法律の条文は全て論理的に読解できるか?


答えは否。


そこが日本の法律の変なトコ。


たとえば民法第724条


不法行為による損害賠償の請求権は、

被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時から

3年間行使しないときは、時効によって消滅する。

不法行為の時から20年を経過したときも、同様とする。


通常の読解能力がある人ならば


●●さんから被害を受けたことに気付いても

3年間ずっと放置してたら時効にかかるんだな。

たとえ気付かなくても20年たったら時効なんだな。


こんなふうに読むはず。


しかし、最高裁判所はその読みは間違いだという。

20年は 「時効」 ではなく 「除斥期間」 であると。


除斥期間!?


条文のどこを探してもそんな言葉は書いてない。

だって、 「同様とする」 って書いてるじゃんか・・・


法律を学びはじめた人は ココで必ずモヤモヤする。


昨日の最高裁判決では


26年後自首の加害男に賠償命令
最高裁判所が除斥期間を適用せず


最近は 「時効制度」 に関する世間の見方が厳しい。

ましてや 20年経てば有無を言わさず請求棄却!

という意味の 「除斥期間」 は 猛烈な反発をくらう。


それを意識してか、最近の裁判所は

「除斥期間は過ぎてるけど請求は認めますよ」

とか言って、収拾を図ることが増えている。


「特段の事情」 があるときは・・・って

そんなん誰にでも特段の事情はある。


そもそも、第724条を 「除斥期間」 としたことが変。

最高裁判所が自分で自分の首を絞めている感じ。


その点、田原睦夫裁判官の意見 を読むとスッキリした。

債権法がどのように改正されるか確かに見モノではある。