先週は新しい職場で過ごした5日間でした。この仕事を長くやっていますが、やはり新しい環境に飛び込む時は緊張するものです。そのせいか結構疲れが溜まっていたようですが、週末にリフレッシュして今日からの一週間頑張ります。
PMに必要なスキル-11-
ヒューマンスキル⑨
(コミュニケーション・スキル)
PMに必要なヒューマンススキルのうち、コミュニケーション・スキルについて考えています。前回コミュニケーションのありかたの前提として、各メンバーやステークホルダーがそれぞれ相手のことを「尊重」つまりリスペクトすることからスタートするというお話をしました。つまりコミュニケーションのスタートは「性善説」を前提とするということです。これは良好なコミュニケーションを図る上で重要なファクターとなります。
もちろん相互の関係がそのまま良好に進むことが望ましいのは言うまでもありませんが、人間である以上衝突や関係の悪化が発生することは、ある程度仕方がないことです。しかしその時にもこの最初の前提を思い出して、関係修復のための行動を起こすことは有効です。またその時に助けになるのは、もう一つの前提である「プロジェクトメンバーは、プロジェクトの成功のために全力を尽くす」という使命を共有しているということです。
この2つの前提がちゃんと機能するのであれば、万一この2つの前提が成立しなくなった場合、そのメンバーをプロジェクトから「排除」することが必要になります。その判断は難しでしょうがPMの果たすべき責任の一つになります。
さていずれにしてもコミュニケーションの在り方は難しいものです。プロジェクトだからといって通常の社会活動におけるそれと比べて特別なことはないのですが、先に挙げた2つ目の前提事項である、ステークホルダーの多くは共通の目的を持って活動することがより明確であることが違いとなります。この特殊性をよく認識し対応することがPMには求められることになります。
PMはチーム内のコミュニケーションを円滑に行うために、いくつかの事を心掛けることが必要です。一つは各メンバー個人が持つ背景と活動モチベーションとプロジェクト目的との合致性を理解することです。例えば、メンバーが組織のある部署から派遣されてプロジェクトに参画している場合、元の組織の目的とプロジェクトの目的の合致性や組織の中での個人の目標との合致性など、積極的な活動を制限する要因があるのかないのかを知っておくことは重要です。
またメンバーの家族構成や住所など私的な生活の概要も知っておく必要があります。これらの情報は通常は個人情報として秘匿されているため、メンバーとのコミュニケーションを通じて信頼感を醸成し、引き出すことになります。悪い印象を与えることなくさりげなくこれができるPMはコミュニケーション上手と言えるのではないでしょうか。
プロジェクト内でのコミュニケーションで最も難しいのは、プロジェクトが何らかのトラブルで深刻な影響を受けると判ったとき、それを回避する活動を行う時です。この場合プロジェクトの実活動を行うメンバーからプロジェクトの責任者であるオーナーやスポンサー、時には組織の最高権力者まで多彩な立場のステークホルダーと話をし、まとめ、対策を考え、それをネゴシエーションすることになります。
この一連の流れは予め策定するマネジメント方針で定めるプロセスに則って実行するのですが、単に定めたプロセス通りに行えばいいというものではなく、ここでも個人的なコミュニケーションスキルが重要になります。逆に考えると、個人のスキルをサポートするために規定されたプロセスがあるとも言えるでしょう。
特に上位管理者へ状況と対策を説明し、了解を得る行為は非常に気を遣うものです。そのため、キーマンとなる上位管理者とは日ごろからコミュニケーションを図り、信頼関係を気づくことが必要になります。困ったときにだけ援助を求めてもそう簡単にOKとは言ってもらえないものです。このときPMは、冒頭に挙げた前提である「プロジェクトメンバーはプロジェクトの成功のために全力を尽くす」という気持ちを強く持ってことに当たることが必要になることを、心しておくことが必要です。
ヒューマン・スキルは今回で終了です。次回からコンセプチュアル・スキルについて考えていくことにします。
