梶井基次郎の名作 『檸檬』
生活破綻者の主人公がレモンに魅せられ
そのレモンを本屋に置いてくるだけのお話
しかも主人公はそのレモンが爆弾のように
爆発する場面を想像しておもしろがっている
こどものころ 教科書かなんかで読んだとき
こんなくだらない話があるか!と思いました
そして 「小説」 が ますます嫌いになりました
でも、この前あらためて読んでみると
なかなかおもしろい話だなあって感心
生活が破綻するくらい落ちぶれると
文化的なものに対する興味を失い
見すぼらしくも美しいものに魅かれていく
そんな人間心理がよくわかるのです