■ 第14話 親子の対決

 

若「彼らを救いだければ、父親を倒せ」

ギ「手を貸すんじゃなくて、利用するんだろ。はっきり言ってみろ。何がねらいだ」

若「四寅剣を取り戻せ」

ギ「たかが、剣の文字に、何の意味がある?」

四寅剣にこだわるチャンフィが理解できないギルトン。

ギ「剣はどこに?」

若「王の手元に・・・。父親を利用し、宮殿から盗んでこい。そうしたら手伝ってやろう。」

 

捕まった仲間、とくに まだ幼いコムのことを心配する面々。

根城の場所を聞き出すため、ヨンシやコムたち、とらえられた者の尋問が開始される。

コムは、依然、自分が拷問で口をわってしまい、家族・村人を全滅に追い込んでしまった過去のトラウマから、極度に取り乱す。しかし、最後の意識で、舌を噛み、秘密を守り抜く。

でも、命に別状はない。よかった・・・。

 

焚火中のイノク

隣に、若君がきても、気づかないほど、考え込んでいる。

考えても考えても答えは出ない

若「燃え尽きたぞ」

イ「こむじゃ、いつからいたの?」

若「今だ。大丈夫か?」

イ「大丈夫じゃない」

若「なぜ行かない?」

イ「行けないわ。今、行けば、ギルトンに逃げろと言っちゃいそう。みんなを見捨てて、一人だけ逃げろとね。気づいたの。月下の侠客だったときは、とても立派で、誇らしいと思うだけだった。でも、ギルトンだと知ると心配になってきたの。ギルトンに危ないことをしてほしくないわ。私って、本当にダメね」

若「大切なものがあると、それを守るために利己的になるものだ。皆そうだ」

イ「本当に?」

若「ああ、私もだ」

イ「どうすれば一緒にいられるか、考えてみるわ」

若「そうだな、考えてみよう」

イ「若君は何を考えるの?」

若「お前は本当に鈍感だな。顔が真っ黒だぞ。」

顔を袖でふいてやるチャンフィ

イ「汚れてる?」

うん、全然落ちてないよ。

じっと、見つめるチャンフィ。ここまでいくと、鈍感というより、残酷と置き換えたい。

 

活貧党の悪い噂を意図的に、市中に流すギルトンアボジ。

「コソ泥、金をたかる、ゴロツキ、活貧党ではなく、無能党だ」

両班たちは、あざけり、言いたい放題。

あまりの言われように、ギルトン、爆発寸前

「けんかを売る気か。相手を間違えたな!」

いつも、飄々としているギルトンだけど、負けず嫌いというか、内面にこういう熱いところも持ってるのよね。

 

怒り心頭のまま、とうとう、チャンフィに、四寅剣を王の宮殿から盗んでくることを宣言。

「必死に生きてきたんだ!これからは真っ向勝負だ。泥棒に手をお貸しください、王子様」

 

頭巾で顔を隠さず、高官や成り上がりの家に、堂々と押し入る。

『活貧党参上』 

盗品は、道端に「ありがたく持って行け 活貧党」と置いておく・・・を繰り返す。

 

自分が捕まるまでは、ヨンシたちを殺すことはないだろう。

民衆は、王からの張り紙を、真っ赤なウソだと信じなくなる。

それでも、まだ、能無しという両班にたいし、小銭落としで、後ろから蹴飛ばす。。。

 

『活貧党』の評判がヨンムンの耳にも入ってくる。 

盗賊は盗賊だ。しかも、夷判の息子、いつ裏切られるか、と、どうしてもギルトンを信用できないノ尚宮。

「ギルトンは、父親に喧嘩を売ったのだ」

冷静にみているチャンフィ。

 

再び、布倉庫にて。

イノクと会うギルトン。

ギルトン「俺を探し回ったりしなかったそうだな。危ないということをやっと悟ったか」

イノク「仲間が捕まってるのに、派手に盗みを働いて大丈夫なの?危ないわ。」

ギ「近寄りがたいだろ。戦い続けると決心したんだ。もう逃げない。もうすぐ俺は捕まる」

イ「ギルトン、私は・・・」

手を、ギルトンの腕に添える

ギ「死なない。今度は命を引き換えにしない。死ぬもんか。問題はお前だ。探し回らないか、矢より早く走れると追いかけてこないか、不安でたまらない。だから俺の前に現れるな。逃げる時に、足手まといになる」

手を下ろすイノク

ギ「その調子で離れていけ」

イ「なら、目立たないように遠くから見てるわ。追いかけないし、不安にもさせない。ただ、遠くから見守ってるわ。それならいい?」

ギ「できるのか。俺が捕まっても遠目に見てられるか?矢より早いのに?」

目を閉じるイノク

ギ「そうだ、そうやって目を閉じてろ。何も見るな」

目を開けるイノク、そこにギルトンの姿はなく

まにゃげ♪

「・・・でもね、ギルトン、私は、それでも、あなたのそばにいたいの」

イノクも、いつのまにか、大人の女性になりました。

ねぇ、ギルトン、最後のイノクの独り言、聞いてたでしょ。。。聞いてたよね。。。

いつもみたいに、心配で、イノクがちゃんと帰るまで、見届けていたんでしょ?

 

ギルトンアボジは、ヨンシ達の処刑を準備させ、ギルトンをおびき出そうとする。

スグンを制し、「俺が党首となり、全責任を負う」

はじめて、自分からの意志で『夜明棒』を手にしたギルトン。新党首誕生です。

 

処刑場に、人々が集まってくる。ギルトンの来るのを待ってるアボジ。

首切り人の変な舞。

コム「俺たち、死ぬの?」

ヨンシ「これが泥棒の末路さ、覚悟してただろ」

覚悟を決め、目を閉じるヨンシとコム

そこへ

「ホン・ギルドン参上」の声

「俺が活貧党の党首、ホン・ギルドンだ」

 

「仲間を解放しろ。そうでなければ、戦場となるぞ」

そんな彼の周囲を、待ち構えていた官軍が、取り囲む。

しかし、それ以上に多数の仲間たちが、そして、チャンフィを先頭にヨンムンの兵士も松明をかかえて、取り囲んでいる。

 

「父上」

公の場で、口にするギルトン。

 

そこに、人ごみの中のイノク。

ひたすらまっすぐ、凛とした瞳でギルトンを見つめる。

そっと、「加油(がんばれ・・・)」とこぶしをあげる。

微笑むギルトン

そう、それでいい・・・

そのふたりを凝視するチャンフィ。

このシーンのソン・ユリちゃん、とても神々しい感じがしました。

 

仲間の解放の身代わりに囚われの身となり、拷問でボロボロのギルトン、アボジとの確執をすべて、さらけ出すギルトン

一介のならず者だったギルトンは、もうどこにもいません。

「自分が何をなすべきか、世間に問いたい」

もうすでに、ギルトンという存在そのものが、世間(民)のものになってしまったみたい。

 

都中、ギルトンのために蝋燭をともし、無事を祈る多くの人々があふれている。

 

若「あの者は、今、宮中にいる。むやみに探し回らず、安心した」

イ「どうすれば、ギルトンを守れるか考えているの。彼のそばにいたいけど、どうすれば、そばにいられるか、もっと考えないと」

ひたすらギルトンのことを想うイノクの言葉に、激しく嫉妬してしまうチャンフィ。

自分の気持ちを抑えるにも、限界に近づきつつあります。

イ「行くわね」

若「行くな。あの者のもとではなく、ここにいろ。危険だ。今までのように守ってやるから、私のそばにいろ」

イ「こむじゃ、自分の身は自分で守れるわ。でないと、彼を守れない」

イノクにしても、必死に、考えて考えて考え抜いた結論です。

イ「心配してくれてありがとう」

若君、ここまで言っても、だめだったね。

 

牢にまで、やってくるウネ

ギルトン恋しさで必死なのは、わかる。。。

こんなボロボロのギルトンを目の当たりにするのは辛すぎる。

「私は・・・私は・・・」

涙で言葉にならない。

「すべて話せば、父に頼んで、助ける。私も一緒にあなたと死ぬと言えば、ここから出してもらえる」というウネ

ああ、これが、イノクとの違いです。

自分が拒絶されたことだけを抱えてしまうウネ。

 

イニョンも、ようやく、ウネの気持ちが誰にあるのか、はっきりとわかります。

「情けないな。あいつを助けるために、自分を殴ったのはウネさんだったのか・・」

 

宮殿の王の寝室に入らなければ、四寅剣は盗めない。

夜伽に、マルニョが入ることになる。

王室の権威を守るため、一夜かぎりの相手は殺される運命。失敗は絶対に許されない。

 

しかし、アクシデント発生のため、マルニョが王宮にあがれなくなる。(以前、利用させてもらった人参商人と娼館で鉢合わせ、捕まりそうになり、腕を負傷したため)

 

宮殿に上がることが、ギルトンを助けになることと知り、マルニョのかわりに、「私が、王の相手として、密室に行くわ」

王宮にあがることを決意するイノク。

どうしたら、ギルトンのそばにいられるか、一生懸命考えた。

「自分も、マルニョ姐さんのように、仲間になる!」

 

妓生に変身したイノクの美しいこと・・・(@_@;)

さすが、ソン・ユリ。

生きて戻ってくるのよ、マルニョが精一杯、アドバイスをする。

 

ヨンムンの配下の者たちが王宮に入り込んでいて、手筈は万全に整っている。

剣探しに失敗したときは、当然、その場で殺されてしまうことも計画の一部。

「ああ、そういえば、王宮に入った女に見覚えがありました。ここで使い走りをしていた女でした。」

都承旨の報告に耳を疑うチャンフィ。

「まさか、イノクが? そんなこと、あり得ぬ」

 

とんとん拍子で、王の密室まで、来たイノク。

面を上げよといわれて、素直に顔をあげてしまう。

変わった女だな。実に珍しい。

なぜか、にらめっこ状態の王とイノク(笑)

イノクの反応が新鮮で、ちょっと王が関心をもったわ。

それにしても、イノクの妓生姿、すごく品がいい!

 

王にだけ、弟の真実を話す、と、王の寝室にまで入り込んだギルトン。

そこで、イノクを発見。本当は、マルニョがいるはずだったのに~~~~。

(@_@;) 

声には出せないけれど、王との対面なんかより、こっちのほうが、一大事~~~。

 

都承事から、イノクが王宮に入ったことを知らされたチャンフィの心臓も。。

おそらく、確実に、二人とも、数秒、止まったはず。

信じられないものを見て、動揺しまくりのギルトンの表情で、次回へ。

 

★第15話に続く★

 

唯一、笑えたのが、最後も最後、王とイノクのにらめっこシーンだけでした。

緊迫したシーンが続き、酸欠状態です。

 

(父親のためにも)死んだ人間として生きていこう、と覚悟していたのに、すでに、そんなギルトンの思惑を、状況は許してはくれません。

仲間を救い出す、そのためには、若君と手を組む、そのためには、四寅剣を奪い返す、と数珠つなぎのように、戦いの前線に導かれます。

 

ギルドンと一緒にいられる方法を必死で考えるイノク。

「加油!」

ただ、泣いていただけだったイノクが、しっかりと ギルトンを送り出せるようになりました。それを乗り越え、ギルトンの傍にいる決意をしたイノク。人間としても女性としても、成長するイノクが楽しみでもあります。