北海道地震の被害様相が徐々に明らかになってきました。やはりかなり多くのかたが犠牲になられたようで、心が痛みます。生き延びた方の一日でも早い復旧をお祈りしています。電力も大分復旧してきたようですが、老朽化した火力発電所を無理に動かしているようで、今後も油断ができないようです。マスコミはちゃんと報道しないようですが、企業のサーバーなどのストップなどIT関係でどのような事態が引き起こされたか、ちゃんと検証して報道してもらいたいものです。
一方こちら関西地方も台風21号以来、降り続く雨で連日避難準備や避難勧告などが出て落ち着かない日々を過ごしています。先日発生した台風22号ですが、今のところ日本本土は直撃しないようですが沖縄には影響が出る可能性があるようです。大きな被害が出ないことを願っています。
増水した川で佇む白鷺と川鵜
■ビジネスアーキテクチャ -5-
前回、イノベーションの2つのタイプについてご説明しました。一つは既存の技術やサービスを、顧客(ステークホルダー)の要求の変化に合わせて変化、洗練させていく「継続的イノベーション」で、もう一つはこれまで存在しなかった新しいプロダクトやサービスを提供する「破壊的イノベーション」でした。
この2つのビジネス変革の方向性に関わらず、ビジネスアーキテクチャを上手く利用することで、より短期間で効果的なイノベーションを実現できる 可・能・性 が大きくなります。それでは今回はビジネスアーキテクチャの基本的なプロセスについてご紹介していきます。
もちろん、これがベストという方法が一つあるのではなく、目的や条件、コスト、リソースおよびマーケットの状況など、いわゆる”ビジネス・エコ・システム”の状況によりアプローチのありかたは異なります。このことを抑えながら、基本的ないくつかのプロセスについてご紹介していきます。
1.バリュー・マップからのスタート
「継続的イノベーション」「破壊的イノベーション」のどちらを目指すにしても、その目的や方針、方向性などが必要になるのは言うまでもありません。しかし経営上層部もしくは経営企画部などが知恵を絞って方針を立てても、それが理にかなっているか、かなっているとしても実現可能かなど、方針の正当性(絵に描いた餅ではないことを保証する)をある程度のレベルで見極める必要があります。もちろん100%を保証することはできませんが、少なくとも経営者が「よし、やろう」という決断ができるレベルの裏付けは必要になるでしょう。
ステークホルダー(主に顧客)が求める”価値(Value)”とは何かを考え(顧客プロファイル)、その価値を提供するために企業は何ができるかを分析したものが”バリュー・マップ”となります。この、2つを探り出す活動の方法については、「Value Proposition Canvas(VPC:バリュー・プロポジション・キャンバス)」というビジネス本で詳しく説明されてます。また、ネット上でも沢山情報がアップされているので、一度検索してみてください。ポイントは「顧客の価値」と言う考え方です。これまで長いあいだ、商品の機能(価値)をメーカーが考えそれを市場に提供するという考え方でビジネスを行っていましたが、顧客が望む”価値”は何かを中心に添えるということです。
このように話すと 「いやこれまでも顧客第一主義でマーケティングを通して、顧客のニーズに応える製品づくりをしている。」とおっしゃる方もいますが、バリュー・プロポジションでは製品に付加する機能やデザイン、使い勝手(ユーザビリティ)ではなく、顧客が望んでいる生活スタイルを中心に、どのような価値を製品やサービスに求めるのかを探りだすという意味で、従来の顧客優先の考え方とは違うものです。最近よく言われる「顧客体験(CX:Customer Experience)」を重視した考え方に似ています。
例えばオートバイを購入しようという顧客は、バイクを買うのではなくバイクを持つことで可能になるある体験を得たいから買うということです。どのような体験を欲しているのかは顧客によって様々でしょうが、多数の顧客の体験欲求を満たす製品を考えることになります。以前の考え方と違っているはお分かりいただいたでしょうか。さらにこの考え方を掘り下げると、顧客自体もまだ気が付いていない欲求を探り出し、全く新しい製品やサービスを作り出すことも可能になります。すなわち「破壊的イノベーション」の創出ですね。
バリュー・マップで理解した価値創造のアイデアから、「Business Model Canvas(BMC:ビjネス・モデル・キャンバス)」等を使って具体的なビジネスモデルの創造と、検証を行います。これも本やネットにたくさん情報がでていますので、ご参照ください。簡単にいうとVPCで考えた”価値”をどのように作り上げ、顧客の元へ届けるかを検討するための手法です。
ビジネスアーキテクチャでは、このようなマーケティングの流れを受けて出て来た変革のアイデアを検証するため、「バリュー・ストリーム」と「ケイパビリティ・マップ」のマッピングという考え方です。
次回はこのマッピングについて考えを進めていくことにします。
