね。」

「マクムンって 兄の幼名ですね。」

医務室に場所を移す。

「覆盆子茶です。 驚いた際などに、腎臓のあたりが重苦しく感じるのであれば、これを飲めば 少しは落ち着かれると思います。」

「兄さんとは・・・似てないようだね」

「私も知ってます、似てないこと。」

「マクムンは優しい子だった。」 ← 過去形ですよ、ウルク先生

「ソヌです。 今の名前は・・・。」

「ああ、そうだったな。」

「私、お兄さんを育てた方に会ったら、伺いたいことがありました。」

意を決して、続けるアロ。

アロ「お兄さんは、私に会いたがっていましたか?」

涙を必死にこらえているアロ。

 

菊の花を見つけ、微笑むムミョン。

~回想~

これを飲めば、頭痛もよくなるし、怒りもおさまるわ。そういうお茶だから、ここに置いておくわね。


廊下で、顔を合わせたアロとムミョン。

「これ・・・あっちに咲いてた。薬剤として、使えるだろ」

「菊の花ね。」

「花じゃなくて、薬だ・・」

「お兄さんが・・・お兄さんなら、それでいいの。・・・・でも 違うじゃない。」

アロの手から、花束が落ちる。

アロ「あなた、誰なの?」

 

★Episode9に続く★

とうとう この瞬間がやってきました。

ま、ムミョンがソヌでないことは、前回、確信を持たれてしまったので、時間の問題でした。

 

今後の回のための伏線が、いろいろと貼られてます。

 

スヨンとアロの、言いたいことを言い合える関係が素敵。

それぞれの恋心は、なかなかスムーズとは言い難いですが、少しずつ歩みをすすめてます。スヨンのお手紙作戦が、パルリュにじわじわ来てるのが、くぅ~~~。


たぬき親父たちの思惑が、ほんと、邪魔です。