学ぶことを楽しんだ天才チンパンジー、アイちゃんの思い出
好奇心は学びへのギフトこんにちは!元高校生物教諭36年/Eテレ講師25年生き物に学ぶ講演家岡幸子ですプロフィールはこちら今朝、新聞を開いて、思わず手が止まりました。旧・京大霊長類研究所にいた天才チンパンジー、アイが、1月9日に旅立った。49歳だった――。そんな記事が目に入ったのです。アイちゃんとは、NHK高校講座「生物」の取材などで、三度会っています。今日は、そのときの思い出を書いてみようと思います。私が初めてアイちゃんに会ったのは、まだ、私もアイも母親になる前の、娘時代でした。1994年11月のことです。場所は、愛知県犬山市国宝、犬山城がある美しい街です。その街に、世界屈指のサル類動物園、日本モンキーセンターがあって、すぐ隣に併設されていたのが京都大学霊長類研究所でした。霊長研は、実際に訪れてみると、「研究施設」という言葉から想像するより、ずっと開放的な場所でした。当時、アイたちチンパンジーの群れが暮らしていた屋外運動場は、アフリカの森を思わせるような環境が再現されていました。チンパンジーたちは、居心地のよさそうな広い運動場で、食べ物にも困らず、のびのび暮らしているように見えました。印象的だったのは、強制されなくてもアイが自分から研究室へやってくる姿でした。時間になると、運動場から通路を通って、研究室の部屋にやってくるのです。まるで、お母さんと遊ぶのを楽しみに「今日は何をするの?」と、子どもが目を輝かせているようでした。「勉強させられている」のではなく、学ぶことそのものを楽しんでいる。他のチンパンジーたちと比べても、絵文字で文章を作れるアイの言語能力は群を抜いていました。それは、きっと、アイの好奇心が、ひときわ強かったからだろうと思います。忘れられないエピソードが、二つあります。一つ目は、「リンゴ」。研究室に置かれていた段ボールのひとつに、アイが使っていた絵文字で「リンゴ」を表す記号が黒いマジックで描かれていました。何気なく見ていると、当時アイプロジェクトのリーダーだった松沢哲郎先生が、こんなふうに教えてくださいました。「それ、青森の方が送ってくれたんですよ」当時、NHKスペシャルで「ことばを覚えたチンパンジー」としてアイの特集がよく放送されていました。それを見た方が、「アイちゃんに」と、リンゴを送ってくれたんですね。アイにわかる絵文字を箱に描いて!画面の向こうで見ていた人たちが、まるで親戚の子のようにアイを見守っていたのか…そう思うと、胸の奥があったかい気持ちになりました。二つ目は、「チンパン人」という言葉です。取材にあたり、松沢先生は、最初にこう話されました。「自分にとってチンパンジーは、チンパン“人”です。一人、二人、と数えてください」それが大前提。叶わないなら、取材はお断りします、と。チンパンジーをただの研究対象としてではなく、対等な存在として敬意を払う。その姿勢が、研究所全体に、そしてアイちゃんとの関係に、貫かれているのを強く感じました。そうであっても、番組制作の現場では、簡単にはいかない事情もありました。さまざまな動物の行動を紹介した流れの中で、知能行動の一例としてアイを紹介するのです。だから、チンパンジーだけを特別扱いできないという…それもまた、ひとつの正論です。そこで本番では、「チンパン人」という考え方を松沢先生の言葉として、私が伝える形にしました。結果的に、松沢先生のチンパンジーへの深い愛情が、際立ったように思います。その後、私が母親になった1年後に、アイも初めての子を産みました。2000年4月に生まれたアユムです。アユムは、アイのそばにいて、キーボードを使った学習を遊びながら覚えてしまいました。瞬時に複数の数字を覚えるテストでは、人間に勝る記憶力を見せてくれました。もう、霊長研に取材に行くことはありませんでしたが時々放送される番組で、その成長を見るのが楽しみでした。👉こちらで、15歳のアユムと記憶力の勝負ができます まだ、誰も勝てた人がいません(^^)「京都大学のチンパンジーと記憶力勝負|脳トリック」- YouTubeYouTube でお気に入りの動画や音楽を楽しみ、オリジナルのコンテンツをアップロードして友だちや家族、世界中の人たちと共有しましょう。www.youtube.com2022年、とても悲しいことがありました。京大霊長類研究所が、不正問題をきっかけに解体・再編されたのです。1967年から続いた長い歴史は、ひとつの区切りを迎えました。世界に誇る研究拠点が、そうした形で終わったことには今でも残念な気持ちです。ただ、アイ自身は、その後も仲間たちと犬山の地で暮らし、研究者や飼育スタッフに見守られながら、穏やかな晩年を過ごしたと知って、安心しました。最期は、高齢による多臓器不全。スタッフに見守られながらの旅立ちだったと聞き、天寿を全うしたのだと思いました。せめてもの救いです。学ぶことを楽しみ人と心を通わせ人間とは何かを言葉ではなく存在そのもので問い続けてくれたアイちゃん。「学び」や「好奇心」は、教え込むものではなく、本来、こんなふうに芽吹くものなのかもしれません。ありがとう、アイちゃん。どうか、安らかに。🍀人気記事はこちら🍀『反発したり甘えたり…その“ナゾ行動”は、思春期の入り口かも?【自立を後押しするコツ3選】』コアラに学ぶ!小学生男子って、言えば反発、黙れば甘えてくる…そんな“ナゾ行動”に振り回されていませんか?こんにちは!元高校生物教諭36年/Eテレ講師2…ameblo.jp『平和な時代の子どもが、なぜ死を選ぶのか──『李香蘭』とゾウの死から命を考える』仲間と生きる思春期ママの不安を消して笑顔に変える思春期子育てコーチ元高校生物教諭36年/Eテレ講師25年生き物に学ぶナビゲーターアニマル先生・岡ちゃん…ameblo.jp『誰かに思いを伝える場があるのがとてつもなく幸せと思うのは、人間が社会的な動物だから』マルシェ登壇で見えた世界思春期ママの不安を消して笑顔に変える思春期子育てコーチ元高校生物教諭36年/Eテレ講師25年生き物に学ぶナビゲーターアニマル先…ameblo.jp『いじめや危険から「逃げろ、生きろ」生物から学ぶ自分を守る方法とは? 親子で考えるきっかけになる本』逃げていいんだよ思春期ママの不安を消して笑顔に変える元高校生物教諭36年/Eテレ講師25年生き物に学ぶナビゲーター岡幸子ですプロフィールはこちら…ameblo.jp『夏の「すごい!読書感想文教室」の実りが、クリスマス・イブのプレゼントに!』どんな風船を膨らませる?思春期ママの不安を消して笑顔に変える元高校生物教諭36年/Eテレ講師25年生き物に学ぶナビゲーター《子育てアニマルコーチング》…ameblo.jp★虚言癖なんて言わないで!子どもの嘘を改善する3つの簡単ステップ★塩対応も甘えも成長の証! 思春期の子と向き合う3つの秘訣★ママのひと工夫で! 子どもを本好きにする3つの魔法プレゼントにも最適💕親子の会話が増える本監修:馬場悠男/執筆:岡幸子岡幸子 公式メルマガ【Magical Life】Dream・Smile・Beautiful人生を楽しみたい方ぜひご登録ください✨ ↓↓↓ ここをクリック ↓↓↓岡 幸子 岡幸子 公式【✨Magical Life✨】 - リザスト教育|生物|思春期|ノート|方眼ノートトレーナー 生物講演家・著者・方眼ノートトレーナー 岡 幸子www.reservestock.jp岡 幸子 lit.link(リットリンク)生き物に学ぶ教育ナビゲーター、著者『けなげに生きぬくいきもの図鑑』|元高校教師36年|NHK高校生物講師25年|教科書執筆|ガラパゴス推し、SNS、YouTube、ブログ、商品、HPなど、いま見て欲しいリンクを、まとめてシェアlit.link