■ 第5話 敵か味方か
怪文書の裏に書かれたヤンソンの想いを、切なそうに見つめるソンヨル。
ソンヨルは怪文書をすべて回収するが、王室を牛耳る吸血鬼の噂は、瞬く間に世間に広まる。
人の口に戸はたてられないものね。
ユンは、幼かった頃、父であるサドン世子から、クィの話を聞かされたが、すでに退治する秘策を見つけたので安心するように言われていた。しかし、その3日後に、サドン世子は亡くなった。その首筋に噛み跡があったことも記憶している。
もし、父の身になにかがあった際には、「貞顕世子の備忘録」を受け取り、頼るように言われていたソ・ジョンド大監も殺されてしまい、(そのときに、校理のノ・ハギョンのお父さんも殺されちゃったのね)、謀反人の一味として全国に手配された武術の師匠ペク・イノの消息もしれない。ジョンドの死の直後に姿を消した彼の息子のジンが 備忘録をもっているのではないかと考えるユン。
自分がいた地下の倉庫まで、官軍がきて、告発文を回収していくなんて、考えられないヤンソン。仲間からの話をきいても、不思議なことだらけだ。
その頃、ヤンソンは父の説得に負け、ソンヨルの仕事を断ることを決意していた。
淫乱書生を探し出し、クィから守るため、ソンヨルは情報収集を急ぐ。
怪文書をまいていたのが、サドン世子の従者で、今は奴婢の身分に落とされた者たちだとわかる。
華陽閣のなじみ客でもあり、悪名高い兵判に賄賂を渡し、奴婢のリストを手に入れるソンヨル。
ソンヨルを訪ねるヤンソンだが、顔も合わせず、通り過ぎるソンヨル。
「私がうかがうわ」
スヒャンに、お金を返すヤンソン。
今後も、本を探す仕事を頼むことになるから、そのまま受け取っておくように言われる。
「わかりました。なにかとお世話になりますが、よろしくお願いします」
スヒャンにとっては、宣戦布告のようなヤンソンの言葉。
借金取りの二人に、お金を返しにきたヤンソンだが、すでに、ユンが返済済みと聞き、ユンを探すことに。
ユンが ヤンソンを見つけ、話しかける。
代わりに返してもらった200両です、と渡しかけたとき、駆けてきた馬から守ろうと、ヤンソンを抱きかかえるユン。ヤンソンが女性だと気づく。
超嬉しそう(笑)
一度出した金だ。俺にもメンツがある。簡単に引っ込めるわけにはいかないな。
これからは、兄貴と呼べ。呼んだら、金を受け取るというユン。
しかたなく、「兄貴」と呼ぶソンヨル。
もともと 愛い奴だったんだもん。一度、女の子だとわかったら、何をしても、可愛く見えるのね。靴も内緒で買っちゃうし。
ハングルを広めるためにも、本を皆に届ける仕事が好きだというヤンソン。淫乱書生についても、君がそんなに好きな人なら信じてみてはどうだ、と話すユン。
ずっと付け狙っている追っ手に気づき、手に手をとって逃げるユンとヤンソン。
またもや、スヒョンがつけさせた追手。
「なぜ、私に尾行など?」
華陽閣に来て、スヒョンにつめよるヤンソン。
失敗した追手を追放するスヒョン。
「これでいいかしら?」
「この人はただ、命じられただけ。この人に命じた人が悪いんでしょ?」
憤るヤンソン。
ビンタ2発で、失神してる追手のお兄さん。。スヒャンって、見かけによらず、怪力なのか??
「私が命じた」と名乗りでるソンヨル。
「何のためですか」
「ウェソンという者が姿をけしてから、はや5日だ。何の進展もないのに、今日になって、お前は、もう備忘録を探す仕事はしないと申し出てきた。どうも疑わしい。お前の動きを知るためだ。」
疑わしいと言われて、内心、ショックなヤンソン。
「お役に立ちたかったです。なんとしても、本を見つけたかったです。200両もの大金を受け取っておきながら、何のお力にもなれず、疑われて当然です。どう考えても、このお金はお返しすべきだと・・・」
懐をさがすが、お金がない。
「私に預けたのを忘れたのか」
ユンがやってくる。世孫とわかるソンヨル。
なぜ、世孫が、ヤンソンと親しいのか、と驚きをかくせない。
ソンヨルにお金を戻し、ユンに手をひかれ、出ていくヤンソン。
自然に手をつないで出ていく姿は、ソンヨルは、すんごく気になってると思います。
そんな二人をみて、「ああ、ヤンソンに丸めこまれたな。なんでも、春画集を出版したいそうですよ。旦那様がヤンソンをお呼びになった初日、華陽閣で、そんな話をしてましたよ。」
ホジンがちょっとネタばらし。
素知らぬふりで居酒屋に誘うユン。
ソンヨルの話ばかりするヤンソンを見ながら、微かな嫉妬を覚えるユン。
今から、文句を言いに行こうか。俺の周りの剣客たちにやっつけてもらおうか。
え、っと驚くヤンソン。
「そんな・・・そこまでしなくても。3回も助けてもらってるんです」
ギュッと、ユンの腰に手をまわして、必死に引き止めるヤンソン。
密着!
「俺の腰に手をまわしながら、ほかの男の話をするな」
冗談だ。少しは気が晴れたか?
「俺って、そんなに、兄貴のお友達と似てますか」
「いや、見れば見るほど似てないな」
ジンは男だから。。
「あの~ お金は?」
「当然、返せよ。俺の春画集でがっぽり儲けたらな」
酒を飲みかわす、笑顔の二人を遠くから見ているソンヨル。
ユンを迎えにくる護衛。
「先約があった。飲み比べは、また今度だ」
地下宮殿の入口前が、サドン世子が閉じ込められた井戸の場所。
ヘリョンが地下宮殿にくるのをみかけるクィ。
「お前にはわからない。お前のにおいがどれだけ、かぐわしいか。お前を守るために、どれだけ我慢をしているか。」
怪文書をクィに見せるヘリョン。
酒に酔ったヤンソンが、ひとり、不安と弱音を口にしていると、ソンヨルが現れ…。
「あ、また、幻が現れた。毎日毎日、声が聞こえたり、姿がみえるんです。どうしてかな。学士様が心配です。私の心はどうなったんでしょう。好きなのかな」
寝入ってしまうヤンソンを見つめるソンヨル。
二人が去ったあと、もう一度、靴の箱をもってあらわれるユン。
「無事に帰れたか」
もう、ソンヨルにお持ち帰りされたあとですよ。。邸下~~~
ヤンソンを送り、屋敷に戻ってきたソンヨルを、刺客の件で、スヒャンが謝ろうと待っていた。
「もうよい。ヤンソンには冊契の仕事もさせない。ヤンソンの一家を ここから離す手配をしろ。」
急に 心臓に痛みを覚えるソンヨル。
皇宮に殺気だ。
~地下宮殿~
王や高官たちの目の前で、王妃の血を吸うクィ。
淫乱書生がなぜ、私の存在を知り、告発文をかいたのか、必ず知らなければならないな。
信頼は言葉でつくるものではない。
王様の大事な世孫が、淫乱書生を捕まえれば、そのときは、どうするか考えてやろう。
王妃の死体が外に運び出されるところを目撃するソンヨル。
クィは、王が淫乱書生を捕まえるまで、殺生をやめないだろう。時間がない、と焦る。
~ヤンソン自宅~
知らぬ間に、家に戻ってきていたヤンソン。庭の縁台で目覚めたときには、自分が見慣れない靴を履いていて、驚く。
うっすらと思い出すヤンソン。
そんなはずない。だって、夢だったもの。
~回想~
ソンヨルといるのが、嬉しくて、満面の笑顔なヤンソン。
歩けるか?うん
夢のほうがずっといいな。怒らないし、会いに来るなとも言わないし。靴も買ってくれて、直接履かせてくれて、それから、口づけもしました。こんな風に。
自分から、ソンヨルにキスをするヤンソン。
夢なのに、すっごくドキドキしますね。ソンヨルの胸にも手を置く。
ドキ、ドキ、同じようにドキドキしてますね。
夢じゃないみたい。
全部、鮮明です。
これは夢だ。目覚めたらすべては・・・
ソンヨル、本気ちゅ~
ソンヨルもかなり、うろたえてます。
恋しい反面、どうしても、吸血鬼の本能を刺激されちゃうみたい。
何を欲しているのだ。
道被なしで、日の当たる部屋に入ろうとする。
あ、身体から、煙が・・・。
やっぱり。。
しっかりしろ。おまえは吸血鬼なんだぞ。
人間にも戻れず、けっして日の光をあびることもできない・・・。
どう考えても、夢か 夢じゃなかったのか、はっきりしないヤンソン。
キスの感触だけは、なまなましく。唇腫れてる感じがするって、ソンヨルさんってば、見かけによらず、情熱的なこと・・・・
なんで、革靴が現実にあるの~~~。
じゃ、キスは? 本当のこと??
直接 聞きに行こうか?
オットケ~、どうやって聞くのよ?
ソンヨルの姿を見ただけで、ユーターンして戻ってしまう。
「なんだ、あいつ。用事があってきたんじゃないのか? 来てますよ。いいんですか?」
ホジンが気にしている。
ほっておけ。
チョ・ヤンソン、あんた どっか悪いの?
自分で自分をしかるヤンソン。
ウェソンの昔の手配書が地方で見つかった。名前は、チェ・ドガプ、サドン世子の本を調達していた冊契だとわかる。
ヤンソン一家を 遠くに逃がそうとするソンヨル。一家の知り合いを通じて、手筈を整えるスヒャン。
場所は、耽羅(現在の済州島)。そこなら、タムの足を治療できる西洋医がおります。。家の手配も済みました。
クィから、遠ければ遠いほどよい。
そこへ 血相をかえて飛び込んできたホジン。
「官軍が、本売りと 関係者をすべて捕まえようとしています。」
ヤンソンの仲間たちも、つかまってしまう。
ヤンソンが、子供たちに、別れを告げているときに、官軍がやってくる。慌てて、子供を隠そうとしたとき、サンザシの香箱を落としてしまう。
これで二度目ね。
ソンヨルが探しにきたときには、なんとか逃げおおせていたヤンソン。
一同に集められた冊契たち。
クィが、集められた本売りたちの前に姿を現す。
この袋はおまえのものかと尋ねる。
おまえじゃないな。
この甘い香りの主は誰だ?
この袋の持ち主はここにいるか?
知ってるのか?
一人の首に噛みつくクィ。
★第6話に続く★
おおお、二人のナムジャから、思われるヒロインの王道な展開。
待たれていた方も多いかと。。。
男装女子の気づかれポイントは、やはり着替えのときが多いけど、実際に抱きしめて、女の子だとわかっちゃうって展開は、いいですね。
さすが、ありえない体位を実践されただけのことはある世孫様です。(自粛)
でも ソンヨルのことばっかり話すヤンソンにヤキモチをやいたり、後ろから抱きつかれて、ときめいてしまう純情もお持ちで。。
結構、私は、この時点での世孫のキャラクター好きです。
でも、もう ヤンソンの恋心の下地は、ソンヨルにあるので、ちょっと出遅れたね、ユン。
出会ったのは、ユンのほうが先だったのになぁ。
どうせ夢だと決めつけて、なんでも思ったことを口にしちゃうヤンソン。
可愛すぎる!
・・・と、スイーツなことばかりは言ってられなくなってきました。
相当、耽美なクィ様ですが、性格は退廃的じゃなく、結構アクティブな吸血鬼だからね~~。
残酷な事件が勃発です。