道真の次に来るものは何か? やはり安倍晴明しかいないでしょうねえ……。 | 「藍染 迅(超時空伝説研究所改め)」の部屋

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小説家ワナビーの「藍染 迅(あいぞめ じん)」です。

書籍化・商業化を目指し、各種コンテストに挑戦しながら、カクヨム、小説家になろう、エブリスタ、アルファポリスなどに作品を投稿しています。

代表作は異世界ファンタジー「「飯屋のせがれ、魔術師になる。」。

晴明は河内の生まれ。

母は泉の国、信太の森に棲む狐だったという伝説がある。

「恋しくば尋ね来てみよ 泉なる信太の森の恨み葛の葉」

狐の正体が露見した晴名の母は、襖にそう書き残して去っていく。

狐=母の名が葛の葉とされている。

「恨み」という言葉が、狐の無念を感じさせる訳だ。

しかし、本当の意味は違うと思われる。

「うらみ」は本来、「裏見」なのである。これは「葛の葉」の枕詞なのだ。

葛の葉は葉の裏側が白く、風に靡くとそれが目立つ。よって、裏見草の呼び名があるのだ。

件の歌は、「葛の葉を訪ねてこい」と言っているにすぎない。

「葛の葉」とは、何か?

女の名ではなく、紡織集団のことを指していたのだろうと推測している。葛はすぐれた天然繊維なのだ。

つまり、晴明の母は信太に住む紡織集団の女であったが、略奪婚により河内に連れてこられた。晴明という子をなしたが、何かの理由で里に返された。

そういう事情が窺える。

晴明は、河内土師氏、すなわち土木・工業技術系の土師氏を父方に持つのであろう。母方に泉土師氏、すなわち紡織系土師氏を持つ、ハイブリッドであったことを象徴しているのだ。

だからこそ、晴明は陰陽道の大家として崇められたのではないか。

この辺は、「鉄と草の血脈-晴明編」とでもして、扱ってみたいテーマである。


これはすべて想像の産物である。