松たか子さんが日本アカデミー賞の
最優秀女優賞をとった 『ヴィヨンの妻』
っていう作品がずっと気になってたけど
どうも見に行く気になれないので
太宰治の原作のほうを読んでみた。
思いのほか読みやすい。
小料理屋の亭主の事情説明が
やたら長いが 苦にはならない。
でも、読後感は あまりよくない。
いろいろ思い悩む割には 何もしない男。
何も思いつかないのに何かはじめる女。
多重債務に陥った人たちを
今まで何人も見てきたけど
確かにこの傾向はあります。
とにかく男は 現状を打破しようとしない。
マズイ状況でも現状を維持しようとする。
そのくせ周りの評価をやたら気にする。
『ヴィヨンの妻』 の最後のように
「人非人でもいいじゃないの。
私たちは、生きていさえすればいいのよ。」
と言ってくれる女性がいたら、
どれほどの男が救われるだろうか。