■ 第23話 終わりと始まり

 

すべてが偽りで、最後に行きついたのがこの玉座。決して手放さない、と、執着を見せる若君。

 

「今すぐ、即位式を行う。皆を呼び集めよ」

こんな夜更けに、突然の命令を下すチャンフィの暴挙に、さすがのノ尚宮もびっくり。

大々的に、民の前で即位式を行うと言っていた若君だったはずなのに・・・。

まさか、あのことを知ったのか・・・?と 不安になる。

 

夜中の即位式

本当は、民から祝福を受けるため、大々的に行う予定だったのに、出席するのは、両班のみ。

急なことで、イノクは、まだ王妃として出席することはない。

「人事は、リュにまかせる」

側近を、両班・儒生グループで固めることを了承してしまったことを意味します。

憑依チャンフィのまま、進んでいくことになるよ。

ノ尚宮、これでいいの~~~?

 

若君に呼ばれるイノク。

若「宮殿に入れ。お前は私の妃になるのだ」

イ「陛下・・・」

若「手放さない。お前に選択肢はない 決して手放さない。お前への想いを胸に秘めていた時ならば、幸せを願い、手放してやったかもしれない。だが、今はできない」

王位への執着だけではなく、イノクに対しての執着もレベルアップです。

イ「お母様の話は、ノ様から聞きました」

若「密命がウソだとしても、後戻りはできない。いつまでも私のそばにいろ。お前が死にそうになっても、手放さない。もしそうなったら、私のそばで死ね」

ああ、ギルトンとの会話を聞いていたのね。

イ「ごめんね。ごめんなさい」

深く傷付けたであろうことに、気づいているイノクは、心から謝りますが、目をそらすチャンフィ。逆に、自分が無理難題を吹っかけていることすら、わかっているのです。

若「ごめん?そうだな。謝ってもらわねばな。お前は何も知らず、そんなにも無垢のままなのに、私はこんなにも汚れている。不公平だな。」

イ「ごめんなさい。マヌケなくせに、若君を傷つけた。本当にごめん」

全く、余裕のないチャンフィ。

 

ガンフィ兄に会いにきたチャンフィ。

「民が期待しているのは、あいつだ。お前はあいつの操り人形だ」

容赦なく、若君を追いこむガンフィ。

 

即位式が済んだ=イノクの宮廷入りと知るスグンたち。

「ギルトンは、二度と子ジカに会えないな」

ギルトン「新しい世になっても、ちっとも嬉しくない」

って、そりゃそうだよ。イノクがいないんだもん。

 

お直しのために、王妃の衣装をまとうイノク。

婚礼の日まであとすこし。

とてもとても、重い・想い「王妃のかんざし」イノクの頭もつぶれそうだよ。

思い返せば、一番つらかったとき、若君が一緒にいてくれた。

今度は、自分が・・・・。

「努力してみます。」

 

ギルトン「こんなものを着ないと、会えないのか」

官服姿のギルトン。

若君「立場の違いがはっきりするな」

そのトゲのある言い方に、

ギ「あのことを知ったのか」と気づくギルトン。

若「偽の密命だと、なぜ言わなかったのだ」

やっぱり、ギルトンが知っていたこともショックだったんだね。

若「本当のことを知れば、王座をあきらめ、逃げると思ったのか。あるいは、わたしも正気を失いそうで、心配だったのか?」

ギ「ノ尚宮の取り越し苦労だったようだな」

遠回しに、ノ尚宮に止められていたことを告げます。

若「自分の選んだ王だから、私を守ると言ったそうだな」

ギ「大臣たちに振り回されぬよう、守ってやる。兄を反面教師に、立派な王になれ」

若「もちろんだ、これ以上、振り回されない」

 

流刑と思わせて、廃王に恨みの深い村人を先導し、密かに、葬らせるよう、命ずるチャンフィ。

梅の花の中で、何もかも悟った兄王は逝きました。

 

世の中を変えるには人事からだと、訴えるギルトン。

自分の立っている土台の危うさに、壊れかけているチャンフィのためには、身近な場所にギルトンを置いたほうがいいのかもしれないけれど、やはり無理があるよね。

軍事・司法の大臣に任命されたあたりは、笑えたけど、所詮、両班の世界は変えられず、ギルトンが解任されれば、すぐに元に戻ってしまう。

「困らせてしまいましたね。申し訳ありません。王様」

頭をさげるギルトン

たぶん、すべてわかったうえであっても、まだ、チャンフィを信じたいギルトン。

 

雲行きは、徐々に怪しくなってきてるのに。

大ベストセラー「ホン・ギルドン伝」・・・あああ、ウネがとんでもない本を世に出しました。

街中、ギルトンの話題で持ちきり。

腹グロ父は、「お前が男だったら」って期待するほど賢いって言ったけど、自分を制御できない人間は、もうその時点で賢いとは言えないのに。

想いが通じない相手を好きになってしまった辛さはわからないでもないから、「かわいそうな奴」としか言えないんだけど。

ホン・ギルドン伝の著書が、ウネだということに気づくチャンフィ。

「頭はいいが、危険な女だ。」

 

ギルトンは理想の世に向かって、戦い続けるという。

私が守るこの世と戦うことになってもか?

お前を脅かさない限り、戦わせてくれるんだよな。

心理的には、十分 脅かされてるチャンフィ。

立場が変わり、かい離していく二人。

 

イノク「陛下・・・ギルトンが何か危ないことを?ウネお嬢様から聞きました。ギルトンが、王様と両班に戦いを挑んだと。ギルトンと王様は仲間だから大丈夫ですよね?」

若君「そうなるよう、妥協の道を探っている。それを言いに来たのか?」

妥協なのね。

イ「それだけでなく、どうすればいいのか、お聞きしたくて」

若「答えはでている。生まれた時からな。」

イ「私などが、本当に王妃になってもいいのでしょうか。私は、自分でもバカだと思っています。庶民なら許されるけど、決まっているからと言って、私のようなバカが王妃になっていいものか。」

若「この国の王妃や王はそうやって決まる」

イ「例えばの話ですが、私の産んだ王子がバカだとしても、王になれるのですか?そんなのは、国の将来が心配です。」

若「バカだといいつつ、お前は、あの者と同じ考えを持っているのだな」

 

庶民が、これからは、活貧党の世の中だ、と両班をバカにし始める。

ギルトンのもとに、世の中を変えようとする民の力があつまりはじめる。

チスたちでさえ、「ここで一緒に過ごしたいと思わないか」と引き付けられる活貧党の世界。

和尚は、ギルトンが持ち始めた大きな力が、今の朝鮮には耐えられないのでは、と心配する。

 

それが一層、両班の怒りを買う。

イノク実祖父に、あからさまに脅迫されたんだから、チャンフィも覚悟を決めればいいのに。。

やっぱり甘ちゃんなのかな。背負っているものの違いかな。

ギルトンと話をつけようと根城にまで来て、一貫してぶれないギルトンと、揺れているチャンフィ。

「ここで手を引くなら、王とどう向き合うか、考えさせてもらう」

ここが、終焉なんだね。

 

「ギルトンを倒す」

臣僚の前で宣言するチャンフィ。

それを見返りに、王の座を脅かす閣僚の動きをとめる。

「王の権威」が勝っちゃった。。。

ああ、刀職人のおじさんは、セリフだけで消されてしまった。

 

私は、イノクを王妃に迎えない。

ギルトンを倒すことを知ったら、間違いなく、イノクはギルトンのもとに戻るだろう。

 

かんざしを握り締める。

「じいちゃん。私は悪い子だわ。じいちゃんのことを忘れかけてる。じいちゃんより、ギルトンが恋しい。ひどい孫娘ね。一線はこえないように、必死で耐えているの」

チャンフィに気づくイノク。

 

「ごめんなさい」

「私の方こそ、すまない。お前はバカだから、王妃に迎えられそうにない。お前は王妃にふさわしくない。そうなのだろう?」

うなづくイノク。

「私にはお前は捨てられない。だから、送り出すことにした。お前らしくいられるようにしてやる。お前は運がいいし、本当に純粋だ。だから、何も心配しなくていい」

「ありがとう。若君は本当にいい人だわ。」

 

檻の中の子ジカ。

ギルトンのもとに送り出すという意味かと思ったら、完全には、解放するつもりはないんだね。

「イノク」が「イノク」らしくいられる場所は、ギルトンのところしかないのに。。。

戻ってきたら、商団がイノクを預かるということは、おそらく、ギルトン討伐の間だけ、清に送られるっていう筋書きなのでしょうか。

結局は、新たな檻が用意されただけのような気がします。

でも遠くに行けば、あきらめられる、なんて言うイノクの心も可哀想すぎます(号泣)

 

ギルトン討伐が現実のものになりました。

「根城を捨てる!」

この判断がもう少し早ければ・・・と思うと悔しいね。

 

清行きの支度が整ったイノク

あら、アガシ姿じゃない。。。

目を閉じているイノク。

 

~回想~

ギルトンの声「来たら、手放せなくなる。だから、死にそうになるまで来るんじゃないぞ」

 

必死に息を止めるイノク。

イノク「今、死ぬ一歩手前だったんです。最後に、ギルトンに会ってきます。」

ノ尚宮「時間がありません。」

イ「矢より早く走ります。遠くからでもひとめ見ないと、清で死ぬかもしれない。すぐ戻ります。」

ノ「・・・なりません。」

イ「これで最後にしますから。勝手だと思いますが、死んだ祖父も許してくれるはず」

ノ「今、行けば危険な目にあいます。」

イ「どういう意味ですか?」

ノ「活貧党を討ちに官軍が向かいました。」

イ「なぜ、若君がギルトンを討つのですか?」

ノ「王様のご決断です。」

イ「仲間なのに?」

ノ「二人の望む世は相いれないのです。」

イ「ギルトンのもとにいかなければ」

そこへ、リュ大監もやってきました。

リュ「イノク、お前は私の孫娘だ。ホン・ギルドンは親の仇だろう。リュ・イノクだろう?あの者の元へ行ってはならぬ」

 

根城を捨てようとするギルトンたち

コム「待って、官軍がやってくる」

スグン「ちくしょう。準備してやがった」

ギルトン「逃げても追いつめられるだけだ。ここで官軍を迎えうつ。王と戦うぞ」

 

 

★第24話 最終回に続く★

とうとう、決裂です。

既に、十分すぎるほど火種はあったので、来るべき時が来てしまいました。

ギルトンの信念の強さに、妥協はないものね。

人間の生まれ持った器の違いなのか。

 

ギルトンに一目会いたい。

イノクが必死に訴える「これで最後にしますから」の悲痛な叫びには、ほんと、泣かされました。

嗚咽をあげたまま、最終回へ突入です。