■ 第24話 夢を追う人(最終回)
このオープニングともおさらばですね。
感無量です。
最後に一目ギルトンに会いたいと思っていたイノクは、ノ尚宮から、『活貧党を官軍が討つ・・・』という衝撃的なことを聞かされる。
ノ尚宮や実の祖父が止めるのも聞かず、ギルトンのもとへ向かう。
ホでも、リュでも、どうでもいい。ギルトンが心配なの。
そばにいかなければ。戦いをやめさせなければ。
戦いの準備を進める活貧党。
ヨンシが、ギルトンに剣を渡す。
いつもの赤い棒が、ギルトンの手から落ちる。
できるだけ、相手を殺めないように、傷つけないようにしてきたギルトンが、剣を携える決意。
本当の死闘となる覚悟です。
マチョン山のふもとの村では、戦いに巻き込まれないよう、村人が避難を開始。
それを見たイノクは、戦いが本当にはじまったことを実感する。
一線を交えたものの、決着はつかず、戦いは中断。王は、活貧党討伐を市中に張出し、世の中が変わらないことを周知する。
今頃になって、ビビりはじめたウネ。もう一度だけ、手をさしのべようか・・・と、悠長なことを考える。彼女の小説が、民意の妄想「ギルトンに王になってほしい」の拍車をかけたくせというのに。
長期戦に備えて、作戦会議中の根城に、イノクが到着する。
ギルトンの顔色が変わる。
イノクが根城に戻ったと知り、攻撃を一時、中断するチャンフィ王。チャンフィ自身もマチョン山の前線基地に赴く。
イノク「兵が増員されたわ、ギルトン 逃げて。若君には、いえ王様には、私から頼んでみる。」
ギルトン「昔を思い出すよ、また身代わりに?」
イ「あの時のように死ぬつもりなの?」
ギ「いや、戦うつもりだ」
イ「死んでしまうわよ。若君と手を携えるはずでしょ?なのに、なぜ、お互いに刃を向けるの?理解できないわ。」
興奮するイノクに対し、終始、口調も穏やかで、憂いのまなざしを向けるギルトン。
ギ「王は自分の世を守るため、俺は世を変えるためだ。俺はそのために王と手を結んだ
彼は王になり、立ち止まってしまったがな。だが、俺たちはここで立ち止まれない。
だから戦うんだ」
イ「戦わないと・・・ダメなの?」
ギ「・・・・」
イ「どこまで、行く気なの?」
王からの提案書を、活貧党に渡しに来たチスたち。
根城で一緒に過ごした者として、心底、憎い相手とは思っていない。
「お前たちは、どこまで行く気なのか?」
イノクと同じ問いかけをする。
自分たちの根城のような理想郷を作るまで。ここには、王も両班も賤民もいない。
胸を張って答えるスグン、マルニョ、ヨンシ、コムたち。
「あれは夢だ。。皆が夢見る世界だ」
チャンフィがギルトンに取引をもちかける。ギルトンは、その返事を、イノクに託す。
ギルトン「王に渡せ。提案に対する返事が入っている。」
イノク「王からの提案に応じるってことは、戦いをやめるの?」
ギ「そうだ。王にこれを渡せるのはお前しかいない。頼んだぞ。」
イ「今すぐ渡してくる。必ず戻るね。」
行きかけたイノク。振り返る。
イ「ギルトン・・・一生懸命考えたの。私の居場所はどこか。」
ギ「・・・そうか」
イ「ゆっくり考えた結果、ここにたどりついた。分かったの。私がとどまり、生きていたい場所は、あなたがいる、ここなの。だから、必ず戻ってくるね。」
ギ「もんちょんい・・・」
根城の渡り橋にて
スグン「王に何を渡した?」
ギルトン「イノクだ」
言葉の意味がわかるスグン。
スグン「自分勝手な奴め・・・」
イノク「これを渡したら、根城に戻ります。」
手紙を広げるチャンフィ。
イ「戦いをやめる方法を見つけたと、そこに答えが」
若君「・・・答えなどない」
イ「一体どういうこと?」
白紙の紙を見せ、答えはない。
イ「そこに答えがあると、ギルトンは言ってたわ。」
若「あの者が送ったのはお前だ。」
息をのむイノク。
若「お前を渡したのだ。」
イ「戻るわ。」
若「行かせない。」
イ「私を自由にしてくれると言ったはずよ。」
若「私が攻撃するあの場所だけにはいくな。」
イ「王様も、ギルトンとの戦いをやめられないのね。」
若「そうだ、王の世に挑むものと和解する答えなど、ありえない。」
イ「なら、ギルトンが勝手に私を送ったのね。」
若「私が求めた。あの者が負けてもこの世は終わらない。そして、私は王として国を守り続ける。」
イ「ギルトンは負けることを考えて、私を送り出したのね。」
ギルトンとチャンフィにとって、お互いが目指す世界もそうだけど、イノクのことも二つにわけ合うことは出来ない。
ギルトンの答えは、白紙とともに、イノクを王に戻す、というものでした。
「怖いか?」
「当たり前だ、おれは 超人じゃない。」
和尚に、弱音を見せるギルトン。
「戦い抜ける自信がない。何よりも、俺自身の脚がすくみ、戦い抜けなくなることが怖いんだ。」
「イノクを送り出した時のようにか?」
「マヌケ、自分が死んだあとも、私に王を守れと?バカな奴。」
ギルトンの真意に、涙するイノク。
本当に、大人になったね。
かなりの人数が、根城から去った今、生死を共にすると決めた村人が数名、戦いに残る。
ウネとふもとの村で会うギルトン。
「今、守っている根城は、王のものとは違う国だ。自分たちで建てたすばらしい国だ、
外にいるお前から見たら、理想の作り物からもしれないが、俺には現実で、命をかけてもおしくない
俺はそこにいるから、お前は楽になれ。」
「だったら、守り抜いて、死なずに守り抜き、あなたが生きていると信じさせて。」
微笑むギルトン。
攻撃が再会される。
イノクが実力行使に出る。
イ「行かせてください、王様」
若「だめだ」
イ「私を手放してください、若君」
若「それはできない、行かせられない。すぐに攻撃が始まる」
イ「それでも行きます。」
振り返るチャンフィ。
若「お前は、実に残酷だな」
チャンフィにとっては、ギルトンを選んだと宣言されたようなもの。
イ「守りたいもののために王様も残酷になりました。今の世を守るため、ギルトンを切り捨てるなんて、私は、ギルトンを守るため、王様の心を残酷に切り捨てるつもりです。」
若「そうだ。私は国のために、王として、あの者を切り捨てる。だが、お前まで一緒に切り捨てられない。私にとって、お前はかけがえのない人だ。お前のおかげで人になれた。それなのに、お前なしで生きろと?」
イ「結局、王様は、人であることを捨てたのです。それなら・・・そう決めたのなら、自分の世で、立派な王として生きてください。ですが、私が選んだのは、ギルトンのいる世です。ですから、そこに行きます。私の知る若君は、ほんとうにいいひとでした。きっと、立派な王になれます。ギルトンは、そばにいたい思いを抑えられない人です。彼がいないと、生きていけないほど、大切な人です。ですから、王様、行かせてください。」
イノク、ここまで、はっきりと、つきつけるなんて。。。
若「私は王として、この世を守るため、お前を手放すしかないのか。大切なお前を守れぬとは、もはや私は人ではない。行け」
立ち去るイノク。
OST「縁」が、こんなにマッチするなんて。
既に、一切の迷いのないイノク。剣を片手に、根城に走る。
戦いの真っただ中に、到着したイノクは、チスに刃を向けながら、毅然と伝える。
「私の知る若君が壊れてゆくわ。守ってあげて。そして、ノ尚宮に伝えて。私はギルトンを守ると」
毅然と言い放つイノク。
男二人の思惑と、イノクの気持ち、それぞれが 鈍感で、残酷で、慈愛深くて、涙決壊です。
自分のすすむ道をきちんと選択したイノク。
手放したチャンフィの決意を、万感の思いで、受け入れるギルトン。
根城に封じ込められた活貧党。
根城から戻ってきたチスが、イノクからの伝言を伝える。
「王様をお守りするよう、頼まれました。お任せください。私とノ尚宮が命にかえて、お守りいたします。人間らしさを失わないでください。」
負傷者の具合を見て回るイノク。ギルトンの腕から、血が流れている。
イノク「ケガしたの?」
ギルトン「ああ」
イ「痛い?」
ギ「かなりな」
根城・ギルトンの自室で、薬をつけるイノク。
ようやく、二人きりになれました。
その傷の上に、落ちるイノクの涙のしずく。
ギ「涙がしみる。痛い」
イ「当たり前よ。人を泣かせたから、当然の罰よ」
ギ「ごめん」
まっすぐに、ギルトンを見つめるイノク。
イ「一緒に行こう。私のいたい場所はここよ。ここをまもるために戦う私をとめないでね。それから、私が必要よね? 戦い続けたら、たくさんケガをするから、薬売りが必要でしょ。」
ギ「大将だから、痛くても我慢しないとダメだろ。」
イ「だから、わたしがそばにいるわ。なにもいわなくていい。どこが痛いのか、どこをケガしたのか、わたしが見守りながら、察してあげるわ。」
抱き締めるギルトン。
ギ「ありがとう」
肝のすわった女は強し。無敵のジャンヌダルク兼ナイチンゲール。
無言で、抱き合う二人。
マルニョと婚礼の儀式をあげたいスグン。
「あいつらをみろ」
イノクのひざまくらで眠る穏やかな二人が、羨ましくて仕方がない様子。
二人の結婚式は、すでにあげてしまったようです。じいちゃんのかんざしがイノクに髪に・・・。
根城の畑に、ギルトンを連れてくるイノク。
ギルトン「何を見ろって?」
イノク「ほら、新芽が見えるでしょ」
ギ「ほんとだ」
イ「この間、まいた種から芽が出たのよ。」
ギ「そうか、何の芽だ?」
イ「それがその・・・いろいろな種をまいたから、なんの芽かわからない」
ギ「・・・まったく(苦笑)、さすがだな」
イ「もっと育ったら、だんな様に教えてもらうわ」
ギ「そうだな。・・・あとで教えてやる。できれば、リンゴか梨の木がいいな。」
イ「私は小麦がいい。饅頭をたくさん作って食べるの。」
ギ「饅頭のなる木はどうだ。」
イ「そんな木もあるの?」
ギ「俺が作ってやるさ」
イ「饅頭の木?きゃぁ~~~(嬉)どうせなら、饅頭がいっぱいなるといいわ。」
ギ「なら、根城全体に饅頭の木を植えよう。」
イ「本当に? 旦那様 加油!」
ギ「よし、待ってろ」
イ「待って、旦那様~~~!」
最後に、こういうバカ話の笑顔全開な二人で見れて、ちょっと落ち着いたかも。
でも、和尚のようには、達観できない私です。
散る花と知りながら、誰もが、その時を見つめているなんて。。。
イノクはいまや、党首の嫁であり、名医であり、薬剤師であり、看護婦であり、カウンセラーであり、戦火をぬって大活躍です。
コムに、剣の指導をするギルトン。
ギルトンvsチャンフィの隠密会談
敵として戦う二人の間には、信頼も成り立っているのが、辛すぎる。
俺たちが全滅しても、第二のホン・ギルドン、、活貧党があらわれる。
常に民を恐れろ。
現実にはない理想の世の中を夢見て、弱者のために戦うのが、俺と活貧党だ。
まるで遺言のようです。
いつのまにか、理想の世を語るようになっちゃったし、最初の頃からすれば、なんか柄でもない方向にすすんでしまったギルトンだけど、やっぱり、この姿こそが、ギルトンの生まれ持った英雄としての器だったんだね。
泣いて嫌がるコムを、根城から送り出すことにきめました。
「よく聞け。ここを出て、生きろ。そして、世に伝えろ。戦え、次の時代を担え、皆のためだ、コム。いや、コム大将。」
自分たちは、結果的に、王の軍との争いをすることになってしまったけれど、決して無謀なことをしたかったわけではない。
まだ、年若いコムを次の世代として送りだす、とか、どれだけ真っ当なんだろう(号泣)
ギルトンだけではなく、みんなが優しい瞳で見守る中、コムが泣く泣く決意し、ヘミョン和尚と共に根城を後にしました。
「笑うことを後ろめたく思うな。存分に笑え。」
俺の分まで、コムが笑ってくれる。コムの笑顔を守って見せる。
命をかけて、コムを守ったヨンシが戻ってこないその意味を全員が知っています。
その中で、スグンとマルニョの結婚式が行われます。(再号泣)
終焉と決めていた花の咲く時期になったのね。
その花で作った「ブーケと髪飾り」を、新婦マルニョに渡すイノク。
イノクのほっぺにキスするギルトン。
なんか、演技じゃない感じの照れくささなんですけど、アドリブ要求かしらん。
近づく官軍・攻撃開始
大量の流星群のように、空一面を覆い尽くす火矢のスローモーション。
息を飲みました。
イ「流れ星みたい。願い事をしよう」
ギ「こんなときに?」
イ「私たちに、お別れの挨拶をしてるみたい」
無事、宮廷を脱出できた時の、花火のときの会話を思い出します。
ギ「一緒に行こう」
頷くイノク
手を握りしめる二人
イ「ギルトン、アイラブユー」
ギ「分かってる。」
イ「意味も?」
ギ「マヌケ・・・愛してるよ」
愛してる 愛してる・・・
生きているのだ、人々の心の中にも、ギルトンは生きているのだ。
土手で泣く子供を見つけたヘミン和尚・・・。
今は意欲さえあれば、学問が出来る世の中になった、という言葉は、チャンフィが改革を実行している証でしょうか。ただし、まだ、貧富の差を縮めることはできていないみたいです。
「何を教えられるのですか?」
ははは、その昔、最初に、ギルトンが和尚に聞いたことと同じことを聞く少年。
背を向けて、行きかけるが、ホン・ギルドンの名前には、食いついたね。
ホン・ギルドンは永遠に生き続ける
世の中が移り変わっても。
***********************
スタッフの写真で、エンディング
寒い寒い時期の撮影だということは、吐く息の白さや、体から立ち上る湯気など、画面からも見て取れました。
演者以外の方々の苦労がしのばれました。
レビュー、終わりました。
もう このドラマも何回、みたかわかりません。
爆笑するコメディー部分、切ない恋模様、親の因果、歴史的な背景・・・、韓国ドラマ初心者だった私にとって、このドラマを構成する、一つ一つの要素のバランスの良さが、ここちよかったのでしょう。
そういえば、一昨日 「花郎」を見ていたら、ヨンムン商団の護衛武士(ムク犬さんじゃないほう)のソン・ヨンホさんが出てきて、おおおお~~~となりました。
主役級の役者さんでなくても、こういう再会もあるので、視聴はやめられそうもないです。
次は、簡単なレビュードラマをいくつか、はさんで、トッケビや花郎に取り掛かかりたいな、と思ってます。