控室に鞄を置き暫くすると、大仁田さん登場。
挨拶をして少し会話をしたら再び控室を出ていかれた。今日は大将にしては随分と早くから会場に居るようだが、そんな所からも「今日で引退されるんだな」と思うと寂しさを感じずにはいられない。
そして、どのくらい経っただろうか?自分ひとりしか居ない控室でコスチュームの確認をしていると扉が開いたのと同時に「よおっ!」と大きな声が。振り向くと…館長、そう青柳館長が居た。
次に照れ笑いしながら「昨日、急に来てくれって言われてさぁ」と。「館長が来てくれたのでセレモニーも締まるし盛り上がりますよ」と俺が言うとニッコリと笑ってくれた。
誰も来そうになかったので俺は一昨日の名古屋で話せなかったことを話した。それは…ここ後楽園ホールで行われたFMW旗揚げ第2戦で館長対大将のレフェリーをした時からデビューしたら館長と対戦したいと思っていたことと、館長がFMWを離れたことにより、それが叶わなく凄く残念だったことと、接した期間は短かったが他の若手へは「おいっ!」とか呼ぶことが多かったのに俺に対しては「○○(本名)!」と呼んでくれるのが嬉しかったことを伝えた。それを真剣な表情で聞いてくれていた。
自分の出番(バトルロイヤル)も終わりシャワーを浴びたら再び館長と談笑。やがてセレモニーの時間となり俺と館長はホールの隅からそれを眺める。そして館長の名前が呼ばれ俺は大仁田さんが待つリングへ青柳館長をエスコートした。
続く