ご無沙汰しております。
もうすぐ春ですね。
同業他社の皆様も3月終わりに近づき、無事納品できましたでしょうか?
いよいよ来週からは新年度となり、また気持ち新たに頑張りたいと思っています。
さて、今回は最新技術の紹介をしたいと思います。
2018.11より「みちびき(準天頂衛星システム)」が4基体制で運用されていますがご存知でしょうか?
GPSなどの信号を補強するもので、日本に特化した衛星となります。
そして、この「みちびき」を利用して位置を特定する「センチメータ級測位補強サービス」が近年注目されています。
これまでのGNSS測量では、インターネット等を利用したVRSやRTKなどの測量が主体となっておりましたが、この「センチメータ級測位補強サービス」は「CLAS(シーラス)」と呼ばれ、なんとインターネット通信が不要なのです。
以下に詳しい内容を掲載しておきます。
「センチメータ級測位補強サービス」とは
高精度な衛星測位を行うため、国土交通省国土地理院が全国に整備している電子基準点のデータを利用して電子基準点を用いて補正情報を計算し、現在位置を正確に求めるための情報(センチメータ級測位補強情報)をみちびきから送信します。センチメータ級測位補強を送信するL6D信号は、GPSから配信している信号ではないため、専用の受信機が必要になります。
このサービスは、測量、情報化施工(建設機械を高精度に操作して施工する手法)、IT農業(農機を高精度に操作して農地管理をする手法)での利用を想定しており、L6D信号を受信することができる端末で利用することができます。また、搬送波測位という測量技術による手法を用いるため、アンテナや受信機のサイズは大きくなることから、モバイル機器ではなく、測量機材としての利用や車載での利用を想定しています。
センチメータ級測位補強では、測量の技術を使用することにより、誤差数cmで測位を行うことが可能となります。ただし、基準となる経緯度座標の方が昔の測量技術で決定されている場合には、精度の高い経緯度座標が求められるとは限りませんが、地球中心座標として高精度な測位補強を行うことができます。このため、現地測量に利用する場合には、3~4級の基準点測量や写真測量の標定点測量への利用を検討しています。
内閣府 宇宙開発戦略事務局 インターネット掲載文より
どうですか?画期的なシステムではないですか?
縮尺の少し大きな応用測量ならば、本当に基準点が不要になるかもしれません。
そして最大限に力を発揮すると考えられるのが、災害時の現場対応です。
基準点等が地震や土砂災害によって流出している可能性がある場合に即座に測ることが可能です。
また、設計業務等の現地調査では、例えば山地の表層崩壊の位置特定にGPSを単独測位で受信するガーミンを使用していましたが、その精度は1~10mもあり参考程度としかなりませんでした。しかし、このCLASを使用すれば位置の特定が可能となり、その後の作業において迅速に設計等へ反映されることが期待できます。
このCLASが一般的に普及すれば、気軽に精度の高い測位が可能となり作業効率が飛躍的にアップするのではないでしょうか?
楽しみでなりません。受信機も比較的安価であり我が社でも導入を検討してもよいのではと考えています。
3次元点群測量に、CLASにと測量技術の向上は目覚しいですね。
それでは失礼します。
片山