夏も、もう終わりだね。 | 陽炎の帯の上へちらりと逆まに映る鴉の影―どーすかΩ

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この部屋の中にいるヤツに会いたいのなら もっと、寿命をのばしてからおいで


こんばんはー、ひょろです。


まあ、今日は午前中は寝てて、

夕方から本屋に行ってきただけです。


宿題も終わらせなくちゃね。


とりあえず、寝るかノシ


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ミーンミンミンミン・・・。


蝉が僕を非難するように鳴き続ける。


川がぎらぎらと照りつける西日を反射してまぶしい。

時折、道の正面から車が通り過ぎて、僕に排気を吹き付ける。



僕は、今高2だ。色々考えなくちゃいけない時期だ。

モラトリアムを延長するために、受験がやってくる。



このブログを少し読みかえしてもらえばわかると思うけれど、

僕はろくでもないヤツだ。


やる気がない、何も考えずに発言する、ろくなことをしない、

責任から逃げようとする、ひねくれている、使えない、

根性がない、根が腐ってる、・・・いくらでも出てくる。



僕も一応、自己嫌悪の念を抱く。

自己嫌悪。

自己の正当化、現実から目をそらしているだけ、

まあ、なんと訳しても構わない。



僕は、・・・、









今日、ひょろは駅前の本屋で英語のテキストを買ってきた。

・・・高い気休めだ。


CDが二枚ついているようだ。


果たしてひょろはこれを再生するんだろうか?

もし、このCDに何も録音されていなかったとしても、

気づくことができないかもしれない。






「君がどんな未来を望もうと僕は構わないけれど、


君が、死ぬほど望んで、


叶わなかったチャンスなんだ。


よく、考えて決めて欲しい。」





肩にかけたバックから鍵を取り出して、錠を開ける。


汗で手に金属の匂いがつく。僕は顔をしかめながら扉を開く。


(・・・わかってる。


自分のおろかさを呪ってるだけではダメなんだ。

なんでもいい、前に進む行動をとらないといけない。)



僕はカゴの中に着替えを置き、汗を吸った服を洗濯機に投げ込む。


シャワーのスイッチをひねる。

しばらくして湯気が上がり始める。


僕は頭からシャワーを浴びる。


シャワーの水の粒が体についたゴミと汗を流して落としてくれる。



しばらくして、ひょろから情けない嗚咽が聞こえる。


ふん、こいつのことだ。

ごまかす演技かもしれない。



おい、ひょろ、泣いてごまかそうとすんなよ!

そんなの、ずっと前からじゃねえか。


お前が、望んで、でも・・・!


お前は、また逃げるのかよ!!!


罵倒する声が響く。

ひょろの嗚咽が一段とひどくなる。




ねえ、ひょろ、一緒に行こうよ。


私は、君の涙を信じるよ?


ひょろが咳き込む。



彼女は、こちらに向かって優しく微笑む。



僕は混乱する。



湯気で曇った鏡をみて気づく。


惨めに泣いていたのはひょろではなく、僕の方だったことに。


風呂を出て服を着て、扇風機に当たりながら考える。


僕の涙は?


僕は、