梅原猛「葬られた王朝」を読む。触発はされるが賛同はできないなあ。 | 「藍染 迅(超時空伝説研究所改め)」の部屋

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小説家ワナビーの「藍染 迅(あいぞめ じん)」です。

書籍化・商業化を目指し、各種コンテストに挑戦しながら、カクヨム、小説家になろう、エブリスタ、アルファポリスなどに作品を投稿しています。

代表作は異世界ファンタジー「「飯屋のせがれ、魔術師になる。」。

古事記も日本書紀も藤原不比等が書かせたものだという。

著者は「証明した」というが、せいぜい推測の域でしかない。

古代出雲に王国が存在したというテーゼは、考古学的発見によって実証されつつあるといって良いだろうが、梅原氏の手柄ではない。

天孫一族が九州から畿内まで東征したという説に至っては、まったく賛同できない。古代においてあの距離を、大軍団で長期遠征するなどとても考えられない。

スサノヲをケガレととらえ、祓いの対象とする見方には同感である。大国主命を出雲の大王とするのも良い。

出雲大社を建てたのは誰かという問いかけは、なかなかおもしろい。梅原説は不比等であるが、確かに相当の権力がなければできないことであり、その可能性は否めない。他の藤原氏か、天皇家である可能性もある。

検討してみたいテーマではある。

事実と推測、決めつけが混ざり合った著書なので、内容を自分なりに整理して、参考にすべき部分を抽出してみたい。