■ 第18話 復讐の化身

 

娼館の帰りに幽霊に狙われるギルトン、攻撃される一歩手前で、人違いとわかり、姿を消す幽霊たち。落としていった布巾をみて、幽霊ではないとわかる。

 

結局、翌朝には、ギルトンが殴った本物の両班も殺されているのが発見される。

王命を賜り、ホドチョン(補盗庁)の大将になってから、イニョンって、変わってきたよね。ウネのこともあり、ギルトンを捕まえる執念に凄みを感じるわ。

 

両班殺しは活貧党だという噂を聞きつけた王子がギルトンと「布倉庫」で会います。

ギ「真犯人を捕まえて、補盗庁に突き出すさ。」

若「できるのか、一度逃がしたくせに。」

ギ「あまりに怖くて、動けなかったんだ」

若「あらゆる術を身に着けたギルトンが・・・笑えるな」

巷の噂を皮肉ってます。っぷぷニヤリ

ギ「お前も縮み上がるさ、実際に見たら。」

すっかりお友達モードなふたりの会話。

 

王子としては、もうすぐ四寅剣を儒生たちに見せる計画があり、両班たちに、両班殺しと関わりがあるとは思われたくないし、ギルトンとしても、このまま人殺しと思われたままではいたくない。お互いの利益は一致しています。

 

ノ尚宮「ギルトンと手を組むと次々と問題が起こります。」

今回の両班殺しについては、ギルトンにまかせ、彼が両班をどう扱うのか、観察しては、というノ尚宮。

 

幽霊騒動&犯人捜しに励むギルトンに対し、

「そんなに忙しいと、子ジカに尊敬しかされないわよ」(マルニョ)

「尊敬しか?」

「そうだな、尊敬はされるな」(スグン)

「尊敬は?」

からかいながらも、忠告する二人。かなり気になるギルトン。

外に出たところで、イノクが働いているところに通りかかる。

イ「あ、ギルトン、どっか行くの?」

ギ「ああ、行くか?」

イ「ヨンシに、マキ運びを頼まれたから無理よ。」

今までなら、二つ返事で、しっぽふってついてきたのに・・・ね?

活貧党の仕事を真面目にこなそうとしているイノク、薪を積んだ大八車と、薪置き場をちょこまかと往復するイノク。

ちょっとイラっとし、大八車ごと、置き場の近くに運ぶギルトン。

ギ「こうすれば、早いだろ?」

イ「そうだよね。・・・ムダに汗かいちゃったわ。やっぱり私はツイてる。全部、運ぶ前に教わってよかったわ。・・・考え事をしていて気つかなかった。荷車は動くのにね。」

せっかく、動かしてやったのに、感謝してくれないイノク。

イ「ギルトン、あんたは本当に頭がいい大将ね。尊敬する!」ポーズ付き!

ギ「尊敬?うれしくない」

イ「(意外そうに)気分がいいはずよ」

ちが~~~う。そんなこと言われたいんじゃないやい!不機嫌きわまりないギルトン。

ギ「これでもか。」

マキを投げつけるギルトン。積み上げたマキも崩す。完全に、駄々っ子です(笑)

ギ「これでもか?」

イ「尊敬しないわよ。」

ギ「これからも尊敬するな。」マキを思いっきりなげつけ、行ってしまう。

イ「まったく、大将だなんて笑わせるわ」

 

ギ「尊敬は失せたな」

嬉しそうなギルトン。尊敬じゃなくて、love you が欲しいのに、そっちはいいのかな。

ほんと、どっちもどっちな二人だけど、今回のは、イノクに罪はないような気がします(笑)

 

ワンさんに聞くと、布巾に染みついていたのは、山椒とクッパの汁だとわかり、犯人がクッパ屋のおばさんたちと判明する。

懲らしめようと思っていたが、両班殺しとは無縁そうなフツーのおばさんを見て、調子が狂うギルトン。雑炊をご馳走してくれるおばさんたち。

「あんた、活貧党のホン・ギルドンなの?すまないね。でも、自首することはできない。私たちは、絶対にやめない。邪魔するなら、お前とも戦うよ。」

おばさんたちの本格的な武闘訓練の様子をみて、あまりの質の高さに驚くギルトン。

「5年間、毎日練習をした成果さ。」

 

現王に、両班殺しの容疑者について、報告するイニョン。

へぇ、お兄ちゃんったら、よく調べたね。

もしかして、いつぞや、ギルトンアボジが言ってたみたいに、やれば出来る子タイプ?

ギルトンが、クッパ屋のおばちゃんたちに次の容疑者を教えてもらえてないうちに、すでに、次のターゲットのことまで、かなりのことをつかんでいます。

 

先王と王妃の死亡について、再度調査をするよう、上申書を書いたリュ・ヨンホ(リュ大監=イノクの実の祖父)を味方に引き入れようとする王子たち。

今はまだ、ギルトンアボジに殺されたリュ兵曹判事(イノクのパパ)の父だということしかわかっていませんが、儒生たちを集め、王子を擁立するよう、話がまとまります。

 

じいちゃんが、根城に饅頭をもってやってくる。

アガシになりたいか?なれるなら、なってみたいか?と、イノクに問うじいちゃん。

ギルトンと一緒にいられないなら、イヤ。今が一番、幸せだわ。

がっかりするも、イノクが幸せならば・・・と基本的には、受け入れてくれる。

 

ギルトンアボジが、イノクの正体に気づきました。

あの子は、ホ・イノクではなく、リュ・イノクなのか。自分が殺した親友の娘。なぜ、ギルトンと一緒にいるのだ。自分の正体を知らないか?

一人、また一人と、イノクがリュ・イノクであることがわかっていきます(泣)

 

そのまま、寝込んでしまい、幽霊姿のおばちゃんに起こされるギルトン。

本気で怖がるギルトンに対し、本当に怖い話をしてやるよ。。と真相を聞くギルトン

両班たちに殺された息子たちの復讐のため、5年の歳月をかけて、厳しい訓練をしてきた。

ここでも、非道なことをして、弱きものを痛めつけるのは両班たち。そして、それを容認する世の中の仕組み。

活貧党でも助けられない弱者がいることを知る。

 

チャンフィも、部下の報告から、5年前の事件の顛末を聞く。

ギルトンの動きを確認しにくる。

若「なぜ、犯人をほっておくのだ?役人に突き出さない?」

ギ「ふつーのおばさんを復讐の鬼にしたのは両班だ」

若「活貧党の名に泥を塗る奴らだ。かわりに、復讐の手助けでもするのか」

ギ「そうじゃない。止めるだけだ」

若「捕まえると言っていたのに、とめるだけか。そのうち助けるかもな。」

ギ「殺人だけは止めさせるだけ 手は貸さない。そのためにも次のターゲットがわからないことには、動きようもない。調べてくれないか。そうすれば、止められる」

 

それがギルトンの真意だというノ尚宮。ギルトンには、両班に対する恨みと引け目がある。

もう少し見守ろうというチャンフィ。

 

ウネ、なかなかたどり着けないじいちゃんに、それとなくヒントを与え、リュ判事の娘の名前が「イノク」だったことを伝える。

作り話の天才です。

リュ大監(イノクの実ハラボジ)屋敷の前で偵察するじいちゃん。

ノ尚宮も、リュ大監の孫娘が生きていれば、四寅剣の力が強まったはず・・・と残念そう。

昔、3歳くらいのイノクの腕に、やけどを負わせてしまったチャンフィが責任を取る・・といったかわいらしいエピソードがあり、それを思い出すチャンフィ。

あの子の名前も、イノクだったのか。。

もし生きていたら、王子と良い御縁だったでしょう。

わかってって言ってるノ尚宮。

イノク・・・これも縁なのか

 

ギルトンが女に会いに行ったときき、気が気でないイノク。

スグンとマルニョがこれみよがしにからかう。

イ「ギルト~ン。今日は、私も一緒に行くわ」

ギ「なぜ?」

イ「それが、私はただ・・・。あんたが女に会いに行くからじゃないわ。」

両手で、必死に否定するイノク。

ギ「(独白)効果覿面だな・・・」

ニヤリ・・・ニヤリ

ギ「お前なら相手を油断させられる!」

イ「?」

ギ「いろいろ話を聞き出して、釣れるかもしれんな」

イ「何を釣るの?」

ギ「幽霊だ」おばけ

イ「幽霊?」

ギ「幽霊狩りに行くぞ。お前はエサだ。」

おばさんたちの次のターゲットがなかなかわからないギルトン。話を聞き出すため、イノクをクッパ屋に連れていくことになりました。

雑炊を何杯もお変わりしたり、おばさんたちとおしゃべりに盛り上がる。

 

元締めのおばさん、そんなイノクの様子を見て「連れ合いかい?」

ギルトン「なぜ?」

元締「養うのに苦労しそうだ。」

苦笑するしかないギルトン。だって、本当のことだから。

元締「でも・・・いい子を選んだね」

元締めおばさんの温かい言葉に、微笑むギルトン。

 

スンデ(腸詰)をへびに見立てて、踊るコブラの説明をするイノク。

見事なくらいの、いい食べっぷりに、クッパ屋のおばさんたちから、息子の嫁にしたいくらいと言われるイノク。

おばさん「あの人といい仲なのかい?」

イ「ギルトンは、いい仲じゃないの。アイラブユーなの」

ものすごく盛り上がってるイノクとおばさん方。その様子を見て、苦笑しながら、

ギルトン「探りを入れているのか?ただ、食ってるようにしか、見えん」

 

元締めおばさんの縫い針に、糸を通してあげるギルトン。

息子たちを送ったときの、喪服を繕い続けて、犯行を行ってきたおばさん達。

「お前は、恨みを抱いて生きるんじゃないよ」

おばさんたちの人柄を知れば知るほど、両班殺しをやめさせたいギルトン。

 

イノクのおしゃべり、決してムダだったわけではなく、おばさん達が谷城(コクソン)出身であることを聞き出しました。お手柄、お手柄。

5年前の事件と合わせて調べると、ターゲットの役人は、清への使節団の一員になっているため、今夜しかチャンスがない、ということもわかってくる。

ヨンムンでも、次のターゲットを突き止める。

ギルトンの出方を見守るつもりのチャンフィ。

イニョン率いる補盗庁が待ち受けている中、おばさんたちは、復讐相手の役人に切りかかっていくが、返り討ちにあい、殺されてしまう。屋敷前に、骸が並べられる。

 

駆けつけるが、間に合わなかったギルトンのすさまじい怒り。

屋敷前の道端に並べられたおばさんたちの骸に悪態をつく役人を見据えて、剣を向ける。

活貧党もやってくる。

無言で、剣を振り下ろすギルトン。

役人の冠と髪が、切り落とされる。

「俺はお前の首ではなく、お前たちの世を切る。それが俺の復讐だ」

剣を地面に突き刺し、去るギルトンの後に、活貧党が続く。

 

「・・・あの者は強い。」

両班を殺さなかったギルトンを見誤っていたと認めるノ尚宮に比べ、並々ならない自制心の持ち主であることがわかり、チャンフィは、はじめて、ギルトンという剣の御しがたさを自覚したようです。ノ尚宮が忠告し続けたことが、チャンフィの中で、しっかりと形づくられてしまいました。なんて、皮肉なんでしょう。

 

おばさんたちの事件のあらましをマルニョに聞いたイノク。

「私には、復讐とか仇とか、よくわからない」といい、ただ、優しかったおばさんたちを哀れに思い、涙を浮かべる。

「あんたは、わからないでいいの。いつまでも純粋な目をした子ジカでいて。心が慰められるわ。私たちはもちろん、ギルトンも。」

 

クッパ屋のおばさん達の墓をつくるギルトン。

和尚が、ギルトンのアボジが、お母さんのお墓に来たことがあると、はじめてギルトンに話す。

「墓をつくって間もなくの頃、誰に聞いてきたのか、一日中、ずっとただ、お墓を見つめていた。愛する人を死に追いやった世の中をつくり、守っているのは自分だからな。放心して佇んでいたのだろう。」

和尚は、ギルトンアボジの人柄をその時に、知ったのね。

 

今のギルトンには、きちんとそれが伝わると確信できたから、話をしたのでしょう。

ギルトンが清に行くときに、自分のなすべきことを説いていたけれど、ギルトンの英雄としての芽を開花させたいだけではなく、それを知らずに、父と別れさせるのは忍びなかったのかも。

※ ギルトンには、英雄の相が出ていたから・・・。

憎むべきは、個人ではなく、この国の制度にある、と、世直しの決心を更に強めたギルトン。個人的には、このエピソード、好きです。

 

ギルドンを捕まえる方法として、自分の命をもっておびき寄せることを進言する夷判。

 

ギ「身分の低い者が苦しまない世の中をつくってくれ。つまり、身分の差がない世だ」

 (@_@;)

身分制度の頂点にいる王子に向かって、すごいことをおっしゃいます。

でも、これも自然の流れですね。

ギ「強者をかばえば、弱者は救われない。」

若「私にはどちらも切り捨てられない。その両方を含むのがこの国の姿だ。」

ギ「現実を無視できないことは知っている。王になって少しずつ変えてくれ。現実を無視して突き進むのも困るが、理想を簡単に捨て去るな。俺が許せる範囲で、お前は両班と妥協してもいい。お前の許せる範囲で、俺も彼らと戦わせてほしい。そうすれば、最後まで手を携えられる。民が望む王とは、民が作った王だ。一緒に進む王になれ!。世を変える王を俺たちが作る。そのために 俺はもっと強くなる」

この時、チャンフィはギルトンをただ、見つめるだけでした。

決定的に、方向性が違うことを、ギルトンが気づいていて、宣言したのか、はっきりとはわかりませんが、ギルトンの掲げる王の姿と、自分を世直しの駒として考えているギルトンに、明確な不安を持ち始めたチャンフィ。

ギルトンを利用して、民の王になろうとしたが、いまや、あの者が 私を利用して、世直しをしようとしている。最初から、間違っていたのだ。二人の意見が違ってきたら、衝突は避けられない。ギルトンを手放すことになるかもしれない。一度、芽生えてしまった不安は、ぬぐえないのです。

 

クッパ屋のおばさんたちの墓の前で、「がんばるよ、雑炊、ごちそうさん」と、挨拶するギルトン。後ろ手に担ぐ赤い棒姿、これが一番、ギルトンらしい。

 

儒生たちが集まる席に、王子として、姿を見せるチャンフィ。

正式な両班の姿になりました。う~、私は若君姿が好き。

 

四寅剣に刻まれた文字により、儒生たちの王子擁立が一気に高まる。

 

お前は昔、自分のために泣き、自分を救った。

今や、世のために泣いている。世を救う者は、まず自らを救い、世を胸に抱かねばならない。お前は彼らでもあり、彼らはお前でもある。だから、お前は真の意味で、彼らと共に戦えるのだ。それが活貧党であり、ホン・ギルドンなのだ。

和尚の言葉をききながら、真剣に考えているギルトン。

 

イノクのじいちゃんが、リュ大監の家をうろついていたことにより、イノクがリュ・イノクの可能性高し・・・という情報が若様の耳に入ります。

なんという運命の大波、まともにくらったチャンフィ、あまりのことに呼吸困難です。

 

ベッドのへりに、並んで、体育座りのイノクとギルトンの二人。

イ「ギルトン、あのね・・・口下手だからうまく言えないんだけど、昔のギルトンだったら、涙を隠してあげられた。でも、今は大将だから泣けとは言えない。」

ここで、イノクを見つめるギルトンの表情が、すこぶる優しいのよ(泣)

ギ「見ていればいい。そう言っただろ。それだけで十分だ」

イ「うんうん、分かった。遠くで見守ってるわ」

ギ「近くがいい。そばにいてくれ。」

イ「そばで? こうして?」

ギ「そうだ。ずっとだぞ」

イ「これだけで慰めになるの?」

この場になってもマルニョの言葉とリンクさせてるの?(@_@;)

ギ「・・・モンチョンィ」

軽くキスするギルトン。

わからなければ、これならどうだって感じでしょうかドキドキ

驚き、目を見張るイノク。びっくり

「尊敬してる」

もう一度、しっかりと口づけるギルトン。首の後ろを抑える手がいい~~~!!(激萌)

だんだん、目の周りの力が抜けていくイノクがツボでした。

 

★第19話に続く★

 

今までとは違い、ギルトンの主張は、チャンフィへの要求というより、指令のようです。二人の今後に暗雲が立ち込めたようです。

ああ、せっかく盟友として理解しあえたと思ったのに。。

この世に、同時期に現れた太陽がふたつ・・・共存が難しいことは、自然の摂理なのでしょうか。

 

ギルトンとイノクの周辺では、本人たちのしらない間に、勝手にパンドラの蓋が開けられ、不幸の種が飛び散り始めたみたい。

 

幸せのキスシーンが吹っ飛びそうで怖いです。でも、吹っ飛ばないけどね(笑)

「尊敬している」っていうのが、イノクにとっての愛情表現で、そう伝えれば、モンチョンィなイノクにも通じるって思ったのかしら。

なんにせよ、思いがはっきり伝わってよかったよ。やっとここまでこれたね、イノク。

 

次回のタイトルが、「運命のいたずら」なんですよ。はぁ~~~。

心せねば。。。