いつもお財布に入れてある母からの手紙。
手紙というよりはレポート用紙にメモ程度に書いてある。
2006年の10月。
私がカナダに行く日は母が夜勤で居なかった。
前の日の夜から仕事だったので、前日家に帰ったらスーツケースの上にそっと置いてあった紙。
その時の家族の状態は最悪だった。
私の家族に対する気持ちも最悪だった。
父は働かない状態がずっと続き、生活の為の借金だらけ。
私は手術をした後で、手術費も入院費もカナダ行きの資金から支払わなくてはいけなかった。
家族が大嫌いだった。
色々な資金を工面しなくてはいけない状況で、一円すら助けてくれようとしなかった。
父は働こうともしなかった。
母はそんな私にお金を貸してと言ってきていた。
家族から逃げたかった。
息が詰まりきっていた。
私の両親に対する不信感がピークだったのかもしれない。
カナダに行く事に対しても特に話をしなかった。
話しを両親としたくなかった。
母は手紙に話したくないのかな?こんな母親じゃ話したくないよねって書いてあった。
どんどん成長して手の届かない存在になっていくって。
でも、お金はなくても命は一番あなたを愛してるからって。
生まれて初めて手紙を私に書いてくれて、愛してくれるって言ってくれたことが嬉しかった。
私は泣いて泣いて、次の日もずっと泣いていた。
あれから2年経った今。
父は働き始め、家族は明るくなった。
金銭的にまだまだ余裕はないけど、家族みんなで働いているから家の中の雰囲気が明るい。
2年前を振り返ると、こんな風に今幸せだと痛感できる事なんて想像できなかった。
今年の10月まで、ずっと最悪な状況ばかりを考えていた。
逃げられない現実。
でも、逃げたくなるような現実。
家族という責任。
血縁という逃げられない絆。
色んなしがらみに家族中が苦しんでいた。
でも、今はみんな幸せだと思う。
みんなが前向きに進んでいる。
本当に幸せ。
クリスマスに家にいようが、バイトしようが本当に気にならない程の幸せ。
特別な事があったわけじゃない。
家族がそれぞれの役割を毎日して、家に帰ってくることが幸せ。
私も自分の家族が欲しいな。
今の家族に家族を増やしたいな。
の、連続です。
