(画像引用:サイスポ電子版GCN)


本日は引用だけではつまらないので、そこから読み取れる事と今後について考えていきます。
先ずは↑のサイスポの記事を読んでからの方が面白いかも♪




先日より行われているユーロバイクにて、ローターの13sコンポーネントが発表されたようです。


僕の個人的な予想では、次期Dura-Aceは13sか14sなのですが、ローターの本コンポーネント発表により、その可能性は(確率的に)高まったと言えると思います。(業界人の意向が多段化と判明したため)

ちなみに、この13sコンポは、ロード・mtbどちらも用意されているようです。




変速機自体は以前より発表されていた、ローター ウノ と見た感じに変化はありません。

もちろん油圧変速システムです。


この油圧変速、価格がDura-Ace Di2とほぼ同じで、よほどの物好きでなければ買う人はいないだろうと思ってましたら、案の定 人柱になった人のブログやツイッター記事は見受けられません。


wレバーの時代じゃあるまいし、流石にあのブラケット形状は見直したほうがいいと思います。




しかし油圧変速自体はyoutubeを観る限り、スルスルと滑るような動きに、カンッとよく響く変速で悪くないと思いますし、僕は好きです。



変速は1:49からです。




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先日シマノから12sのxtrが発表され、フランジの交換や変速レバーの11sとの切り替えが可能な点、10tに対応したフリーボディの新規格など、目新しい機能が盛りだくさんのモノと確認できました。シマノのmtb 12sは聞く限りなかなか良さそうです。

しかし、少なくともロードでフロントシングルを達成する為には、(フロントシングルを最終目標にするのは筋が違ってる気がするけど笑)少なくとも13s、できれば14sが欲しいところで、フロントシングルへ移行する為なら、やはり12sというのは通過点にすぎないように感じます。


近年のギア比のワイド化に対応する為に多段化するのは大変理にかなっており、グランツールで32tのスプロケットが使われた事を考えると、11sレベルのクロスを作り出す為にはやはり12枚はリアに欲しいところです。



しかし、ギア比のワイドレシオ化と同時に、ここ近年ではフロントシングルの波も押し寄せています。
フロントシングルをこれまでのリアと同じ段数で行うと、よほどフロントチェーンリングの歯数選択を間違えていない限り、ギア比カバー範囲の縮小、もしくはワイドレシオ化を選択する事となります。


11sでクロスされたものに慣れきった我々にとって、ギアのワイドレシオ化はデメリットでしか無いため、世間はそれを許さないでしょう。
すると、フロントダブルで重複のあったギア比をうまく処理して、同等のクロス加減を実現するためにはリア13sは不可欠であり、14sが望まれるところなのです。


即ち、11sに慣れた人にとって、13sもしくは14sが実現されるまではフロントシングルというのは時期尚早であるという事が言えるのです。


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この様な背景がある中で登場したローターの13sコンポーネント。

フロントシングル化への道は着々と進み、フロントディレイラやチェーンリング一枚、そして左手の変速装置が不要となったロードバイクはよりシンプルで軽量化され、メリットばかりです、、、。



というのは間違えなのである。


というのも、この13sコンポは致命的な欠陥を抱えているのである。いや、設計に問題がある為、欠陥とは言えないかもしれない。








この写真はシマノが9000系Dura-Aceを発表した時に、リアハブのフランジ幅を広げたことによるメリットを説明している資料です。

実はこの資料は11s化した時に、スプロケットがハブ中心に移動された事により起こるスポークのリムセンターへの入射角の縮小化について触れていません。

当然、横剛性の低下や左右のスポークテンションのバランス悪化などのデメリットばかりである為書かなかったと思われますが、(フランジ幅の拡大と2:1によりデメリットは解消されているらしい)あまりに大きな変化要素ですので手組みではすぐに気づきます。





なんとこの13sコンポは、スプロケットがハブ中心に向けて更なる侵食を遂げているようなのです。

これは上記の理由より、簡単に言うと、スポーク テンションのバランス悪化・横剛性の低下などを引き起こします。

この13sコンポは12sと同じチェーンを使える事をメリットとしているようですが、実は裏ではこの様なことが起きているのです。


この場合のスポークテンションの悪化は、悪化という事実のみならず、駆動剛性の低下や横剛性の低下、そして反フリー側のテンションを保つ為にフリー側のテンションの上昇による高テンション化、それに起因する振動吸収性低下が起こり得ます。




しかし、このコンポは、ハブが142mmスルーアクスルですので、もしかしたら少しはマシなのかも知れません。

以上のデメリットは通常のハブで起こり得る事象です。







ギアの多段化は限度はあれ、悪くないと思います。13s・14sはメリットばかりです。

しかし、それらを実現するために自転車の要であるホイールの性能を低下させるのはどうも納得いきません。


この13sの場合は、スプロケやチェーンを専用設計にすれば、少なくとも他への改悪はなかったはずです。(専用設計ってのは明らかなデメリットだけど、、笑)


恐らく13sを作ってみたかった、、「初」の称号が欲しかった、、とかあまり深い意味はないと個人的には思ってます。





他のメーカーはこのコンポについてどのように思っているのでしょうか。。。